CHAPTER 5
動画用AF設定 — AF-C/顔検出/瞳AF/MF切り替えタイミング
GOAL
このレッスンのゴール
- ✓AF-CとAF-Sの使い分けを理解できる
- ✓ピント迷い(ハンチング)への対処とMF切り替えのタイミングを判断できる
動画AF設定の基本
動画撮影ではピントの「動き」が視聴者に見えてしまいます。写真と異なりAFの切り替えが映像に直接現れるため、適切なAF設定が重要です。
| AF設定 | 動作 | 向いているシーン |
|---|---|---|
| AF-C(コンティニュアスAF) | 被写体を追い続けてピントを自動更新 | 動く人物・動体撮影。顔や瞳を追跡しながら撮影 |
| AF-S(シングルAF) | 一点でピントをロック | 静物・位置が固定した被写体 |
| 顔検出AF | 顔を自動認識してAF-Cで追従 | 人物が映るシーン。複数人の場合は追従対象を手動選択 |
| 瞳AF | 瞳をピンポイントで自動認識して追従 | ポートレート動画・インタビュー。より精度の高いピント |
| AF追従感度・AF駆動速度の設定 | 追従感度は障害物などへの「反応のしやすさ(粘り)」、駆動速度はレンズが動く「スピード(滑らかさ)」を調整できる機種がある。別々のパラメータ | 追従感度を低め(粘る)・駆動速度を遅め(滑らか)にするとピントのバタつきを抑えやすい |
カメラでAFモードを切り替える手順
📌 図はCanon EOS R50の操作例です。お持ちのカメラによって操作方法は異なります。「機種名 + AFモード + 使い方」で検索するか、説明書の「AF設定」の項目をご確認ください。
1
MENUボタンを押す
カメラ背面のMENUボタンを押してメニュー画面を開きます。
2
「AFの方法」を選択
ムービーカメラアイコンのタブ(動画撮影設定)→「AFの方法」を選択します。
3
AF-C(コンティニュアス)または AF-S を選択してSETで確定
動く被写体には「AF-C」、固定カットには「AF-S」を選択します。SETボタンで確定します。
4
顔・瞳AFのオン/オフを確認
「被写体追跡」または「顔検出」が有効になっているかを確認します。人物撮影の場合はオンにします。
確認クイズ
動画で人物が歩きながら話すシーンを撮影するとき最も適したAF設定はどれ?
正解です!
動く人物の撮影にはAF-C(コンティニュアスAF)が基本です。顔検出や瞳AFと組み合わせることで、人物の動きに合わせて自動でピントを追従させられます。
惜しい!
正解はBです。歩きながら話す人物の撮影にはAF-C+顔/瞳AFが最適です。AF-Sではピントが固定されて追従できず、MFは手動で追い続けるのが困難です。
ピント迷いへの対処とMF切り替え
ピント迷い(ハンチング)が起きると映像が大きくブレて視聴者に不快感を与えます。原因を理解して対処しましょう。
| ピント迷いの原因 | 対処法 |
|---|---|
| 被写体のコントラストが低い(白壁・のっぺりした背景) | AF感度を低めに設定。コントラストのある部分でピントを合わせてからフレーミングを変える |
| 暗い環境 | AF感度を低めに。AF補助光を使用。それでも迷う場合はMFに切り替える |
| ガラス越し・格子越しの撮影 | 必ずMFに切り替えてピントを固定する。AFがガラスに引っ張られる |
| 複数人や複雑な背景がある | 追従対象を手動で指定。AF感度を低めに設定して急なピント変化を防ぐ |
✓ Point !
MFへの切り替えタイミング
固定カット・背景が複雑・ガラス越し・ハンチングが止まらない場合は迷わずMFに切り替えましょう。動画ではピントがバタつく映像が最も視聴者に不快感を与えます。
確認クイズ
AF-Cのハンチング(ピント迷い)を減らす設定として正しいのはどれ?
正解です!
AF追従感度を「粘る(低め)」に設定すると、手前に障害物が横切ったり背景に引っ張られたりしたときの急激なピント変化を抑えられます。AF駆動速度を「遅め(滑らか)」にするとレンズの動きがマイルドになり、ピントの前後バタつき(ハンチング)を視覚的に目立たなくさせる効果があります。機種によってどちらか一方、または両方を設定できます。
惜しい!
正解はAです。AF追従感度(粘り)を低め、またはAF駆動速度を遅めにすることで急激なピント変化を抑えてハンチングを減らせます。この2つは別々の設定項目です。ISO・シャッタースピード・F値はAFのバタつきとは直接関係ありません。
SUMMARY
- AF-Cが動画の基本 ― 人物追跡にはAF-C+顔/瞳AFを組み合わせる
- AF感度は低めに ― 速すぎるAFはバタつきの原因。低めに設定する
- ハンチングへの対処 ― AF感度↓・距離を一定に・それでも迷うならMFへ切り替え
- MFが活きる場面 ― 固定カット・ガラス越し・ハンチングが止まらないとき
CHECK
理解度チェック
AF-CとAF-Sの違いと使い分けを説明できる
AF-Cは被写体を追い続けてピントを自動更新します。動く人物・動体撮影に適しています。AF-Sは一点でピントをロックします。固定した静物の撮影に使います。動画の人物撮影は基本的にAF-C+顔/瞳AFが推奨です。
ハンチングの原因と対処法を説明できる
ハンチングはAFがピントを合わせきれず前後に動き続ける現象です。原因は低コントラスト・暗所・ガラス越しなど。対処はAF感度を低めに設定し、それでも改善しない場合はMFに切り替えます。
MFに切り替えるべきタイミングを3つ以上答えられる
①固定カット(カメラも被写体も動かないシーン)②ガラス越し・格子越しの撮影③ハンチングが止まらないとき④背景が複雑で追従対象を誤認識するとき。これらの場面ではMFに切り替えてピントを固定します。