ポートフォリオムービー制作
1章 【企画編】"選ばれる自分"を設計する
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1章 【企画編】"選ばれる自分"を設計する

この章の目安学習時間:2.5時間

この章で到達できるゴール

  • 自身のスキルと実績を客観的に分析し、自分の「強み」を言語化できる
  • 獲得したい案件から逆算し、ムービーで伝えるべきコンセプトを決定できる
  • コンセプトに基づいた構成案(絵コンテ)を作成し、使用するBGMと実績素材を選定できる

【1-1】STEP1:スキルと実績の棚卸し

目安の学習時間:40分

ワークシートを用いた自己分析

ポートフォリオムービーの制作は、編集ソフトを開く前に、まず自分自身を知ることから始まります。
自分が何者で、何ができて、何をしたいのか。
それを明確にしないままでは、誰の心にも響かない、ただの実績のダイジェスト映像になってしまいます。

ここでは、後述するワークシートを使い、これまでの学習で得たスキルと実績を客観的に棚卸しして自身の現在地を正確に把握しましょう。
この自己分析が、今後のすべての工程の土台となります。
時間をかけて、じっくりと自分と向き合ってみてください。

自己分析ワークシート例

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【1-2】STEP2:自分の「売り」となるコンセプトを決定する

目安の学習時間:40分

自己分析で自身の「素材」が整理できたら、次はその素材をどのように調理し、誰に届けるかを考えるコンセプト設計のステップに移ります。
コンセプトとは、ポートフォリオムービー全体を貫く自分は〇〇なクリエイターですという中心的なメッセージのことです。

ターゲットクライアントを設定する

良いコンセプトを作るためには、まず「誰に」そのメッセージを届けたいのか、つまりターゲットクライアントを具体的に設定することが重要です。
  • どんな業界の、どんな種類の動画案件を獲得したいか?
    • 例:美容業界のSNS広告、IT企業のサービス紹介動画、飲食店の来店促進Vlogなど
  • ターゲットクライアントが、動画編集者に何を求めているかを想像する
    • 例:美容業界なら「トレンド感性」、IT企業なら「複雑な情報の整理能力」など
ターゲットを絞ることで、ムービーでアピールすべきスキルや実績が自ずと明確になります。

コンセプトの方向性を決める

ターゲットを設定したら、自己分析の結果と掛け合わせ、自身の「売り」となるコンセプトの方向性を決定します。
主な方向性は以下の3つです。
  • スキル特化型
    • 特定の技術力を強みとしてアピールする。
      「モーショングラフィックスならお任せください」「シネマティックな色調補正で、映像の価値を最大化します」など
  • ジャンル特化型
    • 特定の動画ジャンルへの深い理解と実績をアピールする。
      「再生数を生むショート動画のプロ」「購買意欲を掻き立てるUGC風広告の専門家」など
  • 世界観特化型
    • 独自のテイストやデザインセンスを強みとしてアピールする。
      「ポップで可愛い世界観で、Z世代の心を掴みます」「クールでスタイリッシュな映像で、ブランドイメージを向上させます」など
最も重要なのは、自分が「何をやりたいか」とクライアントの「何が欲しいか」が交差する点を見つけることです。

考えてみよう!

自己分析の結果、「美容系のUGC風商品紹介動画」の実績が最も多く、自分もその編集が好きだとします。
この場合、どのようなコンセプトが考えられるでしょうか?

解答例

  • コンセプト案1(ジャンル特化型):「"欲しい"を創る、美容・コスメ系SNS動画のプロフェッショナル」
    • ターゲットクライアント:化粧品メーカーや美容サロンのSNSマーケティング担当者
  • コンセプト案2(スキル特化型):「リアルな共感を呼ぶ "UGC風" 編集のスペシャリスト」
    • ターゲットクライアント:広告感を嫌う若者向けの商品を扱う、あらゆる業界の企業
  • コンセプト案3(世界観特化型):「Z世代の心を掴む、ポップで可愛い世界観の映像クリエイター」
    • ターゲットクライアント:10代〜20代向けのアパレルや雑貨、スイーツなどのブランド担当者

【1-3】STEP3:構成案(絵コンテ)を作成する

目安の学習時間:40分

ポートフォリオムービーの黄金構成

コンセプトが決まったら、それを映像に落とし込むための設計図、構成案を作成します。
採用担当者のような多忙な視聴者を飽きさせず、最後まで見てもらうためには、実績のある構成の「型」に沿って作ることが効果的です。
ポートフォリオムービーには、以下の黄金構成があります。
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簡単な絵コンテを描いてみよう

