ショート動画制作
3章 【実践フロー追体験②】"欲しい"を創る UGC風商品紹介動画
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3章 【実践フロー追体験②】"欲しい"を創る UGC風商品紹介動画

この章の目安学習時間:2時間

この章で到達できるゴール:

  • 広告感をなくし、ユーザーの共感を呼ぶUGC風動画の特性を理解できる
  • トレンド音源に合わせたリズミカルなカット編集(音ハメ)ができる
  • 商品の魅力を感情的に伝えるための演出テクニックを習得できる

【3-1】UGC風動画の編集セオリー

目安の学習時間:20分

ユーザー投稿風コンテンツで共感を呼ぶ

ショート動画における「商品紹介」は、単に商品のスペックを説明するだけでは視聴者の心に響きません。
現代の消費者は、企業が発信する一方的な広告よりも、実際に商品を使ったユーザーのリアルな声を信頼する傾向にあります。

そこで重要になるのが、「UGC風」の動画です。
    UGCとは?
   
  • UGCとは、"User Generated Content"の略で、日本語では「ユーザー生成コンテンツ」と訳されます。
  •            
  • 企業ではなく、一般のユーザー(消費者)によって作られたコンテンツ(SNS投稿、レビュー、口コミなど)のことを指します。
  •            
  • UGC風動画とは、この一般ユーザーの投稿のような、「リアルさ」や「親近感」を意図的に演出した動画のことです。
   

UGC風動画は、作り込まれた広告のような印象を与えず、「友達におすすめされている」ような感覚を視聴者に与えることで、商品への興味や信頼感を自然に高めることができます。

この「リアルさ」を演出するための編集のポイントは以下の通りです。

  • 自然な言葉遣いのテロップ:丁寧すぎる敬語ではなく、「これ、マジですごい…」のような、普段使っているような口語的な表現を使います。
  • 手持ち撮影風の演出:三脚で固定された映像だけでなく、少し手ブレした映像や、ダイナミックなカメラワークを加えることで、臨場感を出します。
  • トレンド音源の活用:TikTokなどで流行っている音源を使うことで、「みんなが見ている流行のコンテンツ」という印象を与え、視聴のハードルを下げます。
UGC風動画のゴールは、商品を「売る」ことではなく、「共感」を生むことです。
この共感が、最終的な購買行動へと繋がっていきます。

【3-2】実践:UGC動画を作ろう

目安の学習時間:1時間10分

それでは、UGC風動画の制作フローを体験していきましょう。
ここでは、3つのステップで編集を進めていきます。

STEP1:トレンド音源とシンクロさせるカット編集

UGC風動画、特にTikTokやInstagramリールで再生数を伸ばすためには、音と映像のリズムを合わせる「音ハメ」編集が非常に効果的です。
リズミカルな映像は視聴者を飽きさせず、高い視聴完了率に繋がります。

CapCutには、この音ハメ編集を簡単に行える「自動ビート」機能が搭載されています。
  1. ツールバーの「オーディオ」から、TikTokと連携したライブラリで使用したいトレンド音源を選び、タイムラインに追加します。
  2. タイムラインに追加した音源のクリップを選択します。
  3. 画面右側のメニューから「ビート」を選択し、「ビート2」(より細かくビートを検出する)を選んで「生成」をクリックします。
  4. すると、音源クリップ上にビートの位置を示す黄色い点(マーカー)が自動で追加されます。
  5. あとは、この黄色い点に合わせて映像クリップを「分割」し、テンポよく切り替わるように配置していくだけです。

複数の映像クリップを短い間隔で次々と見せることで、情報量の多い、視聴者を惹きつける動画になります。

STEP2:感情を伝えるテロップ・絵文字デザイン

リズミカルなカット編集ができたら、次にUGCの「リアルさ」を演出するテロップを追加していきます。

ポイントは、商品の説明書のような客観的な情報ではなく、実際に使った個人の「感情」を表現することです。
  • 口語的で親しみやすい言葉を選ぶ
    • 例:リップティント
      「高発色で色持ちが良いティントです」ではなく、「見てこの発色!ごはん食べても全然落ちなかった!」のように、友達に話しかけるような言葉を選びます。
  • 感情を表現する絵文字を活用する
    • 文章だけでは伝わりにくい興奮や驚きを、絵文字を使って補足します。(例:😍✨🤯)
    • CapCutでは、テキスト編集画面で直接絵文字を入力できます。
  • テキストテンプレートで表現を豊かにする
    • CapCutには、デザインされたテキストアニメーションのテンプレートが豊富に用意されています。特に「SNS」や「Vlog」といったカテゴリのテンプレートは、UGC風の演出と相性が良いものが多いので活用してみましょう。

これらのテロップを、STEP1でカットした映像クリップに合わせて、短い文章でテンポよく表示させていくのがコツです。

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STEP3:没入感を高めるズーム・手ブレ演出

最後に、動画の没入感を高め、より「ユーザーが自分で撮影した」ようなリアルさを出すための演出を加えます。
  • キーフレームを使ったズーム演出
    • 2章でも学んだキーフレームですが、商品紹介では特に「商品の質感」や「パッケージのディテール」を見せたいときに効果的です。
      例えば、リップティントのチップの形状やラメの輝きなどをゆっくりとズームして見せることで、視聴者の「もっとよく見たい」という気持ちに応えることができます。
  • 「エフェクト」を使った手ブレ演出
    • UGC風のリアルさを出すための隠し味として、「手ブレ」エフェクトが有効です。
    • ツールバーの「エフェクト」→「動画エフェクト」を開き、「パーティー」というカテゴリの中から、「カメラシェイク」のエフェクトを探します。
    • このエフェクトを調整レイヤーとしてタイムライン全体に薄くかけることで、三脚で固定した綺麗な映像にも、手持ち撮影のような自然な揺れを加えることができます。
やりすぎると見づらい動画になってしまうので、あくまで自然に見える範囲で調整するのがポイントです。

