CHAPTER 5
ChatGPTで業務テキストを生成する — 応募文・ヒアリングメール・提案文をAIに書かせる
LESSON 5-2 ChatGPTで業務テキストを量産する ⏱ 所要時間:約60分
GOAL
このレッスンのゴール
  • 架空案件「Bistro Yuagari」をテーマに、ChatGPTで応募文をカスタマイズして保存できる
  • 受注前のヒアリングメールをChatGPTで生成して保存できる
  • 複数案を提案する提案文をChatGPTで生成して保存できる
  • AI生成テキストを自分らしくカスタマイズする手順を理解している

01. なぜAIで業務テキストを書くのか

応募文・ヒアリングメール・提案文は、案件1件ごとに毎回ゼロから書く文章ではありません。土台をChatGPTで生成し、案件ごとに必要な箇所だけ差し替えるほうが、速くて品質も安定します。空き時間が限られる副業ワーカーにとっては時間効率の差が受注数に直結します。

✓ Point !
5-1で書いた自己PR文との関係

5-1ではプロフィールに常設する自己PR文をAIで生成しました。今回の5-2では案件ごとに送る業務テキストをAIで生成します。プロフィールが常設の広告だとすれば、業務テキストは案件ごとに送るカスタムレターの関係です。

! 注意
AIの出力をそのまま送らない

ChatGPTが生成する文章はあくまで土台です。AI調の言い回しや、案件と関係ない一般的な営業文が混ざることがあります。送信前に必ず自分で一読してカスタマイズします。カスタマイズの観点はセクション06で扱います。

02. 架空案件「Bistro Yuagari」の依頼書

このレッスンでは1つの架空案件を題材に、3種のテキストを順番に作っていきます。実際のクラウドワークスのプロジェクト型案件の依頼書は、コンペほど詳細に書かれていないことがほとんどです。最低限の情報だけで応募し、足りない情報は採用後のヒアリングで聞き出すのが基本フローです。

CASE BRIEF
クラウドワークス上に公開されている案件本文
【急募】Instagram投稿用バナー制作(飲食店)

店名:Bistro Yuagari
内容:秋の新メニュー告知のInstagram投稿バナー(1080×1080px)を1〜2点お願いします。

予算:3,000円
納期:依頼確定から10日以内

備考:
- メニュー:栗のクリームパスタ、かぼちゃのポタージュ、洋梨のタルトなど
- 雰囲気はおまかせします
- 修正は2〜3回まで対応可能な方
- 簡単な依頼書だけのご対応となりますがご了承ください

ご応募お待ちしております。
✓ Point !
依頼書はそのままプロンプトに貼り付ける

キーワードを抽出して整理する必要はありません。上の依頼書本文をそのままコピーして、各プロンプトの[案件詳細]欄に貼り付けるだけでOKです。ChatGPTが文面から必要な情報を読み取って文章を組み立てます。

03. 応募文をChatGPTで生成する

応募文は発注者が応募者を一次選考するときに読む文章です。プロフィール内容と重複しすぎず、この案件のために書いていると感じてもらえる構成にします。

A
応募文を生成する手順
  1. 下のプロンプトのコピーボタンを押して全文をクリップボードに取り込みます。
  2. ChatGPTを開き、新しいチャットに貼り付けます。
  3. プロンプト末尾の[案件詳細]欄に、セクション02の依頼書本文をそのままコピーして貼り付けます。[自分の強み]にはこのコースで身につけたCanva+ChatGPT Images 2.0のスキルを書きます。
  4. 生成された応募文を読み、案件と関係ない一般的な営業文や、自分の言葉と乖離した表現があれば後でカスタマイズします(セクション06で実施)。
CHATGPT PROMPT — 応募文の作成
# 命令
あなたはクラウドソーシングで安定的に受注しているデザイナーです。
以下の【案件詳細】と【自分の強み】を元に、クラウドワークスのプロジェクト型案件に送る応募文を作成してください。