構成の骨子が決まったら、各パートで「具体的に何を見せるか」「どんなテロップを入れるか」を、簡単な絵コンテに描き出していきます。
絵コンテは、映像の設計図です。
編集作業を始める前に、頭の中のイメージを具体的にしておくことで、制作中の迷いをなくし、作業効率を大幅に向上させることができます。
絵コンテは「上手な絵」である必要はない
  • 絵コンテの目的は、映像のイメージを他者や未来の自分に伝えることです。絵の上手さは全く関係ありません。
  • 人物は棒人間、オブジェクトは簡単な図形(〇や□)で十分です。
  • 重要なのは「何が」「どこに表示され」「どのように動くか」、そして「どんなテロップが入るか」といった情報を、自分が見て分かるようにメモしておくことです。

【1-4】STEP4:BGMと実績素材の選定

目安の学習時間:30分

絵コンテで映像のイメージが固まったら、実際に使用する素材を選定します。
特にポートフォリオムービーにおいて、BGMの選定は極めて重要です。

ムービーの印象を決定づけるBGM選び

BGMは、ポートフォリオムービーの印象とテンポを決定づける、第二の主役です。
  • コンセプトに合った曲調を選ぶ
    スタイリッシュなコンセプトならクールなエレクトロミュージック、ポップな世界観なら明るく軽快な曲、といったように、自身のコンセプトを最も体現する曲を選びましょう。
  • 編集のガイドにする
    曲の盛り上がりやビート、展開の変化が、映像を切り替えるタイミングの強力なガイドになります。
    まずBGMをタイムラインに配置し、曲の展開に合わせて編集していくのが基本のフローです。
おすすめの著作権フリー音源サイト
  • Artlist
  • Epidemic Sound
  • DOVA-SYNDROME(無料)

ポートフォリオムービーは自身の商業活動に利用するため、必ず商用利用が許可されている音源を使用してください。

見せるべき実績素材を厳選する

BGMが決まったら、実績紹介パートで使用する自身の過去作品を厳選します。
ここで重要なのは質は量に勝るということです。
  • コンセプトを最も体現している実績を3〜5つに絞り込む
    たくさんの実績を見せたい気持ちを抑え、自身の「売り」が最も伝わる作品だけを選び抜きます。
  • 各実績の「最も見てほしい」ハイライト部分を抜き出す
    1つの実績を見せる時間は5〜10秒程度です。
    その作品の中で、自身のスキルが最も発揮されている一瞬を切り出して使いましょう。

【1-5】1章 -章末課題- ポートフォリオムービーの企画シート作成

目安の学習時間:20分

問題

この章で学んだ内容に基づき、自身のポートフォリオムービーを制作するための「企画シート」を作成してください。
以下の項目をすべて埋めて、提出してください。
これは、次章以降の制作の設計図となります。
企画シート項目
  1. 自分の強み・専門性:(スキルと実績の棚卸し結果を要約)
  2. ターゲットクライアント:(どんなクライアントから、どんな案件を獲得したいか)
  3. ポートフォリオムービーのコンセプト:(自分の何を、どのように伝えるか)
  4. 構成案:(黄金構成に沿って、各パートで何を見せるかの概要を記述)
  5. 使用予定BGM:(曲の雰囲気や、どの音源サイトで探すかなど)
  6. 使用予定の実績:(具体的にどの実績を、どの順番で見せるか)

解答例

  1. 自分の強み・専門性
    • Premiere Proを用いたモーショングラフィックス。
      特にSaaSやWebサービスの、目に見えない価値を視覚化するのが得意。
  2. ターゲットクライアント
    • IT・Web業界のスタートアップ企業。
      自社サービスの紹介動画を求めているマーケティング担当者。
  3. ポートフォリオムービーのコンセプト
    • 「複雑なサービスを、シンプルに伝える。ビジネスを加速させるモーショングラフィックス」
  4. 構成案
    • 導入(5s):円や線が動く、スタイリッシュなロゴアニメーションで自身の活動名を表示。
    • 実績紹介(40s):①勤怠管理SaaS(アイコンアニメーション部分)、②オンライン学習サービス(インフォグラフィックス部分)、③データ分析ツール(グラフアニメーション部分)を、BGMの展開に合わせてテンポ良く見せる。
    • 自己紹介(10s):モーショングラフィックスで名前、コンセプト、使用ソフト(Premiere Pro, Photoshop, Illustrator)を表示。
    • CTA(5s):「お見積もり・ご相談は無料です」というメッセージと、メールアドレスを表示。
  5. 使用予定BGM
    • Artlistで探す。
      アップテンポで知的な印象のエレクトロニックミュージック。
  6. 使用予定の実績
    • ①勤怠管理SaaS紹介動画
    • ②オンライン学習サービス紹介動画
    • ③データ分析ツール紹介動画
これで「1章【企画編】"選ばれる自分"を設計する」の解説を終わります。
次の章に進みましょう。
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