INDEX
目次
1章 AIの基本と仕組み
この章の目安学習時間:180分
この章で到達できるゴール:
- AIの定義と機械学習の基本原理を理解する
- ニューラルネットワークとディープラーニングの構造を把握する
【1-1】AIの定義と研究の歴史
目安の学習時間:30分
AIの定義と分類
現代社会で欠かせない存在となったAI(人工知能)。
その歴史は、1956年に開催されたダートマス会議から始まりました。
この会議で、ジョン・マッカーシー教授によって初めて「人工知能」という言葉が提唱されたのです。
その歴史は、1956年に開催されたダートマス会議から始まりました。
この会議で、ジョン・マッカーシー教授によって初めて「人工知能」という言葉が提唱されたのです。
AIと混同されやすいものに「ロボット」がありますが、AIとロボットの区別は明確です。
ロボットは「物理的な体」を持つ機械を指すのに対し、AIは「知的な処理を行うプログラム」を指します。
いわば、ロボットが「体」なら、AIは「頭脳」の役割を果たします。
AIの研究が進むにつれ、かつては「知的だ」と思われていた技術が、仕組みが解明され普及すると、当たり前の技術(自動化の一部)と見なされるようになります。
この現象をAI効果と呼びます。
また、AIはその能力に応じて、単純な制御から複雑な学習まで「AIの4つのレベル」に分類されることが一般的です。
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レベル
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特徴
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具体例
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|---|---|---|
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レベル1
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単純な制御
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エアコンの温度調節
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レベル2
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古典的なAI(ルールベース)
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掃除ロボット、診断ゲーム
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レベル3
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機械学習
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検索エンジンの予測表示
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レベル4
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ディープラーニング
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画像生成、翻訳AI
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考えてみよう!:知能の定義
コンピュータが「知能を持っている」と判断される基準にはどのようなものがあるか考えてみましょう。
解答例
単なる計算の速さだけでなく、人間のように「言葉を理解する」「経験から学ぶ」「未知の問題に対して推論する」といった、柔軟な処理が行えるかどうかが一つの基準となります。
練習問題:AIの定義
問題
AIの定義について、正しく説明している記述を1つ選びなさい。
- AIの定義は明確に定まっていないが、一般的には「人間の脳のつくりを模倣したコンピュータ」とされている。
- AIの定義は明確に定まっていないが、一般的には「人間の知能に近い人工的な知能を持ったコンピュータ」とされている。
- AIの定義は、「自己学習を行い、未知のデータに対して高い予測精度を持つコンピュータ」と定義されている。
- AIという用語は、ダートマス会議で「人工的で、知的なプログラムで構築されたコンピュータ」と初めて定義された。
解答
2
【1-2】知能をもたらす仕組み
目安の学習時間:60分
ルールベースと機械学習
AIに知能を持たせる方法には、大きく分けて2つのアプローチがあります。
1つ目は、人間がすべてのルールを書き込むルールベースという手法です。
「もしAならばBせよ」という命令を組み合わせますが、複雑な現実世界に対応するには限界がありました。
2つ目は、AI自らがデータから法則を見つけ出す機械学習です。
「もしAならばBせよ」という命令を組み合わせますが、複雑な現実世界に対応するには限界がありました。
2つ目は、AI自らがデータから法則を見つけ出す機械学習です。
この際、学習の結果として出来上がった判断基準の塊を学習済みモデルと呼びます。
学習効率の真実
- ノーフリーランチ定理
- 「あらゆる問題に対して、常に万能な学習アルゴリズムは存在しない」という定理です。
- 問題の性質に合わせて、適切な手法を選ぶことが重要です。
機械学習の3つの手法
機械学習は、学習の進め方によって以下の3つに分類されます。
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手法
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特徴
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具体的な活用例
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|---|---|---|
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教師あり学習
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データと正解(ラベル)をセットで与えて学習させる。
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迷惑メールの自動仕分け、画像内の物体検知
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教師なし学習
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正解を与えず、データ自体の構造や特徴を分析させる。
