請求と税務の基本を確認しよう
CHAPTER 5
請求と税務の基本を確認しよう
LESSON 5-3 契約・法務・税務の基礎 ⏱ 所要時間:約15〜20分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • 見積書・請求書の基本項目を説明できる
  • 源泉徴収・確定申告・開業届・インボイス制度の概要を確認できる
  • 記録・保管するものを説明できる
  • 迷った場合の相談順序を説明できる

案件獲得攻略プログラムでは、模擬トライアル案件や実践想定案件を進める中で、見積書や請求書を作成する場面が出てきます。あわせて、源泉徴収・確定申告・開業届・インボイス制度といった税務の言葉にも触れることになります。これらの制度は案件や受講生の状況によって必要な対応が異なるため、制度名だけを覚えて自分の状況にそのまま当てはめることはできません。

このレッスンでは、見積書・請求書に記載する項目と、税務の基本用語がこの教材で確認する範囲を整理します。あわせて、記録・保管しておくものと、判断に迷ったときの相談順序も確認します。このレッスンは断定的な法律・税務のアドバイスを行う教材ではないため、個別の判断はコーチや公的機関、専門家に確認しながら進めましょう。

請求書に記載する項目

見積書や請求書には決まった書式はありませんが、案件の内容と金額を正確に伝えるために記載しておきたい項目があります。次の項目を確認しましょう。

請求書に記載する項目
発行日
請求書をいつ発行したかを示す日付
請求書番号
その請求書を特定・管理するための番号
宛名
請求先となるクライアントの名称
件名・業務内容
どの案件・業務に対する請求かを示す内容
数量・単価
請求する業務や商品の数量と単価
小計・消費税・合計
税抜の小計と消費税、その合計額
源泉徴収額
取引先が源泉徴収の対象となる報酬かどうかによって記載が必要になる金額
請求金額
クライアントに実際に支払ってもらう金額
支払期限
支払ってもらう期日
振込先
支払いを受け取る銀行口座などの情報
発行者情報
請求書を発行した自分(事業者)の情報
インボイス登録番号(必要な場合)
自分がインボイス発行事業者として登録しているかどうかによって記載が必要になる番号

これらの項目が揃っていると、クライアントは何に対していくら支払うのかを迷わず確認できます。項目が不足していると、金額の食い違いや確認のやり取りが増える原因になるため、案件ごとに記載内容を見直す意識を持ちましょう。

✓ Point !
源泉徴収額とインボイス登録番号は状況次第

源泉徴収やインボイス登録番号は、すべての取引で必ず記載するものではありません。自分がインボイス発行事業者として登録しているか、取引先が源泉徴収の対象となる報酬かどうかなど、自分と取引の状況を確認したうえで記載します。

次のセクションでは、源泉徴収や確定申告といった税務の言葉が具体的に何を指すのか、この教材で確認する範囲を整理します。

税務の基本を確認する

請求書に源泉徴収額を記載する場面があるように、案件を進めるうえでは、源泉徴収・確定申告・開業届・インボイス制度といった税務の言葉に触れる機会があります。それぞれについて、この教材で確認する範囲を整理しましょう。

項目この教材で確認すること
源泉徴収対象となる報酬か、支払者と請求内容を確認する
確定申告収入・経費・源泉徴収などの記録と書類を保管する
開業届制度の概要と、自分の状況で必要な手続きを公式情報から確認する
インボイス制度登録の有無、取引先から求められる情報、請求書の記載を確認する

源泉徴収は、報酬を支払う側が所得税をあらかじめ差し引いて納める仕組みです。対象になる報酬かどうかは案件の種類や支払者によって異なるため、請求書を作成する前に確認しておく必要があります。

確定申告には白色申告と青色申告があります。青色申告は複式簿記などで記帳することで、最大65万円の特別控除を受けられる制度ですが、申告する年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署へ提出しておく必要があります。この申請書を出していない場合は、自動的に白色申告になります。

開業届は、個人事業を開始してから1か月以内に提出する書類です。提出しなくても罰則はありませんが、開業届を出していないと青色申告の特別控除が使えません。自分の状況で開業届が必要かどうかは、国税庁などの公式情報から確認しましょう。

