INDEX
目次
3章:画像とテキストの操作
この章では、デザイン制作において欠かせない「画像の配置・管理」と「テキストの操作」について学び、チラシやポスターなど、画像とテキストを組み合わせた実践的なデザイン制作ができるようになることを目標とします。
【3-1】画像の配置と管理
目安の学習時間:30分
リンク画像の配置
Illustratorでは外部の画像ファイル(写真やイラストなど)を配置して使用することができます。
画像を配置する方法は主に以下の2つです。
画像を配置する方法は主に以下の2つです。
1.メニューから配置する方法
- 「ファイル」メニュー>「配置」を選択
- 配置したい画像ファイルを選択し「配置」ボタンをクリック(リンクにチェックが入っているか確認)
- カーソルが読み込みカーソルになるので、アートボード上でクリックすると画像が配置されます。
作業動画
2.ドラッグ&ドロップで配置する方法
- Finderやエクスプローラーから直接画像ファイルをIllustratorのアートボード上にドラッグ&ドロップする
Illustratorに画像を配置すると、デフォルトでは「リンク画像」として扱われます。
リンク画像とは、Illustratorファイル内に画像データそのものではなく、元の画像ファイルへの「参照情報」が保存される仕組みです。
リンク画像とは、Illustratorファイル内に画像データそのものではなく、元の画像ファイルへの「参照情報」が保存される仕組みです。
リンク画像のメリット
- ファイルのサイズが小さくなる
- 元の画像を編集すれば、Illustrator上の画像も自動的に更新される
- 作業効率が向上する
埋め込み画像との違い
リンク画像に対して「埋め込み画像」という選択肢もあります。
埋め込み画像とは、画像データそのものをIllustratorファイル内に取り込む方法です。
埋め込み画像とは、画像データそのものをIllustratorファイル内に取り込む方法です。
作業手順
1.リンクパネルで画像を選択
- リンクパネルが表示されていない場合は「ウィンドウ」メニュー>「リンク」で表示する
2.リンクパネル右上のメニューから「画像を埋め込む」を選択
作業動画
リンク画像と埋め込み画像の違い
特徴
|
リンク画像
|
埋め込み画像
|
---|---|---|
ファイルサイズ
|
小さい(aiデータの容量に含まれない)
|
大きい(aiデータの容量に含まれる)
|
元画像との関係
|
参照(独立)
|
内包(一体化)
|
更新方法
|
元画像を更新すると反映
|
埋め込んだ後は元画像と無関係
|
データ管理
|
別途画像ファイルの管理が必要
|
Illustratorファイルのみで完結
|
向いている用途
|
大きなファイルサイズの画像、複数人での制作
|
小さな画像、完全に独立したファイルが必要な場合
|
- リンク配置
- ファイル容量が小さい(3.2MB)
- 埋め込み
- ファイル容量が比較的大きい(5.7MB)
実務では基本的にリンク画像として扱うこともありますが、印刷物の入稿データの納品時や画像サイズが小さい場合には埋め込みを選択することを推奨します。
リンクパネルの活用
リンク画像を効率的に管理するために欠かせないのがリンクパネルです。
リンクパネルでは、配置したすべての画像の状態を一覧で確認できます。
リンクパネルでは、配置したすべての画像の状態を一覧で確認できます。
リンクパネルの表示方法
- 「ウィンドウ」メニュー>「リンク」を選択する
リンクパネルでできること
- リンク情報の確認
- 名前:画像のファイル名
- ファイル形式:拡張子と「リンクファイル」か「埋め込みファイル」が記載
- カラースペース:カラーモード(RGB、CMYK)が記載
- ファイルの位置:配置元の画像の格納先が記載(クリックするとファインダー or エクスプローラーが開く)
- PPI:解像度が記載(Web用は72、印刷用は300)
- 寸法:画像の「横幅 × 縦幅」が記載
- リンクの更新
- 元画像が更新された場合、リンクパネル上に警告アイコンが表示される
