教材3 生成AI素材の動画編集における活用術
2章:【画像編】AI画像生成と「魅せる」活用術
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2章:【画像編】AI画像生成と「魅せる」活用術

この章の目安学習時間:70分

この章で到達できるゴール:

  • ImageFXを使いこなし、動画のコンセプトに合った画像を自在に生成できるようになる。
  • 生成した一枚絵のAI画像に、編集ソフトで動き(アニメーション)をつけ、映像として成立させられるようになる。

【2-1】画像生成AI「ImageFX」の基本

目安の学習時間:10分

このセクションでは、本教材で画像生成の主役となる、Googleが提供するAIツール「ImageFX」の基本について学びます。

ImageFXとは?

ImageFXは、テキスト(プロンプト)から高品質な画像を生成できる、GoogleのAIツールです。
非常にシンプルな操作性と、生成される画像のクオリティの高さが特徴です。

料金プランと無料での利用範囲

ImageFXは、Googleアカウントがあれば、基本的に無料で利用することができます。
利用制限に関する注意
  • 無料で利用できますが、短時間に大量の画像を生成するなど、サーバーに大きな負荷をかける使い方をした場合、一時的に利用が制限される可能性があります。
  • また、これらのポリシーは将来変更される可能性もあります。利用する際は、公式サイトで最新の利用規約を確認する習慣をつけましょう。

ImageFXへのアクセスと登録方法

ImageFXは、特別なソフトウェアのインストールや、個別のユーザー登録は不要です。Googleアカウントでログインするだけで、誰でもすぐに利用を開始できます。
https://labs.google/fx/ja
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基本的な操作画面と使い方

ImageFXの画面は非常にシンプルで、直感的に操作できます。主要な機能の場所を覚えておきましょう。
プロンプトを入力すると「I’m Feeling Lucky」の部分が「生成」ボタンになります。
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【2-2】動画の世界観を作る画像生成プロンプト

目安の学習時間:20分

ImageFXの使い方がわかったところで、次は動画制作で重要となる「一貫性のある画像」を生成するための、プロンプトのコツを学びます。

トーン&マナーを統一する「魔法の呪文」

動画で使用する画像は、一枚一枚がバラバラの雰囲気では統一感がなく、チープな印象を与えてしまいます。そこで、プロンプトにトーン&マナー(トンマナ)を統一するための共通のキーワード、いわば「魔法の呪文」を入れることが有効です。
トーン&マナーを揃えるキーワード例
  • スタイルを指定する
    • 例:「photo-realistic(写真のようにリアル)」「flat design illustration(フラットデザインのイラスト)」「watercolor style(水彩画風)」
  • 雰囲気を指定する
    • 例:「Cinematic, soft light(映画のような、柔らかい光)」「Pop and cute(ポップで可愛い)」「Minimalist, clean(ミニマルで洗練された)」
  • 色を指定する
    • 例:「with corporate color blue and white(コーポレートカラーの青と白で)」「pastel color(パステルカラー)」

これらのキーワードを、同じ動画で使う画像のプロンプトに共通して含めることで、生成される画像のテイストに一貫性を持たせることができます。

【実践】ImageFXで動画のキービジュアルを生成する

それでは、実際にImageFXを使い、動画のキービジュアルを生成してみましょう。
ここでは、教材2で作成した企画書の中から、「日帰りグランピング体験」の広告動画を想定して進めます。
応用チャレンジ:Canva AIでも試してみよう

「AI×デザイン」の教材で学ぶCanvaのAI画像生成機能(Magic Media)は、Canvaのエディタ内でシームレスに作業できるという利点があります。

Canva Proに加入しているなど、クレジットに余裕がある場合は、同じようなプロンプトをCanva AIでも試してみましょう。ツールによって得意な表現が異なるため、アウトプットの違いを比較することで、より表現の引き出しが増えます。

