「ターゲットを絞り込む勇気」|曖昧な設定が失敗を招く理由
CHAPTER 1
「ターゲットを絞り込む勇気」|曖昧な設定が失敗を招く理由
LESSON 1-1 曖昧なターゲット設定がなぜブレを生むのかをつかむ ⏱ 所要時間:約18分
GOAL
このレッスンのゴール
  • 「誰にでも来てほしい」という曖昧なターゲット設定が、キャッチコピー・クーポン・写真すべてのブレにつながる理由を説明できる

HPBの原稿を見直してほしいと頼まれ、担当するサロンのページを開いたとします。
キャッチコピー欄には「丁寧なカウンセリングと高い技術力が自慢です」と書かれていて、誰に向けた文章なのか読み取れません。
直したほうがいい気はするものの、対象を絞るとお客様を減らしてしまう気がして、結局そのままにしてしまう。
このレッスンを終えると、曖昧なターゲット設定がなぜページ全体のブレにつながるのかを説明できるようになります。

「誰にでも来てほしい」気持ちの正体

「特定のお客様だけに向けて書くと、他のお客様に来てもらえなくなるのでは」という不安は、多くのオーナー・スタッフに共通する心理です。
目の前の集客数を減らしたくないという気持ちは自然なもので、絞り込みを提案されると、これまで来ていた層を切り捨てることになるのではと反射的に身構えてしまいます。

しかし来店してほしい人が誰なのか曖昧なままでは、キャッチコピーもクーポンも写真も、結局誰にも強く刺さらない文章になります。
誰にでも当てはまる言葉は、裏を返せば誰の悩みにもぴったり合わないため、比較検討しているお客様の目に留まりにくくなるからです。

的を絞った言葉のほうが、その悩みを持つお客様には強く響き、自分に合う店だと感じてもらいやすくなります。
絞り込みへの不安と実際の効果は、逆方向を向いていることが多いといえます。

次のセクションでは、この曖昧さがキャッチコピー・クーポン名・写真という3つの要素にどのようにブレを広げるのかを具体的に確認します。

✓ Point !
絞り込みへの不安の正体

絞り込みへの不安は、多くのオーナーが最初に抱く自然な感覚です。
Chapter 1を通して、その不安を刺さる角度を明確にする作業という前向きな理解に変えていきます。

曖昧な設定が生む3つのブレ

ターゲットが曖昧なまま原稿を作ると、キャッチコピー・クーポン名・写真という3か所で、それぞれ別の判断がされてしまいます。
担当者やスタッフがそれぞれの感覚で言葉や写真を選ぶため、誰に向けた店なのかという像が3か所で少しずつずれてしまうからです。

曖昧なターゲット設定が生むキャッチコピー・クーポン名・写真の3つのブレを示す図解

キャッチコピーがブレると、悩みの核心に触れないまま、丁寧なカウンセリングや高い技術力のような、どの美容室にも当てはまる言葉で終わってしまいます。
クーポン名がブレると、カラーやパーマといったメニュー名を並べるだけになり、悩みも所要時間も伝わらないため、検索でも他店との比較でも埋もれやすくなります。
写真がブレると、開業時に撮影した写真をそのまま使い続けることになり、今狙いたい客層が自分に近い人が通っている店だと感じにくくなります。

3つのブレは独立した問題ではなく、すべて曖昧なターゲット設定という1つの原因から生まれています。
Sourireの予約率が合格ラインの3〜5%を下回る約2%にとどまっているのも、この1つの原因が3か所すべてに影響している結果と考えられます。

Q
確認クイズ
Sourireでは、キャッチコピーが誰にでも当てはまる抽象的な表現のまま、クーポン名もメニューの羅列、写真も開業時のままになっています。この状態が続くと、比較検討中のお客様に最も起こりやすいことはどれでしょうか。
正解です!
ターゲットが曖昧だと、お客様は自分ごととして読めず、比較検討の場面で他店に流れやすくなります。
惜しい!
情報量や価格ではなく、お客様が自分に向けた店かどうかを判断できるかどうかが、比較検討時の決め手になります。

担当店舗のキャッチコピー・クーポン名・写真を見直すときは、それぞれ別々に直すのではなく、同じターゲット像に揃っているかを最初に確認しましょう。
3つを同時に確認することで、1か所だけ古いターゲット像のまま取り残される抜け漏れを防げます。

