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目次
1章:【理論編】成果を出すSNS広告動画の鉄則
この章の目安学習時間:40分
この章で到達できるゴール:
- SNS広告動画の目的と、主要プラットフォームごとの特徴を説明できるようになる。
- 広告動画で視聴者の心を掴み、行動を促すための構成の型を理解し、説明できるようになる。
【1-1】SNS広告動画の目的と種類
目安の学習時間:10分
作る動画は何のため?:広告の3つの目的
SNS広告動画と一言で言っても、その目的は様々です。制作を始める前に、「この動画で何を達成したいのか」という目的を明確にすることが、成功への第一歩となります。
広告の目的は、マーケティングのファネル(漏斗)に沿って、大きく3つに分類されます。
広告の目的は、マーケティングのファネル(漏斗)に沿って、大きく3つに分類されます。
目的で変わる、動画で伝えるべきメッセージ
動画の目的が違えば、当然、伝えるべきメッセージや動画全体のトーン&マナーも変わってきます。
- 認知拡大が目的の場合:
視聴者の興味を引くことを最優先し、インパクトや面白さを重視したエンタメ性の高い動画が効果的です。 - 比較検討が目的の場合:
商品の具体的な機能や、利用者の声、他社製品との違いなどを分かりやすく伝え、信頼性と納得感を醸成することが重要です。 - 行動喚起が目的の場合:
「今だけの限定割引」「無料お試しはこちら」といった、視聴者が「今すぐ行動しないと損だ」と感じるような、緊急性や限定性をアピールするメッセージが中心となります。
【1-2】プラットフォーム別 特徴と最新トレンド
目安の学習時間:20分
目的と同時に考慮すべきなのが、どのSNSプラットフォームで広告を配信するかです。
各プラットフォームには、それぞれ異なるユーザー層と文化が存在するため、その特徴に合わせた動画を制作する必要があります。
各プラットフォームには、それぞれ異なるユーザー層と文化が存在するため、その特徴に合わせた動画を制作する必要があります。
プラットフォーム |
主なユーザー層 |
特徴と文化 |
有効な動画トレンド |
---|---|---|---|
Instagram (Reels) |
10代~30代の女性が中心 |
世界観の統一と美しいビジュアルが重視される。ストーリーズとの連携も強力。 |
Vlog風、ユーザー投稿風(UGC)、HowTo形式、共感系のショートドラマ |
TikTok |
10代~20代の若年層が中心 |
エンタメ性と音声(BGM)が極めて重要。「面白い」「楽しい」がシェアの動機になる。 |
ダンスチャレンジ、面白おかしい検証動画、縦型ならではのテンポの良い演出 |
YouTube (Shorts) |
幅広い年齢層が利用 |
「知りたい」「学びたい」という欲求を持つユーザーが多く、情報量や専門性が評価されやすい。 |
切り抜き風、情報リスト形式(例:〇〇3選)、ビフォーアフター、専門家による解説 |
【1-3】1章 -章末課題- [最適なプラットフォーム提案]
問題
クライアントから、以下の3つの新商品の広告動画制作を依頼されたと仮定します。1章で学んだ知識に基づき、それぞれの商品に最も適していると思われるSNSプラットフォーム(Instagram, TikTok, YouTubeショート)はどれか、その理由とともに提案してください。
- 商品A:メイクアップアーティスト監修の、プロ向け多色アイシャドウパレット
- 商品B:1曲4時間でマスターできる、オンラインのウクレレ速習講座
- 商品C:地元のフルーツをふんだんに使った、見た目も可愛い「踊るパンケーキ」
解答解説
解答例
-
商品A → Instagram (Reels)
この商品は「美しい色彩」や「洗練された世界観」が重要であり、ビジュアルの美しさを重視するInstagramとの相性が非常に良いです。ユーザー層も10~30代の女性が中心で、メイクへの関心が高い層に届きやすいです。
Vlog風のメイクアップチュートリアルやUGC風の使い方紹介を通じて、プロの技術や商品の発色を伝えることで、信頼感と購買意欲を高めることができます。TikTokよりも“プロフェッショナルな美”を演出しやすい点もInstagramの強みです。 -
商品B → YouTube Shorts
「短時間で楽器が学べる」という教育的・実用的な情報は、知的欲求の強いYouTubeユーザー層とマッチします。
YouTube Shortsは「〇〇の弾き方3選」や「ビフォーアフター(弾けるようになる前後比較)」のような情報リスト形式や解説系動画との相性が良く、専門性が伝わりやすいです。TikTokはエンタメに寄る傾向があり、習得系コンテンツはYouTubeの方が信頼されやすい点もポイントです。 -
商品C → TikTok
「踊るパンケーキ」は、動き・音楽・可愛さという要素が魅力の商品であり、エンタメ性と音声を重視するTikTok文化と非常に相性が良いです。
「リズムに合わせてパンケーキが揺れる」様子を、テンポよく編集された縦型動画で投稿することで、若年層ユーザーの“シェアしたい欲”を刺激できます。Instagramでも見栄えはしますが、“面白い”という感情で拡散されやすいTikTokの方が話題化に向いています。
◎参考:プラットフォーム選定のプロセス
以下のようなプロセスで、どんなプラットフォームが適しているか考えてみましょう。
以下のようなプロセスで、どんなプラットフォームが適しているか考えてみましょう。
STEP 1:商品・サービスの「魅力」を整理する
まずは、商品やサービスの特徴やアピールポイントを洗い出します。
まずは、商品やサービスの特徴やアピールポイントを洗い出します。
- 見た目が美しい? ⇒ ビジュアル重視
- 動きが面白い? ⇒ エンタメ性・音楽との相性
- 知識やスキルが得られる? ⇒ 学習・解説系に向く
- 誰に届けたい? ⇒ 主なターゲット層を明確に
STEP 2:プラットフォームごとの特徴と照らし合わせる
次に、上で整理した商品・サービスの魅力が、どのプラットフォーム文化にマッチするかを見ていきます。
次に、上で整理した商品・サービスの魅力が、どのプラットフォーム文化にマッチするかを見ていきます。
プラットフォーム
|
向いている商品例
|
キーワード
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---|---|---|
Instagram
|
美容・ファッション・ライフスタイル系
|
美しさ・世界観・共感
|
TikTok
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面白い・キャッチー・動きのある商品
|
音楽・テンポ・バズ狙い
|
YouTube Shorts
|
解説・ハウツー・教育・比較
|
学び・説得力・検索性
|
STEP 3:「なぜそのプラットフォームなのか」を説明できるようにする。
選んだプラットフォームに対して、次のような観点から説明を組み立てます。
選んだプラットフォームに対して、次のような観点から説明を組み立てます。
- 見た目が美しい? ⇒ ビジュアル重視
- 動きが面白い? ⇒ エンタメ性・音楽との相性
- 知識やスキルが得られる? ⇒ 学習・解説系に向く
- 誰に届けたい? ⇒ 主なターゲット層を明確に
これで「1章:【理論編】成果を出すSNS広告動画の鉄則」の解説を終わります。
次の章に進みましょう。