- 更新ボタンをクリックすると最新の画像に更新される(自動的に検知される場合もあります)
作業動画
- 動画では、dog.psdというPhotoshopのファイルをIllustratorへリンク配置しています。
- Illustratorへdog.psdをリンク配置する
- Photoshopでdog.psdに編集を加える(動画では切り抜きを実施)
- Illustratorで更新のポップアップが表示され、更新(Photoshopで編集した内容が反映される)
リンクの再設定
- リンクが切れている場合(元ファイルが移動・削除された場合)
- リンクパネルのメニューから「リンクを再設定」を選択し、新しい場所を指定する
下の動画では、dog.psdをリンク配置した時に格納されていたフォルダから新しく作成したフォルダへ移動させています。
リンク画像の置き換え(別の写真へ変更したい場合)
- リンクパネルのメニューから「リンク再配置」を選択する
- 新しい画像を選択すると、同じ位置・サイズで置き換わる
作業動画
プロのデザイナーは常にリンクパネルをチェックし、リンク切れがないかを確認しています。
特に入稿前には必ず確認しましょう。
特に入稿前には必ず確認しましょう。
リンクパネルの設定項目一覧
01 埋め込み画像 |
右端に何も表示されていない場合は、埋め込まれた画像 |
---|---|
02 リンク配置 |
鎖のアイコンが表示されている場合はリンク配置画像 |
03 リンク切れ |
赤色のアイコンが表示されている場合はリンク配置されている画像の読み込み元が不明な状態になっている |
04 CCライブラリから再リンク |
CCライブラリを使って配置した画像がリンク切れになった場合の再リンク設定 |
05 リンクを再配置 |
リンク切れが起こっている時に読み込み元の再設定や、別の画像に置き換え |
06 リンクへ移動 |
アートボード上で配置されている場所へ移動する |
07 リンクを更新 |
リンク配置している画像がPhotoshopなどで編集された場合に編集内容を反映するために使用する |
08 Photoshopで編集 |
Photoshopが立ち上がり編集作業可能 |
09 削除 |
配置した画像を削除する |
10 画像を埋め込み |
リンク配置した画像を埋め込み画像へ |
11 情報 |
配置されている画像の詳しい情報 |
12 Finderで表示 |
選択している画像が格納されているフォルダを表示 |
13 リストの表示設定 |
チェックを切り替えると、それぞれの項目の内容で表示ソートされる |
※赤枠で囲っている4〜8はアイコン表示とオプション表示でも設定できる。
確認問題とまとめ
【3-2】画像のトレース
目安の学習時間:30分
イメージトレースの基本設定
イメージトレースとは、ラスター画像(写真やスキャンした手書きイラストなど)をベクター形式に変換する機能です。
これにより、拡大しても品質が劣化しない形式に変換できます。
これにより、拡大しても品質が劣化しない形式に変換できます。
使用素材
イメージトレースの基本手順
「画像トレース」を実行すると、Illustratorデータに変換した状態になります。
この状態のことを「トレースオブジェクト」と呼びます。
この「トレースオブジェクト」は、「拡張」を実行するまでは、まだIllustratorのパスデータにはなっていません。
そのため、「画像トレースパネル」で設定変更や「効果」で各種効果を適用や、「画像トレース」を実施する前の「ラスター画像」の状態へ戻すことができます。
この状態のことを「トレースオブジェクト」と呼びます。
この「トレースオブジェクト」は、「拡張」を実行するまでは、まだIllustratorのパスデータにはなっていません。
そのため、「画像トレースパネル」で設定変更や「効果」で各種効果を適用や、「画像トレース」を実施する前の「ラスター画像」の状態へ戻すことができます。
1.ラスター画像をIllustratorに配置
2.画像を選択した状態で、下記のいずれかの操作。上部のコントロールパネルにある「イメージトレース」ボタンをクリック
