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目次
【A-2章】制作フロー追体験:見本LPをAIとゼロから作る
この章の目安学習時間:60分
この章で到達できるゴール:
- リアルな要件定義書から、LP制作の土台となるコンセプトシートを作成するプロセスを理解する
- コンセプトに基づき、LPの各パーツをAIで効率的に執筆し、構成していく一連の流れを体験する
【A-2-1】実演:要件定義からコンセプトシート作成まで
目安の学習時間:20分
架空クライアントからの依頼内容(要件定義書)
ここでは、講師が実際にLPを制作するフローを追体験します。
まずは、クライアントからの依頼内容を見ていきましょう。
まずは、クライアントからの依頼内容を見ていきましょう。
タイトル |
内容 |
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タイトル補足情報 |
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制作物を通じて達成したい目的 |
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ターゲットデモグラ情報 |
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ペルソナ情報 |
◾️ライフスタイル・価値観
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キャッチコピー・文言案と優先順位 |
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マイクロコピー案 |
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LPの構成要素(必須) |
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色味 |
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与えたい印象 |
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使用する素材の要件 |
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要件定義書からコンセプトを導き出す思考法
優れたLPは、偶然生まれるものではありません。
要件定義書に散りばめられた情報を論理的に組み立て、ターゲットの心に響く一つの「コンセプト」へと昇華させるプロセスが存在します。
ここでは、その思考のステップを4段階に分けて解説します。
要件定義書に散りばめられた情報を論理的に組み立て、ターゲットの心に響く一つの「コンセプト」へと昇華させるプロセスが存在します。
ここでは、その思考のステップを4段階に分けて解説します。
ステップ1:要件定義書を「分解」し、本質を掴む
まず、情報のかたまりである要件定義書を、LPの骨子となる重要なパーツに分解します。
特に注目すべきは以下の5点です。
特に注目すべきは以下の5点です。
-
最終ゴール (KGI): 何を達成すればこのLPは成功か?
- → 要件定義書の「目的」欄から、無料体験レッスンの申込数を最大化することが絶対的なゴールであると分かります。
-
ターゲット: 誰にメッセージを届けたいのか?
- → 「ターゲットデモグラ情報」「ペルソナ情報」から、在宅ワーカーや主婦で、運動不足を感じつつもジムは面倒と感じている人が中心だと読み取れます。
-
ターゲットの課題 (Pain): ターゲットはどんなことで悩んでいるか?
- → 「ペルソナ情報」の「課題とニーズ」から、肩こり・腰痛、何から始めていいか分からない、激しい運動は苦手といった具体的な悩みをリストアップします。
-
商品の特徴 (Feature): サービスにはどんな機能や事実があるか?
- → 要件定義書には明記されていませんが、一般的にこの種のサービスが持つであろうスマホ一つでOK、初心者向けプログラムが豊富、有名インストラクターが在籍といった客観的な事実を仮定します。(実務ではクライアントへのヒアリングで明確にします)
-
競合との差別化要因: 他のサービスに負けない独自の強みは何か?
