教材4 【任意】Premiere Pro AI機能徹底マスター
3章:SNS時代必須のAIリサイズ術
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3章:SNS時代必須のAIリサイズ術

この章の目安学習時間:70分

この章で到達できるゴール:

  • 横長の動画(16:9)から、被写体を自動で追跡する縦長(9:16)や正方形(1:1)の動画を効率的に作成できるようになる。

【3-1】被写体を自動追従する「オートリフレーム」

目安の学習時間:25分

YouTube用に制作した横長の動画を、InstagramリールやTikTok、YouTubeショート用に再活用したいというニーズは非常に高まっています。
このセクションでは、そのリサイズ作業を劇的に効率化する「オートリフレーム」を学びます。

1ソース・マルチユースの重要性

1ソース・マルチユースとは、1つのオリジナルコンテンツ(ソース)を、複数のメディア(ユース)に合わせて展開していく考え方です。
時間と労力をかけて作った1本の動画を、様々なSNSプラットフォームで活用することで、コンテンツの効果を最大化できます。オートリフレームは、この1ソース・マルチユースを力強くサポートする機能です。

「オートリフレーム」の適用方法

オートリフレームは、AIが映像内の主要な被写体を認識し、フレームサイズ(アスペクト比)を変更しても、その被写体が常にフレームアウトしないように、自動で位置を調整してくれる機能です。
シーケンスのオートリフレーム 操作手順
  1. 横長(16:9)で編集が完了したシーケンスを、プロジェクトパネルで選択します。
  2. 選択したシーケンスを右クリックし、メニューから「シーケンスのオートリフレーム」を選択します。
  3. ダイアログボックスが表示されたら、「ターゲットのアスペクト比」から「縦長 9:16」などを選択します。
  4. 「モーションプリセット」が「デフォルト」になっていることを確認し、「作成」ボタンをクリックします。
  5. AIの分析後、新しいシーケンスが生成され、再生すると被写体が自動で追従されます。
モーションプリセットは、被写体の動きの速さに応じて「スローモーション」「デフォルト」「高速モーション」から選択すると、より追従の精度が上がります。

【実践】歩き回る人物の動画をリサイズしよう

提供される「横長で撮影された歩く人物の動画」を、オートリフレームを使って「縦長(9:16)」と「正方形(1:1)」の2つのシーケンスに変換してみましょう。

素材

解答

縦長(9:16)
正方形(1:1)

【3-2】AIの仕事を微調整するコツ

目安の学習時間:15分

オートリフレームは非常に強力ですが、AIの判断が常に完璧とは限りません。
時には、意図しない箇所にフォーカスが当たったり、動きが不自然になったりすることもあります。
そのような場合は、AIが生成した動きを手動で微調整する必要があります。

キーフレームの確認と修正

オートリフレームは、内部的に「位置」プロパティに無数のキーフレームを自動で設定することでで、被写体を追跡しています。
  • キーフレームの確認
    • オートリフレームを適用したクリップを選択し、「エフェクトコントロール」パネルを開くと、「オートリフレーム」エフェクトの中に、多数のキーフレームが打たれているのが確認できます。
  • キーフレームの修正
    • 動きが不自然な箇所では、不要なキーフレームを削除したり、キーフレームの値を手動で調整したりすることで、動きを修正できます。
    • また、「上書きを生成」ボタンを使えば、特定の区間だけキーフレームを打ち直すことも可能です。
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AIの仕事の最終チェックと仕上げは、人間のクリエイターが担うべき重要な役割です。

【3-3】3章 -章末課題- [ロッククライミング動画のリフレーム調整]

目安の学習時間:20分

問題

提供される「横長(16:9)で撮影された、ロッククライミングをする男性の動画」を、SNSでよく見られる「縦長(9:16)」の迫力ある動画に仕上げます。

オートリフレームを適用した後、AIの自動追従だけでは、クライマーの全身を映そうとして迫力に欠けたり、重要な手や足の動きが見切れてしまったりする箇所を、キーフレームを手動で調整することで、よりダイナミックで意図の伝わる動画に修正してください。

素材

解答手順

操作手順
  1. 提供された横長のロッククライミング動画素材に、「シーケンスのオートリフレーム」を適用し、縦長(9:16)のシーケンスを生成します。
  2. 生成された縦長の動画を再生し、AIの追従が不自然な箇所や、もっと寄って見せたい箇所(例:ホールドを掴む手元、次の足場を探す足の動きなど)を特定します。
  3. 該当するクリップを選択し、「エフェクトコントロール」パネルを開きます。
  4. 「オートリフレーム」エフェクトが生成したキーフレームを確認し、意図しない動きをしている部分のキーフレームを削除します。
  5. 必要な箇所に手動で「位置」や「スケール」のキーフレームを打ち直し、視聴者に見せたい部分が常にフレームの中心に来るように調整します。
  6. 動画全体を通して、クライマーの動きがダイナミックに伝わる映像になっていれば完成です。
制作例

【3-4】まとめと次のステップ

目安の学習時間:10分

AIは共同制作者

この教材を通じて、Premiere ProのAI機能が、単なる「便利ツール」ではなく、編集プロセス全体をサポートしてくれる、頼もしい「共同制作者」であることが理解できたかと思います。
面倒な作業はAIに任せ、クリエイターは企画の意図をどう映像で表現するか、視聴者の感情をどう動かすかといった、より本質的で創造的な仕事に集中する。これが、これからの時代の動画編集スタイルです。

次のステップへ:AIの力を統合し、実践的な動画を創る

これで、企画・素材生成・編集効率化という、AI活用の3つの柱を学びました。
次の教材「教材5: 実践!AI活用SNS広告動画制作ワークフロー」では、これまでに学んだ全てのAIスキルを総動員して、より本格的な広告動画の制作に挑戦します。
AIを完全にパートナーとした、新しいクリエイターライフの始まりです。

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