教材1 デザインAIの基本ツールとプロンプト実践
1章 AIデザインツールの全体像
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目次

1章 AIデザインツールの全体像

この章の目安学習時間:40分

この章で到達できるゴール:

  • AIデザインツールがどのような種類に分けられるかを理解できる。
  • 自分の目的に合わせてAIツールを選ぶ際の、具体的な判断基準を知ることができる。

【1-1】イントロダクション:AIデザインツールの「地図」を手に入れる

目安の学習時間:10分

本章のゴールと学習の流れ

この章では、数多く存在するAIデザインツールを整理し、その全体像を把握するための「地図」を作成します。
どのような種類のツールがあり、何を基準に選べば良いのかを学ぶことで、後続の章で紹介される具体的なツールへの理解を深める準備を整えます。

(復習)AIとデザイナーの新しい関係性

前回の0章では、AIがデザイナーの仕事を補助し、創造性を拡張してくれる強力な「パートナー」であることを学びました。

この章では、そのパートナーが持つ様々な「道具」が入った道具箱(ツールボックス)の中身を、具体的に見ていくことから始めます。
どんな道具があるかを知ることで、初めてそれを使いこなす第一歩が踏み出せるのです。
道具を知ることがAI活用の基本
  • たくさんの道具を前にして、一度に全てを使いこなそうと考える必要はありません。
  • まずは 「どんな道具があり、それぞれ何ができるのか」を知る こと。それが、この章の最も重要なゴールです。

【1-2】AIデザインツールの主要カテゴリ

目安の学習時間:15分

AIツールの種類を知ろう

AIデザインツールは、その主な機能によって、大きく3つのカテゴリに分類できます。
この分類を理解することで、新しいツールが登場したときも、それがどのような役割を持つのかを判断しやすくなります。
  • テキスト生成AI
    • 文章の作成、要約、アイデア出しなどを得意とするAIです。
    • デザイナーにとっては、キャッチコピーの壁打ち相手や、デザインコンセプトの言語化を助けるアシスタントになります。
  • 画像生成AI
    • 言葉の指示(プロンプト)から、写真やイラストなどの画像をゼロから作り出すAIです。
    • WebサイトのキービジュアルやSNS投稿用の画像など、オリジナリティのあるビジュアルを作成する際に活躍します。
  • デザインツール統合型AI
    • FigmaやCanvaといった、日頃から使い慣れたデザインツール内で、作業を直接補助してくれるAI機能です。
    • デザイン作業の流れを止めずに、効率化やアイデアの拡張ができます。
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それぞれの役割と関係性

これら3つのカテゴリは独立しているわけではなく、互いに連携させることで、より強力なデザインワークフローを構築できます。

例えば、以下のような連携が考えられます。
  1. 「テキスト生成AI」でLPのコンセプトとキャッチコピー案を考える。
  2. そのコンセプトを基に、「画像生成AI」でキービジュアルのイメージを複数作成する。
  3. 作成したキービジュアルとテキストを、「デザインツール統合型AI」を搭載したFigmaやCanvaに配置し、レイアウトを調整して最終的なデザインを完成させる。
このように、各ツールの得意分野を理解し、組み合わせることが、AIを使いこなす上で重要になります。

【1-3】ツール選定における判断基準

目安の学習時間:15分

自分に合ったツールの選び方

世の中には無数のAIツールが存在し、日々新しいものが登場しています。その中から、自分に合ったものを選ぶための判断基準を学びましょう。

最も重要なのは、「何のために使うのか」という目的を明確にすることです。

目的が定まれば、どのツールが最適かが見えてきます。
判断基準
チェックするポイント
① 目的
SNS投稿、LPのキービジュアル、UIデザインの効率化など、具体的な用途は何か。
② 品質の方向性
写真のようなリアルさ、アニメ風、独創的なアートなど、求めるビジュアルのテイストは何か。
③ 使いやすさ
直感的に使えるか、日本語での指示(プロンプト)に対応しているか、学習コストはどのくらいか。
④ 料金
無料で使えるか、無料枠はあるか、クレジット制か、月額制か。
⑤ 商用利用
クライアントワークで使えるか、クレジット表記は必要かなど、利用規約はどうなっているか。
考えてみよう!
もし、すぐに使える無料のツールと、多機能だが有料のツールがあった場合、どのような基準でどちらを使うか決めますか?
  • 個人的な学習や趣味で使うなら、まずは無料のツールから試してみる。
  • 副業の案件で、クライアントから高い品質を求められている、あるいは特定の表現が必要な場合は、有料でも機能が豊富なツールを選択することを検討する。
  • ツールの利用料金も制作費の見積もりに含める必要がある。

【1-4】1章 -章末課題- [ツール選定の判断基準]

目安の学習時間:10分

問題

あなたはフリーランスのデザイナーとして、クライアントから「子供向けの絵本の表紙イラストを制作してほしい」という依頼を受けました。
この案件で使用する画像生成AIを選ぶ際に、前のパートで学んだ5つの判断基準の中から、特に重要視すべきものを3つ選び、その理由を説明してください。

解答解説

解答例
  1. 選んだ基準1:品質の方向性
    • 理由: 「子供向けの絵本」という明確な目的があるため、写真のようなリアルさよりも、温かみのある手描き風や、可愛らしいキャラクター調のイラストが生成できるツールを選ぶ必要があるから。
  2. 選んだ基準2:商用利用
    • 理由: クライアントに納品し、出版される可能性があるため、生成したイラストが問題なく商用利用できることが絶対条件となるから。ツールの利用規約を最優先で確認する必要がある。
  3. 選んだ基準3:使いやすさ
    • 理由: 複数のキャラクターや背景を、一貫したスタイルで何枚も描く必要があるため、修正指示を出しやすく、意図した通りのイラストを安定して生成できる操作性の良いツールを選ぶことで、制作効率が大きく向上するから。
これで「1章 AIデザインツールの全体像」の解説を終わります。
次の章に進みましょう。
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