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目次
1章 再生数を生む「戦略」の教科書
この章の目安学習時間:1時間
この章で到達できるゴール:
- 各ショート動画プラットフォームの特性とアルゴリズムの基本を理解できる
- 視聴者の離脱を防ぐ「フック」の重要性と作り方を説明できる
- 視聴完了率を高めるための動画構成の基本原則を理解できる
【1-1】プラットフォーム徹底比較
目安の学習時間:20分
TikTok vs YouTubeショート vs Instagramリール
ショート動画と一括りに言っても、プラットフォームによってユーザー層や文化、評価される動画の傾向は大きく異なります。
それぞれの特徴を理解し、目的に応じて最適なプラットフォームを選ぶことが、再生数を伸ばすための第一歩です。
ここでは、主要な3つのプラットフォーム「TikTok」「YouTube ショート」「Instagramリール」の特徴を比較していきます。
それぞれの特徴を理解し、目的に応じて最適なプラットフォームを選ぶことが、再生数を伸ばすための第一歩です。
ここでは、主要な3つのプラットフォーム「TikTok」「YouTube ショート」「Instagramリール」の特徴を比較していきます。
| プラットフォーム | TikTok | YouTube Shorts | Instagram Reels |
|---|---|---|---|
| 主なユーザー層 | 10代〜20代が中心だが、 全世代に拡大中 |
幅広い年代層。 特に学習や情報収集に関心が高い層 |
20代を中心に、10代30代も含めた トレンド感度の高い若年層 |
| コンテンツの傾向 | エンタメ性が高く、 トレンドの音源やダンスが人気 |
How-toや知識系など、学びにつながる コンテンツが強い |
Vlogやファッション、グルメなど、 おしゃれで世界観のあるコンテンツ |
| アルゴリズムの特徴 | 新規アカウントでもバズりやすい。 拡散力が非常に高い |
検索からの流入が期待でき、 コンテンツが資産になりやすい |
既存のフォロワーとの関係性が重視され、 コミュニケーションが鍵 |
これらの特徴から、例えばエンタメ性の高いコンテンツで一気に認知を広げたい場合はTikTok、専門的な知識を発信して長期的なファンを獲得したい場合はYouTubeショート、特定の世界観を共有しコミュニティを形成したい場合はInstagramリール、といった戦略を立てることができます。
重要なのは、一つの動画を全てのプラットフォームで使い回すのではなく、それぞれの特性に合わせて微調整することです。
重要なのは、一つの動画を全てのプラットフォームで使い回すのではなく、それぞれの特性に合わせて微調整することです。
考えてみよう!
あなたがカフェのオーナーだとしたら、新商品の「いちごタルト」を宣伝するために、どのプラットフォームをメインに選びますか?
その理由も考えてみましょう。
その理由も考えてみましょう。
解答例
- Instagram Reels:カフェの持つ「おしゃれな」世界観と相性が良く、写真映えするビジュアルを活かせるため。ハッシュタグ文化も強く、近隣のカフェ好きにリーチしやすい。「いちごタルトができるまで」のVlog風動画や、シズル感たっぷりの紹介動画が考えられます。
-
TikTok:若い層にリーチし、トレンド音源と組み合わせることで爆発的に拡散する可能性があるため。「巨大いちごタルト作ってみた」のようなエンタメ性の高い企画や、「いちごタルト早食いチャレンジ」など、ユーザー参加型のコンテンツが考えられます。
- YouTube Shorts:既存のチャンネルがあれば、ファンへの告知として有効。また、「検索」からの流入も期待できるため、「絶品いちごタルトの作り方」や「美味しいいちごの見分け方」のようなHow-toコンテンツで、長期的に視聴される動画資産になる可能性もあります。
【1-2】「最初の1秒」ですべてが決まるフックの法則
目安の学習時間:20分
なぜ視聴者はすぐ離脱するのか?
