選考対策が合否を左右する 勝ち残るための方法や対策を紹介
求職者にとって選考の対策をするのは、その他大勢の応募者の中で勝ち残るために必要なことであり、就職活動をする上で真っ先に考えることでしょう。
しかし選考には様々な手段が用いられます。それぞれの選考対策を行っていくことも大切ですが、企業側がどのような流れで選考していくかを考えながら対策を練ることで、なぜその対策が必要なのかを理解することができます。
企業が選考する際の目的や基準を理解することができれば、より具体的に対策することも可能です。この記事では合否を左右する選考について、その対策の方法を紹介していきます。
就職活動における選考とは?
そのため求職者は自己分析や志望動機の明確化、必要なスキルの向上といった準備が必要です。一方企業にとっても、選考は今後共に働く人を選び出すので、企業そのものの未来を選択することに等しいといえます。
企業によって求める人材の条件は異なります。しかし最終的に選ばれるのは「この人となら一緒に働きたい」と思わせる人材です。
自分がそのような人材であるとアピールするためにも、企業側が必要とする人材像を正しく理解した上で、それぞれの選考に対する対策を行っていきましょう。
選考の種類と対策
基本的には書類選考・筆記試験・面接といった順番で行っていきますが、具体的な内容は企業が人材を選ぶ際にどこを重視しているかによって変わります。
例えば面接を複数回行ったり、特殊な試験を実施したりなど、その企業の事情や考え方によって、種類も数も異なります。
ここでは一般的に選考で用いられることの多い手法について、1つ1つ解説と対策を紹介していきます。どの対策方法にも、特殊なスキルが必要なわけではないので、現在選考対策について困っている方は、ぜひ心掛けてみてください。
履歴書
さらに就職活動における履歴書は公的な書類となり、もし虚偽の情報を記入してしまえば、私文書偽造罪に問われる可能性があります。偽造が発覚した場合は、採用されても取り消しになったり、解雇されることになるので、記入する情報は正確であることを提出前によく確認しておきましょう。
履歴書は書店やコンビニで購入したり、インターネットでテンプレートをダウンロードすることで手に入れることができます。企業側からの指定がなければ、求職者側が自分で用意しますが、履歴書の形式はそれぞれ若干形式が異なるので、購入する際は注意しましょう。
対策
具体的な対策として、履歴書を書く場合はとにかく企業側が内容を把握しやすいように書くことを心がけましょう。文字を丁寧に正しく書いていくことも大切ですが、情報を整理し、読み手に伝わりやすいレイアウトで書くことで、印象をアップさせることができます。
また企業側に自分の強みや、採用後どのような貢献ができるかを伝えるために、経験や資格などのスキル関連は具体的な成果が分かるように書くことをおすすめします。
企業によっては、スキルを重視するとこや、それよりも自己PR・志望動機を重視するところなどもあります。あらかじめ企業研究を行い、自分の志望する企業が求職者のどの部分を重視しているのかを明確にし、受ける企業ごとに履歴書をカスタマイズしましょう。
そして最後に、提出する前には誤字・脱字がないか、不明確な表現や不備がないかを、よく確認してから提出してください。
エントリーシート
しかし履歴書とは違い、エントリーシートは企業側が独自に作成したものなので、そこに記入を求められている情報は企業側が選考する際に基準としている項目です。
記入項目は企業ごとにさまざまな内容となりますが、エントリーシートで企業側が知りたいのは、その求職者の人柄や仕事に対する熱意、そして将来性です。
大体の場合は自己PRや志望動機など、文章によって書くものが多く、文字数制限以内でまとめるように求められることが多いでしょう。
履歴書と同様に書類選考という括りですので、選考初期にふるいをかけることが目的といえます。ここを突破することができなければ、面接前に落とされてしまうので、しっかりと対策を意識して挑みましょう。
対策
基本的な対策方法は履歴書と同じです。読み手が受け取りやすく整理された内容にし、文字も丁寧さを心掛けましょう。
履歴書とエントリーシートの最も違う部分は、記入欄の大きさです。企業側が指定した文字数以内で、与えられた質問に答えていく形式となります。自己PRや志望動機などを履歴書よりも多く書くことができるので、エントリーシートでは履歴書には収まらなかった部分まで詳しく書いていきましょう。
