単価アップ・継続案件完全攻略ガイドブック
GUIDEBOOK
単価アップ・継続案件完全攻略ガイドブック
案件獲得後の値上げ・継続化を実行する ⏱ 所要時間目安:約30〜40分
解説動画
GOAL
このガイドブックのゴール
  • 自分の単価停滞・単発止まりのパターンを説明できる
  • 収益構造を数値で診断し、課題を1つ特定できる
  • 値上げ・継続化の根拠を3つ以上言語化できる
  • 場面に応じた伝え方を選び、自分用にカスタマイズできる
  • 交渉が難航したときに、継続・条件維持・終了のどれを選ぶか判断できる
  • 次に着手する行動を1つ決められる

クラウドソーシング、ココナラ、直接営業など、どの経路で案件を獲得した人でも、最初の納品を終えたあとに共通してぶつかる壁があります。同じ相手から次の依頼が来ない、あるいは依頼は続いているのに単価だけがずっと据え置きのまま、というケースです。

これは実力不足が原因ではなく、積み上げてきた実績や対応範囲の変化を、相手に伝わる形にできていないことが原因です。このガイドブックでは、自分の収益構造を数値で診断し、値上げ・継続化の根拠を言葉にし、場面に応じた伝え方を選び、うまくいかなかったときの対応まで、案件獲得後の一連の流れを扱います。

クラウドソーシング・ランサーズ・ココナラ・副業や業務委託・直接営業のいずれで受注していても使える内容です。案件の探し方や応募文の書き方はここでは扱いません。まだ案件を獲得していない場合は、該当する手法別攻略を先に受講してください。

単価が上がらない・継続しない3つのパターン

案件獲得・納品の経験がある人の収益の伸び悩みは、次の3つのパターンのどれかに当てはまります。まずは自分がどれに近いかを確認しましょう。

パターン状態主な原因
① 単発で終わり続けている 毎回、新しいクライアントを探すところから始まる 継続化の設計ができていない
② 継続はしているが単価が上がらない 同じ相手と長く取引が続いているが、金額は契約開始時のまま 値上げの根拠・伝え方が整理できていない
③ 特定クライアントに依存し疲弊している 収入の大部分を1つの取引先に頼っている 案件の分散・仕組み化ができていない

3つのパターンは、どれか1つだけに当てはまるとは限りません。例えば取引先が1社しかなく(パターン③寄り)、その取引先からの単価も据え置きのまま(パターン②)、というように重なって起きることもあります。自分の状態を無理に1つに絞る必要はなく、当てはまるものを複数確認してみましょう。

✓ Point !
経験年数がそのまま単価に反映されるわけではない

受注歴が長くなれば自然に単価が上がる、という仕組みはありません。相手は経験年数そのものではなく、実際に任せた結果や、対応できる範囲の広さを見て金額を判断します。次のセクションで、自分の状況を数値で確認してみましょう。

自分がどのパターンに近いかを踏まえたうえで、次のセクションでは収益構造を実際に数値へ落とし込みます。

自分の収益構造を診断する

パターンを頭で理解するだけでは、次の行動は決まりません。ここでは実際の案件を数値に置き換え、自分の課題を特定します。

現在取引のある案件を1つ選び、記入してみましょう。複数ある場合は、最も気になる案件から始めてください。

項目記入欄
案件名・クライアント
月間単価
月間稼働時間
時給換算
受注開始からの継続月数
直近の値上げ有無

入力内容はこのブラウザに保存され、次回このページを開いたときに復元されます。別の端末・ブラウザからは見れません。
ただしブラウザのキャッシュをクリアすると消えてしまうため、大事な内容はメモやNotionにも控えておくと安心です。

月間単価だけを見ていると、対応工数が増えていることに気づきにくくなります。時給換算で見ることで、単価が変わっていなくても実質的な収入効率が下がっている状態を確認できます。

