添削ならではの「客観視」とは何か
CHAPTER 4
添削ならではの「客観視」とは何か
LESSON 4-1 書き手が気づけない視点を、決まった観点で見抜く ⏱ 所要時間:約18分
GOAL
このレッスンのゴール
  • 書き手が自分の原稿を客観視できない理由を、書き手と読み手の立場の違いから説明できる
  • 本チャプターで使う3つの添削観点(専門用語NGワードリスト・3行フレーム・情報欠落チェックリスト)をそれぞれ説明できる
  • 客観視の視点が原稿の文章だけでなく、口コミへの返信文や実際の画面表示にも及ぶことを理解している

Sourireのオーナーが、開業時から使っているキャッチコピーを何度も読み返しています。
「丁寧なカウンセリングと高い技術力が自慢です」。何度読んでも、特におかしいとは感じません。
ところがこのページを初めて見るお客様は、他店のページと見比べながら「結局この店は何が強みなのか」と迷ったまま離れてしまいます。
このレッスンを終えると、書き手には見えない部分をどう見抜くか、その入り口がつかめます。

書き手が自分の原稿を客観視できない理由

美容師やサロンオーナーは、日々の会話や施術の中で専門用語や当たり前の情報に触れ続けています。
慣れた情報ほど、それが読み手にとって分かりにくいかどうかに気づきにくくなります。
Sourireの開業時からのキャッチコピーも、書いた本人には自然な言葉に見えても、初めてこのページを読むお客様には他店との違いが伝わりにくい抽象的な表現になっています。

書き手(サロン側)と読み手(他店と迷っているお客様)のカードを左右に並べ、中央に「気づけない距離」というラベルを置いた図解

業界の言葉は現場でも定義が揺れたまま使われることが多く、書き手自身がその意味を厳密に説明できないまま原稿に書いてしまうこともあります。
原稿を書いた本人が違和感なく読めてしまうのは、この距離のズレが起きているからです。

この距離に気づかないまま原稿を公開し続けると、お客様は情報が足りないと感じてページを離れてしまいます。
Sourireの予約率(予約数÷クーポン閲覧数)が約2%と、合格ラインの3〜5%を下回っているのも、書き手には見えていない分かりにくさがそのまま残っている影響と考えられます。

✓ Point !
読み返すときの視点切り替え

自分の原稿を読み返すときは、初めてこのサロンを知るお客様の立場に置き換えて読む意識を持つと、書き手には見えなかった分かりにくさに気づけます。
普段よく使っている言葉ほど、意識して疑いながら読むことが必要です。

Q
✏️ 確認クイズ
Sourireのオーナーが自分で書いたキャッチコピーを何度も読み返しても、特に問題ないと感じています。なぜこのように感じてしまう可能性が高いですか?
正解です!
書き手は専門用語や当たり前の情報に慣れているため、読み手との情報のギャップに気づきにくくなります。
これは才能の問題ではなく、添削の型を使えば誰でも見抜けるようになる構造の問題です。
惜しい!
原因は才能不足や文章の長さではなく、書き手が専門用語や当たり前の情報に日常的に触れているため、読み手との距離に気づきにくいという構造にあります。

原稿を見直すときは、サロンを知らない家族や友人に一度読んでもらいましょう。
第三者に読んでもらうのが難しい場合は、初めてこのサロンを知る人になりきって読み返す時間を作りましょう。
サロンの日常を知らない人ほど、書き手が慣れてしまって気づけない分かりにくさに敏感に反応できます。
この気づきの積み重ねが、次の項で扱う3つの添削観点を使いこなす土台になります。

このチャプターで使う3つの添削観点

このチャプターでは、原稿を3つの決まった観点でチェックします。
専門用語NGワードリスト・3行フレーム・情報欠落チェックリストの3つです。

専門用語NGワードリスト・3行フレーム・情報欠落チェックリストの3つの添削観点を示す図解

専門用語NGワードリストは、施術や放置のように現場では当たり前でも、お客様には伝わりにくい言葉を言い換えるための観点です。
3行フレームは、悩み・手段・理想の結果という順番で文章を組み立て直すための観点で、キャッチコピーやクーポン名のように短い文章ほど、悩みや理想の結果が省略されて伝わりにくくなりがちです。
情報欠落チェックリストは、所要時間や料金のように、書き手にとっては当たり前でも原稿から抜け落ちやすい情報を補うための観点です。

3つの観点は原稿のどこを見るかがそれぞれ異なるため、順番に当てはめていくことで、見落としが起きにくくなります。

✓ Point !
使い方は4-2・4-3で確認する

専門用語NGワードリストと3行フレームは次の4-2で、情報欠落チェックリストは4-3で、それぞれの使い方を確認します。
先に専門用語や文章の組み立てを整えてから情報の抜けを確認すると、直すべき箇所が重複せずに整理できます。

