案件票を読み、応募可否を判断する
CHAPTER 3
案件票を読み、応募可否を判断する
全4レッスン 案件票の11項目の読み取り方から要件の見分け方、報酬の時給換算、応募可否の判断までを整理する ⏱ 所要時間:約55分
CHAPTER 3
案件票の11項目を読み取る
LESSON 3-1 案件票を読み、応募可否を判断する ⏱ 所要時間:約15分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • 案件票に書かれる11項目を挙げられる
  • 業務内容・稼働条件・契約条件の記載を正しく読み解ける
  • 読み取った内容を案件選定チェック表に記録できる

副業・業務委託の案件票には、業務内容や稼働条件など多くの項目が並んでいます。項目数が多いため、慣れないうちはどこから読めばよいか迷いやすく、条件を見落としたまま応募してしまうこともあります。

このレッスンでは、案件票に記載される11項目を3つのまとまりに分けて確認する方法を学びます。読み取った内容は、このあと案件選定チェック表に記録していきます。

案件票の11項目の全体像

案件票に書かれている情報は数が多く見えますが、実際は何を頼まれるか、どう働くか、どんな条件で契約するかという3つの問いに整理できます。まずは全体の構造を確認しましょう。

グループ含まれる項目確認する問い
仕事の内容業務内容・成果責任・必須歓迎要件何を頼まれる案件か
稼働条件稼働・時間帯・会議・場所・期間どう働くことになるか
契約までの流れ報酬・契約・選考どんな条件で契約するか

3つのまとまりに分けて読むと、案件票のどこを見ているのかを見失いにくくなります。11項目を上から順番に読むだけでは、稼働条件の途中に契約条件の話が混ざるなど、記載順が案件ごとに異なるため情報を拾いきれないことがあります。

✓ Point !
まず3つの塊で見る

案件票を開いたら、仕事の内容・稼働条件・契約までの流れの3つに当てはまる文章をまず探しましょう。項目の記載順は案件ごとに異なるため、順番どおりに読むよりも、3つの問いに対応する文章を探すほうが読み落としを防げます。

仕事の内容を確認する

最初に確認するのは、何を頼まれる案件かという仕事の内容です。業務内容・成果責任・必須歓迎要件の3項目を見ていきます。

仕事の内容を示す3項目
業務内容
依頼される作業の具体的な範囲。制作のみか、公開後の運用や改善まで含むかで必要な稼働時間が変わる
成果責任
納品物を作ることまでが責任範囲か、フォロワー数や開封率などの数値目標にコミットする責任まで含むかの違い
必須・歓迎要件
応募条件のうち必ず満たす必要がある要件と、満たしていなくても評価対象になる要件の違い

業務内容が同じSNS運用代行という職種名でも、投稿の制作だけを担当する案件と、フォロワー数やエンゲージメント率の改善まで担当する案件では、求められる稼働時間もスキルも異なります。成果責任の記載が薄い案件票では、納品後に想定外の追加対応を求められることもあるため、成果責任の範囲がどこまでかを応募前に確認しておきましょう。必須要件と歓迎要件の見分け方は、次のレッスンで詳しく扱います。

Q
✏️ 確認クイズ
SNS運用代行の案件票に、業務内容として投稿制作としか書かれていません。この案件票を読むときに確認しておきたいことはどれか?
正解です!
職種名だけでは担当範囲を判断できません。成果責任の欄を確認し、納品物を作る責任だけか、数値目標にコミットする責任まで含むかを確認しましょう。
惜しい!
正解はBです。職種名や業務内容の記載だけで担当範囲を判断せず、成果責任の欄まで確認しましょう。

稼働条件を確認する

次に確認するのは、どう働くことになるかという稼働条件です。稼働・時間帯・会議・場所・期間の5項目を見ていきます。

項目確認するポイント見落とすとどうなるか
稼働週または月あたりの稼働時間・日数単発の作業ボリューム感覚のまま応募し、想定より稼働時間が多いと感じる
時間帯稼働可能な時間帯の指定(平日日中など)本業の勤務時間と重なる時間帯が指定されていて、そもそも稼働できない
会議定例会議・ミーティングの頻度と所要時間会議時間を稼働時間に含めずに見積もり、実際の負担を過小評価する
場所リモート可否、出社が必要な範囲リモート前提で応募したのに一部出社が必須だった、という行き違いが起きる
期間契約期間・更新の有無単発の案件だと思って応募したら、実際は継続契約が前提だった、という認識のずれが起きる

