第5章
修了評価 — ルーブリック7観点で自分の制作を採点する
レッスン 5-4 修了制作 ⏱ 所要時間:約60分
GOAL
このレッスンのゴール
⏱ 約60分
  • 修了評価のルーブリック7観点と、各観点で何が評価されるかを説明できる
  • 自己採点から講師によるルーブリック評価・フィードバック・再提出までの流れを説明できる
  • ルーブリックで自分の修了制作を自己採点し、70点の合格ラインに対して不足している観点を洗い出せる
通し課題

前回(5-3)では、設計判断の根拠を語るプレゼン資料を作り、リフトの修了制作一式を提出しました。今回は、その修了制作が何を基準に評価されるかを理解し、ルーブリックで自己採点します。仕上げる成果物は7観点の自己採点シートで、これをもとに次回のコーチングで修了評価を受けます。

このレッスンは、講座の締めくくりです。第2章でリフトのリサーチと要件定義を行い、第3章で情報設計とUIを作り、第4章でプロトタイプを検証して改善し、5-1から5-3で成果を一式にまとめてプレゼン資料まで仕上げてきました。修了制作は、この一連の成果物を、講師がルーブリックという共通のものさしで評価します。ここでやるのは、その評価が7つの観点でどう行われ、自己採点から講師評価・フィードバック・再提出までどう進むかを、先に知っておくことです。基準を先に理解しておくと、提出する前に自分の制作のどこを見直せばよいかが分かります。

修了評価はどう進むか

修了評価は、いきなり講師が採点して終わりではありません。まず自分で採点する自己採点から始まり、講師によるルーブリック評価、フィードバック、必要なら再提出という順で進みます。この流れを先に知っておくと、提出までに何をすればよいかが見通せます。

修了評価の流れ。①自己採点→②講師によるルーブリック評価(100点満点・70点以上で合格)→③フィードバック→④再提出、70点に届かない場合は③④を経て②の評価へ戻る4ステップのフロー図
図:自己採点は準備で、合否を決めるのは講師。70点に届かなくても、フィードバックを受けて直し再提出できる。

自己採点は、講師に見てもらう前に、自分でルーブリックの観点に照らして点検する工程です。講師はその成果物を7観点で採点し、点数と合否を判定します。70点に届かないときは、どの観点が不足しているかのフィードバックを受け、直して再提出します。

✓ Point !
自己採点は提出前の準備

自己採点は、講師に評価される前に、自分で弱い観点に気づくための準備です。7観点のものさしを自分の制作に当てると、どこが足りないかが具体的に見え、提出前に手を打てます。合否と点数を決めるのは講師で、AI(Gem)は演習の相手役にとどまり、評価はしません。

Q
確認クイズ 1/3
修了制作を提出する前に、まず自分でルーブリックの7観点に照らして採点しました。この自己採点の位置づけとして正しいものはどれでしょう?
正解です!
自己採点は、提出前に自分で弱い観点に気づくための準備です。合否と点数を決めるのは講師のルーブリック評価。AIは相手役で、評価はしません。
惜しい!
合否と点数を決めるのは講師です。自己採点は準備の工程で、その点がそのまま合否にはならず、AIも評価はしません。正解はAです。

ルーブリック7観点で何を見るか

修了評価のものさしは、7つの観点でできています。この7観点は、第1章で学んだUXデザインの7ステップに対応していて、第2章から第4章で作ってきた成果物が、それぞれの観点で評価されます。まず、各観点にどの評価レベルが付くのかを整理します。

評価レベルは、観点ごとにA〜Dの4段階でつきます。下の表が、各レベルの意味と点の目安です。

評価レベル意味と点の目安
A(満点相当)その観点の要求を高い水準で満たし、なぜそうしたかの根拠まで説明できている。目安:配点の約90〜100%。
B(合格圏)要求をおおむね満たしている。目安:配点の約70〜89%。
C(あと一歩)一部が不足していたり、判断の根拠が弱い。目安:配点の約40〜69%。
D(未達・未提出)成果物がない、または要求を満たしていない。目安:配点の約0〜39%。

次の表が、7観点それぞれで求められる状態を、A〜Dの4段階で示したものです。講師はこの表を共通のものさしとして各観点にA〜Dを付け、上の目安で点数に換算します。自分の制作をこの表に照らせば、どの観点が今どのレベルかが分かります。

観点(配点) A(満点相当) B(合格圏) C(あと一歩) D(未達・未提出)
リサーチ
15点
インタビューと競合分析から、本人も言語化できていない課題(インサイト)を複数引き出し、根拠と結びつけている 事実を整理し、そこから妥当なインサイトを引き出せている 事実の書き写しが中心で、インサイトの掘り下げが浅い リサーチ記録が乏しい、または未提出
要件定義・価値定義
15点
ビジネス要件とユーザーニーズを統合し、提供価値を明確に定義。優先順位の根拠も示せている 要件と価値がまとまり、提供価値の軸が定まっている 要望の羅列にとどまり、価値の軸が弱い 要件・価値の定義がない、または未提出
情報設計
15点
IA・画面フロー・WFが明快で、戻り経路や分岐も含め目的の画面まで迷わず到達できる 主要な導線が通り、目的の画面に到達できる 画面のつながりが不明確で、迷いや行き止まりが残る 情報設計が成り立っていない、または未提出
UIデザイン
20点
状態設計・アフォーダンス・コントラスト等を踏まえ、スタイルガイドと完全に一貫したUIになっている 基礎を踏まえ、おおむね一貫したUIになっている 見た目のばらつき・押下可否の不明確さ・コントラスト不足が残る UIが要求を満たしていない、または未提出
プロトタイプ・検証
15点
動くプロトタイプで、定義した価値と要件が体験として成立するかを検証し、結果を根拠に語れている プロトタイプで主要な導線を検証できている プロトタイプが断片的で、検証が不十分 プロトタイプ・検証がない、または未提出
改善
10点
テスト結果を反映して直し、リリース後の継続改善のしくみまで提案できている テスト結果を反映した改善ができている 課題の記録にとどまり、改善につながっていない 改善がない、または未提出
プレゼン
10点
各設計判断の根拠を、リサーチ→改善のストーリー順に自分の言葉で説明できている 主要な判断の根拠を説明できている 作ったものの説明にとどまり、根拠が弱い プレゼンがない、または未提出
合計100点満点。7観点すべてを提出し、合計70点以上で修了です