記入結果は、セクション1で確認した3つのパターンと次のように対応します。

こんな記入結果なら該当するパターン
契約してすぐに終わっているクライアントばかりが並ぶパターン①
継続月数は長いが、値上げ欄がなしになっているパターン②
1つのクライアントへの対応に、月間稼働時間の大部分を使っているパターン③
✓ Point !
時給換算が下がっていても焦らない

時給換算が下がっていたとしても、それ自体が失敗とは限りません。対応範囲が広がった結果、工数が増えているだけの場合もあります。次のセクションで、その変化を根拠に変える方法を確認します。

数値で自分の状態を確認できたら、次のセクションでは値上げ・継続化を相手に伝えるための根拠を作ります。

値上げ・継続化の根拠を作る

ここでは、取引形態によって使い分ける根拠の観点を整理します。出品型のプラットフォームで受注している場合と、クライアントと直接継続的に取引している場合とでは、説得力のある根拠の重みづけが異なります。

取引形態重視する根拠
出品型プラットフォーム
(ココナラ等)
依頼数の増加、対応しきれないほどの予定の埋まり具合、対応範囲の広がり
直請け・継続案件
(直接営業・代理店等)
任される役割の変化、対応する難易度、工数、短納期対応、修正の少なさ、継続してきた量

2つの根拠の観点は別物に見えますが、共通しているのは、相場ではなく自分の中で実際に起きた変化を根拠にするという考え方です。相場を根拠にすると、自分がその案件でどれだけの価値を提供しているかが相手に伝わりません。受注開始時からの具体的な変化を示すことで、相手は見直しの妥当性を判断しやすくなります。

✓ Point !
提供価値の再定義として伝える

値上げをそのまま要求として伝えるのではなく、対応している範囲や難易度が受注開始時からどう変わったかを、提供している価値の再定義として伝えると受け止められやすくなります。

根拠を言語化するときに確認すること
対応範囲
依頼内容が受注開始時より広がっていないか。
難易度
対応する工程や案件の難しさが上がっていないか。
工数
1件あたりの作業・確認にかかる時間が増えていないか。
短納期対応
通常より短い納期の依頼に、どのくらい対応しているか。
品質の安定度
大きな修正なしで、そのまま受け取ってもらえる状態になっているか。
継続の量・期間
どのくらいの期間、どのくらいの量を継続して受注しているか。
依頼数・予定の埋まり具合
同じような依頼が続けて届き、予定が埋まってきていないか(出品型で特に重視)。
演習

自分の根拠を3つ選んで書き出す

上の7項目のうち、自分の状況に当てはまるものを3つ選び、具体的な変化として書き出しましょう。すべての項目を使う必要はありません。変化がない項目を無理に並べると、かえって説得力が下がります。

項目記入欄
根拠1
根拠2
根拠3
Q
確認クイズ
同じ内容の依頼だが、通常より短い納期の依頼が増えている。これはどの根拠に当てはまるか?
正解です!
通常より短い納期への対応が増えている状態は、短納期対応を根拠にした見直しの材料になります。
惜しい!
正解はCです。対応範囲・難易度・継続の量もそれぞれ独立した根拠ですが、この場面で最も直接的に当てはまるのは短納期対応です。

根拠が言語化できたら、次のセクションではそれをどう伝えるかを場面別に整理します。

場面別の伝え方を設計する

根拠が揃っても、伝え方とタイミングを誤ると受け止められにくくなります。ここでは基本の型と、場面ごとのテンプレートを確認します。

1
感謝を伝える

これまで発注を続けてもらっていることへの感謝から入ります。唐突な要求ではなく、関係の延長として話を始められます。

2
変化の事実を伝える

セクション3で言語化した根拠を、受注開始時からの具体的な変化として伝えます。相場ではなく事実を軸にします。

3
前向きな相談として持ちかける

結論を一方的に伝えるのではなく、相談の時間をもらえるよう依頼します。相手にも検討する余地を残せます。

伝えるタイミングは、納品直後ではなく、相手の満足度が高いタイミングや、契約更新を検討するタイミングを選びます。成果を確認する場を実際に設け、その結果として単価の相談を切り出すと、唐突な印象になりにくくなります。

