サービス紹介動画制作
1章 制作の土台となる「企画構成力」
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1章 制作の土台となる「企画構成力」

この章の目安学習時間:1.5時間

この章で到達できるゴール

  • 視聴者の理解と納得を引き出す、サービス紹介動画の基本的な構成パターンを説明できる
  • クライアントから的確な情報を引き出すための、ヒアリングの重要項目をリストアップできる
  • 伝えたい内容に応じて、最適な表現手法(実写、アニメーション等)を選択できる

【1-1】サービス紹介動画 構成の黄金律

目安の学習時間:30分

基本構成:課題提示→解決策→ベネフィット→CTA

サービス紹介動画の目的は、視聴者にサービスの価値を深く理解してもらい、信頼を育む「農耕型」のコミュニケーションであると0章で学びました。
これを実現するために、多くの成功しているサービス紹介動画には共通した構成の「型」が存在します。
それが、視聴者の心理に沿って情報を展開する「課題提示 → 解決策 → ベネフィット → CTA」という構成の黄金律です。
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この流れを意識することで、単なる機能説明に終わらない、視聴者の心に響くストーリーを組み立てることができます。

考えてみよう!

普段使っている便利なスマートフォンアプリを一つ思い浮かべてください。
そのアプリがもし世の中に存在しなかったとしたら、人々はどんな「課題」を抱えているでしょうか?
そして、そのアプリはどのような「解決策」と「ベネフィット」を提供しているでしょうか?

解答例

  • アプリ名
    乗換案内アプリ
  • 課題(Problem)
    電車を乗り換える際、どのホームのどの電車に乗れば一番早く着くのか分からず、駅の路線図の前で毎回迷ってしまう。
    遅延情報もすぐに分からないという「移動のストレスと時間の浪費」という課題。
  • 解決策(Solution)
    出発地と目的地を入力するだけで、最適な乗り換えルート、時間、運賃を瞬時に検索できる機能。リアルタイムの運行情報も表示される。
  • ベネフィット(Benefit)
    アプリが提供する「最適なルート検索」という解決策によって得られるのは、単に時間を知れることだけではありません。
    「もう駅で迷うことがなくなり、移動のストレスが軽減される」「予測不能な遅延に慌てることがなくなる」「空いた時間でコーヒーを一杯飲むような、心に余裕のある移動が実現できる」といった、より豊かな体験がベネフィットです。

【1-2】良い動画を作るためのクライアントヒアリング術

目安の学習時間:30分

なぜヒアリングが重要なのか

優れたサービス紹介動画を制作するために、編集技術以上に重要と言っても過言ではないのが、制作前の「クライアントヒアリング」です。
クライアントへのヒアリングは、動画の構成を考える上で必要な情報を集めるだけの作業ではありません。
  • クライアント自身も気づいていないサービスの魅力を引き出す
    • 開発者や担当者は、自分たちのサービスに詳しすぎるあまり、顧客にとっての本当の魅力を見過ごしていることがあります。
      クリエイターが第三者の視点で質問することで、隠れた価値を発見できます。
  • 制作後の「思っていたのと違う」という手戻りを防ぐ
    • 最初に動画の目的やゴール、ブランドイメージの認識をクライアントとすり合わせておくことで、制作終盤での大幅な修正や作り直しといった、最も非効率な事態を防ぐことができます。
  • クライアントとの信頼関係を構築する
    • 熱心にヒアリングを行う姿勢は、クライアントに「この人は私たちのビジネスを深く理解しようとしてくれている」という安心感と信頼を与えます。
良い動画は、良いヒアリングから生まれます。
編集ソフトに触れる前のこの段階こそ、クリエイターの価値が最も発揮される場面の一つです。

これだけは聞くべき!ヒアリング必須項目

では、具体的にどのようなことをヒアリングすれば良いのでしょうか。
ここでは、動画の企画構成を考える上で最低限必要となる、5つの必須項目を紹介します。
ヒアリング必須5項目
  1. サービスの概要:誰の、どんな課題を解決するものか?
    • 動画の構成を「課題提示」から始めるための根幹となる質問です。
  2. ターゲット顧客:どんな人に、この動画を見てほしいか?
    • 動画のデザインや言葉遣い、演出の方向性を決める上で最も重要な情報です。
  3. サービスの強み:競合他社にはない、一番の魅力は何か?
    • 動画内で最も強調すべき「解決策」と「ベネフィット」を明確にします。
  4. 動画の目的とゴール:この動画で、視聴者にどうなってほしいか?
    • 最後のCTAを設計するために不可欠です。(例:理解促進、問い合わせ増加、資料請求など)
  5. ブランドイメージ:視聴者にどんな印象を与えたいか?
    • 動画のトーン&マナー(デザイン、色使い、BGMなど)を決定します。(例:信頼感、先進性、親しみやすさなど)