# 応募文の構成(必ずこの順番)
1. 冒頭の挨拶(クライアント名を入れる)
2. この案件のどこに惹かれたか(依頼書の具体的な記述を1つ引用する)
3. 自分のスキルと、この案件にどう活かせるか(Canva+画像生成AIで複数案を素早く提案できる強みを明記)
4. 制作実績へのリンク(ポートフォリオURL【受講生がforiioのURLに差し替え】)
5. 修正回数と納期の方針(修正2〜3回まで/納期は応相談)
6. 結びの挨拶

# トーン・分量のルール
- 文字数:400〜500字
- トーン:誠実・落ち着いた・押し付けがましくない
- 「ぜひ」「絶対」「必ず」などの強い営業表現は使わない
- 一般論ではなく、この案件特有の要素を1つ以上盛り込む
- AI使用は「画像生成AIとCanvaを組み合わせて短期に複数案をご提案できます」と1文添える

# 出力前の確認
- クライアント名が冒頭に入っているか
- 依頼書の具体記述が引用されているか
- ポートフォリオURLの差し替え位置が明示されているか

# 案件詳細
[クラウドワークスの案件本文をそのままコピーして貼り付け]

# 自分の強み
[Canva・ChatGPT Images 2.0のスキル/前職経験で活かせる部分/作業可能な時間帯/レスポンス速度]
✓ Point !
応募文で依頼書の具体記述を引用する意味

テンプレ感のある応募文は発注者の選考リストから外れます。「秋の新メニュー告知の温かみある雰囲気に共感した」など、依頼書の具体記述を1か所引用するだけで、テンプレ送信ではないと伝わります。

! 注意
応募文には生成AIの使用を1文明記する

応募文の段階でも、生成AIを使って制作する旨を1文添えます。クラウドワークスのAIポリシーでは、AI利用を隠さず透明性の高いコミュニケーションを心がけることが推奨されています。プロフィール(5-1)で開示したうえで応募文でも重ねて伝えると、採用後に認識違いになるのを防げます。

「画像生成AI(ChatGPT Images 2.0)とCanvaを組み合わせて制作いたします。AIを使用することで短期間に複数案ご提案することが可能となりますのでご了承の程、よろしくお願いいたします。」のように、強みとセットで書くことがおすすめです。

04. ヒアリングメールをChatGPTで生成する

クラウドワークスのプロジェクト型案件の依頼書は、セクション02のように最低限の情報しか書かれていないことが大半です。ターゲット・雰囲気・支給素材・必須要素などは依頼書に書かれていないので、応募採用後にヒアリングメールで詳しく聞き出します。ここを丁寧にやると、後の大幅修正がほぼなくなります。

B
ヒアリングメールを生成する手順
  1. 下のプロンプトをコピーしてChatGPTに貼り付けます。
  2. [案件詳細]欄にセクション02の依頼書本文をそのままコピーして貼り付けます。
  3. 生成されるヒアリング項目(質問リスト)を確認し、案件に不要な質問は削除します。
  4. 質問が多すぎると発注者の負担になるので、5〜8項目に絞るのが目安です。
CHATGPT PROMPT — ヒアリングメールの作成
# 命令
あなたは受注経験豊富なバナーデザイナーです。
以下の【案件詳細】を元に、応募採用後にクライアントへ送るヒアリングメールを作成してください。依頼書に書かれていない詳細(ターゲット・雰囲気・支給素材の有無など)を聞き出すのが目的です。