3.または「オブジェクト」メニュー>「イメージトレース」>「作成」を選択
4.プリセットを選択して適用
作業動画
主なプリセット
- 高精細写真:写真の詳細を保持してトレース
- 低精細写真:写真を簡略化してトレース
- 6色:色数を6色に制限してトレース
- 3色:色数を3色に制限してトレース
- グレーの色合い:グレースケールでトレース
- 白黒のロゴ:モノクロでクリーンにトレース
- スケッチアート:手描きイラストに最適
- シルエット:外形のみをトレース
※外形を認識しない場合は全体が黒く塗りつぶされてしまう場合があります。その場合はトレース対象の画像をPhotoshopなどでコントラストの調整を行い実施しましょう
トレース結果の調整
プリセットを適用した後、詳細な設定を調整してトレース結果をより良くすることができます。
調整はイメージトレースパネルで行います。
調整はイメージトレースパネルで行います。
イメージトレースパネルの表示方法
- 画像を選択した状態で「ウィンドウ」メニュー>「画像トレース」を選択する
- または、画像をトレースした状態で上部のコントロールパネルにある「画像トレースパネル」ボタンをクリックする
主な調整項目
- カラーモード
- カラー:フルカラートレース
- グレースケール:グレーでトレース
- 白黒:モノクロでトレース
- 作業動画
- パレット
- 自動:自動的に色を決定
- 制限:色数を制限(2〜256色)
- 文書のスウォッチ:ドキュメントのスウォッチを使用
- 作業動画
- 色
- 色数:トレースに使用する色数(「限定」パレット選択時)
- 詳細設定
- パス:トレース結果の精度に影響
- 角:角の鋭さを調整
- ノイズ:小さなノイズを除去する閾値
- 表示
- トレース結果:トレース結果を表示
- アウトライン:生成されるパスを表示
- アウトラインと元の画像:元画像と重ねて表示
- 作業動画
イメージトレースパネルの詳細設定と調整による変化
トレースデータの編集
トレース結果に満足したら、「拡張」を行ってパスとして編集可能な状態にします。
拡張する前は「トレースオブジェクト」という特殊な状態で、見た目はパスに見えても中身はまだ画像のままであるため、パスとしての直接編集はできません。
拡張する前は「トレースオブジェクト」という特殊な状態で、見た目はパスに見えても中身はまだ画像のままであるため、パスとしての直接編集はできません。
拡張の手順
- トレースオブジェクトを選択
- 「オブジェクト」メニュー>「イメージトレース」>「拡張」を選択
- または上部のコントロールパネルにある「拡張」ボタンをクリック
拡張後のデータ編集
- 基本的な編集
- 直接選択ツールでアンカーポイントを調整
- 不要なパスの削除
- ダイレクト選択ツールで選択後、Deleteキーで削除
- 色の変更
- クリックしたオブジェクトの塗りや線の色変更が可能
- 選択を行ったオブジェクトと同じ色の別のオブジェクトを選択したい場合は、「選択 > 共通 > カラー(塗り)」を使用
- パスの整理
- 複雑なパスの単純化(「オブジェクト」メニュー>「パス」>「単純化」)
- パス上のアンカーポイントの数を減らす(単純化)ことができる
- パスの切断と再連結
- 手と背景が同化してしまっているので切り離すために「ハサミツール」でパスをカットする
- 手と背景を切り離し、背景の部分のオブジェクトを削除
- 切り離した箇所のアンカーを連結(「オブジェクト」メニュー>「パス」>「連結」)
- 「ハサミツール」で追加されたパスをアンカーポイント削除で調整
- 色の調整
- 似た色のグループ化
- グループ化する色を選択「選択>共通>カラー(塗り)」
- パスファインダーの合体を行い統合する
- 似た色のグループ化
- 不要な色の統合
- 不要な色を「選択>共通>カラー(塗り)」で選択
- 結合したい色へ変更(スポイトツールでコピー)
- 結合する色を「選択>共通>カラー(塗り)」で全て選択
- パスファインダーの合体を行い統合する
- レイヤー整理
