WEBデザイン
バナー制作の手順を学ぼう!
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目次

制作者プロフィール

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はじめまして!
礒野 聖子(いその せいこ)と申します。

Web専門の人材紹介・派遣コーディネーターを経て、現在Webデザインインストラクターとして充実した日々を過ごしています。
20代の頃から どのように生きていきたいか、どのように過ごすことが幸せか と考えながら生活をしていました。

Web専門の人材紹介・派遣のコーディネーターを経験した2000年代に、PhotoshopとIllustratorの経験を持つ人材を探しているクライアントに出会い、自分自身が知らないソフトの経験を持つ人材紹介は出来ないと考え、コーディネーターをしながらWebデザイナーのスクールに通いました。

その際にPhotoshopとIllustratorを習得し、Webデザイナーとしての楽しさを知り、現在に至ります。

娘と孫がいて今とても幸せにごさせいただいていますが、シングルマザーとしての経験もありますので、一般的に順風満帆に生きてきたとは言えないかもしれません。

人それぞれに 幸せって違う と私は思います。

職業訓練校での、Webデザインについてのインストラクター経験を活かし、皆様に”楽しい”、”幸せ”と思えるような教材やコーチングをさせて頂くことが私の”幸せ”です。

経験を沢山積んで、ご自身の”幸せ”を掴んで頂くお手伝いが出来れば嬉しいです。

0. はじめに

学習を始める前に、受講対象と学習目標について確認しておきましょう。

受講対象

  • Canva・Photoshop・Illustrator・Figmaの内、1つ以上のスキルを習得しておりバナー制作を学習する意欲がある方

この章で到達できるゴール

  • Canva・Photoshop・Illustrator・Figma などを用いて、バナーを制作する際の工程や注意すべき点を理解する。
  • 学んだ内容を活かして、オリジナルバナーを作成することができる。

1. バナーはどう作れば良い?

バナー制作の課題に取り組む旨を受講生の方へお伝えすると、以下のような質問をよくいただきます。

  • 『バナーはどうやって制作すれば良いのですか?』
  • 『何から制作していけば良いのですか?』
  • 『どんなバナーを制作すれば良いのですか?』
今回はバナー制作の工程を確認し、基礎を学んでいくことで、これらの疑問を一緒に解決していきましょう。

2.【ウォーミングアップ】バナーをトレース(模写)してみよう!

【2-1】トレースとは?

デザイントレースとは、優れたWebサイトやバナーを見本として、忠実に再現することで、デザインの構成要素や技法を実践的に学ぶ効果的な方法です。
デザインツールの使い方を習得したての際には、デザインツールに慣れることにもつながりますし、デザインの見る目を養い、表現技法を増やすことにもつながるため一石二鳥とされています。

ポイントは「徹底的に観察し、模写すること」です。
トレースを行う際には、オリジナルの要素は加えずに作成していきましょう!

また、「オリジナルのデザインはまだ難しい…」という方は、トレースをたくさんしてデザインスキルを向上させていくと良いでしょう!

【2-2】トレースを実践してみよう!

  • トレースを行う参考バナー
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まずは上記のバナーをトレースしてみましょう。

テキスト(文字)とオブジェクト(四角い図形・線)の簡単なクーポンバナーです。
このバナーの要件定義書は以下になります。
タイトル
内容
制作物を通じて達成したい目的
クーポンコードで次回の購入を促す。
ターゲット
20代〜40代の女性
テキスト
SPECIAL COUPON
クーポンコードのご提示で次回のご購入より
15%OFF
有効期限 年 月 日
(※ご自身で年月日を決定しご記載ください。)
制作物のサイズ・縦横比
600px × 200px
色味
背景色:#998D73
テキスト色:#847235#FFFFFF
要件定義書とは?
  • 要件定義書とは、バナーの発注者(依頼主)から渡される資料です。
  • 制作時に抑えるべきポイントが記載されているので、トレース前に確認しておきましょう。
  • ※ クライアントによっては、要件定義書がない場合もございます。

今回のバナートレースが凄く難しく感じた方は、出来ればもう2-3つご自身が作りたいと思うバナーをサイトで検索してみて、そのバナーをトレースしてみてください。

バナートレースが簡単に出来た方は、ぜひオリジナルバナー制作にチャレンジしましょう。

3. バナー制作の作業工程

まずはオリジナルバナー制作の作業工程を紹介いたします!