SAMPLE 継続クライアントへの値上げ相談メッセージ

いつもご依頼をいただき、ありがとうございます。ここ数ヶ月で、当初お願いいただいていた内容に加えて、構成案の提案や修正対応まで担当させていただく機会が増えました。対応する範囲が広がってきたこともあり、単価について一度ご相談できればと考えております。ご都合のよいタイミングで、少しお時間をいただけますでしょうか。

SAMPLE 契約更新・区切りのタイミングでの条件見直し

いつもお世話になっております。ちょうど契約更新の時期になりますので、これまでの進め方について一度整理させてください。この数ヶ月で対応件数・対応範囲がどちらも増えており、現在の単価のままでは対応の継続が難しくなってきております。次回の更新にあわせて、単価と業務範囲を見直すご相談ができればと思います。

SAMPLE 新規クライアントへの単価提示(引き上げ後の基準)

ご依頼の内容を確認しました。同種の案件で実績があり、企画段階からの提案にも対応できます。今回の対応範囲を踏まえ、◯◯円で承ることができます。スケジュールや修正回数について、事前にすり合わせできればと思います。

SAMPLE 保留・検討中の相手へのフォロー

先日はご相談のお時間をいただき、ありがとうございました。ご検討状況はいかがでしょうか。もしご不明な点や、条件について調整したい部分があれば、遠慮なくお知らせください。

Q
確認クイズ
単価の相談を切り出すタイミングとして、最も適切なのはどれか?
正解です!
納品直後ではなく、満足度が高いタイミングや契約更新のタイミングで伝えると、自然な相談として受け取ってもらいやすくなります。
惜しい!
正解はBです。納品直後は相手も評価の準備ができておらず、唐突な印象を与えやすくなります。

根拠と伝え方が揃っても、相談が思うように進まないことがあります。次のセクションでは、その場合の対応を確認します。

断られた・保留にされたときの対応

値上げ・継続化の相談は、根拠と伝え方を整えても、必ず受け入れられるとは限りません。ここでは、既存の教材ではあまり扱われていない、うまくいかなかったあとの対応を確認します。

状況対応
難色を示された 一度引いて理由を確認し、対応範囲を絞るなど代替案を用意して再提案する
保留にされた 一定期間を置いてから、催促にならない言い方で状況を確認する
再提案しても折り合わない その条件のまま継続するか、関係を終了するかを判断する

難色を示された場合、その場で条件を押し通そうとすると、かえって関係が悪化しやすくなります。理由を確認したうえで対応範囲を絞るなど、代替案を用意すると相手も検討しやすくなります。

✓ Point !
断られたことを自分への評価と捉えない

単価の相談が通らなかったとしても、提案のタイミングや相手の予算状況など、自分の実力以外の要因が関わっていることが多くあります。一度の結果で自分の価値を決めつけないようにしましょう。

継続するか終了するかを判断する視点
収入の見合い
現在の単価のままでも、他の案件と比べて割に合っているか。
今後の負荷
対応範囲・工数がこれ以上増える見込みがあるか。
得られるもの
実績・経験として今後に活かせるものがあるか。
機会費用
この案件に割いている時間を、他の案件に振り分けられるか。
Q
確認クイズ
値上げの相談をしたところ、クライアントから「今回は難しい」と言われた。最初に取るべき対応はどれか?
正解です!
難色を示された直後に条件を押し通そうとすると関係が悪化しやすくなります。理由を確認し、代替案を用意してから再提案しましょう。
惜しい!
正解はCです。その場で関係を終了したり、強く要求し直したりすると、今後の関係にも影響します。