【2-3】AI画像を「映像」に変える編集テクニック

目安の学習時間:30分

AIで生成した画像は、それだけではただの「静止画」です。
このセクションでは、その静止画を動画編集ソフトに取り込み、簡単な動きを加えることで、魅力的な「映像」へと昇華させる「活用術」を学びます。

Premiere Pro / CapCutへの読み込み

まずは、ImageFXで生成した画像をPCにダウンロードし、普段使っている編集ソフトにインポートします。
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ImageFXで生成した画像をPCに保存したら、次はお使いの編集ソフトにその画像を読み込み(インポート)ます。
  • Premiere Proの場合
    「プロジェクトパネル」の空いているスペースをダブルクリックするか、メニューバーの「ファイル」→「読み込み」から、先ほどダウンロードした画像ファイルを選択します。
  • CapCutの場合
    メディアプールの「インポート」ボタンをクリックし、ダウンロードした画像ファイルを選択します。

生成例

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キーフレームで命を吹き込む

一枚絵に命を吹き込む最も簡単で効果的な方法が、キーフレームを使ったアニメーションです。
キーフレーム
  • 時間軸上の特定のポイントに、スケール(大きさ)、位置、回転、不透明度といったプロパティの値を記録する機能です。2つの異なるキーフレーム間を、ソフトウェアが自動的に補間して動かします。
ほんの少しズームインさせたり、ゆっくり横に動かしたりするだけでも、静止画は「映像」としての生命感を持ち始めます。

マスクとブレンドモードで表現の幅を広げる

さらに応用的なテクニックとして、「マスク」と「ブレンドモード」を紹介します。これらを使うと、より高度でクリエイティブな表現が可能になります。
  • マスク機能
    画像の一部だけを切り抜いて表示する機能です。例えば、円形のマスクを使って、望遠鏡で覗いているような演出などが可能です。
  • ブレンドモード(描画モード)
    上下のトラックに配置されたクリップ同士を、様々な方法で合成する機能です。「オーバーレイ」や「スクリーン」などを使うと、他の映像や背景と画像を幻想的に馴染ませることができます。
これらの機能の具体的な使い方は、今後のより専門的な教材で詳しく学びますが、「AIで作った画像を、このように加工して活用できるんだ」という可能性を知っておくことが、現段階では重要です。

【2-4】3章 -章末課題-コンセプト画像の生成

問題

この後の章で制作する、架空のマインドフルネス・瞑想アプリ「SereneMind」のプロモーション動画で使用する、コンセプトに合った画像を3枚、ImageFXで生成してください。
動画のテーマは「忙しい日々に、5分間の心の静けさを」です。以下の例を参考に、テーマに沿ったクオリティの高い画像を生成してみましょう。
  • 画像例1
    穏やかな水面に波紋が広がる、ミニマルで美しい抽象的なイメージ
  • 画像例2
    窓から柔らかな光が差し込む部屋で、静かに瞑想している人物のイラスト(フラットデザイン)
  • 画像例3
    頭の中のモヤモヤ(Chaotic scribbles)が、すっと消えていくような変化を表現したグラフィック
※ 生成した素材は5章で使用するため保存しておいてください。

解答

操作手順
  1. ImageFXを開き、動画のテーマに合ったプロンプトを考えます。
  2. 例えば、画像例1なら「Minimalist, gentle ripples on a calm water surface, soft light, pale blue and lavender color, top view」といったプロンプトを入力し、画像を生成・ダウンロードします。
  3. 同様に、瞑想する人物や思考のグラフィックも、トーン&マナーを揃えるキーワード(例:「Minimalist」「soft light」など)を意識しながら、複数生成・ダウンロードします。
  4. 生成した画像の中から、動画で使えそうなベストショットを3枚以上選定できれば完成です。
制作例
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これで「2章:【画像編】AI画像生成と「魅せる」活用術」の解説を終わります。
次の章に進みましょう。
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