# ヒアリングメールの構成
1. 御礼の冒頭挨拶(応募採用への感謝)
2. 制作着手前に確認したい質問リスト(5〜8項目)
3. 回答期限の目安(無理のないペースを提示)
4. 結びの挨拶

# ヒアリング項目に必ず含める観点
- 制作物のサイズ/提出フォーマット(PNG・JPG・PDFなど)
- 文言の確定(キャッチコピー・メニュー名・店舗情報の最終確認)
- 必須要素(ロゴ・営業時間・電話番号・SNSアカウント等の掲載有無)
- 色味・トーンの好みの幅(参考にしたい既存バナーがあるか)
- 提出時のバリエーション数(1案/2案/3案)
- 修正のやりとり方法(チャット・メール・電話)
- AI生成素材の使用可否(明示の取り決め)

# トーンのルール
- 質問を箇条書きで並べる(読みやすさ優先)
- ビジネスメールとして丁寧だが、堅すぎない
- クライアントが回答しやすいよう、選択肢を提示できる質問は選択肢付きにする
- 「お忙しいところ恐縮ですが」など過度な恐縮表現は避ける

# 出力前の確認
- 5〜8項目に絞られているか
- 不必要に難しい専門用語が混じっていないか
- 回答期限が明示されているか

# 案件詳細
[クラウドワークスの案件本文をそのままコピーして貼り付け]

05. 提案文をChatGPTで生成する

提案文は、複数案を提示しながらクライアントに方向性を選んでもらうための文章です。AIで素早く複数案を作れる強みを最も活かせるフェーズです。

C
提案文を生成する手順
  1. 下のプロンプトをコピーしてChatGPTに貼り付けます。
  2. [案件詳細]にセクション02の依頼書本文をそのままコピーして貼り付け[制作した案]に2案分のコンセプト(ChatGPT Images 2.0で生成した方向性のテキスト要約)を書き出します。
  3. 生成された提案文を読み、案ごとの差別ポイントが明確に伝わるか確認します。
CHATGPT PROMPT — 提案文の作成
# 命令
あなたは複数案を提示してクライアントの意思決定を助けるベテランデザイナーです。
以下の【案件詳細】と【制作した案】を元に、2案を比較しながら提示する提案文を作成してください。

# 提案文の構成
1. 冒頭の挨拶+全体の方向性サマリー
2. 案1の説明
   - コンセプト(一言)
   - 雰囲気・色味の方向性
   - ターゲットへの訴求ポイント
   - 想定するシーン(このバナーを見た人がどう感じるか)
3. 案2の説明(同じ構造で)
4. 2案の使い分け方(どちらが何に向くか)
5. クライアントへの質問(どちらの方向で進めたいか/別案も検討するか)
6. 結びの挨拶

# トーン・分量のルール
- 全体700〜900字程度
- 各案の説明は150〜200字
- クライアントが直感的に判断できるよう、各案の<差別ポイント>を冒頭で明示する
- 「どちらも良いと思います」のような選びにくくする表現は使わない
- 自分の推し案がある場合は最後に控えめに添える(押し付けない)

# 出力前の確認
- 2案の差別ポイントが冒頭で明示されているか
- クライアントが選びやすい質問形式で締めているか

# 案件詳細
[クラウドワークスの案件本文をそのままコピーして貼り付け]

# 制作した案
案1:[コンセプト・色味・雰囲気・訴求ポイント]
案2:[コンセプト・色味・雰囲気・訴求ポイント]
✓ Point !
提案文で差別ポイントを冒頭に置く理由

2案を並べたときに「どちらも良いと思います」というニュアンスを残すと、クライアントは選びにくくなります。各案の差別ポイントを冒頭で明示すると、判断のスピードが上がり、修正回数も減ります。

06. 3種のテキストをカスタマイズして保存する

AIで生成した3種のテキストは、そのまま送らずに自分の言葉でカスタマイズしてから保存します。カスタマイズの観点と保存先を決めて、5-4の応募で使える状態にしておきます。