『バナー制作ってどうやればいいの?』
『バナー制作、何から手をつければいいかわからない…』


という方は、ここのパートでバナー制作の作業工程をマスターしましょう!

また、慣れてきたらご自身のやりやすい方法でバナー制作を行っていきましょう。

【作業①】要件定義書の読み込み

要件定義書は依頼者によっても内容が異なってきます。

まずはしっかりと要件定義書を読み込み、疑問点や追加で知りたい情報がある場合には、クライアントへヒアリングを実施しましょう。

要件定義書の確認すべき内容と思考工程

訴求ポイント(コピーや使用素材の優先順位)確認
  • ターゲット層や、キャッチコピー・マイクロコピーの優先順位の確認をしましょう。
    コピーや開発素材で必須項目があれば、その内容で先に制作する必要があります。
  • 訴求ポイントに合わせて、掲載媒体で目立つように意識したいバナーであるのか、それとも掲載場所に合わせてトーン&マナー(トンマナ)で制作すべきなのかを考えておきましょう。
サイズ確認
  • バナーは「どのサイズでも良いので自由に制作してください」という依頼は稀です。
    指定のサイズを確認し、訴求ポイントや必須項目をどのように配置すれば効果的になるかを考える必要があります。
掲載場所・色味・与えたい印象の確認
  • バナーの与えたい印象やどのようなものであるのか、をクライアントと認識のすり合わせを行いましょう。
  • 掲載場所を確認し、色味と与えたい印象によって、目立つような配色で制作をするのか、絶対に使用して欲しくない色味があるのかなどを確認し、どのような配色がベストかを考えましょう。
要件定義書テンプレートの作成

ご自身がバナー制作しやすいと思える要件定義書のテンプレートを一つ制作しておきましょう!
あまり慣れていないクライアント様などですと、「要件定義書が無い」といったこともございます。
そのような際に、テンプレートに沿ってヒアリングが出来るため聞き漏らしなく情報を収集することができます!
※『バナー制作講座』で多くの要件定義書が用意されていますので、そちらをそのまま使用しても構いません。

【作業②】リサーチ業務(参考になるデザインやトレンドのリサーチ)

  • Pinterest(ピンタレスト)

※ デザインで困った際には、Pinterest 上でデザインを積極的にリサーチしていきましょう!

リサーチ業務(市場動向やトレンドのリサーチ)で確認すべき内容と思考工程

1.さまざまな検索キーワードで検索をかける

様々なキーワードで検索を行うと、参考になるデザインやトレンドのリサーチがしやすくなります。

  • 商品名による検索
    例: 「〇〇(提供素材の商品・商材名) バナー」
  • 訴求ポイントによる検索
    例: 「かっこいい クール 可愛い バナー」

様々な検索ワードを掛け合わせて考えてリサーチをしていきましょう。

2.参考バナーを複数集めて比較しながら制作を進める

  • ピンとくる参考バナーを1つ見つけて終わりではございません。
  • 最低でも5個以上バナーをリサーチし作業画面上に並べてラフ制作に取り掛かりましょう。
    • バナー制作を始めたばかりの方は、上記のように複数の見本を参考にしながら制作に着手すると、非常にやりやすくなります。
  • 参考バナーを1案にすると、そのバナーとそっくりのバナーを制作することになってしまいます。
  • 様々な種類のバナーから文字組みや配色を参考にしていきましょう。

【作業③】ラフ制作(手書きでOK!)

リサーチを実施し、参考バナーが保存出来ましたら、ラフ制作を実施しましょう。

ラフとはおおまかなデザインの事です。紙へ手書きで記載しても良いですし、バナー制作用ソフトで制作して頂いても構いません。

バナーサイズに合わせた縦横比で枠を書き、その中に描いていきましょう。

ラフ制作で確認すべき内容と思考工程

  1. 要件定義書を確認
    • 要件定義書のコピーや提供素材は必ずそのバナーに入れなくてはいけない必須の項目となるため、必ず確認をする必要があります。
    • 必須項目をメインにラフ制作での配置を考えたうえで、装飾なども考えていきましょう。
  2. 参考バナーの確認
    • 5個以上リサーチしたバナーを作業画面上に並べ、要件定義書の必須項目や提供素材とどのように組み合わせれば訴求ポイントに合うバナーになるかを考え、ラフを仕上げていきましょう。
  3. 素材の確認
    • 要件定義書に提供素材が用意されていない場合は、この段階で写真素材やイラストデータを準備・収集・制作しておくと良いでしょう。
    • 手書きでラフを描く際にも、その素材の大まかな雰囲気を描きましょう。写真素材やイラストで良い素材が無い場合は、写真撮影やイラストを描き用意することも考えましょう。
  4. テキストの確認
    • 要件定義書でコピーが用意されていない場合は、ラフ段階で考えられる場合はここで考えて書いておくと後が楽になりますので、考えておくと良いでしょう。