稼働条件は、業務内容と違って数字や時間帯という具体的な情報で書かれていることが多く、一見読み取りやすく感じます。ただし、会議の頻度や所要時間も稼働時間の一部として見積もる必要があり、ここを見落とすと実際に稼働してから想定より負担が重いと感じることになります。

✓ Point !
会議時間も稼働時間に含めて考える

稼働条件を確認するときは、制作作業そのものの時間だけでなく、定例会議や連絡対応の時間も稼働時間の一部として見積もりましょう。案件票に記載された稼働時間の目安が会議時間を含むかどうかを確認できると、さらに正確に判断できます。

契約までの流れを確認する

最後に確認するのは、どんな条件で契約するかという、報酬・契約・選考の3項目です。

契約までの流れを示す3項目
報酬
月額・時間単価・固定報酬のどの形式で表示されているか
契約
業務委託契約か雇用契約か、契約書の有無
選考
書類選考・面談・トライアルなど、契約に至るまでのステップ数

報酬は表示形式によって比較の仕方が変わるため、月額表示の案件と時間単価表示の案件をそのまま並べて比較すると、実際の条件を誤って判断してしまいます。この換算方法は3-3で詳しく扱います。契約は業務委託か雇用かで税や社会保険の扱いが変わるため、案件票に記載がなければ応募前に確認しておきたい項目です。選考のステップ数が多い案件は応募から契約までの期間も長くなるため、応募のタイミングを計画に組み込んでおきましょう。

Q
✏️ 確認クイズ
案件票に「書類選考→オンライン面談→2週間のトライアル稼働」と書かれている場合の読み取り方として適切なのはどれか?
正解です!
選考のステップ数が多い案件ほど、応募から契約までの期間が長くなります。今の稼働状況やほかの案件への応募と合わせて、スケジュールを計画しておきましょう。
惜しい!
正解はCです。選考ステップが複数ある案件は、契約までに時間がかかることを前提に予定を組みましょう。

読み落としやすいポイント

11項目を確認するときに、実際によくある読み落としを整理しておきます。

案件票を読むときの読み落とし例
職種名だけで判断し業務範囲を確認しない
同じ職種名でも、制作のみか運用・改善まで含むかで求められる稼働時間が大きく異なる
会議の頻度や所要時間を稼働時間に含めない
定例会議や連絡対応も稼働の一部であり、含めずに見積もると実際の負担を過小評価する
報酬の表示形式を確認せず金額だけ比較する
月額・時間単価・固定報酬は前提が異なり、表示形式をそろえないと正しく比較できない
選考のステップ数を確認せず応募のタイミングを決める
選考が複数ステップある案件は契約までの期間が長くなり、ほかの予定と重なる可能性がある

これらの読み落としに共通するのは、案件票の一部分だけを見て早めに判断してしまうことです。11項目を3つのまとまりで確認する習慣をつけておくと、応募前に見落としに気づきやすくなります。

案件選定チェック表に記録しよう

ここまで確認した11項目を、案件選定チェック表に記録しておきましょう。このチェック表は、3-4で応募可否の判定欄を加えて完成させます。

気になっている案件を1件選び、案件票に書かれている内容を項目ごとに記録しましょう。

項目記入欄
業務内容
成果責任
必須・歓迎要件
稼働
時間帯
会議
場所
期間
報酬
契約
選考

入力内容はこのブラウザに保存され、次回このページを開いたときに復元されます。別の端末・ブラウザからは見れません。ただしブラウザのキャッシュをクリアすると消えてしまうため、大事な内容はメモやNotionにも控えておくと安心です。