- → 同じく、今回はインストラクターの質、コミュニティ機能が他にはない強みであると仮定して進めます。
ステップ2:ターゲットのインサイト(本音)をえぐり出す
次に、ステップ1で明確になったターゲットの「課題」の、さらに奥にあるインサイト(本音・隠れた欲求)を考えます。
ここを捉えられるかが、共感を呼ぶ鍵です。
ここを捉えられるかが、共感を呼ぶ鍵です。
-
課題(表面):
「ジムに通うのはハードルが高い」「人目を気にせずリフレッシュしたい」 -
インサイト(本音):
その言葉の裏には、「どうせ運動するなら、誰にも評価されず、自分のペースで、心から解放されたい」「『運動しなきゃ』という罪悪感やストレスから解放されたい」という、より深い感情が隠れていると推測できます。
このインサイトに寄り添うことで、LPは単なるサービス紹介ではなく、ターゲットにとっての「救いの手」のように感じられます。
ステップ3:特徴(Feature)を、価値(Benefit)に翻訳する
ターゲットは商品の「特徴」そのものではなく、その特徴によって自分の生活がどう良くなるのか、という「価値(ベネフィット)」にお金を払います。
特徴をターゲット視点の価値に翻訳する作業は非常に重要です。
特徴をターゲット視点の価値に翻訳する作業は非常に重要です。
特徴(Feature):サービスの事実 |
価値(Benefit):顧客にとっての嬉しい未来 |
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スマホ一つで受講可能 |
わざわざジムに行く準備や移動が不要。家事の合間や寝る前の15分など、スキマ時間を自分のための豊かなリフレッシュ時間に変えられる。 |
初心者向けプログラムが豊富 |
運動が苦手でも「ついていけないかも…」という不安なく、安心して始められる。「これなら自分でも続けられそう」という自信が持てる。 |
有名インストラクターが在籍 |
わざわざスタジオに行かなくても、一流のレッスンを自宅で独り占めできる。自己流よりも早く、確かな効果を実感できる。 |
ステップ4:独自の価値提案(UVP)を言語化する
最後に、数あるベネフィットの中でも、特に競合には真似できない、自社だけの強力な価値をUVP (Unique Value Proposition) として定義します。
これがLP全体のメッセージの核となります。
これがLP全体のメッセージの核となります。
-
差別化要因:
「インストラクターの質」+「コミュニティ機能」 -
ターゲットのインサイト:
「一人だとサボってしまいそう」「どうせやるなら効果的な方法でやりたい」 -
UVPの導出:
これらを組み合わせ、「質の高いインストラクターの指導を、同じ目標を持つ仲間と励まし合いながら、自宅で続けられる唯一のオンラインヨガ」という、このサービスならではの独自の価値を言語化します。
考えてみよう!
もし、このサービスの「競合との差別化要因」が「価格の安さ」だけだった場合、UVPはどのように変わるでしょうか?
また、その場合LPで訴求すべきメッセージはどのように変化するでしょうか?
また、その場合LPで訴求すべきメッセージはどのように変化するでしょうか?
解答例
-
UVPの変化:
「業界最安値で、気軽に始められるオンラインヨガ」といった、コストパフォーマンスを前面に出したUVPになります。 -
メッセージの変化:
「インストラクターの質」や「満足感」といった情緒的な価値よりも、「月々たったのXXX円」「ペットボトル1本分のお値段で」といった、価格的なお得感を強調するメッセージが中心になります。ターゲットも、質の高さを求める層より、とにかく安く始めたい層にシフトします。
コンセプトシートの完成
ここまでの思考プロセスを経て制作するのが、この「コンセプトシート」です。
これが、この後のAIによる文章作成を含め、LP制作全体のブレない指針となります。
各項目が、これまでの思考ステップとどう連携しているか確認してください。
これが、この後のAIによる文章作成を含め、LP制作全体のブレない指針となります。
各項目が、これまでの思考ステップとどう連携しているか確認してください。
項目 |
内容 |
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プロダクト/サービス名 |
おうちヨガ・ソラ |
LPの最終目的 (KGI) |
無料体験レッスンの申込を最大化する |
メインターゲット |
20代後半~40代の在宅ワーカー・主婦。運動不足は感じているが、ジム通いは時間的・精神的にハードルが高いと感じている層。 |
ターゲットのインサイト (深層心理) |