配点は観点で異なり、④UIデザインが20点で最も高くなっています。Figma教材で身につけた画面を形にする力を土台に、この講座では見本のない案件でUIを0から設計しました。その設計を最も重く見るために、④の配点を高くしています。

Q
確認クイズ 2/3
ユーザーインタビューの記録に、聞いた内容がそのまま書き写されています。ルーブリックの①リサーチで高い評価(A)にするには、あと何が必要でしょう?
正解です!
①リサーチで見るのは、事実の量ではなくインサイトを引き出せているかです。書き写しから一歩進めて、本人も気づいていない課題を読み取るとAに近づきます。
惜しい!
①リサーチは、記録の長さや用語の多さでは評価されません。事実の裏にあるインサイトを読み取れているかを見ます。正解はAです。

合格ライン(100点満点・70点)と再提出

修了の条件は2つです。7観点の合計が70点以上であること、そして7観点すべてを提出していることです。点数が足りていても、観点が1つでも欠けていると修了になりません。

! 注意
全観点の提出が合格の条件

合計が70点を超えていても、7観点のうち1つでも成果物が欠けていると修了にはなりません。合計点だけでなく、全7観点をそろえて提出することが条件です。未提出の観点があれば、まずそこを埋めてから提出しましょう。

70点に届かなかったり、未提出の観点があったりしても、そこで終わりではありません。講師から、どの観点が不足しているかのフィードバックを受け、その指摘に沿って直して再提出します。再提出したものを講師がもう一度評価し、合否を判定します。前の工程に戻って直すのは、第1章で学んだ反復のプロセスと同じ考え方です。

修了評価は、次回のコーチングで講師がルーブリックに沿って行います。評価の結果は学習の記録として残り、講座を修了した証明にもなります。だからこそ、自己採点で自分の弱いところをつかんでから臨むと、指摘を受け止めやすく、次の一手を相談しやすくなります。

Q
確認クイズ 3/3
自己採点では70点を超えていましたが、講師のルーブリック評価で③情報設計が未達と判定され、合計が70点に届きませんでした。次にすることとして適切なのはどれでしょう?
正解です!
70点に届かなくても終わりではありません。不足観点のフィードバックを受けて直し、再提出して再評価を受けられます。合否と点数を決めるのは講師で、自己採点で上書きはできません。
惜しい!
未達でも再提出のしくみがあります。あきらめる必要はなく、自己採点で上書きもできません。指摘された観点を直して再提出するAが適切です。

演習:ルーブリックで自己採点する

ここまでの基準を使って、自分の修了制作を自己採点します。目的は点を出すこと自体ではなく、70点に対してどの観点が不足しているかを、提出前に自分でつかむことです。

演習 5-4

STEP 1:修了制作一式を手元にそろえる

  • 5-1で統合した完成一式、5-2の改善提案書、5-3のプレゼン資料を開きます
  • 配られたルーブリック(7観点・配点)を横に並べ、どの成果物がどの観点にあたるかを確認します

STEP 2:7観点で自己採点する

  • 各観点に、A〜Dのどのレベルかを付けます(A=要求を高い水準で満たす、D=未達・未提出)
  • 付けたレベルを配点に照らして、観点ごとの点と合計点を出します

STEP 3:70点に対して不足観点を洗い出す

  • 合計が70点に届いているか、未提出の観点がないかを確認します
  • 点の低い観点を挙げ、何を足せば評価が上がるかを、観点ごとに1〜2行で書きます

完了条件(作成物)

  • 自己採点シート(7観点のA〜Dと、観点別の点・合計点)
  • 不足観点リスト(点の低い観点と、それを上げるための具体的な改善アクション)
自己採点ができたら、次回のコーチングで修了評価を実施してもらうよう、コーチにお願いしましょう。
CHECK
理解度チェック
修了評価のルーブリック7観点を挙げられる
①リサーチ ②要件定義・価値定義 ③情報設計 ④UIデザイン ⑤プロトタイプ・検証 ⑥改善 ⑦プレゼンの7つです。第1章で学んだUXデザインの7ステップに対応し、第2章から第4章で作った成果物がそれぞれの観点で評価されます。配点は④UIデザインが20点と最も高く、合計100点です。
修了評価がどう進むかを説明できる
まず自分で7観点を自己採点し、次に講師がルーブリックで評価します。70点以上かつ全観点の提出で修了です。届かない場合は不足観点のフィードバックを受け、直して再提出し、再評価を受けます。合否と点数を決めるのは講師で、AIは評価しません。
自分の修了制作で不足している観点を洗い出せる
ルーブリックの各観点にA〜Dを付け、配点に照らして観点別の点と合計を出します。70点に届いているか、未提出の観点がないかを確認し、点の低い観点について何を足せば上がるかを書き出します。この自己採点をもとに、次回のコーチングで修了評価を実施してもらうようお願いします。
提出 修了制作の提出物 — コーチに提出しよう

これまで積み上げた修了制作の成果物一式です。そろったらコーチへ提出し、次回のコーチングで修了評価(ルーブリック)を受けます。