SUMMARY
  1. 案件票の11項目は仕事の内容・稼働条件・契約までの流れの3つに整理できる
  2. 業務内容と成果責任は、職種名だけでなく担当範囲や数値目標への責任まで確認する
  3. 稼働条件では、会議の頻度・所要時間も稼働時間に含めて見積もる
  4. 報酬は月額・時間単価・固定報酬で前提が異なり、そのまま比較できない
  5. 選考のステップ数が多い案件は、契約までの期間が長くなる
  6. 読み取った内容は案件選定チェック表に記録し、3-4で応募可否の判定に使う
CHECK
理解度チェック
案件票の11項目を3つのグループに分けて答えられるか?
仕事の内容(業務内容・成果責任・必須歓迎要件)、稼働条件(稼働・時間帯・会議・場所・期間)、契約までの流れ(報酬・契約・選考)の3グループです。
業務内容と成果責任の違いを説明できるか?
業務内容は依頼される作業の範囲、成果責任は納品物を作ることまでが責任範囲か、数値目標にコミットする責任まで含むかという違いです。
稼働条件のうち、見落としやすい項目を挙げられるか?
会議の頻度や所要時間です。定例会議や連絡対応も稼働時間の一部として見積もる必要があります。
報酬・契約・選考を確認するときに注意すべき点を説明できるか?
報酬は表示形式(月額・時間単価・固定報酬)をそろえて比較すること、契約は業務委託か雇用かを確認すること、選考はステップ数から契約までの期間を見積もることです。

CHAPTER 3
必須要件と歓迎要件を見分けて判断する
LESSON 3-2 案件票を読み、応募可否を判断する ⏱ 所要時間:約12分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • 必須要件と歓迎要件の違いを説明できる
  • 近接経験で補える条件と補えない条件を見分けられる
  • 必須要件を満たさない案件への対応を判断できる

3-1では、案件票の11項目を3つのまとまりに分けて確認する方法を学びました。この11項目のうち、応募可否に直結しやすいのが必須要件と歓迎要件です。

必須要件を1つでも満たしていないと応募をあきらめてしまう人もいれば、逆に歓迎要件まで軽く読み飛ばして応募してしまう人もいます。このレッスンでは、必須要件と歓迎要件を見分け、満たしていない要件をどう扱うかを判断する方法を学びます。

必須要件と歓迎要件の違い

案件票には必須要件と歓迎要件が並んで書かれていることが多く、意味を混同したまま読んでしまいがちです。まずはこの2つの違いと、満たしていない要件があったときの判断の流れを確認しましょう。

必須要件と歓迎要件の違い
必須要件
応募条件として必ず満たす必要がある要件。満たさないまま応募すると、書類選考で不採用になりやすい
歓迎要件
満たしていなくても応募でき、満たしていると評価が上がる要件

必須要件を満たしていれば、歓迎要件を確認したうえで応募を検討します。満たしていない必須要件がある場合は、すぐに見送るのではなく、近接経験で補えるかどうかを確認する段階を挟みます。この判断の流れを次のセクションから順に見ていきましょう。

必須要件を満たしていないときの考え方

必須要件は書類選考の足切り基準として使われることが多く、実務経験不足のまま応募すると選考で不採用になりやすくなります。ただし、必須要件を満たしていないことがそのまま見送りを意味するわけではありません。

必須要件には、資格やツールの実務経験のように代替が効かないものと、実務経験の年数のように近接した経験で説明できる可能性があるものが混在しています。必須要件を満たしていないと分かった時点で応募をあきらめず、その要件が近接経験で補える種類のものかどうかをまず見極めましょう。この見分け方は、次のセクションで詳しく確認します。

! 注意
必須要件の未充足を軽視しない

必須要件を満たしていない状態で、対応できることを装って応募すると、稼働を始めてから業務についていけなくなり、契約途中で信頼を失うことにつながります。満たしていない必須要件があるときは、近接経験で説明できるかを先に確認しましょう。

Q
✏️ 確認クイズ
必須要件に「Figma実務経験1年以上」とあり、自分は実務経験がありません。適切な考え方はどれか?
正解です!
必須要件を満たしていないと分かった時点で見送りを決めず、近接経験で説明できる要件かどうかをまず確認しましょう。
惜しい!
正解はCです。必須要件を満たしていないときは、すぐに見送るのでも実力以上に見せて応募するのでもなく、近接経験で補えるかどうかを確認しましょう。