「運動しなきゃ」という義務感から解放されたい。人目を気にせず、自分の心と体のためだけの、穏やかで質の高いリフレッシュ時間を求めている。 |
UVP (独自の価値提案) |
実績豊富なインストラクターによる質の高いレッスンを、同じ目的を持つ仲間と繋がりながら、自宅で自分のペースで続けられる。 |
提供するコア・ベネフィット |
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トーン&マナー |
専門用語を避け、優しく語りかけるような親しみやすい文体。ターゲットに寄り添い、安心感を与える。「頑張ろう」ではなく「大丈夫だよ」というスタンス。 |
【A-2-2】実演:AIと共にLP文章を書き上げる
目安の学習時間:40分
強力な設計図であるコンセプトシートが完成したら、いよいよLPの文章を執筆していきます。
このセクションでは、コンセプトシートを「指示書」としてAIにインプットし、LPの各パーツを効率的に、かつ質の高い文章で書き上げる具体的な手順とテクニックを学びます。
このセクションでは、コンセプトシートを「指示書」としてAIにインプットし、LPの各パーツを効率的に、かつ質の高い文章で書き上げる具体的な手順とテクニックを学びます。
AIへの指示(プロンプト)作成の基本(復習)
AIから質の高いアウトプットを引き出すには、質の高いインプット(指示)が不可欠です。
AIに文章を執筆させる際の基本的なプロンプトの型を覚えましょう。
AIに文章を執筆させる際の基本的なプロンプトの型を覚えましょう。
基本プロンプトの構成:
-
役割を与える(ロール設定):
AIに特定の専門家になりきってもらうことで、出力の質と視点が安定します。(例:「あなたは経験豊富なセールスコピーライターです」) -
背景情報と目的を共有する(コンテキストの提供):
作成したコンセプトシートを全て渡し、何のための文章なのかを明確に伝えます。 -
具体的な作業を依頼する(タスクの指示):
何をしてほしいのか、具体的かつ簡潔に指示します。(例:「このコンセプトに基づき、ファーストビューのヘッドラインを5案提案してください」)
LP各パーツのAIライティング手順とプロンプト例
それでは、LPの構成に沿って、各パーツをAIに執筆させていきましょう。
ここでは、具体的なプロンプト例と、それによって生成された文章のサンプル、そして簡単な解説を加えます。
ここでは、具体的なプロンプト例と、それによって生成された文章のサンプル、そして簡単な解説を加えます。
1. ファーストビュー:心を掴むヘッドライン
LPの第一印象を決める最も重要なパーツです。
ターゲットが「私のためのサービスかも」と直感するような言葉を狙います。
ターゲットが「私のためのサービスかも」と直感するような言葉を狙います。
あなたは経験豊富なセールスコピーライターです。以下の【コンセプトシート】に基づき、 オンラインヨガサービス「おうちヨガ・ソラ」のLPのヘッドラインを5案提案してください。 特に、ターゲットが抱える「運動しなきゃ、でも面倒…」というジレンマに寄り添い、 「これなら私にもできそう!」と希望が湧くような、ポジティブな表現を重視してください。 【コンセプトシート】 (ここにA-2-1で作成したコンセプトシートの全内容を貼り付ける)
プロンプト例
1. がんばらない、わたし時間。スマホひとつで、心と体をリセットしよう。 2. 運動不足な私のための、やさしいおうちヨガ。リビングが、今日からヨガスタジオに。 3. もう「運動しなきゃ」に追われない。1日15分、私だけの癒やしのヨガ時間。 4. 体、カチコチになってない?人目を気にせず、プロのレッスンを自宅で。 5. 続く秘訣は「がんばらないこと」。私に寄り添う、オンラインヨガ始めませんか?
AIによる生成例
2. オープニング:深く共感し、自分事化させる
ヘッドラインで足を止めたターゲットに、「そうそう、そうなの!」と深く頷いてもらうためのパートです。
次に、オープニングの「共感パート」の文章を作成してください。 コンセプトシートの【ターゲットのインサイト】を深掘りし、「最近、体がカチコチ?」 「運動しなきゃ、がストレスになっていませんか?」といった問いかけから始めてください。 在宅ワーカーや主婦が日常で感じる小さな不調や悩みを具体的に描写し、 ターゲットが「私のことだ」と強く感じるような文章を300字程度でお願いします。
プロンプト例
「最近、なんだか体がカチコチ…」「運動しなきゃ」と思いつつも、気づけば一日が終わっている。 そんな毎日を送っていませんか? 長時間のデスクワークによる肩こりや、終わりのない家事に追われて自分のことは後回し。 いざ運動を始めようにも、ジムに行く時間は作れないし、激しい運動は正直ちょっと苦手…。 溜まっていくのは疲労と、「何かしなきゃ」という焦りだけ。 もし、そんなあなたの毎日の中に、ほんの少しの時間で心と体をリセットできる、 穏やかな時間があるとしたら、どうでしょうか。