内容が履歴書と被ってしまう点については、あまり問題ではありません。むしろ履歴書で書いた内容と方向性が異なると、一貫性がなくなりかえってマイナスポイントになることもあります。ただし全体の趣旨は同じでも、エントリーシートではより内容を充実させることを心掛けましょう。
筆記試験
就職活動の筆記試験で用いられるのは、TG-WEBや玉手箱、そしてSPIなどが代表的です。企業によっては独自のテストを実施する場合もあるので、事前に分かる場合は個別に対策をしていきましょう。
その中でも近年、さまざまな企業の筆記テストでよく用いられるのはSPIです。いくつかの企業の試験を受けていけば、必ずどこかでSPIを受けることになるので、SPIに関しては対策することをおすすめします。
また筆記テストと言いますが、インターネット上でテストを行う場合もあります。操作方法が分からず、テスト時間中に焦ってしまうことを防ぐためにも、テスト内容の対策だけではなく、実施方法にも注意しておきましょう。
対策
筆記テストとして何を導入しているかは企業によってさまざまです。近年ではSPIを導入している企業も多いので、SPIの対策は万全にしておくことをおすすめします。
具体的にはSPIの参考書の問題を解き、どのような傾向かを掴むことで、回答に慣れるという受験勉強と同じ要領で問題ありません。
ただしテストはペーパーだけではなく、Webで行われることもあります。Webテストではカンニング防止のプログラムが働いているので、注意事項や禁止事項をよく確認し、操作にも慣れておきましょう。
志望企業が他のテストであったり、独自テストを実施している場合は、個別に対策していく必要があります。その場合は専門の参考書を買ったり、インターネットで調べて、問題の傾向を把握していきましょう。
GD(グループ・ディスカッション
GDは複数の求職者でグループを作り、1つのテーマのもと話し合いを行うことで、テーマに対する結論を導き出すことです。就活生がそれぞれ司会やタイムキーパーなどの役割を自分たちで決めて行う場合や、話し合いだけではなく共同作業で何かしらの成果を出す場合もあります。
GDにおける最大の目的は、求職者の協調性やコミュニケーション能力を見ることです。書類選考でも、筆記テストでも確認できない部分でありながら、一緒に仕事をしていくという観点では最も重要といえます。
また実際に話し合う場で、どのような思考展開をしているか、アイデアに独自性があるかなどもGDでは選考基準となります。
企業にとってGDは複数人の求職者をまとめて選考できる機会でもあるので、選考時間の効率化という点においても、実施している企業は多いでしょう。
対策
GDで話し合うテーマはその場で決められることが多いので、事前にテーマを把握し、対策をとるというのは困難でしょう。GDにおける対策というのは、具体的なものではなく、人と話し合う上で意識しておかなければならないことになります。
まず話し合う相手が同じ求職者であるということから、目立つことやアピールすることを考えがちですが、度が過ぎると悪目立ちしてしまう結果にもなります。
例えば他の人が話していることを遮ってしまったり、意見に対して否定から入ってしまうことは、マイナスポイントになりやすいので注意しましょう。
GDでは他の人の人柄や個性を理解し、その上で自分に適した役割を全うすることも重要です。普段から周囲の人を観察し、自分のことを客観的に分析することができていれば、GDでも理想的な立ち回りができるようになります。
グループ面接
一方でグループ面接には、個人面接では見えてこない部分を確かめることができる側面もあります。その対策は個人面接とは異なるので、事前にグループ面接が実施されると分かっているのであれば、個別で対策しておくことをおすすめします。
グループ面接は複数の求職者に対して行われるものなので、発言の機会や時間などが個人面接よりも限られていることが特徴です。また、グループ面接では似たような質問を1人1人にしていくので、面接官の視点では求職者を比較する機会でもあります。
人柄や個性といったものは、話している言葉以外にも仕草や態度からでも分かることがあります。グループ面接とはまさに自分が話している時と話していない時も、周囲と比較されるので、自分のことを話し終えた後も油断は禁物です。
対策
グループ面接では複数の求職者が同時に選考される場であり、面接官にとっては比較がしやすい機会です。自分のことをアピールすることは大事ですが、長く話をし過ぎたり、逆に時間が短いと焦って内容が不明瞭になってしまっては減点対象となります。
