CHAPTER 5
手ブレ対策 — IBIS/OSS・安定した持ち方・三脚とジンバルの使い分け
LESSON 5-3 IBIS/OSSの仕組みを理解して安定化手段を使い分ける ⏱ 所要時間:約15分
GOAL
このレッスンのゴール
  • IBIS/OSSの仕組みと限界を説明できる
  • 三脚・ジンバル・歩き撮りの使い分けを判断できる

手ブレ補正の仕組みと限界(IBIS/OSS)

動画の品質を左右する最大の要因のひとつが「映像の安定感」です。手ブレの多い映像は視聴者に不快感を与えます。まず手ブレ補正の仕組みを理解しましょう。

補正方式仕組み注意点
IBIS(ボディ内手ブレ補正)カメラ本体のセンサーが動いてブレを相殺する対応ボディが必要。レンズ側の補正と干渉する機種あり
OSS/IS(レンズ内手ブレ補正)レンズ内の光軸補正でブレを抑える対応レンズが必要。純正ボディとの組み合わせでは自動で協調補正。一部の機種やサードパーティ製レンズでは干渉する場合があるためマニュアルで確認
電子手ブレ補正(デジタル)カメラ内でデジタル処理。画角がわずかにクロップされる他の補正と組み合わせると効果的。画質に影響が出る場合がある
✓ Point !
IBIS+レンズOSSの同時ONは基本OK、一部機種は要確認

純正ボディ+純正レンズの組み合わせでは、IBISとOSSが自動で協調補正します。一部の機種やサードパーティ製レンズでは干渉する場合があるため、お使いのカメラのマニュアルで推奨設定を確認しましょう。

カメラで手ブレ補正(IS)をオン/オフにする手順

📌 図はCanon EOS R50の操作例です。お持ちのカメラによって操作方法は異なります。「機種名 + 手ブレ補正 + 設定」で検索するか、説明書の「手ブレ補正(IS)」の項目をご確認ください。

1
MENUボタンを押す

カメラ背面のMENUボタンを押してメニュー画面を開きます。

2
「動画撮影」タブ →「IS設定」を選択

ムービーカメラアイコンのタブを選択し、「IS設定」を選択します。

3
「動画のIS」をオン/オフに設定

手持ち撮影の場合はオン(強)にします。三脚使用時はカメラが静止しているにもかかわらず補正機構が微小な振動をブレと誤検知して自ら動いてしまうため、逆に映像がブレます。オフに切り替えましょう。

4
レンズのOSSとの干渉を確認してSETで確定

IBISとレンズのIS(OSS)を同時にオンにする場合は、カメラのマニュアルで推奨設定を必ず確認してから確定します。

Q
確認クイズ
IBIS(ボディ内手ブレ補正)の仕組みはどれ?
正解です!
IBISはIn-Body Image Stabilizationの略でボディ内手ブレ補正を意味します。カメラ本体のセンサーが微細に動いてブレを相殺します。レンズ内補正(OSS/IS)とは仕組みが異なります。
惜しい!
正解はAです。IBISはカメラ本体内のセンサーが動いてブレを相殺する仕組みです。レンズ内の光軸補正はOSS(Sony)やIS(Canon)などレンズ内補正の仕組みです。

シーン別の安定化手段の選び方

手ブレ補正機能だけでは限界があります。撮影シーンに合わせて三脚・ジンバル・手持ちを使い分けることで、より安定した映像を作れます。

安定化方法特徴向いているシーン
三脚固定完全に静止した映像。最も安定インタビュー・製品紹介・固定で説明するシーン
ジンバル(電動スタビライザー)歩き移動でもスムーズな映像ウォーキングショット・追いかけショット・ブランド動画
ビデオ一脚縦の揺れを抑えつつ横の動きは可能ライブ撮影・動体追いかけ
手持ち(IBIS/OSS ON)軽快・ドキュメンタリー感ドキュメンタリー・リアル感重視のコンテンツ
✓ Point !
手持ち撮影の安定化テクニック

脇を締める・ゆっくりと一定のペースで呼吸する・壁や手すりに体を預ける・膝を曲げてクッションにする・低重心を意識する。ジンバルがない場合でもこれらのテクニックで映像のブレを大幅に減らせます。

Q
確認クイズ
ショールーム動画でカメラを動かしながらなめらかに撮影したい。最も適した機材はどれ?
正解です!
ジンバルは電動の3軸スタビライザーで、歩きながら撮影してもなめらかな映像を作れます。ショールームや商品紹介など移動しながらスムーズに撮影したいシーンに最適です。
惜しい!
正解はBです。ジンバルは電動スタビライザーで歩きながらでもなめらかな映像が撮れます。三脚は固定撮影専用、手持ちは補正ありでも歩き撮りでは限界があります。
SUMMARY
  1. IBIS ― ボディ内センサーが動いてブレを相殺。対応ボディが必要
  2. OSS/IS ― レンズ内で補正。純正組み合わせでは強力に連動。機種違いでは干渉の場合あり→マニュアルで確認
  3. シーン別選択 ― 固定→三脚、移動→ジンバル、軽装→手持ち(IBIS ON)
  4. 手持ちのコツ ― 脇を締める・低重心・壁に体を預けるなどで安定させる
CHECK
理解度チェック
IBISとOSS/ISの違いと注意点を説明できる
IBISはボディ内センサーが動いてブレを相殺。OSSはレンズ内で光軸を補正。純正ボディ+純正レンズの組み合わせでは自動で協調補正。一部の機種やサードパーティ製レンズでは干渉する場合があるため、カメラのマニュアルで確認します。
三脚・ジンバル・手持ちの使い分けを説明できる
三脚は固定撮影(インタビュー・製品紹介)。ジンバルは移動撮影(ウォーキングショット・ブランド動画)。手持ちはドキュメンタリー感・軽装時。手持ちはIBIS/OSSを必ずONにします。
手持ち撮影を安定させるテクニックを3つ以上説明できる
①脇を締める ②ゆっくりと一定のペースで呼吸する ③壁や手すりに体を預ける ④膝を曲げてクッションにする ⑤低重心を意識する。これらを組み合わせることでジンバルなしでも映像のブレを大幅に減らせます。