教材0 AI時代のWebデザイナーの概要理解
1章 AIとデザイナーの新しい出会い
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目次

1章 AIとデザイナーの新しい出会い

この章の目安学習時間:1時間

この章で到達できるゴール

  • AI技術がWebデザインの現場に与える影響を、デザイナーの視点から具体的に理解できる。
  • 自分が習得したデザインスキルとAIを、どのように連携させられるかの可能性をイメージできる。
  • これからAIを活用していく上で不可欠な、倫理や著作権に関する基本的な知識を身につける。

【1-1】イントロダクション

目安の学習時間:10分

本章のゴールと学習の流れ

この章では、AIとデザインの「出会い」をテーマに、AI技術がデザイナーの仕事やキャリアにどのような影響を与えるのか、その全体像を掴んでいきます。
WEBCOACHでデザインの基礎を学んだ今、AIという新しい技術に触れることは、これからのデザイナー人生において非常に重要な一歩となります。
具体的には、以下の流れで学習を進めます。
  • AIが変えるWebデザインの未来:AI技術の進化が、Webデザインの現場にどのような変化をもたらすのかを、復習を交えながら学びます。
  • AI時代のデザイナーの倫理と著作権:AIを責任ある形で活用するために、プロのデザイナーとして知っておくべき基本的なルールと心構えを身につけます。
この章を学び終える頃には、AIに対する漠然としたイメージが、デザイナーとしてのキャリアを豊かにするための具体的な「可能性」に変わっているはずです。

WEBCOACHで学んだあなたがAIと出会う意味

これまでのWEBCOACHでの学習、本当にお疲れ様でした。
FigmaやPhotoshopといったデザインツールの操作、そしてLPやバナーの制作フローなど、Webデザイナーとしての基礎となるスキルを着実に学習してきたと思います。
大切なこと
  • WEBCOACHで学んだデザインスキルは、AI時代において強力な土台となります。
  • なぜなら、AIはあくまで「道具」であり、その力を最大限に引き出すためには、デザインの目的を理解し、適切な指示を与え、最終的なアウトプットの品質を判断する「デザイナーの目」が不可欠だからです。
「デザインの何たるか」を知っているからこそ、AIをより深く、効果的に使いこなせるのです。
この教材は、その土台の上に、AIという新しい翼を授けるための最初のステップです。
AIを恐れるのではなく、自らの可能性を拡張する最強のパートナーとして迎える準備を、ここから始めていきましょう。

【1-2】AIが変えるWebデザインの未来

目安の学習時間:20分

(復習と発展)AI技術の進化とWebデザインの現場

「生成AI基礎講座」では、生成AIがテキストや画像、音声などを自動で作り出す技術であることを学びました。
ChatGPTのように自然な文章を作成したり、簡単な指示でユニークな画像を生成したりと、その能力には驚かされたことでしょう。

では、その進化はWebデザインの現場にどのような影響を与えるのでしょうか。

Webデザインのプロセスは、大まかに「リサーチ」「企画・アイデア発想」「デザイン制作」「実装」「運用・改善」といった工程に分けられますが、AIはこれら全ての工程を劇的に変化させる可能性を秘めています。
AIがもたらす2つの大きな変化
  • 効率化:これまで時間のかかっていた作業をAIが肩代わりすることで、デザイナーはより創造的で本質的な作業に集中できるようになります。
    • 例:参考デザインのリサーチ、画像素材探し、定型的なデザインパーツの作成など
  • 創造性の拡張:人間だけでは思いつかなかったような新しいアイデアやビジュアル表現のヒントをAIが提供してくれます。
    • 例:多様なデザインコンセプトの提案、ユニークな配色パターンの生成、未知のビジュアルスタイルの探求など
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あなたのデザインツールはAIでこう進化する

受講生の皆さんがWEBCOACHで学んだPhotoshop、Illustrator、Figma、Canvaといったデザインツールも、今まさにAIと共に大きな進化を遂げています。
かつては一つひとつ手作業で行っていたことが、AIによって一瞬で完了するようになりつつあります。

具体的にどのように進化しているのか、見ていきましょう。
  • Photoshop + AI
    • 「生成塗りつぶし」や「生成拡張」といった機能を使えば、写真に写り込んだ不要なものを自然に消したり、画像の外側を違和感なく描き足したりすることが、簡単な指示だけで可能になります。
  • Illustrator + AI
    • 「テキストからベクター生成」機能により、「ライオンのアイコン」のような簡単な言葉から、拡大・縮小しても荒れないベクター形式のイラストやアイコンを瞬時に生成できます。
  • Figma + AI
    • 「FigJam AI」などの機能が、煩雑な情報整理やワイヤーフレームの作成を自動化し、デザインの初期段階にかかる時間を大幅に短縮します。
    • また、AIを利用したプラグインにより制作フローの要所で制作の効率化が可能です。
このように、AI機能はデザイナーの手間を劇的に省くだけでなく、これまで時間や技術の制約で諦めていた表現を可能にし、新しいアイデアを生むきっかけにもなります。
考えてみよう!
もし、LPデザインの制作中にクライアントから「メインで使っている写真、モデルの服装だけ変えられないかな?」と急な要望が来たとします。
従来のやり方と、AI(Photoshopの生成塗りつぶしなど)を使ったやり方では、対応にどのような違いが生まれるでしょうか?
解答例
  • 従来のやり方:
    • 新しい服装のモデル写真を探し直すか、再度撮影する必要がある。
    • もしくは、非常に高度な合成技術を駆使して、何時間もかけて服装部分を加工する必要がある。
    • いずれにせよ、多大な時間とコストがかかり、「できません」と回答せざるを得ない可能性が高い。
  • AIを使ったやり方:
    • Photoshopの「生成塗りつぶし」機能で服装の部分を選択し、「青いジャケット」のような簡単な指示(プロンプト)を入力するだけで、AIが自然な形で服装を差し替えた画像を複数提案してくれる。
    • 数分で複数の選択肢を提示でき、クライアントの要望に迅速かつ柔軟に対応できる。