AIによる生成例
3. ボディ:未来への期待を高める価値の提示
サービスの具体的な価値(ベネフィット)を伝え、ターゲットの「やってみたい」という気持ちを高めます。
ボディコピーとして、コンセプトシートの【提供するコア・ベネフィット】である「手軽さ」「安心感」 「満足感」の3つを、それぞれ魅力的に伝える文章を作成してください。 各ベネフィットごとに見出しをつけ、なぜ「おうちヨガ・ソラ」ならそれが実現できるのか、 理由や具体例を交えて説明してください。
プロンプト例
Benefit 1:いつでも、どこでも。驚くほどの手軽さ。 わざわざ着替えて、ジムへ向かう必要はもうありません。 必要なのはスマホと、ヨガマット1枚分のスペースだけ。 朝起きてすぐの15分、家事の合間、おやすみ前のリラックスタイムに。あなたの日常のスキマ時間が、 あっという間に自分を慈しむ特別な時間に変わります。 Benefit 2:運動が苦手でも大丈夫。あなたに寄り添う安心感。 利用者の90%以上がヨガ初心者からのスタート。 「周りの目が気になる」「ポーズについていけないかも」そんな心配は無用です。 初心者向けのやさしいプログラムが豊富なので、ご自身のペースで無理なく始められます。 「これなら私でも続けられる」その安心感が、未来の自分を変える第一歩です。 Benefit 3:ただ動くだけじゃない。プロが導く本物の満足感。 「おうちヨガ・ソラ」の自慢は、経験豊富なインストラクター陣。 一方的な動画配信とは違い、あなたのポーズを丁寧に見ながら、的確なアドバイスをお届けします。 自己流では得られない確かな効果と、心からリラックスできる深い呼吸。質の高いレッスンで、 本物の満足感を体験してください。
AIによる生成例
4. 推敲・編集:AIの文章を「使えるコピー」に仕上げる
AIが生成したパーツをただ並べるだけでは、ぎこちない文章になってしまいます。
最後に、全体の流れがスムーズになるように、人間が必ず手を入れて推敲します。
最後に、全体の流れがスムーズになるように、人間が必ず手を入れて推敲します。
編集例:
(オープニングの文章)...穏やかな時間があるとしたら、どうでしょうか。 (ボディの文章)Benefit 1:いつでも、どこでも。驚くほどの手軽さ。わざわざ着替えて...
Before
(オープニングの文章)...穏やかな時間があるとしたら、どうでしょうか。 そんな想いに応えるのが、オンラインヨガ「おうちヨガ・ソラ」です。 Point 1:いつでも、どこでも。驚くほどの手軽さ。 わざわざ着替えて...
After
このように、パーツの間に一文加えるだけで、格段に読みやすく自然な流れが生まれます。
【A-2-3】 A-2章 -章末課題- [AIライティングによるLP制作]
問題
A-2-1で完成させた「おうちヨガ・ソラ」のコンセプトシートを使い、LP全体の文章をAIで生成し、一本の読み物として完成させてください。
制作要件:
- A-1章で学んだLPの基本構成(ファーストビュー、オープニング、ボディ、お客様の声、クロージング、CTA)に沿って、各パーツをAIに生成させること。
- 各パーツを生成させる際は、本章で学んだプロンプトのコツを意識すること。
- 生成された各パーツをドキュメントにまとめ、本章で学んだ推敲・編集のポイントを踏まえて、全体の流れが自然になるように仕上げること。(お客様の声は、ターゲットに近い人物像を創作して作成してください)
提出物:
完成したLP文章が記載されたGoogleドキュメントのURL。
完成したLP文章が記載されたGoogleドキュメントのURL。
解答手順
- AIツールの準備: ChatGPTなどのAIライティングツールを開きます。
- コンセプトのインプット: 最初のプロンプトで、AIに役割(セールスコピーライター)を与え、A-2-1で完成させたコンセプトシートの全文を貼り付けてインプットします。
-
各パーツの生成:
- ファーストビューのヘッドライン
- オープニングの共感パート
- ボディのベネフィット説明
- お客様の声(2名分)
- クロージングとCTA(行動喚起)
-
ドキュメントへの集約と推敲:
- 生成された各パーツを、LPの構成順にGoogleドキュメントへコピー&ペーストします。
- 全体の文章を読み返し、パーツ間のつながりが自然になるように接続詞を補ったり、表現を修正したりして、一本の滑らかな文章に仕上げます。
-
完成と提出:
- 全体の調整が終わったら、ドキュメントの共有設定を「リンクを知っている全員が閲覧可」に変更し、URLを提出します。