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税務知識
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目次

1. 支払う税金の種類

a. 所得税

所得税は得た所得に対して国に支払う税金のことを指します。

所得税は収入から必要経費や各種控除などを差し引いた課税所得に対して計算されます。

課税所得 = 収入 - 必要経費 - 各種控除と考えることができます。
 (4608)

所得税は上の速算表に基づき計算することができます。

(引用:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm)

所得税を減らすことができる控除について
さまざまな条件をもとに控除が適用されます。適用可能なものについては申告をして節税するように努めましょう。
さまざまな控除をご紹介
  • 雑損控除 災害または盗難もしくは横領によって、「雑損控除の対象になる資産の要件」にあてはまる資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除を受けることができます。

  • 医療費控除 その年の1月1日から12月31日までの間に自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができます。

  • 社会保険料控除 納税者が自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます。

  • 小規模企業共済等掛金控除 納税者が小規模企業共済法に規定された共済契約に基づく掛金等を支払った場合には、その支払った金額について所得控除が受けられます。

  • 生命保険料控除 納税者が生命保険料、介護医療保険料および個人年金保険料を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。

 (4614)

  • 地震保険料控除 納税者が特定の損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料または掛金を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。

  • 寄附金控除 納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合には、所得控除を受けることができます。

  • 障害者控除 納税者自身、同一生計配偶者または扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。

  • 寡婦控除 あなたが寡婦であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。

  • ひとり親控除 納税者がひとり親であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。

  • 勤労学生控除 納税者自身が勤労学生であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを勤労学生控除といいます。

  • 配偶者控除 納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。

  • 配偶者特別控除 配偶者に48万円(令和元年分以前は38万円)を超える所得があるため配偶者控除 の適用が受けられないときでも、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられる場合があります。

  • 扶養控除 納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。

  • 基礎控除 確定申告や年末調整において所得税額の計算をする場合に、総所得金額などから差し引くことができる控除の一つに基礎控除があります。

  • 青色申告特別控除 青色申告で確定申告を行う人に、65万円か10万円の控除を適用できます。

(引用:国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1100.htm)

b. 住民税

個人住民税は、個人が都道府県と市区町村に支払う税金のことです。地方行政が提供しているサービスを賄うために存在しています。

個人住民税には均等割と所得割の2つの種類があります。均等割は非課税限度額を上回るものに対して一律で負担を求めるものです。

一方所得割は納税義務者の所得金額に応じた税額の負担を求めるものとなっています。

c. 個人事業税

個人の方が営む事業のうち、地方税法等で定められた事業(法定業種)に対してかかる税金です。現在、法定業種は70の業種があり、ほとんどの事業が該当します。

事業所得が290万円を超えると個人事業主に課されます。事業税は都道府県が税額を計算し、その通知を受けて個人事業主は納付する必要があります。ほとんどの業種は3-5%程度です。

d. 消費税

原則として前々年度の売上が1,000万円以下なら納税義務は免除されることになっています。

前々年度の課税売上高が1000万円を超える場合、前年1月1日から6ヶ月間の課税売上高が1000万円を超えた場合には消費税の支払い義務が発生します。

e. 固定資産税

土地や建物を有している場合には固定資産税がかかります。市町村などから納付額が記載された書類が送付されるのでそれに沿って税金を納めましょう。

2. 経費

経費とは事業運営上必要で発生した費用のことです。WEBデザインの仕事のために使用したツールの費用、参考図書、交通費などが例えば該当します。

フリーランスでは自身で所得を計算し確定申告を行なって納税額が決定します。課税所得は年間の総所得から必要経費や控除を差し引き計算します。

経費計上を行うには経費であることを証明する証拠書類が必要になります。そのため領収書やレシートは保管しておくようにしましょう。

証拠書類には以下の項目の記載が必要です。
証拠書類に必要な記載
  • 支払った日付
  • 宛名
  • 金額
  • 但し書き
  • 支払いを受けた人の名前や会社名

領収書がない場合は支払いを客観的に証明できればOKです。クレジットカードの利用明細、ATMで振込の時の振込み明細書などでも有効です。

経費の証拠書類として認められるものは以下のようなものがあります。

経費の証拠書類
  • 領収書
  • レシート
  • 納品書
  • 出金伝票
  • クレジットカード利用伝票
  • ATMの振込明細書や通帳の記録
  • インターネット通販の購入確認メールなど

a. 経費の勘定科目

勘定科目は種類や名称に関して法律があるわけではないため事業内容に応じて自由に追加することが可能です。

ただ毎年勘定科目の名称を変えたりすることはダメなので一度定めたルールに沿って管理していくことが必要です。

フリーランスとしてよく発生しやすい経費について紹介しますが、網羅的に把握したい場合は国が運営しているWEBサイトなどを見ると良いでしょう。
通信費
仕事で使用しているインターネット回線、スマートフォンの通信量、郵便代などは通信費として経費計上可能です。