【1-3】AI時代のデザイナーの倫理と著作権

目安の学習時間:20分

これからプロを目指す上で知っておくべきこと

AIという強力な道具を手に入れることは、同時に大きな責任を伴います。
プロのデザイナーとして活動していく上で、必ず理解しておくべき倫理と著作権の基本について学びましょう。
AI利用における3つの重要原則
  • 原則1:透明性の確保
    • クライアントやチームに対して、デザインプロセスにおいてAIをどの程度、どのように利用したかを明確に説明することが重要です。
    • 隠すのではなく、強みとして説明することで信頼に繋がります。
  • 原則2:最終責任はデザイナーに
    • AIが生成したアウトプット(画像、テキストなど)に誤りや偏見、権利侵害のリスクがないかを確認し、 最終的な品質に責任を持つのはデザイナー自身です。
    • AIはあくまで補助であり、鵜呑みにはしません。
  • 原則3:著作権・利用規約の遵守
    • 使用するAIツールの利用規約を必ず確認し、特に商用利用の可否やクレジット表記の要否を理解することが不可欠です。
    • 生成物の著作権の扱いも、ツールや国によって異なるため、常に最新の情報を意識する必要があります。

WEBCOACHが推奨するAI活用の基本スタンス

WEBCOACHでは、皆さんがAI時代に活躍できるデザイナーになるために、以下のスタンスを推奨しています。
  • AIを学び、積極的に活用する:変化を恐れず、新しい技術を自身のスキル向上のために使いこなしましょう。
  • 倫理観を忘れない:常に誠実さを持ち、社会やクライアントに対して責任あるデザインを心がけましょう。
  • デザインの本質を見失わない:AIは強力なツールですが、デザインを通じて課題を解決するという本質は変わりません。常に「誰のために、何のために」を考え続けましょう。
注意
  • AIと著作権に関するルールは、まだ発展途上であり、今後法律や判例によって変化していく可能性があります。
  • この教材で学ぶのは現時点での基本的な考え方です。
  • 常に最新の情報を追いかけ、専門的な判断が必要な場合は弁護士などの専門家に相談する 姿勢が重要です。

【1-4】1章 -章末課題- [AI活用プランニングシート作成]

目安の学習時間:10分

問題

この章で学んだことを踏まえ、自分自身の「AI活用プランニングシート」を作成してみましょう。
以下の項目を埋めて、これからのAI学習への期待や目標を言語化してください。
【AI活用プランニングシート】
  1. あなたがWEBCOACHで学んだスキルの中で、最も自信のあるものは何ですか?
    (例:Figmaを使ったUIデザイン、Photoshopでの画像加工など)
  2. あなたのデザインプロセスの中で、AIを使って「もっと楽にしたい」または「もっと良くしたい」と思う工程はどこですか?
    (例:アイデア出し、素材探し、デザインのバリエーション作成など)
  3. このAIデザインコース全体を通じて、あなたが最も学びたい、あるいは期待していることは何ですか?

解答解説

この課題に唯一の正解はありません。受講生一人ひとりが自分自身の現状と目標を向き合うことが目的です。
ここでは、考えを深めるためのヒントとして解答例を示します。
解答例
  1. 自信のあるスキル: Figmaを使ったLPデザインのレイアウト作成
  2. AIで改善したい工程: LPのキービジュアル作成。いつもフリー素材サイトでイメージに合うものを探すのに時間がかかってしまう。また、説得力のあるキャッチコピーを複数案考えるのが苦手。
  3. 学びたいこと: 画像生成AI(Fireflyなど)を使って、クライアントの要望に合った高品質なキービジュアルを自分で生成できるようになりたい。また、ChatGPTにキャッチコピーのアイデアをたくさん出してもらい、提案の幅を広げたい。
解説
このように、自分の「得意」と「課題」を明確にすることで、AIを学ぶ目的がより具体的になります。
目的が具体的であればあるほど、学習の吸収率は高まります。

ぜひ、じっくりと自分自身と向き合って考えてみてください。
これで「AIとデザイナーの新しい出会い」の解説を終わります。
次の章に進みましょう。
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