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就職活動に役立つ現状分析とは? 効果的な分析方法を解説

就職活動では、よく自己分析が大切だと言われます。その自己分析と同じくらい業界分析も重要とも言われています。自己分析と業界分析をしっかりと行うことで、自分の長所・短所を把握するとともに自分に合った会社はどこなのかを精査できます。ここでは、このような就職活動に必要な現状分析に使用されるフレームワークや分析の方法などを紹介します。

現状分析とは?

就職活動では、現状分析として主に自己分析・業界分析・企業分析をすることが多いです。

まず戦略を立てる上では現状の分析が欠かせません。
それぞれの分析の目的を紹介していきます。

自己分析

自己分析を行う目的は、さまざまです。自分の性格や強みを理解して伝えられるようにするほか、自分の将来の夢や目標を明確にすることなどが挙げられます。また、自分を理解することでどのような企業が自分に合っているのか、手がかりを掴めます。

業界分析

業界分析とは、就職活動をする上で業界を選択するため、業界の動向や雇用状況、口コミなどを分析することです。自分に合った志望企業を探すため、業界のことをまずは詳しく把握することが必要です。業界分析を行うことで自分の性格や強みに合った企業を探すことができます。また、業界分析をすることで業界のニーズも把握できます。業界のニーズを把握することで今自分に足りないところはなにか、強みとして伝えられるところはなにかを探し出すことができます。

企業分析

同じ業界の中でも会社が違えば、仕事内容、企業風土、雇用条件などが大きく変わります。

業界の中でその企業のポジションはどのあたりなのか、成長性はあるのか、企業風土はどうか、雇用条件は魅力的かなど多角的に分析していく必要があります。

現状分析で活用されるフレームワーク7選

現状分析をするといってもどのように分析したらよいのかわからないことも多いでしょう。ここでは、現状分析に役立つ7個のフレームワークを紹介します。

3C

3C分析とは、マーケティング環境を分析するためのフレームワークの一つです。外部の環境、競合他社の環境、自分の状況を踏まえて自分の成功要因となるものは何かを探し出す際に使われます。3C分析とは以下の3つのCから成り立ちます。

  • Customer:市場・顧客(転職活動に置き換えると、企業側)
  • Competitor:競合(転職活動に置き換えると、ライバルの求職者)
  • Company:自社(転職活動に置き換えると、自分)

例えば、自己分析で自分の成功要因を探す場合にはCustomerとして就職希望先の採用ニーズや市場環境、今後の成長戦略などを調べる必要があります。Competitorとしては他にその企業に応募してくる人の特徴やその人たちが面接をする際に何を伝えようとするか等があります。Companyとしては自分の強みやできること、志望動機などがあります。これらから差別化できるポイントを探し出していくことになります。

就職先の会社、採用面接官の立場に立って考え抜くことができている人は意外に少ないので、この視点を持つだけで大きな違いになります!
ついつい「自分の伝えたいこと」を言ってしまってないか?振り返ってみるのが大切です!
マーケティングで学習したことは就職・転職活動にも活きてきます!

PEST

PEST分析とは、自社を取り巻く外部環境が、現在もしくは将来的にどのような影響を与えるかを把握・予測するためのフレームワークのことです。「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」という4つの外部環境を取り出し、分析対象とします。

業界分析を行う際にもこれら4つの環境を分析することで、今後の業界の動向や成長性などを把握することができます。業界分析を行う際には有効な分析手法の1つと言えるでしょう。

自分の年収は環境によって決まると巷では言われたりもします。自分に合う環境なのか、業界としてこれから成長して、働く人たちに十分な給与を払える業界なのかをPEST分析のフレームワークで考えてみるのは有効です!

SWOT

SWOT分析とは、自社の外部環境と内部環境を4つの要素で要因分析をします。要因分析をすることで既存事業の改善点や伸ばすべきポイント、新規事業の将来的なリスクなどを見つけることができるフレームワークです。SWOT分析に用いられる4つの要素とは以下のようになります。

  • Strength(強み)
  • Weakness(弱み)
  • Opportunity(機会)
  • Threat(脅威)

業界分析や企業分析に使えるほか、自己分析にも活用できます。自分の弱み・強みを把握した上で、機会や脅威を把握することで、自分に適した企業への自己PR方法や弱点のリカバリ方法を確立させることができます。

MECE

MECEとは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取った言葉になります。直訳すると「互いに重複せず、全体として漏れがない」という意味になりますが、「漏れなく、ダブりなく」という意味合いでよく使用されています。MECEは、論理的思考におけるベースの考え方です。このフレームワークは、他のフレームワークを検討する際に一緒に使われます。例えば、PEST分析のPでは政治となりますが、政治といっても外交、法律、政権などさまざまな要因があるでしょう。これらを漏れなく考えられているかが、MECEに考えるポイントになります。論理的にMECEであるかまで考える必要はありませんが、MECEであることを頭に入れておくことで納得感のある分析ができるはずです。

転職活動で「前職でどのような課題にぶつかり、どのように解決しましたか?」などと聞かれるタイミングがあるかと思います。そのときにMECEを意識して構造化して話すだけで面接官からの評価がグッと上がります!