インボイス制度(適格請求書等保存方式)は、2023年10月に始まった消費税の制度です。適格請求書発行事業者になるには、税務署への登録申請が必要です(e-Taxまたは書面。登録完了まで数週間かかることがあります)。2023年10月1日から2026年9月30日までの期間は、新たに課税事業者となった人を対象に、納税額を売上税額の2割に軽減する2割特例が用意されています。

! 注意
制度は変更される場合があります

詳細な計算方法や個別の税務判断は、この教材だけで完結させません。判断に迷った場合は、まずコーチへ相談して確認事項を整理し、必要に応じて税務署などの公的機関や専門家に確認しましょう。
※本レッスンの制度情報は2026年8月17日時点の公式情報を基に作成しています。制度は変更される場合があるため、最新情報は国税庁やインボイス制度の公式サイトなど、公式情報で確認してください。

記録・保管するもの

税務の判断は、記録や書類が手元にあることを前提に進みます。案件を進める中で、次のものを保管しておきましょう。

記録・保管するもの
契約書・発注書
契約内容についてクライアントとの食い違いが起きたときに確認できる記録
見積書・請求書
請求した金額や内容についてクライアントとの食い違いが起きたときに確認できる記録
入金記録
請求した金額が実際に支払われたかを確認できる記録
経費の領収書・利用明細
確定申告のときに経費を確認する材料になる記録
源泉徴収に関する書類
確定申告のときに源泉徴収額を確認する材料になる記録
制度上必要となる帳簿・電子データ
確定申告など制度上の手続きで必要になる記録

これらの記録は、確定申告のときに収入と経費を確認する材料になるだけでなく、クライアントとの金額のやり取りに食い違いが起きたときの根拠にもなります。案件が完了した後もすぐに処分せず、一定期間は保管しておく意識を持ちましょう。

相談する順序

請求書の記載内容や税務の制度について疑問が生まれたときは、次の順序で確認を進めます。

1
疑問点が生まれる

見積書・請求書の書き方や、源泉徴収・インボイス対応など、判断に迷う点に気づきます。

2
契約書・請求書・記録を確認する

自分の契約書や過去の請求書、保管している記録を見返し、状況を確認します。

3
自分の状況と質問を整理する

何が分からないのか、どの案件・どの取引についての疑問かを整理します。

4
まずコーチへ相談する

整理した内容をもとに、最初の相談先としてコーチへ質問します。

5
コーチと確認先・確認事項を整理する

コーチと一緒に、どこで何を確認すればよいかを整理します。

6
必要に応じて税務署などの公的機関や専門家へ相談する

コーチとの相談で解決しない場合や、個別の税務判断が必要な場合に、公的機関や専門家へ確認します。

7
最新情報を確認して対応する

確認した内容と最新の公式情報をもとに、請求書の作成や手続きを進めます。

税務や法務の制度は案件や受講生ごとに状況が異なるため、自分だけで判断すると対応を誤りやすくなります。コーチへ相談すれば、教材の内容と自分の状況を整理できるうえ、公的機関や専門家に確認する際も何を質問すればよいかが明確になります。

主な確認先

コーチへの相談で解決しない場合や、より詳しい情報が必要な場合は、次の確認先を活用しましょう。

確認先確認できること
国税庁税務全般に関する公式情報
税務署個別の相談や手続きの窓口
e-Tax国税の電子申告・手続きに関するシステム
インボイス制度の公式情報適格請求書発行事業者の登録や制度の詳細
文化庁の著作権情報著作権に関する公式情報
公正取引委員会・フリーランス取引に関する公式情報フリーランスの取引に関するルールや相談窓口
税理士・弁護士などの専門家個別の税務・法務判断が必要な場合の相談先

確認先が複数あるのは、契約・法務・税務がそれぞれ異なる制度や窓口にもとづいているためです。どの確認先に聞けばよいか分からない場合も、まずコーチへ相談すれば、適切な確認先を一緒に整理できます。