- パスをレイヤーに分けて整理
- 重なり順の調整
トレースデータの拡張と編集例
確認問題とまとめ
【3-3】テキスト操作
目安の学習時間:60分
文字ツールの基本
Illustratorでは様々なテキスト表現が可能です。
まずは文字ツールの基本から学びましょう。
まずは文字ツールの基本から学びましょう。
文字ツールの種類
- 横書き文字ツール(T):
標準的な横書きテキストを作成 - エリア内文字ツール:
指定したエリア内にテキストを配置 - パス上文字ツール:
線や図形に沿ってテキストを配置 - 縦書き文字ツール:
日本語などの縦書きテキストを作成 - タッチタイプツール:
自由に「位置」「サイズ」「回転」などを配置・編集できる文字を作成
テキストの種類
- ポイントテキスト
- 特定の点からスタートする文字列
- 改行しない限り一行で表示される
- 作成方法:文字ツールでアートボード上をクリックし入力
- エリアテキスト
- 指定した領域内にテキストを流し込む
- 自動的に折り返し表示される
- 作成方法:文字ツールでドラッグして領域を作成、またはオブジェクトをテキストエリアに変換
- パステキスト
- 線や図形のパスに沿ってテキストを配置
- 作成方法:パス上文字ツールで既存のパスをクリック、またはパス上文字ツールでドラッグして新規作成
テキスト入力と編集の基本操作
- テキストの入力:文字ツールでクリックまたはドラッグして入力
- テキストの選択:文字ツールでテキストをドラッグして選択、またはクリックして全選択
- テキストの編集:文字ツールでテキストをダブルクリックして編集モードに入る
- テキストの変形:選択ツールでテキストオブジェクトを選択し、変形ツールで変形
文字パネルと段落パネル
テキストのスタイル設定には「文字パネル」と「段落パネル」を使用します。
文字パネルの表示方法
- 「ウィンドウ」メニュー>「書式」>「文字」を選択
- ショートカットキー「Ctrl+T」(Windows)/「Command+T」(Mac)
文字パネルの主な機能
- フォント関連
- フォントファミリー:書体の選択
- フォントスタイル:太さや斜体などのスタイル
- サイズ:文字のサイズ設定
- 文字間隔
つれづれなるまゝに、日暮らし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、 そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
サンプルテキスト
- カーニング:特定の文字の組み合わせの間隔
- トラッキング:選択範囲全体の文字間隔
- 水平比率/垂直比率:文字の横幅/高さの比率
- 文字の幅(水平比率)や高さ(垂直比率)を、元の形状に対してパーセントで変形します。
- 文字配置
- ベースラインシフト:ベースラインからの上下シフト
- テキストの「ベースライン(基準線)」から、文字を上下にずらすことができます
- ベースラインシフト:ベースラインからの上下シフト
- 言語:テキストのハイフネーション(単語の分割)や禁則処理に使用する言語辞書を設定します。
- 文字のスペルミスを発見できる
- Illustratorでは、文字パネルで言語を選択すれば基本的なハイフネーションなどを適用できますが、InDesignはより多くの言語の詳細な組版ルールに対応しています。そのため、複数言語が混在するカタログや書籍のような専門的な組版作業では、InDesignが主に使われます。
- 文字装飾
- 打ち消し線/下線:装飾線の設定
- 大文字/小文字:文字の大小切り替え
段落パネルの表示方法
- 「ウィンドウ」メニュー>「書式」>「段落」を選択
段落パネルの主な機能
- 整列
- 左揃え/中央揃え/右揃え
- 文字揃えは、テキストの種類によって動き方が変わります。
- ポイントテキストは、「文字の開始位置」が基準
- エリア内テキストは、「エリアの幅」が基準
- 両端揃え(ジャスティファイ)