個人面接とは違って、質問内容に対して深掘りはあまりされないので、グループ面接では面接官の質問を予測して、予め回答を用意しておくことをおすすめします。
とはいえ全員が同じ質問をされるわけでもないので、臨機応変に対応できるように回答のパターンは複数用意しておくことが重要です。
また面接官は質問に対する回答を聞くだけではなく、他の人が話している時の態度なども見ています。これは協調性があるかどうかの確認でもあるので、他の人が話しているからと言って気を緩めてはいけません。
面接官の質問内容は基本的なものが多いですが、稀に他の求職者の回答についての意見を求められる場合もあります。面接官の言葉だけではなく、他の求職者の話も聞いておくようにしましょう。
個人面接(一次)
同じ個人面接であっても、それぞれ段階によって企業側が見ている部分は明確に異なります。特に一次個人面接では、まだ多くの求職者が残っている場合があり、通過率も後の二つよりも低い傾向にあります。
一次個人面接で企業側が見ているのは、その求職者の第一印象です。前述したように一次の段階ではまだ求職者も残っているので、1人1人にじっくりと時間をかけることはできません。そのため面接官が一次で最も重要としているのは、その人と対面した時の印象です。
印象というのは身だしなみや質問に対する受け答えなどで、プラスにもマイナスにも傾きやすいものなので、対策はしっかり行っていきましょう。
対策
一次の個人面接で重要なのは以下の3点です。
- 身だしなみ
- ビジネスマナー
- 受け答え時の態度
一次面接ではその人の人柄を確認するというより、初めて対面した時の印象を重要視します。それに二次や最終とは違い、まだ多くの求職者が残っているために、一次は誰を落とすかという観点で選考されます。
見た目で不興を買わないか、社会人としてのマナーがあるか、会話が成立するか、この3つは基本事項ですが、人の印象を決定付ける根幹です。ここをおろそかにしていては、どれだけスキルを持っていても、一緒に働く者として歓迎されることはないでしょう。
また先に述べたように、一次は誰を落とすかを選考する場となっています。一次を生き残るためには、明確なマイナス点を作らないことが重要です。身だしなみや態度もそうですが、面接官の話をよく聞き、一貫性を持った回答をすることも意識することをおすすめします。
個人面接(二次)
二次面接では基本的に求職者の企業理解度や志望度を選考の基軸として判断します。志望している企業についてどれだけ詳しく理解しているか、その上で自分の強みをどう生かして貢献するかなど、実際に企業で働くことを踏まえて、人事や現場担当が選抜していきます。
企業の理解度については多くの場合、志望動機から図られることが多いです。そして同時に企業との方向性と合っているかどうかも確認されるので、入社後の明確なイメージを持っていなければ、ミスマッチだと判断されかねません。
二次の個人面接では、より高い企業理解度と具体的な将来像を求められますので、対策も妥協せず行って準備していきましょう。
対策
二次の個人面接では企業理解度と志望度を基軸に、自分が企業にとって有益な人材であることをアピールしなければなりません。そのためには自分が受ける企業について、理念や哲学なども含めて深く理解しておく必要があります。
二次ではただ与えられた質問に答えていくだけではなく、一つの回答をさらに深掘りして質問されることが多々あります。
まずはその企業について理解するために、HPだけではなく、業界全体が発信する情報などにもアンテナを張り、説明会がある場合は積極的に参加することをおすすめします。
その企業だけではなく、競合他社との違いも明確にしておき、何を聞かれてもスムーズに、かつ一貫性のある回答ができるように準備しておきましょう。
そして企業の方向性を理解し、その上で自分の強みがどのように活かせるか、入社後の将来像についてアピールできるようにしておくと、面接官に好印象を与えることができます。
個人面接(最終)
最終になると人数も採用規定数に近くなり、落ちる人数も必然的に少なくなります。内定や採用というゴールはもう目の前にありますが、最終面接こそ自分の企業に対する熱意が最も重要な鍵です。
最終面接では、その企業の方向性や社風に合致した人材か、将来性のある人材かという二次の個人面接でも確認したことを、上層部の人間が再度確認します。その上で企業に対する”本人の意思”を確認し、採用するかどうかを判断します。
本人の意思とは入社意欲の高さともいえます。いざ内定を出しても取り消されては意味がありませんので、より入社意欲の高い人材を優先して選抜します。