Q
✏️ 確認クイズ
原稿に「本日はダブルカラーの施術で、放置時間をしっかり取りました」という一文が残っています。この一文を見直すときに、まず当てはまる添削観点はどれですか?
正解です!
「施術」「放置」は専門用語NGワードリストで扱う代表的な言葉です。
次のレッスンで具体的な言い換え例を確認します。
惜しい!
「施術」「放置」は情報が足りないのではなく、言葉そのものが伝わりにくいケースです。
専門用語NGワードリストで扱う観点になります。

3つの観点は原稿を書き終えた後に順番に当てはめるものですが、客観視が必要な場面は原稿の文章だけにとどまりません。

客観視は原稿の文章だけの話ではない

客観視は原稿の文章だけでなく、お客様からの口コミへの返信文にも関わります。
返信文の言葉選びが独りよがりになっていないかどうかも、店の印象を大きく左右します。

口コミへの返信文は、原稿とは違ってお客様とのやり取りがそのまま公開される場所です。
相手の言葉にどう返すかという受け答えの姿勢が伝わりやすいため、原稿以上に書き手の素の言葉が出やすく、独りよがりな返信は他のお客様の目にも残ってしまいます。

客観視の対象は、文章の書きぶりだけでなく、実際にお客様が見る画面の見え方にも及びます。
公開前にサロンボードのプレビュー機能でアプリでの表示を確認する一手間が、思わぬ見落としを防ぎます。

✓ Point !
公開前の確認手順

サロンボードの管理画面でプレビューボタンをクリックし、「ブラウザ表示」「アプリ表示」の切り替えタブからアプリ表示に切り替えます。
切り替えた画面で、キャッチコピーとクーポン名がどう表示されているかを見比べましょう。
サロンボードの管理画面は時期によって表示が更新されることがあります。
メニュー名が近い項目を探せば、目的の画面にたどり着けます。

文章を整えても、実際の画面でクーポン名や写真が見づらい配置になっていれば、お客様に伝わる情報は変わってしまいます。
原稿の言葉と実際の見え方は、必ずセットで確認する必要があります。

口コミへの返信を書くときも、一度読み返してからいつもの言葉選びが独りよがりになっていないか確認する習慣をつけましょう。
返信は書き手の素の言葉が出やすい場所だからこそ、原稿と同じように客観視の意識を向ける必要があります。

4-2から4-5までの進め方

ここからは、3つの添削観点を実際に使いながら原稿を仕上げます。
4-2で専門用語NGワードリストと3行フレーム、4-3で情報欠落チェックリストの使い方を確認します。

観点の使い方を先に確認するのは、自店の原稿にいきなり手を入れると、どこを直すべきかの判断が感覚頼りになってしまうためです。
4-2・4-3で判断基準を先に身につけておくことで、4-4で自店の原稿一式に当てはめるときに、同じ基準で迷わず見直せるようになります。

4-2から4-5までの学習の流れを示す4ステップのフロー図

4-4では実際に自店の原稿一式を添削し、4-5では公開後の振り返り運用チェックリストを完成させます。
この章の完了条件は、専門用語や情報欠落を見抜く添削の視点を身につけて、公開用の最終原稿一式と3か月後の振り返りチェックリストの両方を仕上げることです。

原稿を1回直しただけで終わらせず、公開後も一定期間ごとに客観視で見直す仕組みを作っておくことが、このチャプター全体の目的です。
次の4-2から、実際に手を動かして観点を確認しましょう。

SUMMARY
  1. 書き手は専門用語や当たり前の情報に日常的に触れているため、自分の原稿を客観視しにくい
  2. 本チャプターでは専門用語NGワードリスト・3行フレーム・情報欠落チェックリストの3つの観点で原稿を見直す
  3. 客観視は原稿の文章だけでなく、口コミへの返信文や公開前の実際の表示確認にも関わる
  4. 4-2・4-3で3つの観点の使い方を確認し、4-4で自店の原稿一式に当てはめ、4-5で公開後の振り返り運用に落とし込む
  5. 客観視は才能ではなく、決まった観点を順番に当てはめれば誰でも身につけられる技術である
チェック
理解度チェック
書き手が自分の原稿を客観視できない理由を説明できる
書き手は専門用語や当たり前の情報に日常的に触れているため、読み手にとって分かりにくい部分に気づきにくくなります。
これは才能の問題ではなく、情報への慣れによる構造的な問題です。
本チャプターで使う3つの添削観点をそれぞれ説明できる
専門用語NGワードリスト(言葉の言い換え)、3行フレーム(悩み→手段→理想の結果の組み立て)、情報欠落チェックリスト(書き忘れがちな情報の補完)の3つです。
客観視が原稿の文章以外にも関わる場面を説明できる
口コミへの返信文の言葉選びや、公開前にアプリでの表示を確認する作業も、客観視の対象に含まれます。
4-2から4-5までの学習の流れを説明できる
4-2・4-3で観点の使い方を学び、4-4で自店の原稿一式に当てはめて添削し、4-5で公開後の振り返り運用チェックリストを完成させます。