教材2 AIプロンプト活用!企画・台本自動生成
3章:AIでターゲットを深く知る - ペルソナ・コンセプト設計
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3章:AIでターゲットを深く知る - ペルソナ・コンセプト設計

この章の目安学習時間:50分

この章で到達できるゴール:

  • 漠然としたターゲット情報から、AIを使って具体的なペルソナ(人物像)を設定できるようになる。
  • 設定したペルソナに響く動画の「切り口」や「コンセプト」を、AIとのブレインストーミングで複数案出せるようになる。

【3-1】AIによるペルソナ設定ワークショップ

目安の学習時間:20分

なぜペルソナが重要なのか?

動画制作におけるペルソナとは、サービスや商品の典型的なユーザー像を、具体的な一人の人物かのように詳細に設定したものです。
ペルソナ
  • 年齢、性別、職業、ライフスタイル、価値観、抱えている悩みなどを具体的に設定した、架空のユーザー像のこと。
ペルソナを設定することで、「誰に」メッセージを届けるのかが明確になります。
企画の方向性がブレなくなる「北極星」のような役割を果たし、チーム内やクライアントとの共通認識を作る上でも非常に重要です。

ペルソナ設定プロンプト

ChatGPTを使えば、これまで時間をかけて行っていたペルソナ設定を、瞬時に行うことができます。
以下は、そのためのプロンプトテンプレートです。
ペルソナ設定プロンプト テンプレート

#役割

あなたはプロのマーケターです。


#目的とコンテキスト

(商品・サービス名)のプロモーション動画を企画するために、メインターゲットとなる顧客のペルソナを1名、具体的に設定してください。

(商品・サービスの詳細情報:ここに記述)


#制約条件と出力形式

以下の項目を必ず含めて、詳細に記述してください。

  • 名前、年齢、性別
  • 職業、年収、ライフスタイル
  • 価値観、趣味、情報収集の方法
  • 現状の悩みや課題
  • この商品・サービスを知ったら、どんな点に魅力を感じるか

【実践】架空のオンライン英会話サービスのペルソナを作ろう

それでは、実際にプロンプトを使ってペルソナを生成してみましょう。
今回は「社会人向けのビジネス英語に特化したオンライン英会話サービス」というテーマで、ペルソナを作成します。
実践:AIでペルソナを生成する手順

実際にChatGPTを操作して、オンライン英会話サービスのペルソナを生成するプロセスを確認しましょう。

  1. ChatGPTの画面で、新規チャットを開始します。
  2. 教材で紹介した「ペルソナ設定プロンプト テンプレート」をテキストボックスにペーストします。
  3. テンプレートの(商品・サービス名)と(商品・サービスの詳細情報)の部分を、「社会人向けのビジネス英語に特化したオンライン英会話サービス。特徴は、ネイティブ講師とのマンツーマンレッスンが深夜でも受講可能な点。」と書き換えます。
  4. プロンプトを送信し、ChatGPTが詳細なペルソナを生成するのを待ちます。
  5. 生成されたペルソナの中から、「現状の悩みや課題」「魅力を感じる点」といった項目が、次のコンセプト設計に繋がる重要な情報となりますので、特に注目して確認します。

【3-2】AIと見つける!動画コンセプトのブレインストーミング

目安の学習時間:20分

ペルソナという「誰に」が明確になったら、次は「何を伝えるか」という動画のコンセプト(切り口)を考えます。
この工程も、AIとのブレインストーミングで効率的に進めることができます。

ペルソナの「インサイト」を深掘りする

まずは、先ほど作成したペルソナが、心の奥底で何を求めているのか(インサイト)をAIに分析させます。
インサイト
  • 消費者が自分でも気づいていないような、行動の根底にある本音や動機のこと。「なるほど、確かにそうかも!」と思わせるような、隠れた欲求を指します。
前のチャットに続けて、以下のようなプロンプトで深掘りしてみましょう。

「ありがとうございます。では、このペルソナが、このサービスを使いたくなるのは、どのようなインサイトが考えられますか?3つ挙げてください。」

コンセプト立案プロンプト

ペルソナのインサイトが分かれば、コンセプトは格段に考えやすくなります。
ペルソナ情報とインサイトを元に、具体的な動画コンセプトを提案させるプロンプトがこちらです。
コンセプト立案プロンプト テンプレート

#役割

あなたは優秀な広告プランナーです。


#目的とコンテキスト

(ペルソナの名前)さんに向けた、(商品・サービス名)のプロモーション動画のコンセプトを考えています。ペルソナのインサイトは「〇〇」です。


#制約条件と出力形式

このペルソナとインサイトに基づき、動画のコンセプトを3つ、異なる切り口で提案してください。それぞれのコンセプトに、キャッチーなタイトルもつけてください。

  • 例:「ベネフィット訴求軸」「共感訴求軸」「権威性訴求軸」など

【実践】ペルソナに響くコンセプトを3つ考えよう

前のパートで作成したオンライン英会話サービスのペルソナを元に、実際にコンセプトを3つ生成してみましょう。
どのコンセプトが最もターゲットに響きそうか、また、その理由は何かを考えることが重要です。

最終的にどのコンセプトを選ぶかは、人間のクリエイターが判断すべき領域です。
AIは選択肢を提示するパートナーであり、最終決定権は常に作り手側にあります。

【3-3】3章 -章末課題- [あなたの街のカフェをプロデュース!]