【1-3】効果的な表現手法の使い分け

目安の学習時間:20分

ヒアリングで得た情報を元に構成を考える際、次に決めるのが「どのような表現手法で伝えるか」です。
サービス紹介動画で主に使われる3つの手法の特徴を理解し、伝えたい内容に応じて効果的に使い分けましょう。
表現手法
適した場面
メリット
モーショングラフィックス
目に見えない概念、SaaSやWebサービスの仕組み、
データの可視化
複雑な情報を整理し、分かりやすく伝えられる。
ブランドイメージを表現しやすい。
実写
有形商材(モノ)の質感や使用感、お客様の声、
オフィスの雰囲気
リアルな情報で信頼感や安心感を与えられる。共感を呼びやすい。
スクリーンキャスト
アプリやソフトウェアの具体的な操作手順、UI/UXの魅力
実際の操作を見せることで、利用イメージを具体的に伝えられる。

モーショングラフィックス

テキストや図形(シェイプ)、イラストなどに動きを加えたアニメーション表現です。
SaaSのような形のないサービスや、複雑なビジネスモデルを説明する際に絶大な効果を発揮します。
この教材で中心的に学ぶ、最も汎用性の高いスキルです。

実写

実際の人物や製品を撮影した映像です。
製品の質感や使用シーン、利用者のインタビューなど、「リアル」な情報が求められる場面で使われます。
視聴者に安心感や信頼感を与え、感情的な共感を呼ぶことに長けています。

スクリーンキャスト

PCやスマートフォンの画面を録画した映像です。
ソフトウェアやアプリの操作方法を説明する際に使われます。
実際の操作画面を見せることで、視聴者は自分がサービスを利用するイメージを具体的に掴むことができます。
多くのサービス紹介動画では、これらの手法を単体で使うのではなく、効果的に組み合わせることで、より分かりやすく魅力的なストーリーを構築しています。

【1-4】1章 -章末課題- ヒアリングシートを作成しよう

目安の学習時間: 10分

問題

あなたは、クライアントである「勤怠管理SaaS『Kintai-Cloud』」の担当者から、サービス紹介動画の制作を依頼されました。
1章で学んだ内容を参考に、次回の打ち合わせで使用する「ヒアリングシート」を作成してください。
クライアントから聞き出すべき重要な質問項目を5つ以上記述してください。

解答例

【Kintai-Cloud サービス紹介動画 ヒアリングシート】
  1. サービスの概要とターゲットについて
    • このサービスが解決する、企業の「勤怠管理」に関する最も大きな課題は何ですか?(課題提示のため)
    • 主にどのような業種・規模の企業の、どの役職の方(例:経営者、人事担当者)に導入を検討してほしいですか?(ターゲットの明確化のため)
  2. サービスの強み(競合優位性)について
    • 他社の勤怠管理システムと比較した際の、Kintai-Cloudだけのユニークな強みや特徴を3つ教えてください。(解決策の具体化のため)
    • その強みによって、導入企業はどのような未来(=ベネフィット)を手に入れることができますか?
  3. 動画の目的とゴールについて
    • この動画を視聴した方に、最終的に取ってもらいたい行動は何ですか?(CTA設計のため。例:「無料トライアルへの申し込み」「詳しい資料のダウンロード」など)
  4. ブランドイメージについて
    • 視聴者に「Kintai-Cloud」に対して、どのような印象を持ってほしいですか?
      トンマナ決定のため。キーワード例:信頼できる、使いやすい、革新的、コスト効率が良い など)
  5. 表現や素材について
    • 動画の表現手法について、ご希望はありますか?(例:アニメーション中心、一部実写を入れたい など)
    • 動画内で使用できるロゴデータや既存の資料などはありますか?
これで「1章 制作の土台となる「企画構成力」」の解説を終わります。
次の章に進みましょう。
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