ウォーミングアップ用バナーでのラフ制作手書き例

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【作業④】テキスト(文章)のライティング

ラフ制作が出来たら、テキスト(文章)をライティングしていきましょう(ラフ制作段階でソフトで制作されていた場合はそちらを使用して頂いて構いません)。

全体的なバランスを見て、変更した方が良いと思うテキストも修正していきましょう。

テキストライティングで確認すべき内容と思考工程

  1. 縦書きと横書きのどちらが効果的かを確認
    • コピーがすべて要件定義書で用意されている場合、横書きと縦書きのどちらがバナー内でより効果のあるデザインになるかを考えましょう。
  2. キャッチコピー・マイクロコピー・Call to Actionテキストを確認
    • コピーが用意されていない場合、以下の例を参考にテキスト内容を考えライティングしましょう。
    • キャッチコピー例
      • 使いやすさ、わかりやすさ ⇒ <短時間で・誰でも・簡単に>
      • 充実感、大容量感 ⇒ <たくさん!・大容量!・5大機能>
      • お役立ち感 ⇒ <便利な・どこでも・最適な>
      • お得打ち感 ⇒ <〇〇%OFF・今だけ割>
      • クリック誘導 ⇒ <詳しくはコチラ・詳細はこちらから>

ウォーミングアップ用バナーでのテキストライティング例

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【作業⑤】彩度なしでざっくりレイアウト

ラフ案で描いた内容に沿ってバナーのサイズに合わせてレイアウトをしていきましょう。

彩度なしでざっくりレイアウトで確認すべき内容と思考工程

  1. レイアウトの確認
    • ラフ案で描いた内容をレイアウトしていきます。
    • あくまでラフ案であるため、バナーを作成する中で、実際のバナーサイズで良いレイアウトになっているかを確認しましょう。
  2. レイアウトを元にした際に違いがある場合は複数案つくる事も可能
    • このレイアウト段階でどちらにするか決定をせず、レイアウトに違いが生じた場合は同じバナーを複数制作しましょう。
    • 差分を確認し、どちらが良いバナーであるかも考えましょう。

ウォーミングアップ用バナーでのレイアウト例

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【作業⑥】配色&装飾作業

レイアウトが完了後、配色を決めて、同時に装飾もしていきましょう。

配色&装飾作業で確認すべき内容と思考工程

  1. 配色が要件定義書の訴求ポイントに合っているか確認
    • 要件定義書に使用を避ける色味が書かれている場合、その内容に沿った配色で制作しましょう。
    • 書かれていない場合は訴求ポイントに合っているかを考えましょう。
  2. ターゲット層・訴求ポイントに合う装飾が出来ているか確認
    • 装飾が必要な場合もあれば、装飾を極力少なくする場合もあります。
    • どちらにも対応できるよう、ターゲット層と訴求ポイントに合っているかを考えましょう。
  3. 与えたい印象が制作者目線になっていないか確認
    • この段階で、訴求ポイントや与えたい印象が、消費者目線で適切に受け取られているかも必ず確認しましょう。
    • ありがちなのが「新たに覚えた技法をバナーに活かすための装飾を施し、訴求ポイントに合っていないバナーになってしまった」というものです。
    • 制作者目線が与えたい印象と大きく異なるものになっていないか必ずチェックを行い、クライアントの意図をくみとるようにしましょう。

■ ウォーミングアップ用バナーでの配色例(ウォーミングアップ用バナーでは装飾は無し)