ロジックツリー

ロジックツリーとは、ある事柄に対して問題や原因など、その事柄を構成している要素をツリー状に書き出すことで、解決法を導き出すフレームワークです。ロジカルシンキングの手法の1つであり、問題を可視化して分解することによって、複雑な事柄を捉えやすくなります。取り扱う事象を、樹木が枝分かれしていくように、大きな項目から小さな項目へと分解しながら階層化して整理していきます。

就職活動で面接に失敗した際や、自己分析に行き詰った時など、ボトルネックが何かを分析する際に使える手法になります。

5フォース分析

5フォース分析とは、企業について、業界内の競合の脅威新規参入の脅威代替品の脅威買い手の交渉力売り手の交渉力の5つに分類することで、対象企業の収益性を分析するフレームワークです。

フォース分析の活用により、外部環境や収益性構造について分析することができ、転職を検討している業界や会社の将来性を自分なりに分析することができます。

現状分析を起点としたPDCAサイクル

現状分析から課題の解決、目標の達成までの手法として、PDCAサイクルがおすすめです。

PDCAサイクルを実践することで目標達成確率をあげることができます。

現状の把握

3C分析、4C分析、PEST分析など現状分析に強い方法を参考にしっかりと分析をするようにしましょう。この現状の状況をしっかり把握することで、自分が現在どのような立ち位置にいて、周りがどのような状況なのかを把握することができます。把握することで目標設定や課題の特定などをより正確に実施できるようになります。

目標はSMARTに

現状の把握ができたら、目標設定を明確にしていきます。目標はできる限り具体的にしましょう。具体的にすることで、やるべきステップを明確化することができます。

SMARTとは以下5つから構成されます。

  • Specific(具体的に): 誰が読んでもわかる、明確で具体的な表現や言葉で書き表す

  • Measurable(測定可能な): 目標の達成度合いが計測できるように数値化して表現する

  • Achievable(達成可能な): 非現実的なものではなく達成可能なものにする

  • Related(経営目標に関連した): 転職活動に置き換えると、自分が行きたいと思っている業界かどうか、自分の将来の夢、歩みたいキャリアと関連しているか

  • Time-bound(時間成約がある): 期間的な指定をしている

SMARTな目標の例
20XX年12月31日までにWEB業界で1社から内定をもらう

目標を分解してアクション可能な数字に落とす

「内定1社を取る」だけではどのような行動をとればいいかわかりませんよね?

達成までに必要なアクションに分解していくことが大切です。
内定を1社からもらうには面接突破できる確率が20%と想定すると、5社面接する必要があります。応募から面接までに到達できる確率が10%と想定すると、50社応募する必要があります。50社応募したい会社を見つけるためには、100社はWEB業界で会社をリストアップしてホームページを見る必要があります。
上記のように考えると、100社WEB業界の会社HPを見る、50社応募する、5社面接、1社内定のようによりアクション可能な数字まで落とし込むことができます。

どのような行動を積み上げると目標に到達できるのか?

逆算する習慣をつけましょう。

実行計画の策定

実行する前に、具体的なプランを立てるようにしましょう。 こちらが具体的なアクション例です。

  • 業界研究のために本を一冊読みまとめる
  • 自分が行きたい会社を定義づけする
  • WEB業界の会社を100社リストアップする
  • 見るべきポイントを整理し、応募したい会社を決める
  • 職務経歴書の作り方のポイントを調べてまとめる
  • 職務経歴書のたたきを作成する
  • 職務経歴書に対してプロからのアドバイスをもらう
  • ・・・

実行

アクションプランはタスク管理表に落とし込み、期日管理を徹底して行いましょう。

それにより、実行がスムーズに行われているのか正しく振り返ることができます。

「工数を見積もり、期日を設定し、カレンダーに入れて確実に遂行する」これを徹底するだけで人と差をつけられます。

振り返り

実際に行動して進捗がわかるようになったら、評価をすることも重要ですが、そのあとフィードバックをすることも重要です。

目標達成に向けて順調に進んでいる場合も、いかにしてより早く確実に目標達成に近づくことができるかを検討しましょう。

目標に到達しなかった場合には、どこに課題があるのかを考えて、リカバリー施策を考え実行しましょう。

ここまでの一連のプロセスをPDCAサイクルと呼びます。PDCAサイクルは目標達成の基本のフレームワークになりますので、覚えておきましょう。

現状分析における注意点

現状分析における注意点は、主に以下の2点です。

現状把握を低く(高く)見積過ぎない

現状分析は、今の自分の立ち位置を明確にする作業になります。しかし、日本人は謙虚な性格の人も多いため、自分の実力を低く見積もり過ぎてしまうケースがあります。そうすると、目標設定も自分の実力に見合っていないものになってしまうため、現状分析は正確に行うようにしましょう。

現状分析に時間を掛け過ぎない

意外かもしれませんが、現状分析に時間をかけないことも注意が必要です。やりたいことは目標設定と目標達成です。実行しなければ目標達成はできません。現状分析を入念に行うこともよいですが、あまり時間をかけ過ぎずにPDCAサイクルを素早く回すことを意識しましょう。

まとめ

ここまで、フレームワークの紹介や現状分析の方法を紹介しました。フレームワークでは就活に限らず、仕事の場でも活用できるものを紹介しています。

現状分析においては、素早くPDCAサイクルを回すことが重要になります。そのためには実行可能なプランをいち早く立案することがポイントです。
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