【実践①】プロンプトの型を使って精度を上げる | WEBCOACH
LESSON 5-3

【実践①】プロンプトの型を使って精度を上げる

Chapter 5: プロンプトエンジニアリング / 所要時間:約20分

このレッスンのゴール
⏱ 約20分

「役割」設定と「Markdown記法」を使い、AIの出力精度と品質を大幅に向上させる

🎬 イメージしてみよう

あなたは「健康のために毎日食べるべきもの」を知りたいとします。

同じ質問を「栄養士」に聞くか「アスリート」に聞くかで、回答は全く違うものになりますよね?

栄養士なら「バランスの良い食事」、アスリートなら「高たんぱく質の食品」を中心に答えるでしょう。
AIも同じです。「誰として答えるか」を指定するだけで、回答の質と方向性が劇的に変わるのです。

⚡ このレッスンで躓きやすいポイント
  • Markdown記法の記号を全角で入力してしまう → 必ず半角で入力
  • 役割設定を「おまじない」程度に思ってしまう → 実際に比較すると効果は歴然
  • Markdownをすべて覚えようとする → 見出し・リスト・太字・表の4つだけで十分

1. 「役割(Role)」を与えるだけでAIは別人格に

AIは膨大なテキストデータを学習しているため「何でも知っているが、専門家ではない」状態です。そこで重要になるのが「役割設定」です。

ポイント

役割設定は「演技の台本」のようなもの。AIに台本を渡すことで、どの知識を、どの視点で、どの深さで使えばいいかが明確になります。

【実践】役割の有無で回答がどう変わるか

共通の質問「健康のために毎日食べるべきものは何ですか?」を、役割の有無で比較してみましょう。

パターン1:役割なし
健康のために毎日食べるべきものは何ですか?
パターン2:栄養士
あなたは経験豊富な栄養士です。 健康のために毎日食べるべきものは何ですか?
パターン3:アスリート
あなたは世界的に有名なアスリートです。 健康のために毎日食べるべきものは何ですか?

実際にChatGPTで試してみてください。同じ質問でも、回答の視点・内容・言葉遣いが大きく変わることを体感できるはずです。

役割なしの場合

一般的で網羅的な回答になりがち。専門的な深みに欠ける

役割ありの場合

その役割に最適な情報・視点・トーンで、目的に合った質の高い回答が得られる

注意

役割設定の応用テクニックとして、複数の役割を組み合わせる(例:マーケター兼ジャーナリスト)、ネガティブな役割を与える(例:批判的な顧客)といった方法もあります。目的に応じて使い分けましょう。

✏️ 確認クイズ

AIに「役割」を与える最大のメリットは?

正解! 役割設定により、AIは膨大な知識の中から「その役割に最も適した情報・視点・トーン」を選び出して回答を生成します。まるで別人格になったように、より専門的で目的に沿った回答が得られるのです。
💡 こんな場面で使える!

商品の改善点を知りたいとき、「あなたは批判的な顧客です。この新商品の問題点を3つ挙げてください」とすると、普段気づかないリスクや改善点を洗い出してくれます。

2. 実務で必須!Markdown記法の基本

Markdown(マークダウン)とは、簡単な記号を使って文章に構造を付与する「軽量マークアップ言語」です。プロンプトで「出力形式」を指定するときに非常に役立ちます。

なぜプロンプトでMarkdownを使うのか?

構造化された出力

見出し、リスト、表など、人間にとって分かりやすい形でAIに出力させることができる

再利用性が高い

そのままブログ記事やドキュメント、メールなどにコピー&ペーストして活用しやすい

これだけは覚えたい!基本のMarkdown記法

記法 書き方 用途
見出し # 見出し1
## 見出し2
### 見出し3
文章の構造化
箇条書き - りんご
- バナナ
情報の列挙
番号付きリスト 1. 最初の項目
2. 次の項目
順序のある情報
太字 **とても重要** 強調したい箇所
表(テーブル) | 列1 | 列2 |
|---|---|
| 内容 | 内容 |
比較・整理
注意

Markdownの記号は必ず半角で入力してください。リストの記号の後には半角スペースを入れます。適宜空行を入れて構造を分かりやすくしましょう。

✏️ 確認クイズ

Markdownで「太字」を表現する正しい書き方は?

正解! Markdownでは **テキスト** のようにアスタリスク2つで囲むと太字になります。ちなみに ~~テキスト~~ は取り消し線になります。
💡 こんな場面で使える!