- 揃える範囲の基準が必要なので、エリア内テキストの場合のみ適用可能です(※ ポイントテキストは右端の丸い図形をダブルクリックするとエリア内テキストへ変更可能です)
- 最終行を含むすべての行が両端に合わせて均等に配置
- インデント
インデントは基本的にはエリア内テキストで使用します。
ポイントテキストでは限定的な使い方になるため使用は推奨しません。
左インデント/右インデント- 左端/右端に、指定値分の余白を挿入
インデントの数値は、フォントサイズと同じ数値を入れましょう。
動画では「フォントサイズを30pt」なので「インデントの数値も30pt」にすると1文字分のインデントを下げることができます。
動画では「フォントサイズを30pt」なので「インデントの数値も30pt」にすると1文字分のインデントを下げることができます。
- 正の数値を設定すると、段落の1行目の左端に余白を作ります。
- 負の数値を設定すると、段落の1行目が繰り上がり2行目以降は1行目の2文字目からの位置から開始になります。
このような状態をぶら下がりインデントといいます。(負の数値を入れるためエリアの幅からはみ出した位置に配置される)
- 間隔
- 段落前のアキ/段落後のアキ
- テキストエリア内で改行で段落に分けた際の段落の前と後に余白を設定できます。(どちらを使用しても似たような結果となります)
- 段落前のアキ/段落後のアキ
段落前のアキ
段落後のアキ
- 行送り(行間)
- 複数行の行と行の間の間隔を設定できます。
- 禁則処理
- 単語の分割禁止(改行する箇所で、「1つの単語」が複数行にまたがないようにする)
- テキストが自動的に改行されるエリア内テキストで使用する機能です。
- 行をまたぎたくない単語を部分選択を行い分割禁止を適用
- (※「テキストエリア全体を選択した状態」で分割禁止を適用すると文字が消える様な動きをするため注意)
- 行送り(行間)の方法(禁則処理による見た目の変化の対処)
- 単語の分割禁止(改行する箇所で、「1つの単語」が複数行にまたがないようにする)
文字パネルとパラグラフパネルの主な機能
- 文字パネル
1 |
フォントファミリーを設定 |
---|---|
2 |
フォントの太さ |
3 |
フォントサイズ |
4 |
行送り(行間) |
5 |
垂直の比率 |
6 |
水平の比率 |
7 |
文字間のカーニング(一文字ずつ設定) |
8 |
トラッキング(文字全体で設定) |
9 |
オールキャップス |
10 |
スモールキャップス |
11 |
下線 |
12 |
打ち消し線 |
13 |
言語 |
14 |
文字揃え |
15 |
分割禁止 |
- 文字パネル
1 |
左揃え |
---|---|
2 |
中央揃え |
3 |
右揃え |
4 |
両端揃え |
5 |
左インデント |
6 |
右インデント |
7 |
1行め左インデント |
8 |
段落前のアキ |
9 |
段落後のアキ |
文字のアウトライン化
テキストをパスに変換することを「アウトライン化」と言います。
アウトライン化することで、文字そのものをグラフィック要素として編集できるようになります。
アウトライン化することで、文字そのものをグラフィック要素として編集できるようになります。
印刷会社にデータを提出する際はアウトライン化した状態であることが条件であることがほとんどです。
文字のアウトライン化の方法
- テキストを選択
- 「文字」メニュー>「アウトラインを作成」を選択
- またはショートカットキー「Ctrl+Shift+O」(Windows)/「Command+Shift+O」(Mac)
アウトライン化後の編集テクニック
- 文字のグループ解除
- 個々の文字に分解したい場合は「オブジェクト」メニュー>「グループ解除」
- 文字の一部だけを使用したい場合は不要な部分を削除
- アンカーポイントの調整
- 直接選択ツールでアンカーポイントを選択し調整
- 特定の箇所だけ形を変えたい場合に有効
- パスファインダーの活用
- 文字の一部を切り抜く
- 複数の文字を結合する
- 文字と他のオブジェクトを組み合わせる
- 効果の適用