つまり最終面接を突破するには、自分が他の人よりも強い入社意欲があるというアピールをすることが重要となるのです。
対策
最終面接では自分の将来性をアピールすると共に、高い入社意欲を持っていることを面接官に伝える必要があります。判断するのは企業でも上層部の人間ですから、二次の個人面接と同じ志望動機では、上手く伝わらない可能性があります。
そのため最終面接対策の1つは、志望動機の見直しです。なぜこの企業でなければならないのか、という考え方で再度志望動機を練り直してみましょう。
企業のことをより深く理解し、自分が有益な人材であることに加えて、入社意欲が高いことを盛り込むことを意識するのがポイントです。
また最終面接では最後に「何か質問はありますか」と尋ねられることがあります。そこで質問はないと答えてしまうと、入社意欲が低いと判断される場合もあるので、ある程度何を聞くべきかを決めておきましょう。もちろん調べれば分かることを質問しては意味がありません。
この逆質問を利用し、自分がいかに入社したいかという熱意を伝えることができれば、最終面接突破も目前となるでしょう。
選考を受ける際に注意すべきポイント
自分という人間の人柄や個性、強みなどを企業側にアピールするには、自分という人間を知る必要があります。そして企業が求める人材を知るには、その企業がどのような理念で何をしている企業なのかを徹底的に深掘りしていかなければなりません。
そのような準備や調査は、1日2日でできるものではないので、出来るだけ早く取り掛かることが選考を突破する上で重要になります。
ここでは選考全体に関して注意するべきポイントについて、特に選考を受ける前段階から準備しておくべきことを紹介していきます。
事前対策が重要
とくに近年では働き方の多様化に伴い、企業側もより具体的な人材像をイメージして選考しています。中には特殊な条件が必要で、それを確認するために独自の選考方法を採用している企業もあります。今回紹介したのは一般的な対策でしたが、あらかじめ特殊な選考方法があると分かっている場合は、個別に対策していかなければなりません。
さらにこれまでは3月に始まっていた就職活動ですが、2021年卒業から制度が変わり、もっと早い段階で選考を始める企業があります。志望する企業がいつから選考を始めるかよく確認しておくと共に、やはり早期の事前対策や準備が必要になるでしょう。
自己分析・業界分析を行う
自己分析や業界分析を徹底的に行っていない状態では、どれだけ優れたスキルがあったとしても選考で落とされてしまいます。また無事入社できたとしても、自分のイメージと違い、結果早期に退職してしまうということにもなるかもしれません。
自己分析や業界分析を深掘りしていくには、一度の分析で終わらず、必要であれば何度も行うことをおすすめします。それこそ、履歴書を書く直前まで行っていても問題ありません。自分も業界も、時間が経過すれば変化することがあります。それらの情報について常にアンテナを張り、変化に応じて自分が本当にその企業に合っている人材か確認していきましょう。
第三者に意見をもらう
第三者からのフィードバックがあれば、自分以外の視点からの意見を取り入れることができるので、情報の信頼性も上がり、不安や自信のなさも払拭されるでしょう。
就職活動について知り合いに相談してもなかなか問題が解決しない場合は、就活エージェントやキャリアセンターなど、就活のプロに相談してみるのもおすすめです。
毎年多くの人の就活に関する悩みを解決しているということは、それだけ知見が深く、選考を突破するためのノウハウが蓄積されているということです。
中には無料で行っている就活イベントを開催していることもあるので、自分の就職活動に不安な方はぜひ試しに足を運んでみることもおすすめします。
まとめ
選考とは企業側が様々な方法で、その人が企業に合う人材かどうかを見極めることを指します。その選考を勝ち抜いて採用を勝ち取るためには、徹底的な自己分析と業界分析から始まり、それぞれの選考対策を考えていく必要があります。
各選考で企業側が見るポイントも異なるので、企業側の意図を汲み取り、かつ自分の強みや入社意欲の高さを効果的にアピールしていかなければなりません。
選考とは始まったその時が重要なのではなく、その前の準備段階こそが重要といえます。徹底した事前対策をするには、早めの行動を心がける必要があります。
近年では特に3月よりも早く選考を始める企業もあるので、自分の将来が決まったらすぐに行動に移せるようにしておきましょう。