D
カスタマイズの観点
  1. AI調の言い回しを置き換える:「〜することができます」「〜と申し上げます」「〜の所存です」などの硬すぎる表現を、自分の話し方に近い言葉に直します。
  2. 一般的すぎる営業文を削除する:「ぜひお力になりたいです」など、どの案件にも使える文は、この案件に関係のある具体的な記述に置き換えます。
  3. 具体名詞を入れる:「貴店」「貴社」を「Bistro Yuagari様」のように案件固有の固有名詞に差し替えます。
  4. 長すぎる文を分ける:1文が3行を超えていたら2文に分けます。
E
3種のテキストを保存する
  1. 作業フォルダ(Chapter 1-3で作った「AIデザイン_練習」)の中に、応募関連のテキストを保存するフォルダを新しく作ります(フォルダ名は任意。例:05_apply/texts/)。
  2. apply_template.txt(応募文)/hearing_template.txt(ヒアリングメール)/proposal_template.txt(提案文)の3ファイルに、カスタマイズ済みのテキストを保存します。
  3. 各ファイルの冒頭に「Bistro Yuagari案件 — 2026/MM/DD作成」のようにメモを残します。後から別案件で再利用するときに差し替え箇所が分かります。
✓ Point !
次レッスンへの接続

このレッスンで作った応募文・ヒアリングメール・提案文は、5-4の通常応募(cap-09)と5-5のコンペ応募(cap-10)でそのまま使えます。次の5-3では単価の考え方と見積書テンプレートを設計します。

Q
確認クイズ
ChatGPTで生成した応募文をそのまま送らず、自分の言葉に直す主な理由は何でしょうか。
正解です
AI生成のままだとどの案件にも送れる一般文になりやすく、テンプレ送信と判定されて選考から外れます。依頼書の具体記述を引用したり、自分の言葉でカスタマイズすることで、この案件のために書いたと伝わります。
惜しい
クラウドワークスの規約やChatGPTの利用規約でAI生成テキストの送信が禁止されているわけではありません。問題は、AI調の硬い表現や案件と無関係な一般営業文が混じり、テンプレ送信に見えてしまうことです。
SUMMARY
  1. 応募文・ヒアリングメール・提案文はChatGPTで土台を生成し、案件ごとにカスタマイズする運用にする
  2. クラウドワークスの依頼書は最低限の情報しか書かれていないことが大半。本文をそのままプロンプトの[案件詳細]に貼り付けるだけでOK
  3. 応募文は依頼書の具体記述を1つ引用してテンプレ送信に見えないようにし、生成AIの使用も1文明記する(プロフィールに続く2層目の開示)
  4. ヒアリングメールは依頼書に書かれていない詳細(ターゲット・雰囲気・必須要素・支給素材・AI使用可否)を聞き出す役割。質問は5〜8項目に絞る
  5. 提案文は2案の差別ポイントを冒頭で明示し、クライアントが選びやすい質問形式で締める
  6. 3種のテキストはカスタマイズ後にtextsフォルダに保存し、5-4の応募で再利用できる状態にする
CHECK
理解度チェック
応募文で依頼書の具体記述を1つ引用すると効果が出るのはなぜですか?
テンプレ送信に見えないからです。発注者は1日に何十件もの応募を見ており、どこにでも送れる一般的な営業文は流し読みされます。依頼書に書かれた具体的な単語(例:秋の新メニュー告知の温かみある雰囲気)を1か所引用するだけで、この案件のために書いたと伝わり、選考に残りやすくなります。
ヒアリングメールで質問項目を5〜8個に絞る理由は?
質問が多すぎると発注者の回答負担が増え、返信が遅れたり打ち切られたりするからです。本当に必要な観点(提出フォーマット・文言確定・必須要素・色味・バリエーション数・修正方法・AI使用可否)に絞ることで、回答率と契約スピードが上がります。
提案文で2案の差別ポイントを冒頭で明示する意味は?
クライアントが選びやすくなるからです。冒頭で各案の違い(例:案1は温かみ重視/案2は上品さ重視)を1行で示すと、本文を読む前に判断軸が形成され、結果として返信スピードと修正回数の少なさにつながります。