近接経験で補える条件を見分ける

必須要件のうち、近接経験で補える条件と補えない条件には次のような違いがあります。

補える例近接経験で説明できる条件
  • 実務経験1年以上必須だが、学習期間中に案件獲得攻略プログラム等で制作実績がある
  • 特定のCMS運用経験必須だが、似た構造の別CMSでの運用経験がある
  • チームでの制作経験必須だが、複数人体制の学習カリキュラムでフィードバックを受けながら制作した経験がある
vs
補えない例代替が効かない条件
  • 特定ツールの実務経験必須だが、そのツールを一度も操作したことがない
  • 週20時間以上の稼働必須だが、本業と学習の時間から確保できるのは週5時間程度
  • 特定資格の保有必須だが、資格取得の見込みがない
図:経験の中身で補えるか、時間や資格のように動かせない条件かで対応が分かれる。

近接経験で補える条件は、応募文で具体的に説明すれば選考側に伝わる可能性があります。一方で、稼働時間やツールの実務経験のように代替が効かない条件は、応募文でどれだけ説明しても実際の対応力の証明にはなりません。代替が効かない条件を無理に説明して応募しても、選考を通過しにくいだけでなく、通過してしまった場合に案件開始後のミスマッチにつながりやすくなります。

応募前に補強すべき条件への対処

近接経験でも補えないと判断した必須要件がある場合は、次のように対応しましょう。

補えない必須要件があるときの対応
今回は応募を見送る
補えない必須要件がある案件は、無理に応募するより見送るほうが選考・稼働開始後のミスマッチを避けられる
実績補強の対象として記録しておく
同じ要件が複数の案件で必須とされている場合は、次に応募する前に補強すべき経験として案件選定チェック表に控えておく
対応できないことをできると伝えない
実際に対応できない範囲まで対応可能と伝えて応募すると、稼働開始後に業務についていけなくなる

必須要件の補強方法については、後の章で改めて扱います。このレッスンの時点では、補えない必須要件がある案件を無理に進めず、いったん見送って記録しておくという判断ができれば十分です。

Q
✏️ 確認クイズ
週20時間以上の稼働が必須の案件があり、自分は週5時間程度しか確保できません。適切な行動はどれか?
正解です!
稼働時間の不足は、経験の説明で補えるものではありません。今回は応募を見送り、稼働時間を確保できる案件を優先しましょう。
惜しい!
正解はBです。稼働時間の不足は近接経験では補えない条件です。無理に応募せず、今回は見送りましょう。

早見表で判断しよう

ここまでの内容を、状況別の早見表に整理しました。

状況取るべき行動
必須要件をすべて満たしている歓迎要件を確認したうえで、そのまま応募を検討する
必須要件の一部を近接経験で説明できる応募文で経験を具体的に説明したうえで応募する
必須要件を近接経験でも説明できない今回は応募を見送り、実績補強の対象として記録する
歓迎要件を満たしていない必須要件を満たしていれば、応募を検討してよい

必須要件と歓迎要件を混同せず、満たしていない要件が近接経験で補えるかどうかを基準に判断すると、応募すべき案件と見送るべき案件を迷わず選べるようになります。

SUMMARY
  1. 必須要件は満たさないと不採用になりやすく、歓迎要件は満たさなくても応募できる
  2. 必須要件を満たしていない場合も、すぐに見送らず近接経験で補えるかを確認する
  3. 経験の中身で説明できる条件と、稼働時間やツール実務経験のように代替が効かない条件を見分ける
  4. 近接経験で補えない必須要件がある案件は、今回は応募を見送り、実績補強の対象として記録する
  5. 対応できないことをできると伝えて応募しない
CHECK
理解度チェック
必須要件と歓迎要件の違いを説明できるか?
必須要件は満たさないと不採用になりやすい条件、歓迎要件は満たしていなくても応募でき、満たしていると評価が上がる条件です。
必須要件を満たしていないとき、最初に確認すべきことを答えられるか?
すぐに見送りを決めるのではなく、その要件が近接経験で補える性質のものかどうかを確認します。
近接経験で補える条件と補えない条件の違いを説明できるか?
経験の中身で説明できる条件は近接経験で補える可能性がありますが、稼働時間やツールの実務経験、資格のように代替が効かない条件は補えません。
近接経験でも補えない必須要件があるとき、どう対応すればよいか答えられるか?
今回は応募を見送り、同じ要件が複数の案件で必須とされている場合は実績補強の対象として記録しておきます。

