INDEX
目次
2章 代表的なAIツールの紹介
この章の目安学習時間:50分
この章で到達できるゴール:
- 主要なAIツール(ChatGPT, Canva AI, Figma AI, Image FX)の具体的な特徴と得意分野を理解できる。
- それぞれのツールが、どのようなデザイン作業で特に役立つかのイメージを掴むことができる。
- 自身のデザインプロセスにおいて、どのツールを導入すれば作業が効率化できるかを判断できるようになる。
【2-1】イントロダクションとテキスト生成AI
目安の学習時間:10分
本章のゴールと学習の流れ
この章では、前章で学んだ「ツールの地図」を基に、現在デザイン業界で特に注目されている代表的なAIツールを一つひとつ見ていきます。
ここでは、各ツールの具体的な操作方法を覚えるのではなく、それぞれのツールの「個性」や「得意なこと」を知ることが目的です。
この章で各ツールの特徴を掴むことで、次の3章で学ぶ「ツールの使い分け」への理解が深まります。
ここでは、各ツールの具体的な操作方法を覚えるのではなく、それぞれのツールの「個性」や「得意なこと」を知ることが目的です。
この章で各ツールの特徴を掴むことで、次の3章で学ぶ「ツールの使い分け」への理解が深まります。
テキスト生成AI:ChatGPT, Gemini
はじめに、デザインプロセス全体を支える最も汎用的なAI、テキスト生成AIについて解説します。
- 特徴:
- 自然な対話形式で、様々な質問に答えたり、指示を実行したりします。
- 得意なこと:
- 文章の作成、要約、翻訳
- アイデアのブレインストーミング
- デザインコンセプトやキャッチコピーの壁打ち相手
- ユーザーペルソナやシナリオの作成
- どんな時に使う?
- デザイン制作の「思考」に関わるあらゆる場面で、優秀なアシスタントや相談相手として活躍します。
- デザインの方向性を言語化したり、アイデアを整理したりする際に非常に強力です。
【2-2】デザインツール統合型AI:CanvaとFigma
目安の学習時間:20分
Canva AI:手軽さとスピードが魅力
次に、皆さんがWEBCOACHで学んだデザインツールに、AIが統合された例を見ていきましょう。
まずはCanvaです。
まずはCanvaです。
- 特徴:
- 豊富なテンプレートを誇るデザインツールCanvaに統合されたAI機能群「Magic Studio」が中心です。
- 得意なこと:
- キーワードからデザインテンプレートを自動生成する「Magic Design」
- デザイン内で使う画像をプロンプトで簡単に生成する「Magic Media」
- 画像内の一部を自然に編集・消去する「Magic Edit」「Magic Eraser」
- どんな時に使う?
- SNS投稿やバナーなど、テンプレートベースのデザインを高速で作成・量産したい時に最も真価を発揮します。
- デザイン作業をCanva内でシームレスに完結できるのが強みです。
使用例
FigmaのAI機能:UIデザインフローに直結
Figmaもまた、機能を拡張する「プラグイン」を通じて、AIを積極的に活用できるツールです。
特にUIデザインのワークフローを効率化する機能が充実しています。
特にUIデザインのワークフローを効率化する機能が充実しています。
- 特徴:
- UIデザインツールFigma内で直接使える「サードパーティ製の豊富なプラグイン」として、多種多様なAI機能が提供されています。
- 必要な機能を自分で選んで追加できるのが大きな特徴です。(※Figma本体の高度なAI機能は、主に有料プラン向けとなります)
- 得意なこと:
- 例えば「Content Reel」などの無料プラグインを使えば、リアルな名前や住所、プロフィール画像といったダミーデータをデザインに一括で流し込むことができ、より完成形に近いイメージでデザインを進めることができます。
- また、テキストで指示を出すと、ボタンやカードといったUIパーツのデザイン案をAIが生成してくれるプラグインもあり、デザインの初期段階でアイデアを得るのに役立ちます(多くは回数制限付きです)。
- その他にも、デザイン作業で発生する細かな作業(レイヤー名の整理など)を自動化してくれる、AIを活用したユーティリティ系のプラグインも多数存在します。
- どんな時に使う?
- UIデザインのワークフローを止めずに、特にデザインのディテールを詰める作業や、アイデア出しの初期段階で役立ちます。
- 無料のプラグインを組み合わせることで、手作業を減らし、より本質的なデザインの検討に時間を割くことができます。
使用例
考えてみよう!
Canva AIとFigmaのAI機能、どちらも「デザインツール統合型」ですが、どのような目的の違いで使い分けるのが良いでしょうか?
Canva AIとFigmaのAI機能、どちらも「デザインツール統合型」ですが、どのような目的の違いで使い分けるのが良いでしょうか?
解答例
- Canva AI:
主にSNS投稿や広告バナーなど、単体で完結するグラフィックを「素早く」「見栄え良く」作りたい時に向いている。 - FigmaのAI機能:
主にWebサイトやアプリなど、複数の画面で構成されるUIを「効率的に」「体系的に」設計していく過程で、作業を補助してほしい時に向いている。
【2-3】高品質画像生成AI:Image FX
目安の学習時間:10分
オリジナル画像をゼロから作る
最後に、オリジナリティと品質が求められる画像をゼロから作り出すAIツールを紹介します。
- 特徴:
- Googleの最新AIモデルを搭載し、非常に高品質でリアルな画像を生成できます。
- プロンプトのアイデアを補助する「表現チップ」というユニークな機能があります。
- 得意なこと:
- 写真と見間違うほどリアルな画像の生成
- アーティスティックで独創的なイラストの作成
- 表現チップによる、思いがけないアイデアの発見
使用例
- どんな時に使う?
- WebサイトのキービジュアルやLPのメインビジュアルなど、デザインの「顔」となる、オリジナリティと品質が求められる一枚が欲しい時に最適です。
【2-4】2章 -章末課題- [最適なツール提案]
目安の学習時間:10分
問題
この章で学んだ4つの主要AIツール(ChatGPT, Canva AI, Figma AI, Image FX)について、以下のそれぞれのタスクに最も適していると考えるツールを1つ選び、その理由を説明してください。
- タスクA:
モバイルアプリの新しい画面デザインのアイデアを、ワイヤーフレームレベルで素早く複数パターン見てみたい。 - タスクB:
来週の自社ブログ記事で使う「リモートワーク」がテーマのアイキャッチ画像を、オリジナリティのあるイラストで作成したい。 - タスクC:
新しいサービスのLPに掲載する「お客様の声」のインタビュー記事(500字程度)を、事前に用意した箇条書きメモから作成したい。
解答解説
解答例:
- タスクAの最適ツール: FigmaのAI機能
- 理由: UIデザインのワイヤーフレーム作成という、Figmaのワークフローに直結したタスクであるため。
- Figma内で直接UI案を生成し、そのままデザイン作業に移行できる効率性が最も高い。
- タスクBの最適ツール: Image FX
- 理由: 「オリジナリティのあるイラスト」という品質と独自性が求められるため。
- 高品質な画像生成を得意とするImage FXであれば、ありきたりではないユニークなアイキャッチ画像を作成できる可能性が高い。
- タスクCの最適ツール: ChatGPT
- 理由: 箇条書きメモから自然でまとまりのある文章を生成するという、テキスト生成AIが最も得意とするタスクであるため。
- インタビュー記事としての体裁や、読者にとって読みやすい構成に整える能力に長けている。
これで「2章 代表的なAIツールの紹介」の解説を終わります。
次の章に進みましょう。
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