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第10章:さまざまなルック(色調)を作ろう!
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第10章:さまざまなルック(色調)を作ろう!

この章では「Lumetriカラー」というツールを使用してカラーグレーディングの基礎を学ぶことで、映像に世界観を作ることをできるようにすることを目標とします。
使用素材(あらかじめダウンロードしておきましょう)

【10-1】さまざまなルック(色調)の作り方

目安の学習時間:40分

ルックとは?
  • 色味やシャープネス、明るさなどの多彩な要素から醸し出される、映像(動画・静止画)の見た目や印象をあらわす言葉です。
  • 映像は色合い、色の濃さ、明るさ、コントラスト、シャープさといった様々な要素から構成されています。
  • これらの組み合わせを変えることで、同じ被写体でも印象を大きく変えることが可能です。

新規プロジェクト・シーケンスを作成

1. 【ファイル】>【新規】>【プロジェクト】を選択します。
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2. すると、新規プロジェクト設定パネルが表示されるので、名前と場所を設定します。
ここでは名前は「10-1」場所は「デスクトップ」にして【作成】ボタンをクリックします。
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3. 【ファイル】>【新規】>【シーケンス】を選択します。
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4. 新規シーケンス設定パネルの【シーケンスプリセット】のタブから【HD1080p】を開いて、【HD 1080p 29.97 fps】を選択します。
5. 【シーケンス名】に「program」と入力して【OK】をクリックするとタイムラインが開きます。
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素材の読み込み

1. 【ファイル】>【読み込み】を選択すると、読み込み設定パネルが表示されます。
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2. 映像素材ファイルが保存されているフォルダを選択して、読み込むファイルを選択します。
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3. 【開く】をクリックすると、プロジェクトパネルに選択した映像素材ファイルが入っています。
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4. プロジェクトパネルからクリップm1.mp4を選択して、タイムラインパネルの【V1】トラックの0秒の位置にドラッグ&ドロップして配置します。
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5.  するとプログラムモニターパネルに色味がほぼない映像が表示されています。
この素材はLog素材といい、Log撮影という特殊な撮影方法で撮影した素材です。
今回はこのLog素材でカラーグレーディングを進めていきます。
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Logとは?
  • RAWデータから色調・彩度・諧調を処理した圧縮データのことです。
  • 編集カラーグレーディングを前提とした記録方式であり、高いダイナミックレンジ白飛び黒潰れを防ぎます。

Lumetriカラーを使ったカラーグレーディング

カラーグレーディングとは、映像や画像に対して色彩補正を加え、雰囲気をシーンに合わせたり作品コンセプトに近づけたりしていく技術のことを指します。
色味の強調や追加、削減などの細かい調整を加え、作品の完成イメージに近づけていくことができます。
1. 画面右上にある【ワークスペース】アイコンをクリックして【カラー】を選択します。
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2. すると、色の調整に特化した【カラー】のワークスペースが展開されます。
カラー補正のエフェクトであるLumetriカラーがすでに適用されている状態になっています。
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3. Lumetriカラーには【基本補正】【クリエイティブ】【カーブ】【カラーホイールとカラーマッチ】【HSLセカンダリ】【ビネット】の項目があり、基本的には上から順番に必要な設定をしていきます。
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基本補正

1. 【基本補正】の左にあるタブをクリックすると、設定内容が表示されます。
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2. 最初に【LUT】の設定をして、このLog素材の基本の色調を復元します。
【LUT設定】のプリセットの中から【ALEXA_Default_LogC2Rec709】を選択します。
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LUTとは?
  • LUTは「ルックアップテーブル」の略で、「画像の色をどのように調整するか」を定義した数式を保持しています。
  • この数式を映像素材に適用すると、編集ソフトが数式を「ルックアップ(参照)」し、映像の色味全体を瞬時に変更する仕組みです。
  • Premiere Proにも、いくつかのLUTがプリセットとして標準で搭載されています。
3. すると、色味がほぼ何もなかったLog素材に色調が再現されました。
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4.  次に【カラー】【ライト】の調整をします。
【LUT設定】の下にある【自動】ボタンをクリックすると、先程よりも鮮やかなトーンになりました。
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5. 【ソース】タブをクリックすると、調整の前後を確認できるので比較しながら次からの作業を進めていきましょう。
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クリエイティブ

1. 【クリエイティブ】の左にあるタブをクリックすると設定内容が表示されます。
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2. ここでは、仕上がりのトーンの方向性を決める【Look】を設定します。
【Look】の右にある【なし】をクリックすると、たくさんのプリセットが表示されます。
ここでは【CineSpace2383sRGB6bit】を選択します。
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3. 次に【強さ】【Look】のかかり具合を調整します。
今のままではかかりすぎているので【強さ】を【50】にします。
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4. 次に【調整】【Look】のトーンを調整します。
【シャドウ色相調整】で暗い箇所を青色寄りに、【ハイライト色相調整】で明るい箇所を薄緑色寄りに調整します。
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カーブ

1. 【カーブ】は、明るさ、コントラスト、色相・彩度の調整をします。
【RGBカーブ】でカーブを動かしながらイメージに近づけていきます。
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2. さらに特定の色を調整したい場合には、【色相/彩度カーブ】【色相VS彩度】のスポイトをクリックしましょう。
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3. 調整したい色をクリックすると、調整ポイント(点)が作成されます。
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4. このポイントを上下に移動させることにより、特定の色を目立たせたり色味を落としたりすることができます。
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カラーホイールとカラーマッチ

1. ここでは動画の【シャドウ】【ミッドトーン】【ハイライト】の部分ごとに明るさと色相を調整することができます。
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2. 【ミッドトーン】の色相を少しだけ黄緑色寄りに設定します。
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HSLセカンダリ

1. 選択した特定の色域のみの調整ができます。
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2. 【設定カラー】のスポイトアイコンをクリックして、調整したい色の部分をクリックして色を選択します。
ここでは滝の水の部分をクリックしてみましょう。
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3. 【カラー/グレー】にチェックを入れると、スポイトで選んだ色のみが表示されます。
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4. 【H】【S】【L】のスライダーを動かして、色の選択範囲を調整します。
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5. 選択範囲が決まったら【カラー/グレー】のチェックを外して色の調整をします。
ここでは【色温度】を【-30.9】、【彩度】を【0】にします。
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6. すると、水の色が薄い黄色から白色に変わりました。
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ビネット

1. ビネットとは画面の周辺部を暗くして中央に視線を集中させる効果で、ムード演出や被写体強調に使われる映像技法です。
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2. ここでは【適用量】を【-2】、【拡張】を【16】、【角丸の割合】を【-50】、【ぼかし】を【30】に設定します。
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3. これでエフェクトLumetriカラーでのカラーグレーディングの完成です。
今回の作例はあくまでも1つの例なので、次はご自身で自分なりのカラーグレーディングを作成してみましょう。
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完成動画

これで「第10章:さまざまなルック(色調)を作ろう!」の解説を終わります。
次の章に進みましょう。
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