CHAPTER 3
報酬を時給換算して比較する
LESSON 3-3 案件票を読み、応募可否を判断する ⏱ 所要時間:約18分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • 想定総稼働時間を、会議・連絡・準備・修正を含めて算出できる
  • 月額・固定報酬・時間単価表示のそれぞれを、同じ条件の時給に換算できる
  • 換算した時給をもとに、複数の案件を比較できる

3-1と3-2では、案件票の項目を読み取り、必須要件を満たさない場合の判断方法を確認しました。案件票を読み進めると、次に迷いやすいのが報酬の比較です。月額表示、時間単価表示、固定報酬表示が案件ごとに混在していると、金額だけでは条件の良し悪しを判断できません。

このレッスンでは、表示形式が異なる報酬を、会議や連絡対応まで含めた同じ条件の時給に換算し、複数の案件を正しく比較する手順を身につけます。

完成イメージと事前準備

このレッスンを終えると、次のように表示形式の異なる案件を同じ条件で比較できるようになります。

案件表示されている報酬想定総稼働時間換算後の時給
案件A月額90,000円26時間/月約3,460円
案件B固定報酬50,000円18時間約2,780円
案件C時間単価1,800円(稼働20時間)23時間(会議・連絡含む)約1,570円
表示金額だけでは分からない差が、換算後に見えてくる

案件Cは時間単価の数字だけを見ると最も高く感じますが、会議や連絡対応の時間を含めて換算すると、3案件の中で最も低い時給になります。この差がなぜ生まれるのかを、Step1から順に確認していきましょう。

📋 事前準備
  • 計算に使う電卓、またはスマホの電卓アプリを用意する
  • 3-1で記録した案件選定チェック表を手元に用意する(比較したい案件の稼働・報酬の記載を確認するため)

Step1:想定総稼働時間を算出する

どちらの計算式も、分母になるのは想定総稼働時間です。この時間を正確に見積もることが、時給換算の出発点になります。

1
制作作業そのものの時間を見積もる

案件票に記載された業務内容から、制作にかかる時間の目安を出します。

2
会議・連絡対応の時間を加える

定例会議の頻度と所要時間、チャットやメールでの連絡対応の時間を月換算で加算します。

3
準備・修正にかかる時間を加える

制作前の準備、納品後の修正対応にかかる時間も見積もりに含めます。

4
1〜3を合計し、想定総稼働時間とする

例:案件Aの場合、制作20時間+会議2時間+連絡2時間+修正2時間=26時間

制作作業の時間は案件票に書かれていても、会議や連絡対応、修正にかかる時間は明記されていないことが多くあります。案件票に記載がない時間は、応募前の質問や案件票の周辺情報から見積もり、含めて計算しましょう。

✓ Point !
見えない時間ほど見落としやすい

会議や連絡対応、修正にかかる時間は案件票に明記されないことが多く、見落とすとあとから実質的な負担の重さに気づくことになります。稼働時間を見積もるときは、制作以外の時間も必ず含めましょう。

Step2:月額・固定報酬を時給換算する

想定総稼働時間が出せたら、月額報酬や固定報酬を時給に換算します。

1
月額報酬の場合

月額報酬 ÷ 想定総稼働時間(月換算)= 換算時給。案件Aは90,000円 ÷ 26時間 = 約3,460円

2
固定報酬の場合

固定報酬 ÷ 想定総稼働時間(案件全体)= 換算時給。案件Bは50,000円 ÷ 18時間 = 約2,780円

月額報酬と固定報酬は、想定総稼働時間さえ算出できれば同じ式で換算できます。案件Bのように単発の固定報酬案件では、案件全体にかかる想定総稼働時間を1回分としてまとめて見積もる点が、月額報酬の月単位の見積もりと異なります。

Q
✏️ 確認クイズ
固定報酬60,000円、想定総稼働時間20時間の案件があります。換算時給はいくらか?
正解です!
60,000円 ÷ 20時間 = 3,000円です。固定報酬は、案件全体にかかる想定総稼働時間で割って換算します。
惜しい!
正解はAです。60,000円 ÷ 20時間 = 3,000円が換算時給になります。