ネット回線やスマートフォンを事業とプライベートで兼用している場合は家事按分を行うことができます。
家事按分とは?
プライベートと仕事双方にかかっている費用があった場合に、合理的基準をもって区別した上で必要な分を経費として按分することができます。
広告宣伝費

WEB広告、広告のためのチラシ、パンフレットなどを広告費として計上することが可能です。

  • パンフレット制作代
  • チラシ制作代
  • ホームページ制作代
  • PR表

などが該当します。

販売促進費

販売促進費は商品の販売を促進するための費用です。

広告宣伝費は企業や商品の名称を広めるためのものですが、販売促進費は販売を促進して売上を増やすための費用です。

  • 商品サンプルの配布
  • ノベルティの制作・配布
  • 景品の配布
  • キャンペーン費用

などが該当します。

接待交際費
接待を目的とした食事費用などは経費計上することが可能です。
減価償却費
PC、建物、自動車、機械など高額な備品に対しては一定の年数にわたって毎年経費計上することになっています。

10万円を超える場合には減価償却費として経費計上することが一般的です。
消耗品費
消耗品費とは取得価格が10万円を下回る場合に該当します。紙、ペン、ノートなどを計上することができます。
外注費
外部に発注することで発生した報酬支払いなどが該当します。
利子割引料
事業のための借入金の利息などが利子割引料として計上できます。
地代家賃
地代家賃は、オフィス、倉庫、駐車場などの費用を計上可能です。

自宅兼オフィスの場合は按分の必要があります。例えば、自宅の面積のうち仕事部屋の面積で算出する方法などがあります。
貸倒金
貸倒金は回収に失敗した売掛金、貸付金、受取手型の額です。
租税公課
租税公課とは、税金の支払いに充てた支出のことを指しています。基本的には税金は費用計上できませんが一部経費計上できる税金があります。

消費税、個人事業税、固定資産税、印紙税、不動産取得税、登録印紙税などは経費計上することができます。
荷造運賃
商品発送で必要となるものなど物品の運送料における経費のことです。
水道光熱費
水道光熱費とは、水道や電気、ガスのほか、灯油購入分の経費が該当します。

自宅とオフィスが兼用の場合は事業で使用している割合を按分して計上する必要性があります。
旅費交通費
仕事上必要になった電車・バス・タクシーの移動などは旅費交通費として計上が可能です。
雑費
他の経費に該当しない場合には雑費として計上できます。

b. 個人事業主が経費計上できないもの

「税務署から指摘を受けても正当な事業関連性を主張することができる」「常識的な金額の範囲内」「個人事業主自身のための出費ではないこと」などの条件を満たすと経費計上できます。

以下のケースでは経費計上できないため気をつけましょう。

  • 個人の生活のための出費
    • ジム、ヨガ、健康診断など
  • 私的な買い物・飲食代
    • 事業と関係のない飲食、書籍、交通費、衣類の購入費
  • 個人として納める税金
  • 個人事業主の家族への給料
  • 資産として減価償却できるもの: 一括で費用計上するのではなく、こちらは耐用年数に準じて減価償却費とする必要があります。

3. 確定申告

確定申告とは1年間の収入や支出を計算して支払う税金の額を確定することです。

会社に勤めている人は原則として会社がまとめて税金の支払いを行ってくれるため確定申告をする必要はありません。

a. 確定申告の流れ

所得金額 = 収入 - 経費 - 控除と考えることができます。

収入から経費や控除を差し引いて所得金額の算出を行い納税額を決定します。

所得金額が48万円以下の場合は確定申告をする必要がありません。

またフリーランスでクライアントから収入を受け取る際に源泉徴収が引かれている場合があります。

その場合は経費や控除の額によっては所得税を払い過ぎている状態になるためそれを申請した場合に還付金をもらえるケースもあります。

また青色申告を行うことによって最大65万円の控除を受けられるため非常におすすめです。

4. 節税のポイント

a. 経費計上をしっかりと漏れなく行う

通常経費を網羅的に計上できているケースは少ないため、これをしっかりとやりきるだけでも十分な節税につながります。

フリーランスの場合はプライベートと仕事で兼用しているものが多くなりますが、家事按分を通じて合理的な範囲で経費計上するようにしましょう。

b. 青色申告で確定申告を行う

確定申告を青色申告で行うことで65万円の所得控除を受けることができます。

青色申告では提出書類が複雑になりますが会計ソフトを使うことによって簡単にできます。

freeeという会計ソフトを使用するのがおすすめです。

c. 不正・裏ワザなどは行わないこと

グレーな手法で節税を行うとする人もいますが、もちろんおすすめしません。

個人事業主の規模であっても税務局から調査が入る可能性は十分にありますし、重い罰則が待っています。

節税対策に労力を使いすぎるのではなく収入アップに向けて努力することをおすすめします。
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