法務・税務の基本クイズ

ここまで確認した内容を使って、次の8つの場面が正しいか誤りかを選んでみましょう。クリックすると正解と理由がすぐに確認できます。合否判定や提出はありません。

Q
法務・税務の基本クイズ(1/8)
契約書に「請負」と書かれていれば、実際の業務内容を確認する必要はない
正解です!
契約書の名称だけでなく、実際の業務内容を確認する必要があります。
惜しい!
正解は誤りです。契約書の名称だけでなく、実際の業務内容を確認する必要があります。
Q
法務・税務の基本クイズ(2/8)
報酬を受け取れば、制作物の著作権は必ず自動的にクライアントへ移る
正解です!
著作権譲渡と利用許諾は異なり、譲渡の範囲は契約で確認する必要があります。
惜しい!
正解は誤りです。著作権譲渡と利用許諾は異なり、譲渡の範囲は契約で確認する必要があります。
Q
法務・税務の基本クイズ(3/8)
クライアントから支給された素材は、権利を確認せず使用してよい
正解です!
使用権限や第三者の権利を確認してから使用します。
惜しい!
正解は誤りです。使用権限や第三者の権利を確認してから使用します。
Q
法務・税務の基本クイズ(4/8)
クライアントの未公開情報を生成AIへ入力する前に、利用条件と情報管理を確認する必要がある
正解です!
入力した情報が学習や外部への出力に利用される可能性があるため、入力前に利用条件と情報管理を確認する必要があります。
惜しい!
正解は正しいです。入力した情報が学習や外部への出力に利用される可能性があるため、入力前に利用条件と情報管理を確認する必要があります。
Q
法務・税務の基本クイズ(5/8)
見積書を提出すれば、修正回数や著作権などすべての契約条件に合意したことになる
正解です!
見積書を提出しただけでは、修正回数や著作権などすべての契約条件に合意したことにはなりません。
惜しい!
正解は誤りです。見積書を提出しただけでは、修正回数や著作権などすべての契約条件に合意したことにはなりません。
Q
法務・税務の基本クイズ(6/8)
源泉徴収やインボイスの対応は、すべての案件で同じである
正解です!
源泉徴収やインボイスの対応は、取引や自分の状況によって異なります。
惜しい!
正解は誤りです。源泉徴収やインボイスの対応は、取引や自分の状況によって異なります。
Q
法務・税務の基本クイズ(7/8)
請求や税務で迷った場合は、まずコーチへ相談して確認事項を整理し、必要に応じて公的機関や専門家へ確認する
正解です!
請求や税務は状況によって対応が異なるため、まずコーチへ相談し、必要に応じて公的機関や専門家へ確認するのが基本の順序です。
惜しい!
正解は正しいです。請求や税務は状況によって対応が異なるため、まずコーチへ相談し、必要に応じて公的機関や専門家へ確認するのが基本の順序です。
Q
法務・税務の基本クイズ(8/8)
税務制度は変更される可能性があるため、最新の公式情報を確認する
正解です!
法律・税務の制度は改正されることがあるため、最新の公式情報を確認したうえで対応する必要があります。
惜しい!
正解は正しいです。法律・税務の制度は改正されることがあるため、最新の公式情報を確認したうえで対応する必要があります。
SUMMARY
  1. 契約名だけでなく、実際の業務内容と条件を確認する
  2. 制作物、素材、生成AIの権利と利用条件を確認する
  3. 見積書・請求書・入金・経費の記録を保管する
  4. 税務制度は最新の公式情報を確認する
  5. 迷った場合は最初にコーチへ相談し、その後必要に応じて公的機関や専門家へ確認する
CHECK
理解度チェック
見積書・請求書に記載する主な項目を説明できるか?
発行日、請求書番号、宛名、件名・業務内容、数量・単価、小計・消費税・合計、請求金額、支払期限、振込先、発行者情報などです。源泉徴収額とインボイス登録番号は、自分と取引の状況に応じて記載します。
源泉徴収・確定申告・開業届・インボイス制度について、この教材で確認すべきことを説明できるか?
源泉徴収は対象となる報酬かどうか、確定申告は記録と書類の保管、開業届は制度の概要と自分の状況での必要性、インボイス制度は登録の有無と請求書への記載です。
案件を進める中で記録・保管しておくものを説明できるか?
契約書・発注書、見積書・請求書、入金記録、経費の領収書・利用明細、源泉徴収に関する書類、制度上必要となる帳簿・電子データです。
請求や税務で迷ったときの相談順序を説明できるか?
まずコーチへ相談して確認事項を整理し、必要に応じて税務署などの公的機関や専門家へ確認する順序です。