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【作業⑦】最終段階での微調整

レイアウト・配色・装飾が終わった後は、最終調整を行います。

バナーも完成間近なので、ここでは特にユーザー目線を意識してレイアウトや配色の微調整を行いましょう。

最終調整で確認すべき内容と思考過程

  1. 誤字・脱字がないか確認
    • 最終調整では、漢字・記号・数字も丁寧に確認してください。
    • 特に、英文などはミスが起こりやすいので、正しいと思っているスペルでもしっかりとダブルチェックを行いましょう。
  2. 視認性が高く訴求したい箇所は目立つか確認
    • 指示された素材や色を見本どおりに使っても、デザインが見づらくなることがあります。
    • バナーの視認性が悪く、効果を発揮することができないと感じた際は、下記の例を参考に調整してみましょう。
    • 調整方法:
      • 吹き出しをつける
      • テキストに下線を引く
      • テキストの後ろにオブジェクトを敷き、色を入れる(座布団ともいわれます)
      • テキストをアーチにする
      • 中抜きのテキストを使用する
      • テキストの周りを色や境界にし、ふちどり色をつける
      • など
    • ※これらの表現方法は日頃からPinterestなどでデザインを観察することで自分の中にストックしていきましょう!
  3. クリックされやすいバナーになっているか確認
    • 効果測定が終了したら、ユーザー目線でバナーを改善してみましょう。
    • 皆さんは多数のWebサイトを見てきたであろうプロのユーザーです。
    • ユーザー視点でご自身が制作したバナーをチェックし、【響く・刺さるバナー】になっているか考えましょう。

ウォーミングアップ用バナーの最終調整

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4. オリジナルバナー制作課題

バナー制作の作業工程確認、お疲れさまでした!
バナー制作に慣れてくるとご自身の制作スタイルが確立されていきますので、どんどん最適化をしていきましょう!

それでは早速、オリジナルバナーを制作していきましょう!

◆ 実践課題:パーティー専門アイス・ジェラート店のバナーを作成しよう!

パーティー専門のアイス・ジェラート店のWEBサイトに関して、バナーを2つ作成しましょう。

制作のヒント
  • ポートフォリオに掲載するためにバナー制作をされている方は掲載時間・制作時間も合わせて伝えておきましょう!
  • こだわったポイントなども記載されると、ポートフォリオが充実するので特に工夫した点等も言語化し、説明できるようにしておきましょう。

参考:パーティ専門アイス・ジェラート店WEBサイト

 (13366)

要件定義書_バナー①

タイトル
内容
制作物を通じて達成したい目的
WEBサイトの雰囲気に合わせたバナー制作が出来るようになる
ターゲット
20代・30代のホームパーティー好き・アイスクリーム・ジェラートが好きな男女
ターゲット
大容量のアイスクリーム・ジェラートをホームパーティーをするために買いに行こうとしている。
パーティーで振る舞うために話題性や旬のアイスクリーム・ジェラートを探している
キャッチコピー・文言とその優先順位
①〇〇賞受賞
②ゆず香る
上記どちらの文言も必ず使用してください
〇〇賞は架空の受賞内容で構いません
マイクロコピーとその配置
①再入荷
②ご注文はこちらから
上記どちらかを使用してください
制作物のサイズ・縦横比
550px × 180px
掲載・配信箇所
上記サイトデザイン内 バナー1部分
色味
寒色系でまとめて頂きたい
与えたい印象
爽やかなイメージであっさりとした雰囲気
使用する素材の要件
ゆずの写真を利用してください
その他意識して欲しいこと
爽やかなイメージにしてください
見本例バナー①
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要件定義書_バナー②

タイトル
内容
制作物を通じて達成したい目的
WEBサイトの雰囲気に合わせたバナー制作が出来るようになる
ターゲット
20代・30代のホームパーティー好き・アイスクリーム・ジェラートが好きな男女
ターゲット
大容量のアイスクリーム・ジェラートをホームパーティーをするために買いに行こうとしている。
パーティーで振る舞うために話題性や旬のアイスクリーム・ジェラートを探している
キャッチコピー・文言とその優先順位
30%OFF
小さいサイズのバナーであるため視認性良く制作
マイクロコピーとその配置
Call To Action(コール トゥ アクション)ボタンを利用し
クリックを誘導するテキストを配置
テキストはご自身で考えてください
制作物のサイズ・縦横比
180px × 120px
掲載・配信箇所
上記サイトデザイン内 バナー2部分
色味
寒色系で目立たせるようにサイトの雰囲気に合わせて欲しい
与えたい印象
爽やかなイメージであっさりとした雰囲気
使用する素材の要件
アイスクリームの写真を使用してください
その他意識して欲しいこと
爽やかなイメージにしてください
見本例_バナー②
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