Step3:時間単価表示の実質時給を算出する

時間単価表示の案件は、表示された金額をそのまま実質時給として扱えるとは限りません。会議や連絡対応の時間が時間単価に含まれるかどうかをまず確認します。

1
時間単価が何の時間に対する単価かを確認する

案件票に「制作時間のみ」「会議込み」などの記載があるかを確認します。記載がなければ応募前に問い合わせて確認します。

2
会議・連絡が単価に含まれない場合は実質時給を算出する

(時間単価 × 稼働時間)÷ 想定総稼働時間(会議等含む)= 実質時給。

3
案件Cで計算する

時間単価1,800円、稼働20時間、会議2時間・連絡1時間が単価に含まれない場合、(1,800円 × 20時間)÷ 23時間 = 約1,570円

時間単価表示の案件は、表示された金額の印象が強く、他の表示形式より高く感じられやすい傾向があります。ただし、会議や連絡対応の時間が単価に含まれない場合、その時間は無報酬の稼働時間として積み上がっていくため、実質時給は表示された金額より低くなります。

Step4:3案件を比較する

算出した換算時給を1つの表にまとめ、報酬の表示形式が違っても同じ条件で比較します。

案件表示されている報酬想定総稼働時間換算後の時給
案件A月額90,000円26時間/月約3,460円
案件B固定報酬50,000円18時間約2,780円
案件C時間単価1,800円(稼働20時間)23時間(会議・連絡含む)約1,570円

表示された金額だけを見ると、案件Cの時間単価1,800円が最も高く見えます。ところが、会議や連絡対応の時間まで含めて換算すると、案件Cの実質時給は3案件の中で最も低くなります。表示形式が異なる報酬をそのまま比較すると、こうした逆転に気づかないまま案件を選んでしまうことがあるため、必ず同じ条件の時給に換算してから比較しましょう。

Q
✏️ 確認クイズ
時間単価表示の案件を時給換算した結果、他の案件より実質時給が低くなりました。この結果から言えることはどれか?
正解です!
時間単価の金額は、会議や連絡対応の時間を含むかどうかで実質時給が変わります。表示金額だけで判断せず、想定総稼働時間で割り直して比較しましょう。
惜しい!
正解はBです。表示形式による優劣はなく、いずれの形式も想定総稼働時間を含めて換算して初めて正しく比較できます。

よくあるつまずきQ&A

よくあるつまずきQ&A
会議時間はいつも同じ時間で計算していいですか?
案件票に記載された会議の頻度と所要時間をもとに、月あたりの時間に換算します。記載がなければ、案件票に書かれた稼働時間の目安が会議時間を含むかどうかを、応募前に確認しましょう。
固定報酬案件で、想定総稼働時間が分からないときはどうすればいいですか?
案件票に工数の目安が書かれていない場合は、応募前に確認するか、似た業務内容の案件と比較して見積もりましょう。
時間単価表示なら、そのまま比較していいですか?
時間単価表示でも、会議や連絡対応の時間が単価に含まれるかどうかで実質時給が変わります。含まれるかどうかを確認してから比較しましょう。
SUMMARY
  1. 想定総稼働時間は、制作+会議+連絡+準備・修正の合計で算出する
  2. 月額・固定報酬は、報酬 ÷ 想定総稼働時間で換算時給を出せる
  3. 時間単価表示は、会議・連絡が単価に含まれるかを確認し、含まれなければ割り直して実質時給を出す
  4. 表示金額の大小と換算後の時給の大小は一致しないことがある
  5. 複数案件を比較するときは、必ず同じ条件の時給にそろえてから比べる
CHECK
理解度チェック
想定総稼働時間に含めるべき項目を4つ挙げられるか?
制作作業、会議、連絡対応、準備・修正の4項目です。
月額報酬と固定報酬を時給換算する計算式を説明できるか?
どちらも、報酬 ÷ 想定総稼働時間 = 換算時給という同じ式で計算します。固定報酬は案件全体の想定総稼働時間で割ります。
時間単価表示の実質時給を求める考え方を説明できるか?
時間単価が会議・連絡対応の時間を含むかを確認し、含まない場合は(時間単価×稼働時間)÷想定総稼働時間で実質時給を求めます。
換算した時給をもとに複数案件を比較する意味を説明できるか?
表示金額の大小と換算後の時給の大小が一致しないことがあるため、換算せずに比較すると条件を見誤ります。