1件のクライアントとの関係だけに集中していると、こうした場面での判断が難しくなります。次のセクションでは、関係を分散させ、仕組みとして積み上げる視点を確認します。

継続関係を仕組み化する

値上げ・継続化を1回の交渉で終わらせず、仕組みとして積み上げる視点を確認します。ここで扱うのは、新しい案件の探し方ではなく、すでに獲得した関係をどう資産化するかという視点です。

1
依存度を可視化する

セクション2で記入した収益構造チェックシートを見返し、特定のクライアントに稼働時間・収入がどのくらい偏っているかを確認します。

2
案件・クライアントを分散させる

偏りが大きい場合は、案件獲得の手法別攻略に取り組み、取引先の数を計画的に増やします。

3
紹介を生む働きかけをする

納品後の満足度が高いクライアントには、知人や取引先への紹介を依頼できないか、機会を見てたずねます。

4
対応範囲をパッケージとして提案する

都度対応している業務をまとめ、月単位や案件単位のパッケージとして提案すると、相手も依頼しやすくなります。

5
月額でまとめて契約する形を検討する

継続の量が安定してきた相手には、都度の発注ではなく、一定期間・一定範囲を月額でまとめて契約する形を検討します。

✓ Point !
新しい案件の探し方はここでは扱わない

新しい案件そのものの探し方は、各手法別攻略で扱っています。ここで扱うのは、すでに獲得した関係をどう資産化するかという、獲得後の仕組みづくりです。

Q
確認クイズ
収益構造チェックシートを見返すと、月間稼働時間のほとんどを1つのクライアントに使っていた。次に取るべき行動として最も適切なのはどれか?
正解です!
1つのクライアントへの依存度が高い状態は、パターン③に当てはまります。案件・クライアントの分散に取り組み、依存度を下げましょう。
惜しい!
正解はBです。依存度が高い状態のまま対応範囲を広げると、偏りがさらに大きくなります。

ここまでの内容を踏まえ、最後に自分の次の一歩を1つ決めましょう。

まとめ・次のアクション

SUMMARY
  1. 3つのパターン — 単発止まり・単価停滞・特定クライアント依存のどれに近いかを確認する
  2. 収益構造の診断 — 時給換算・継続月数・値上げ有無を数値で確認する
  3. 根拠づくり — 相場ではなく、自分の中で実際に起きた変化を根拠にする
  4. 伝え方 — 感謝・変化の事実・前向きな相談の順で、満足度が高いタイミングに伝える
  5. 難航したときの対応 — 断られても自分への評価と捉えず、継続・終了を判断する
  6. 仕組み化 — 依存度を下げ、紹介・パッケージ化・月額まとめ契約で関係を資産化する

セクション2の診断結果を振り返り、次の一歩を1つ記入しましょう。

項目記入欄
現在の自分のパターン
今回言語化した根拠
次に使う伝え方
次に行う1つの行動

入力内容はこのブラウザに保存され、次回このページを開いたときに復元されます。別の端末・ブラウザからは見れません。
ただしブラウザのキャッシュをクリアすると消えてしまうため、大事な内容はメモやNotionにも控えておくと安心です。

CHECK
理解度チェック
単価が上がらない・継続しない3つのパターンを説明できますか?
単発で終わり続けている、継続はするが単価が上がらない、特定クライアントに依存している、の3つです。セクション1を振り返りましょう。
値上げの根拠として、相場と自分の中の変化のどちらを優先しますか?
自分の中で実際に起きた変化を優先します。相場は判断材料にはなりますが、根拠そのものにはなりません。セクション3を振り返りましょう。
単価の相談を切り出す適切なタイミングはいつですか?
納品直後ではなく、相手の満足度が高いタイミングや契約更新を検討するタイミングです。セクション4を振り返りましょう。
相談が難色を示された場合、最初に何をしますか?
その場で条件を押し通そうとせず、一度引いて理由を確認し、代替案を検討します。セクション5を振り返りましょう。