絞り込むことは範囲を狭めることではない

絞り込むと聞くと、対象のお客様を減らす作業だと感じるかもしれません。
悩みや年代を指定するほど、対象外の人には見向きもされなくなるという心配が先に立つためです。

よくある誤解
客数を減らす作業

特定の悩みや年代に絞ると、それ以外のお客様が離れてしまうという考え方

実際の効果
刺さる角度を明確にする作業

悩みや年代を絞り込むほど、その悩みを持つお客様には「自分のための店だ」と伝わりやすくなる

悩みや年代を絞り込むと、その悩みを持つお客様には自分に向けた言葉だと伝わりやすくなります。
一方で、絞り込んだ条件に当てはまらないお客様の来店を制限するものではなく、単にその言葉が最も強く響く相手が変わるだけです。

絞り込みは客数を減らす作業ではなく、届く言葉の解像度を上げる作業です。
同じ悩みを抱えるお客様ほど、その言葉を自分ごととして受け止めやすくなります。

Q
確認クイズ
Sourireのように、30代〜40代の白髪や髪のパサつきに悩む女性に絞ったキャッチコピーを作った場合、それ以外の年代のお客様への対応はどうなるでしょうか。
正解です!
絞り込みは来店を制限する仕組みではなく、狙った層に強く刺さる言葉を選ぶ作業です。
惜しい!
絞り込んだ年代以外の来店を妨げるわけではありません。狙った層に刺さる言葉になる、という効果を思い出してみましょう。

担当店舗でターゲットを絞り込むときも、対象外のお客様を切り捨てるのではなく、狙った客層に向けて言葉の解像度を上げる作業だと捉えましょう。

デモサロンSourireに当てはめる

Sourireの現状のキャッチコピー「丁寧なカウンセリングと高い技術力が自慢です」は、多くの美容室に当てはまる表現で、誰の悩みにも触れていません。

このキャッチコピーのままでは、比較検討しているお客様が自分の悩みに合う店かどうかを判断できず、実際にSourireの予約率も合格ラインの3〜5%を下回る約2%にとどまっています。
抽象的な言葉のまま置き換えずにきた期間が長いほど、この状態は固定化されやすくなります。

✓ Point !
Sourireの場合

ターゲットを「白髪や髪のパサつきに悩み、まとまった時間が取りづらい30代〜40代の子育て中の女性」まで絞り込むと、キャッチコピー・クーポン・写真すべてを同じ像から作り直せます。
次のレッスンから、この絞り込みを言葉に変換する3点セットを学びます。

ターゲット像を1つに固定すると、キャッチコピーだけでなく、クーポン名の言葉選びや写真の被写体まで、同じ人物像を基準に判断できるようになります。
基準が1つに揃うことで、3か所がそれぞれ別の方向にブレることもなくなります。

担当店舗のキャッチコピーを見直すときはまず「このコピーは誰の悩みに向けて書かれているか」を自問しましょう。
悩みが思い浮かばない場合は、ターゲット像がまだ曖昧なままである可能性が高いです。

SUMMARY
  1. 「誰にでも来てほしい」という曖昧なターゲット設定は、多くのオーナー・スタッフに共通する自然な心理
  2. 曖昧なターゲット設定は、キャッチコピー・クーポン・写真の3か所にそれぞれ別のブレを生む
  3. 絞り込みは客数を減らす作業ではなく、狙った層に刺さる言葉の解像度を上げる作業
  4. Sourireも現状のキャッチコピーは誰の悩みにも触れておらず、絞り込みが必要な状態
  5. 次のレッスンでは、絞り込んだターゲット像を具体的な強みに変換する3点セットを学ぶ
チェック
理解度チェック
「誰にでも来てほしい」という曖昧なターゲット設定が、なぜページ全体のブレにつながるか説明できる
ターゲットが曖昧だと、キャッチコピー・クーポン・写真がそれぞれ別の判断で作られてしまい、お客様が自分に合う店かどうかを判断できなくなるからです。
曖昧な設定が具体的にどの3か所にブレを生むか説明できる
キャッチコピー・クーポン名・写真の3か所です。
それぞれ誰の悩みにも触れない表現、メニュー名の羅列、狙う客層と合わない写真になってしまいます。
絞り込むことが客数を減らす作業ではない理由を説明できる
絞り込んだ層以外の来店を妨げるわけではなく、狙った層に強く刺さる言葉を選ぶ作業だからです。
届く言葉の解像度が上がることが本質的な効果です。
Sourireの現状のキャッチコピーのどこが曖昧か指摘できる
「丁寧なカウンセリングと高い技術力が自慢です」は多くの美容室に当てはまる表現で、白髪やパサつきに悩む30代〜40代の子育て中の女性という具体的な悩みに触れていません。