CHAPTER 3
案件のケースから応募可否を判断する
LESSON 3-4 案件票を読み、応募可否を判断する ⏱ 所要時間:約10分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • 業務と報酬の整合・稼働可能性・成長性・契約の明確さ・実績との適合の5つの観点で案件を判断できる
  • ケースごとに応募・保留・見送りを選び、理由を説明できる
  • 案件選定チェック表に応募可否の判定欄を加えて完成できる

課題概要

3-1から3-3では、案件票の読み取り方、必須要件の判断方法、報酬の時給換算を学びました。このレッスンでは、3つの架空の案件を読み、それぞれ応募・保留・見送りのどれが適切かを判断する練習をします。所要時間の目安は約10分です。実際に応募する必要はありません。

3-1で確認した案件票の11項目を思い出しながら、次の完了条件を満たすことを目指して進めましょう。

完了条件チェック
3つのケースで判断を選べている
それぞれのケースで応募・保留・見送りのいずれかを選ぶ
理由を観点と結びつけて説明できる
選んだ理由を、5つの観点のうち少なくとも1つに触れて説明する
案件選定チェック表の判定欄を記入できている
最後のセクションで、自分なりの結論を判定欄に記入する

判断する5つの観点

案件を判断するときは、次の5つの観点を確認します。

案件を判断する5つの観点
業務と報酬の整合
求められる業務量・責任の重さと、提示された報酬が見合っているか。3-3で算出した実質時給を踏まえて判断する
稼働可能性
提示された稼働時間帯・頻度が、本業や生活サイクルと無理なく両立できるか
成長性
案件を通じて得られる経験が、次の案件や実績につながるか
契約の明確さ
契約形態や契約書の有無が明記されており、業務範囲や報酬の認識にずれが生まれにくいか
実績との適合
必須要件や求められる経験が、自分の実績・経験と一致しているか、近接経験で補えるか

5つすべてを満たす案件は応募を検討してよく、確認すれば解消できそうな項目が残っている案件は保留にして確認します。複数の観点で整合が取れない案件は見送りが適切です。この基準を、次の3つのケースにあてはめてみましょう。

ケース1:Webデザイン案件

項目記載内容
業務内容バナー・LPデザインの制作(月4〜6件)
必須・歓迎要件必須:Figma実務経験1年以上/歓迎:Webサイト制作経験
稼働・時間帯週2日程度、1日3時間/平日夜間・週末可
報酬月額8万円(3-3の方法で換算した実質時給は水準に見合う)
契約・期間業務委託契約書あり/3ヶ月更新(更新前提)

この案件は、必須要件のFigma実務経験1年以上を自分が満たしており、稼働時間帯も平日夜間・週末可のため本業と両立できます。3-3の方法で換算した時給も見合っており、契約書もあるため契約の明確さにも問題がありません。更新前提の契約のため、実績を積み重ねる成長性もあります。

Q
ケース1の判断
このケース1の案件は、応募・保留・見送りのどれが適切か?
正解です!
必須要件を満たし、稼働時間帯や場所が本業と両立でき、換算時給も見合い、契約書もあり明確です。5つの観点をすべて満たしているため、応募が適切です。
惜しい!
正解はAです。5つの観点をすべて満たしている案件なので、迷わず応募を検討しましょう。

ケース2:SNS運用代行案件

項目記載内容
業務内容・成果責任SNS運用代行(投稿制作+分析レポート作成)、フォロワー数の増加数値へのコミットが求められている
必須・歓迎要件必須:SNS運用実務経験1年以上(自分は学習経験のみで実務経験なし)/歓迎:分析ツール使用経験
稼働・時間帯週3日、1日2時間/平日日中(本業と重なる可能性があり要確認)
報酬時間単価1,800円
契約・選考契約形態の記載なし(要確認)/書類選考→面談

この案件は、必須要件の実務経験を満たしていませんが、学習期間中の制作実績を近接経験として説明できる余地があります。ただし、稼働時間帯が本業と重なる可能性があることと、契約形態の記載がないことは、この時点では確認が取れていません。いずれも面談や問い合わせで確認できる可能性がある項目です。