- アピアランスパネル(次の章で学びます)で複数の効果を適用
- 3D効果でエンボス加工風に
- 変形ツールでゆがみや曲線を適用
文字のアウトライン化前後の比較と編集例
確認問題とまとめ
【3-4】3章-演習課題-
目安の学習時間:60分
この演習課題では、これまで学んだ画像とテキストの操作を実践的に活用し、実際のデザイン制作を行います。
チラシデザインを題材に、画像の配置とリンク管理、テキストのレイアウトとスタイリングを実践していきましょう。
チラシデザインを題材に、画像の配置とリンク管理、テキストのレイアウトとスタイリングを実践していきましょう。
使用素材
画像を含むチラシデザイン
今回は架空のカフェの新メニュー紹介チラシを制作します。
まずは基本的なレイアウトから始めましょう。
まずは基本的なレイアウトから始めましょう。
ステップ1: 新規ドキュメントの作成
- ファイル>新規を選択
- 用途:「印刷」
- サイズ:A4(210mm×297mm)
- 「裁ち落とし(3mm)」の設定を追加する
- カラーモード:CMYK
- 解像度:300ppi
- 「作成」をクリック
- アートボードの外側に表示されている赤い枠が「裁ち落とし」です。
- 裁ち落としは、印刷サイズ(アートボード)より 3mm大きめにデザインを広げる部分を表記したものです
- トンボの設定
- トンボは、印刷後に 紙をカットする位置を示すガイド線です。
- 印刷物を仕上がりサイズに断裁する際、どこでカットするかを示す目印の線です。フチまで色や写真を入れるデザインでは、仕上がりサイズより 上下左右に3mm程度塗り足し をつけ、この裁ち落とし線を基準にカットすることで、断裁ズレによる白いフチが出来るのを防ぎます。
- アートボードと同じ大きさの図形を作成する(210mm×297mm)
- 整列パネルでアートボードとちょうど重なるように配置
- 図形の塗りと線の色を透明にする
- 透明にした図形を選択した状態で「メニューバー:効果 > トリムマークを作成」を押すとトンボが作成される
- トンボは、印刷後に 紙をカットする位置を示すガイド線です。
ステップ2: 画像の配置
- 「ファイル」>「配置」を選択
- 提供されたサンプル画像(cafe_menu.jpg)を選択
- 「配置」ボタンをクリック
- アートボード中央に画像を配置
- 画像のサイズを調整:画像を選択し、Shiftキーを押しながら角をドラッグしてサイズ変更
ステップ3: 背景の作成
- 長方形ツールを選択
- アートボード全体をカバーする長方形を描く
- 塗りのカラーを薄いベージュ(C:5 M:10 Y:20 K:0)に設定
- 線は「なし」に設定
- レイヤーパネルで背景を一番下に移動
ステップ4: リンク管理の確認
- 「ウィンドウ」>「リンク」を選択してリンクパネルを表示
- 配置した画像が正しくリンクされていることを確認
- リンクパネルの右端にある鎖のアイコンをダブルクリックし、解像度や形式を確認
チラシの基本レイアウト
リンク画像を活用することで、後から画像を差し替えたり、元の写真を編集したりしても簡単に更新できます。
実務では複数の画像を使用することが多いので、リンクパネルで常に状態を確認する習慣をつけましょう。
実務では複数の画像を使用することが多いので、リンクパネルで常に状態を確認する習慣をつけましょう。
ロゴと組み合わせたレイアウト
次に、ロゴとテキストを追加してレイアウトを完成させます。
ステップ1: ロゴの作成
- 横書き文字ツールを選択
- アートボード上部中央をクリック
- カフェ名「FRESH CAFE」を入力
- フォントを選択(例:Arial Bold)
- サイズを36ptに設定
- 文字間隔(トラッキング)を50に設定
- 色を濃い茶色(C:30 M:70 Y:100 K:30)に設定
- 整列パネルでアートボードの中央になるように配置
ステップ2: 装飾の追加
- 任意のアイコンを準備し、タイトル右横に配置する(動画内ではコーヒーカップのアイコン)
- 「FRESH CAFE」とアイコンをグループ化し、整列パネルでアートボード中央に揃える