問題

架空のクライアントワークとして、近所にある(と仮定した)「こだわり豆の小さなコーヒーショップ」のプロモーション動画の企画に挑戦します。
この章で学んだことを活かして、以下のSTEPを実行してください。

STEP1:このコーヒーショップに来てほしいお客さんの「ペルソナ」をChatGPTに設定させてください。
STEP2:STEP1で設定したペルソナに響くような、Instagramリール動画(15秒)の「コンセプト」を3つ、ChatGPTに提案させてください。

解答手順

操作手順
  1. ChatGPTを開き、新しいチャットを開始します。
  2. ペルソナ設定プロンプト実行:
    #役割
    あなたはプロのマーケティングコンサルタントです。
    #目的とコンテキスト
    私の街にある「ハンドドリップで一杯ずつ丁寧に入れる、
    こだわりのスペシャルティコーヒー豆が自慢の小さなコーヒーショップ」の
    プロモーションを行います。
    このお店のメインターゲットとなる顧客のペルソナを1名、具体的に設定してください。
    #制約条件と出力形式
    以下の項目を必ず含めて、詳細に記述してください。
    - 名前、年齢、性別
    - 職業、ライフスタイル
    - コーヒーに対する価値観
    - このお店を知ったら、どんな点に魅力を感じるか
  3. コンセプト提案プロンプト実行:

    (上記で生成されたペルソナの情報を踏まえて、同じチャット内で続けます)

    ありがとうございます。素晴らしいペルソナです。
    では、このペルソナに響くような、お店の魅力を伝えるInstagramリール動画(15秒)の
    コンセプトを3つ、異なる切り口で提案してください。
    それぞれのコンセプトに、キャッチーなタイトルもつけてください。
  4. 生成されたペルソナと3つのコンセプトが、課題の解答となります。不明点があれば、専属のコーチに質問してみましょう。
ペルソナ
■ 名前・年齢・性別
名前:佐藤 美咲(さとう みさき)
年齢:33歳
性別:女性

■ 職業・ライフスタイル
職業:編集プロダクション勤務のフリーランスエディター
ライフスタイル:自宅とカフェを行き来しながら仕事をするノマド的な働き方。
都心から電車で30分ほどの落ち着いた住宅街に暮らしている。
平日は朝からノートPCを広げ、カフェやコワーキングスペースで仕事。
週末は読書やギャラリー巡りを楽しむ。
SNS(特にInstagram)でお気に入りのカフェや本、雑貨を発信。
大量消費やチェーン系よりも、「本当にいいもの」「ストーリーのあるもの」にお金を使う傾向。

■ コーヒーに対する価値観
コーヒーは「仕事のスイッチを入れる儀式」であり、「一人時間の癒し」でもある。
味に敏感で、酸味や香りに違いがあることも楽しめるタイプ。
スペシャルティコーヒーの個性や産地の背景などにも関心を持っている。
ハンドドリップで丁寧に淹れられる様子を見るのも好き。
自宅でもハンドドリップで淹れるが、お店のプロの技術には一目置いている。

■ このお店を知ったら魅力に感じるポイント
「一杯ずつ丁寧に淹れる」=誠実な姿勢とクラフトマンシップを感じる。
スペシャルティコーヒー豆の豊かな香りと味の違いを楽しめる点。
SNS映えするような、ナチュラルで洗練された内装や雰囲気(もしあるなら)。
店主が丁寧に説明してくれる「豆の背景」や「焙煎のこだわり」に共感。
忙しい日常から少し離れて、自分に戻れる「静かな時間と空間」がそこにある。
地元にこんなに質の高いお店があることへの喜び。人に教えたくなる。


3つのコンセプト
🎥 コンセプト①:「静寂を淹れる時間」
タイトル: “1杯の音”

■ 切り口:音と所作で魅せるハンドドリップの美学
背景音は周囲の雑音を消し、**「ドリップの音」「豆を挽く音」「お湯が注がれる音」**だけを拾う
ASMR風の演出。
バリスタの手元だけを切り取った静かな美しい所作。
ナレーションや音楽は一切なし。ラストに白背景にお店のロゴと「静けさを、どうぞ。」という文字。

■ ペルソナへの訴求点:
忙しい日常の中で「一瞬立ち止まりたくなる映像」。
美意識が刺激され、心が整う。
他のカフェと違う“静寂”の価値が直感的に伝わる。

🎥 コンセプト②:「豆の旅を、カップに注ぐ」
タイトル: “農園から、あなたの一杯へ”

■ 切り口:コーヒー豆のストーリーを15秒に凝縮
冒頭は、現地農園の写真や動画素材(インスタ用素材でもOK)で
「陽に照らされるコーヒーチェリー」などを映す。
次に焙煎シーン、そして店内でハンドドリップされていく様子をテンポよく編集。
テロップ:「エチオピアの高地から、あなたのカップへ。」

■ ペルソナへの訴求点:
豆の背景やストーリーを大切にする価値観に響く。
一杯の中に「手間」と「人」が詰まっていると知ることで、より深い体験になる。
投稿として保存・シェアされやすい内容。

🎥 コンセプト③:「この街に、こんな時間があったなんて」
タイトル: “10分だけ、私に還る”

■ 切り口:女性の日常に溶け込む「心の余白」を描写
冒頭は、カフェでPC作業中の女性(ペルソナ像)。ふと手を止めて窓の外を見つめる。
ハンドドリップの様子 → その香りにふっと表情がゆるむ。
テロップ:「ほんの10分、深呼吸できる場所。あなたの街に。」

■ ペルソナへの訴求点:
忙しい中でも、自分の時間を大切にしたいという気持ちに直撃。
「がんばりすぎてる女性」への共感と癒しの提供。
映像に自分を重ね、来店動機につながる。
解答例
これで「3章:AIでターゲットを深く知る - ペルソナ・コンセプト設計」の解説を終わります。
次の章に進みましょう。
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