Q
ケース2の判断
このケース2の案件は、応募・保留・見送りのどれが適切か?
正解です!
時間帯が本業と重なるか、契約形態がどうなっているかは、面談や問い合わせで確認できる可能性があります。必須要件も近接経験で説明できるか確認の余地があるため、今の時点で応募・見送りを即決せず、保留にして確認する行動が適切です。
惜しい!
正解はBです。確認すれば解消できる可能性がある項目が複数あるため、今の時点で応募・見送りを即決せず、確認してから判断しましょう。

ケース3:ショート動画編集案件

項目記載内容
業務内容・成果責任ショート動画の編集のみ(企画・構成は依頼者が担当)、成果責任として「バズる動画に仕上げること」が明記されている
必須・歓迎要件必須要件の記載なし(歓迎要件のみ)
稼働目安なし、「案件ごとに変動」とのみ記載
報酬1本3,000円の固定報酬(想定稼働時間が不明で時給換算できない)
契約・選考契約書の有無について記載なし/選考の記載なし(応募後に個別連絡)

この案件で成果責任として挙げられている「動画がバズること」は、再生数の伸びなど編集担当がコントロールしきれない結果に対する責任であり、業務内容と成果責任の整合に無理があります。加えて稼働時間の目安がないため、3-3で学んだ方法でも実質時給を算出できず、契約書の有無についても記載がありません。

Q
ケース3の判断
このケース3の案件は、応募・保留・見送りのどれが適切か?
正解です!
編集担当がコントロールできない成果責任、稼働時間の目安の欠如、契約の記載の欠如が重なっており、確認だけでは解消しにくい案件です。今回は見送りが適切です。
惜しい!
正解はCです。編集担当がコントロールできない成果責任、稼働時間の目安の欠如、契約の記載の欠如が重なっており、見送るべき案件です。

案件選定チェック表を完成させよう

3つのケースで身につけた判断の視点を使って、3-1で記録した案件選定チェック表に応募可否の判定欄を加え、章の成果物として完成させましょう。提出や合否判定はありません。

気になっている案件を1件選び、記載内容と判定を記録しましょう。3-1で記録済みの場合はそのまま書き写せます。

案件票の記載内容
項目記入欄
業務内容
成果責任
必須・歓迎要件
稼働・時間帯・会議
場所・期間
報酬
契約・選考
応募可否の判定
観点記入欄
業務と報酬の整合
稼働可能性
成長性
契約の明確さ
実績との適合
最終判断(応募・保留・見送り)
判断の理由

入力内容はこのブラウザに保存され、次回このページを開いたときに復元されます。別の端末・ブラウザからは見れません。ただしブラウザのキャッシュをクリアすると消えてしまうため、大事な内容はメモやNotionにも控えておくと安心です。

SUMMARY
  1. 案件は業務と報酬の整合・稼働可能性・成長性・契約の明確さ・実績との適合の5つの観点で判断する
  2. 5つの観点をすべて満たす案件は、応募を検討してよい
  3. 確認すれば解消できそうな項目が残っている案件は、応募・見送りを即決せず保留にして確認する
  4. 成果責任・稼働時間・契約の記載が乏しく確認でも解消できない案件は見送る
  5. 3-1〜3-3で読み取った内容と今回の判定を合わせて、案件選定チェック表を完成させる
CHECK
理解度チェック
案件を判断する5つの観点を挙げられるか?
業務と報酬の整合、稼働可能性、成長性、契約の明確さ、実績との適合の5つです。
応募が適切なケースの条件を説明できるか?
5つの観点をすべて満たしており、必須要件も満たしている、稼働時間帯も本業と両立できる、というケースです。
保留が適切なケースと見送りが適切なケースの違いを説明できるか?
確認すれば解消できそうな項目が残っている場合は保留にして確認し、成果責任や契約、稼働時間の記載が乏しく確認でも解消できない場合は見送ります。
案件選定チェック表に業務内容から最終判断まで記録できたか?
3-1で確認した案件票の記載内容と、5つの観点をもとにした最終判断・理由の両方を記録できていれば、章の成果物として完成です。