練習問題:音ハメ編集を体験しよう

問題

提供された3つの短い風景動画クリップと、アップテンポなBGM素材があります。
これらを使って、CapCutの「自動ビート」機能を活用し、BGMのビートに合わせて風景が次々とリズミカルに切り替わる15秒の動画を制作してください。

解答手順

  1. CapCutにBGM素材と3つの風景動画クリップを読み込みます。
  2. BGM素材をタイムラインに配置します。
  3. BGMクリップを選択し、「ビート」機能で「ビート2」のマーカーを生成します。
  4. タイムラインの先頭から、1つ目の動画クリップを配置します。
  5. BGMの3つ目か4つ目のビートマーカーの位置で、1つ目のクリップを分割し、不要な部分を削除します。
  6. 続けて2つ目の動画クリップを配置し、同様に数個先のビートマーカーで長さを調整します。
  7. 3つ目の動画クリップも同様に配置し、動画全体の長さが15秒程度になるように調整します。
  8. 再生し、音楽に合わせてリズミカルに映像が切り替わることを確認できたら完成です。

解答例

【3-3】3章 -章末課題- 「お気に入りパン紹介」ショート動画制作

目安の学習時間: 30分

問題

この章の総仕上げとして、UGC風の商品紹介動画を一本、企画から完成まで通して制作してみましょう。
提供された素材(様々な種類のパンの映像)を使って、「私のお気に入りのパン屋さん」というテーマで、そのお店のパンの魅力を伝えるUGC風紹介ショート動画を制作してください。

要件

  • CapCut内の「オーディオ」から、動画の雰囲気に合うトレンド音源(例:カフェ風、Vlog風など)を1つ選んで使用すること。
  • 「自動ビート」機能を活用し、BGMのリズムに合わせて、様々なパンの映像をリズミカルにカット編集(音ハメ)すること。
  • 「ここのクロワッサン、サクサク感が神!」「めちゃうま」など、ユーザー目線のリアルな感情が伝わるテロップを、絵文字を交えて効果的に入れること。
  • パンの焼き色や断面のふわふわ感など、質感が伝わるようにキーフレームを使ったズーム演出を1箇所以上入れること。

要件定義例

※ 以下の構成は一例です。構成は変更して問題ございません。

目安の時間(秒) ナレーションの区間 使用する映像素材 編集のポイント
0〜2 週3で通っちゃう...😯
とっておきのパン屋さん見つけた
素材1 こちらのカットのみならず、移行全体的にフォントは親近感を演出するため、
手書き風にして音ハメを行う。
2〜5 ここのクロワッサン、サクサク感が神! 素材1 少し手振れ感を出すエフェクトを加える
5〜8 チョコをたっぷりつけていざ実食✨
素材2 チョコの質感を見せるために、少し彩度を上げる
8〜10 フランスパンは外カリッ、中もっちもち🥖 素材3 質感が伝わるようなキーフレームを使ったズーム演出
10〜13 めちゃうま 素材4 美味しそうなシーンを使用
13〜15 みんなも行ってみてね📍
WEBCOACH
素材4 BGMは余韻を残して終わるように。
参考動画のように場所を掲載

素材

解答手順

  1. CapCutの「オーディオ」から、カフェやVlog系の雰囲気のトレンド音源を選び、タイムラインに配置します。
  2. 音源クリップに「自動ビート」機能でマーカーを生成します。
  3. 提供された映像素材の中から、パンの魅力が伝わるシーン(外観、断面、実食シーンなど)を切り出し、ビートマーカーに合わせてテンポよく配置していきます。
  4. 冒頭に「週3で通っちゃうパン屋さん見つけた」といったフックとなるテロップを配置します。
  5. 各シーンに合わせて、感情が伝わるテロップを絵文字付きで追加します。テキストテンプレートなども活用してみましょう。
  6. パンの断面のきめ細かさや、クロワッサンの層など、シズル感を見せたい箇所で、キーフレームを使って滑らかにズームインする演出を加えます。
  7. (任意)動画全体に「エフェクト」から手ブレ風の演出を薄く追加し、よりリアルな撮影感を演出します。
  8. 全体のバランスを調整し、テロップが音源に負けていないかを確認してから、エクスポートして完成です。

解答例

制作物をチェックしよう
  • 選んだトレンド音源と動画の雰囲気(おしゃれ、かわいいなど)はマッチしていますか?
  • BGMのリズムに合わせて、パンの魅力がテンポよく伝わる「音ハメ」編集ができていますか?
  • テロップは、商品の説明ではなく、パンを食べた時のリアルな「感情」が伝わるような言葉選びになっていますか?絵文字は効果的に使われていますか?
  • ズーム演出は、パンのシズル感(サクサク、ふわふわなど)がより伝わるように効果的に使われていますか?
  • 全体を通して、「広告っぽさ」がなく、友人がお気に入りの店を紹介しているような親近感のある動画に仕上がっていますか?
これで「3章 【実践フロー追体験②】"欲しい"を創る UGC風商品紹介動画」の解説を終わります。

次の章に進みましょう。
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