Markdownは、Notion、GitHub、Slack、VSCodeなど多くのツールで使えます。一度覚えれば、AIへの指示だけでなく、日常の文書作成にも活用できる汎用スキルです。

3. 「出力形式」をMarkdownで指定する技術

AIに「表形式で出力して」「箇条書きで出力して」と指示することで、情報は整理され、思考のアシスタントとして役立つようになります。

【実践】Markdown形式で出力させてみよう

プロンプト例
あなたはプロのITライターです。 先ほど私が学習した「基本的なMarkdown記法」について、 重要なポイントをまとめた解説記事を作成してください。 1. Markdownとは何か 2. 主な記法とその書き方(見出し、箇条書き、番号付き、太字、表) 3. メリット 出力は全体を見出しと本文で構成し、Markdown形式で記述してください。

このプロンプトをChatGPTに入力すると、きれいに構造化された記事が出力されます。「Markdown形式で」と一言加えるだけで、出力のクオリティが格段に上がるのです。

やってみよう

練習問題:「朝型人間になるための3つのコツ」を、専門家の役割を与え、タイトル・3つのコツ(太字見出し+説明)・番号付きリストのMarkdown形式で生成させてみましょう。

解答例プロンプト
あなたは生活改善の専門家です。 「朝型人間になるための3つのコツ」というテーマで 記事案をください。 コツは番号付きリストで、見出しは太字にしてください。 全体をMarkdownで出力してください。
ポイント

「役割設定」×「Markdown出力形式」の組み合わせは、実務でのAI活用の基本中の基本です。この2つを押さえるだけで、AIの出力品質は飛躍的に向上します。

✏️ 確認クイズ

AIに「Markdown形式で出力して」と指示する最大のメリットは?

正解! Markdown形式で出力させることで、見出し・リスト・表などに構造化された情報が得られ、そのままブログ、Notion、メールなどにコピー&ペーストして使えます。後工程の作業を大幅に削減できるのが最大のメリットです。
💡 こんな場面で使える!

会議の議事録をAIにまとめてもらうとき、「Markdown形式で、見出しと箇条書きを使って」と指示すれば、そのままNotionやGoogle Docsに貼り付けられる形で出力されます。

4. 章末課題 - Markdown達人への道

1章で学んだ「良いプロンプトの4大構成要素」について、Markdownのテーブル形式でまとめてみましょう。

やってみよう

課題:「良いプロンプトの4大構成要素」について、「構成要素」「意味・役割」「なぜ重要か」をまとめた解説表をMarkdownのテーブル形式で作成させてください。

解答手順(プロンプト例)
あなたはプロンプトエンジニアリングの専門家です。 「良いプロンプトの4大構成要素」について、表を作成してください。 出力はMarkdownのテーブル形式で、 列は「構成要素」「意味・役割」「なぜ重要か(具体例)」の3列にしてください。

以下のような出力が期待されます。

構成要素 意味・役割 なぜ重要か(具体例)
役割 特定の立場を演じさせる 専門性が定まる(例:医師として回答)
指示 実行タスクを伝える 的確に動ける(例:要約して)
文脈 背景や制約を伝える 意図を汲み取れる(例:小学生向け)
出力形式 回答スタイルを指定 後工程が楽になる(例:表形式で)
まとめ
  • 役割設定 — AIに「あなたは〇〇です」と台本を渡すだけで、回答の専門性・視点・トーンが劇的に変わる
  • Markdown記法 — 見出し(#)、リスト(-)、番号付きリスト(1.)、太字(**)、表(|)の5つが基本
  • 出力形式の指定 — 「Markdown形式で」と一言加えるだけで、構造化された再利用しやすい出力が得られる
  • 最強の組み合わせ — 「役割設定」×「Markdown出力形式」が実務AI活用の基本中の基本
理解度チェック(クリックして開く)
役割設定がAIの出力に与える影響を説明できる
AIに特定の役割を与えると、膨大な知識の中からその役割に最適な情報・視点・トーンが選ばれ、より専門的で目的に沿った回答が生成されます。
基本的なMarkdown記法(見出し・リスト・太字・表)を書ける
見出しは # の数でレベル指定、箇条書きは -、番号付きは 1. 2.、太字は ** で囲む、表は | と - で作成します。すべて半角で入力します。
AIにMarkdown形式での出力を指示できる
プロンプトの最後に「出力はMarkdown形式で記述してください」と加えるだけでOKです。必要に応じて「見出しと箇条書きを使って」「テーブル形式で」など具体的に指定しましょう。
4大構成要素の解説表をMarkdownテーブルで作成できた
章末課題のプロンプト例を使って、4要素の表を生成できていればOKです。自分なりにアレンジして列を追加してみるのも良い練習です。