教材3-EX③ 特定AIツール深掘り講座_image-FX
2章:生成AI画像のレタッチ&加工ワークフロー
INDEX
目次

2章:生成AI画像のレタッチ&加工ワークフロー

この章の目安学習時間: 1時間30分

この章で到達できるゴール

  • 生成AI画像の弱点を理解し、レタッチの必要性を説明できる
  • Photoshopの主要な機能(調整レイヤー、生成拡張など)を使い、生成画像をプロレベルに仕上げられる
  • (発展)Illustratorの画像トレース機能を使い、生成画像をベクター素材化できる

【2-1】なぜ加工が必要か?生成AIの弱点と限界

目安学習時間: 10分

生成AI画像によくある課題

ImageFXは非常に高品質な画像を生成できますが、それでもまだ完璧ではありません。
生成された画像をそのまま使うのではなく、プロのデザイナーとして一手間加えることで、クオリティは飛躍的に向上します。
生成AIが抱える典型的な課題を理解しておきましょう。
  • ディテールの不自然さ:
    • 人間の指や手の形、歯並び、文字、細かい模様などが崩れやすい傾向があります。
    • よく見ると違和感のある部分が残っていることが少なくありません。
  • 質感の均一さ:
    • 全体的にのっぺりとした、いかにもデジタルで作られたような均一な質感になりがちです。
    • 写真のようなざらつきや、自然な光の反射などが不足することがあります。
  • 著作権・倫理的な懸念:
    • 意図せず、既存の作品や実在の人物に酷似した画像が生成されてしまうリスクはゼロではありません。
これらの課題を解決し、生成物にデザイナーとして責任を持ち、オリジナリティと品質を担保することが、画像加工の重要な目的です。

【2-2】実践レタッチ in Photoshop

目安学習時間: 30分

ここからは、Adobe Photoshopを使って、生成した画像をプロレベルに仕上げる具体的なテクニックを学びます。

調整レイヤーによる色調補正

生成した画像の色味や明るさが、思い描いていたイメージと少し違うことはよくあります。
そんな時は「調整レイヤー」を使いましょう。
元画像を直接編集しない「非破壊編集」なので、何度でもやり直しがきくのが大きなメリットです。
  • よく使う調整レイヤー:
    • トーンカーブ:明るさやコントラストを直感的に調整できます。
    • カラーバランス:画像のハイライト・中間調・シャドウごとに色味を調整できます。
    • 色相・彩度:特定の色の色合いや鮮やかさを変更できます。

不要物除去とディテール修正

画像内に小さく映り込んだゴミや、デザインの意図に合わない不要物は、プロの仕事としてきれいに除去しましょう。
  • シンプルな除去:「スポット修復ブラシツール」や「コンテンツに応じた塗りつぶし」が便利です。
  • 複雑な修正:指や顔のパーツなど、より繊細な修正にはPhotoshopの生成AI機能「ジェネレーティブ塗りつぶし」が強力な助けになります。

Camera Rawフィルターによる質感向上

「Camera Rawフィルター」は、写真の現像に使われる強力な機能ですが、AI生成画像の仕上げにも絶大な効果を発揮します。
主な調整項目:
  • テクスチャ、明瞭度:画像のシャープさやディテールを強調し、のっぺり感を解消します。
  • かすみの除去:コントラストを調整し、よりクリアな印象にします。
  • 粒子:画像に微細な粒子(グレイン)を加え、デジタル特有の質感を和らげ、フィルム写真のような自然な風合いを出します。

【2-3】構図変更とサイズ調整:Photoshopの「生成拡張」

目安学習時間: 20分

生成拡張とは

ImageFXでは正方形や特定の比率で画像を生成しますが、バナー広告やキービジュアルなど、デザインの用途に合わせてカンバスサイズを変更したいケースは頻繁にあります。

そんな時に役立つのが、Photoshopの「生成拡張」機能です。

これは「切り抜きツール」と生成AIを組み合わせた機能で、アートボードを元の画像の外側に広げると、その空白部分をAIが自動で自然に生成してくれるという画期的なものです。

活用例

  • 正方形で生成した画像を、Web広告バナー用に横長の構図に変更する。
  • 人物の写真の上下に余白を追加し、より開放感のある構図に調整する。
  • トリミングしたい比率は決まっているが、元画像が少し足りない場合に、下地として画像を拡張する。

練習問題

問題
ImageFXで生成した正方形の人物ポートレート画像を、Photoshopの「生成拡張」を使って「16:9」の横長のキービジュアル用画像に拡張してください。
解答

【2-4】(発展)Illustrator連携:ベクター素材化テクニック

目安学習時間: 10分

画像トレース機能

応用テクニック

このパートは発展的な内容です。Illustratorの基本操作に慣れている方向けのテクニックとしてご紹介します。

ImageFXで生成したシンプルなアイコンやロゴ風の画像を、Adobe Illustratorの「画像トレース」機能を使うと、ベクターデータに変換できます。
ベクター化のメリット:
  • 拡大・縮小しても画質が劣化しない。
  • パスやアンカーポイントを直接編集でき、色や形を自由に変更できる。
  • Webサイトのアイコン(SVG形式)や、印刷物にも対応できる。

【2-5】章末課題 - 生成画像のプロフェッショナルレタッチ

目安学習時間: 20分

問題

1章で生成した「オフィスでノートPCを操作するビジネスパーソン」のイラスト画像、またはご自身で生成した人物画像をPhotoshopで開き、この章で学んだテクニックを使って、以下の加工を全て施してください。
  1. 「調整レイヤー」を使い、画像全体の雰囲気を「暖色系」または「寒色系」に寄せる。
  2. 「Camera Rawフィルター」の「粒子」を加え、少しザラっとした質感にする。
  3. 「生成拡張」を使い、元画像の上下または左右に余白を追加し、構図に変化をつける。

解答手順

章末課題の提出
コーチにフィードバックを貰おう!
  • 完成した課題は、コーチに提出してフィードバックをもらいましょう!
  • 思いもよらない新しいアイデアや、別の切り口のヒントがもらえることもあります。
【ポイント】
  • 加工を施した画像と、それぞれの加工でどのような調整を行ったか具体的に説明しましょう。
  • 特に「調整レイヤー」と「生成拡張」については、あなたの意図した通りの仕上がりになったか、もしそうでなければどこが課題だったかを具体的に記述しましょう。
  • コーチに、これらの加工についてさらに効果的なテクニックや、他の表現方法がないか質問してみましょう。
これで「2章:生成AI画像のレタッチ&加工ワークフロー」の解説を終わります。
お疲れ様でした!

次の最終章では、いよいよこれらの素材を統合し、実践的なデザインアセットを制作します。
WEBCOACH | キャリアチェンジまでの全てを学ぶマンツーマンWEBスクール
© 2020 by WEBCOACH