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顧客のグループ分け、データの圧縮
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強化学習
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行動に対して報酬を与え、最大化する手順を学ぶ。
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囲碁や将棋、お掃除ロボットの効率的な経路走行
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教師なし学習の代表的な手法には、似たもの同士を分けるクラスタリングや、情報の密度を凝縮する次元削減があります。
また、少量の正解データと大量のラベルなしデータを組み合わせる半教師あり学習も、効率的な学習手法として注目されています。
また、少量の正解データと大量のラベルなしデータを組み合わせる半教師あり学習も、効率的な学習手法として注目されています。
練習問題:学習手法の区別
問題
教師あり学習の説明として適切な記述を1つ選びなさい。
- 入力したデータに対して正解データのペアを与えてモデルをトレーニングする手法。
- 入力したデータに対して正解データのペアを与えず、代わりにデータ自体のパターンや構造をモデルが自己で発見することでトレーニングする手法。
- 入力したデータを似た特徴やパターンを持つグループに分類することでモデルをトレーニングする手法。
- 入力したデータに対して少量の正解データのペアを与えて、多量のラベルのないデータを効率的に学習する手法。
解答
1
【1-3】脳を模したネットワーク
目安の学習時間:60分
ニューラルネットワークの基礎
人間の脳内にある神経細胞をニューロンと呼びます。
ニューロン同士はシナプスを通じて信号をやり取りしています。
これをコンピュータ上で模倣したものが人工ニューロン(ノード)であり、それらを網目状につなげた構造をニューラルネットワークと呼びます。
信号が伝わる際、情報の重要度に応じて数値が変化します。
これを重みと呼び、この調整作業が情報の重みづけにあたります。
ニューロン同士はシナプスを通じて信号をやり取りしています。
これをコンピュータ上で模倣したものが人工ニューロン(ノード)であり、それらを網目状につなげた構造をニューラルネットワークと呼びます。
信号が伝わる際、情報の重要度に応じて数値が変化します。
これを重みと呼び、この調整作業が情報の重みづけにあたります。
ディープラーニングの進化
ニューラルネットワークの層を非常に深くしたものをディープラーニング(深層学習)と呼びます。
最大の特徴は、人間が指示しなくてもAI自らがデータの注目すべき点である特徴量を見つけ出すことです。
最大の特徴は、人間が指示しなくてもAI自らがデータの注目すべき点である特徴量を見つけ出すことです。
しかし、学習が進みすぎると、練習問題(学習データ)だけに強くなり、本番(未知のデータ)に弱くなる過学習という現象が起こります。
これを防ぐために、モデルを複雑にしすぎない正則化や、学習時に一部のノードをあえて無視するドロップアウトといった手法が使われます。
これを防ぐために、モデルを複雑にしすぎない正則化や、学習時に一部のノードをあえて無視するドロップアウトといった手法が使われます。
また、ある分野で学習した知識を別の分野に応用する手法を転移学習と呼び、効率的な学習に役立っています。
【1-4】AIの歴史と発展段階
目安の学習時間:30分
AIブームの変遷
AIの歴史は、期待と失望を繰り返す3つのブームで構成されています。
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ブーム時期
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主な技術・キーワード
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|---|---|
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第一次AIブーム
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パズルや迷路などの「探索」と「推論」が中心。
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第二次AIブーム
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専門家の知識を教え込む「エキスパートシステム」が登場。しかし膨大なデータの入力に挫折し「AIの冬」の時代へ。
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第三次AIブーム
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インターネットの普及による「ビッグデータ」と、ディープラーニングの登場。
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現在は、特定の作業のみを行う弱いAI(ANI)が主流ですが、人間のようにあらゆる課題をこなせる強いAI(AGI)の実現も研究されています。
シンギュラリティへの道
AIが人類の知能を超える転換点をシンギュラリティ(技術的特異点)と呼びます。
【1-5】1章 -章末課題- AIの基礎知識
問題
- ディープラーニングにおいて、学習データに過剰に適合してしまい、未知のデータに対して性能が落ちる現象を何と呼びますか?
- レイ・カーツワイルが予測した、AIが人類の知能を超える転換点を指す言葉を答えなさい。
- 学習効率に関する定理で、「万能なアルゴリズムは存在しない」ことを示す定理は何ですか?
解答・解説
1. 過学習(オーバーフィッティング)
解説:特定のデータに特化しすぎた状態です。これを防ぐためにドロップアウトなどの手法が取られます。
2. シンギュラリティ(技術的特異点)
解説:レイ・カーツワイルは、これが2045年に到来すると予測しました。
3. ノーフリーランチ定理
解説:どんな問題にも通用する最強の学習方法は存在しないため、目的に合わせたAI選びが必要です。
解説:特定のデータに特化しすぎた状態です。これを防ぐためにドロップアウトなどの手法が取られます。
2. シンギュラリティ(技術的特異点)
解説:レイ・カーツワイルは、これが2045年に到来すると予測しました。
3. ノーフリーランチ定理
解説:どんな問題にも通用する最強の学習方法は存在しないため、目的に合わせたAI選びが必要です。
これで「AIの基本と仕組み」の解説を終わります。
次の章に進みましょう。
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