- パスツールで「FRESH CAFE」の下に細長い横線を作成(長方形ツールなどでも可)
- 線の太さを2ptに設定
- 線の色をロゴと同じ色に設定したり、整列パネルで位置を整える
ステップ3: サブタイトルの追加
- 横書き文字ツールで横線の下をクリック
- 「NEW SPRING MENU 2025」(年号は自由に変えて良いです)と入力
- 色をロゴより薄い茶色に設定
- 文字間隔を100に設定
- フォントを選択(例:Arial)
- サイズを18ptに設定
ステップ4: レイアウトの調整
- 選択ツールでロゴ、線、サブタイトルをすべて選択
- 「オブジェクト」>「グループ」を選択してグループ化
- グループを適切な位置に配置
ロゴとテキストを追加したレイアウト
テキストの位置や大きさ、文字間隔などを調整することで、情報の階層性が明確になります。
特にロゴはチラシの顔となる部分なので、目立つようデザインしましょう。
特にロゴはチラシの顔となる部分なので、目立つようデザインしましょう。
テキストスタイルの活用
メニュー情報やキャッチコピーなど、残りのテキスト要素を追加します。
ステップ1: キャッチコピーの作成
- 図形ツールでキャッチコピーの帯を作成
- 色を薄いベージュ(C:5 M:10 Y:20 K:0)に設定
- エリアテキストツールを選択
- テキストエリアを作成
- 「春の新鮮素材を使った」と入力
- サイズを24ptに設定
- フォントを選択(例:游ゴシック)
- 行送りを32ptに設定
- 色を深緑色(C:80 M:10 Y:95 K:0)に設定
- 「春の新鮮素材を使った」の要素をコピー&ペーストし、「特別メニューが登場!」に変更
- 細い位置の調整を行う
ステップ2: メニュー情報の作成
- 塗りつぶしの色を薄いベージュ(C:4 M:6 Y:9 K:0)に設定
- 図形ツールを使用して幅60mm 高さ72mmの図形を作成
- エリアテキストツールで画像の下側にテキストエリアを作成
- 以下のテキストを入力(動画では「春野菜のパスタ」を例として使用)
■ 春野菜のパスタ 新鮮アスパラガスとトマトのオイルソース 1,280円 ■ いちごのパンケーキ 季節の苺をたっぷり使ったスペシャルデザート 980円 ■ 有機野菜のサラダボウル 地元農家から直送の有機野菜を使用 1,480円
入力テキスト
- 適切なフォントやサイズ、カラーの設定、整列を行う
- メニュー名を太字に設定
- 価格を強調するスタイルに設定
- 文字色をロゴに合わせる
- など
- 作成したメニュー情報を図形の上に重ねる
- メニューの写真を配置する
- 他のメニューも同じように作業を行い、全部で3種類のメニューを作成する
ステップ3: 詳細情報の追加
- 図形ツールで背景を設置(C:30 M:70 Y:100 K:30)
- エリアテキストツールでアートボード下部にテキストエリアを作成
- 以下の店舗情報を入力
FRESH CAFE 住所:東京都〇〇区△△町1-2-3 TEL:03-XXXX-XXXX 営業時間:10:00-21:00(L.O. 20:30) 定休日:水曜日
入力テキスト
- 店名のフォントサイズを26ptに設定
- 店舗情報は垂直比率と水平比率を50%に設定
- その他、全体のバランスを見ながら文字の配置や間隔を調整
- 店舗写真を配置
ステップ4: テキストの微調整
- 各テキスト要素を選択し、位置や大きさを微調整
- 必要に応じて文字パネルやパラグラフパネルで細かい設定を調整
- 全体のバランスを確認
完成したチラシデザイン
実際のデザイン制作では、このようにテキストの階層を意識したスタイリングが重要です。
見出し、本文、注釈など、情報の重要度に応じてフォントの種類・サイズ・色・配置を変えることで、読みやすく魅力的なデザインになります。
見出し、本文、注釈など、情報の重要度に応じてフォントの種類・サイズ・色・配置を変えることで、読みやすく魅力的なデザインになります。
これで「3章:画像とテキストの操作」の解説を終わります。
次の章に進みましょう。
次の章に進みましょう。