ショート動画は、次から次へと無限にコンテンツが流れてくる世界です。
視聴者は少しでも「つまらない」「興味がない」と感じた瞬間に、ためらうことなく指先一つで次の動画へとスワイプしてしまいます。
このスワイプする指を止めさせ、動画の続きを見てもらうために最も重要なのが、動画冒頭の「フック」と呼ばれる部分です。
フックとは、視聴者の注意を引きつけ、心を掴むための仕掛けのことです。
多くの分析データが、視聴者が動画を見続けるかどうかを判断する時間は、わずか1〜3秒であることを示しています。
この短い時間で「お、これは面白そうだ」「自分に関係がありそうだ」と思わせることができなければ、どんなに素晴らしい内容の動画でも見てもらうことはできません。
つまり、ショート動画制作においては、冒頭の数秒間に全力を注ぐことが成功の鍵となります。
視聴者は少しでも「つまらない」「興味がない」と感じた瞬間に、ためらうことなく指先一つで次の動画へとスワイプしてしまいます。
このスワイプする指を止めさせ、動画の続きを見てもらうために最も重要なのが、動画冒頭の「フック」と呼ばれる部分です。
フックとは、視聴者の注意を引きつけ、心を掴むための仕掛けのことです。
多くの分析データが、視聴者が動画を見続けるかどうかを判断する時間は、わずか1〜3秒であることを示しています。
この短い時間で「お、これは面白そうだ」「自分に関係がありそうだ」と思わせることができなければ、どんなに素晴らしい内容の動画でも見てもらうことはできません。
つまり、ショート動画制作においては、冒頭の数秒間に全力を注ぐことが成功の鍵となります。
鉄板のフックパターン7選
では、具体的にどのようなフックが効果的なのでしょうか。
ここでは、多くの人気動画で使われている、実績のある「鉄板パターン」を7つ紹介します。
これらの型を知っておくだけで、企画の幅が大きく広がります。
- 結論ファースト型
- 動画の結論や最も伝えたいことを最初に提示するパターン。「〇〇する方法は実は簡単」「〇〇の作り方を紹介します」など
- 問いかけ型
- 視聴者が抱えているであろう悩みや疑問を投げかけるパターン。「〇〇で悩んでいませんか?」「〇〇ってどう思う?」など、自分事として捉えてもらいやすくなります。
- 衝撃の事実型
- 常識を覆すような、意外な事実やデータを提示するパターン。「日本人の9割が知らない〇〇」「実は〇〇は体に悪い」など
- ターゲット呼びかけ型
- 特定の属性を持つ視聴者に直接呼びかけるパターン。「〇〇な人だけ見て」「〇〇業界で働く皆さんへ」など、該当する視聴者の注意を強く引きます。
- 意外性・逆説型
- 一般的な考えとは逆のことを主張するパターン。「あえて〇〇しない方が良い理由」「モテたいなら〇〇はするな」など
- Before/After型
- 変化の結果を最初に見せるパターン。ダイエット企画の変貌した姿や、掃除企画の綺麗になった部屋などを冒頭で見せることで、その過程への興味を引きます。
- 五感を刺激する型
- 美味しそうな料理のシズル感、心地よいASMR、美しい風景など、視覚や聴覚に直接訴えかけるパターン。言葉がなくても、瞬時に視聴者の興味を引きつけます。
これらのパターンを参考に、動画の内容に最も合ったフックを考えてみましょう。
【1-3】アルゴリズムに好かれる動画の共通点
目安の学習時間:20分
最重要指標:視聴完了率と視聴維持率
各プラットフォームのアルゴリズム(どの動画をユーザーにおすすめとして表示するかを決めるプログラム)に好かれ、多くの人に見てもらうためには、いくつかの重要な指標を意識する必要があります。
その中でも、最も重要視されているのが「視聴完了率」と「視聴維持率」です。
その中でも、最も重要視されているのが「視聴完了率」と「視聴維持率」です。
- 視聴完了率:動画を最後まで見てくれた人の割合
- 視聴維持率:動画のどの時点まで視聴者が残っていたかを示す割合
プラットフォーム側は、ユーザーにできるだけ長くアプリ内に留まってほしいと考えています。
そのため、「最後まで見てもらえる面白い動画=良い動画」と判断し、その動画をさらに多くの人におすすめとして表示する傾向があります。
つまり、 視聴完了率の高い動画は、アルゴリズムによって拡散されやすいという好循環が生まれるのです。
視聴完了率を高めるためには、フックで視聴者を惹きつけた後も、飽きさせない工夫が必要です。
テンポの良いカット、分かりやすいテロップ、視聴者を惹きつけるストーリー展開などを意識することが重要になります。
そのため、「最後まで見てもらえる面白い動画=良い動画」と判断し、その動画をさらに多くの人におすすめとして表示する傾向があります。
つまり、 視聴完了率の高い動画は、アルゴリズムによって拡散されやすいという好循環が生まれるのです。
視聴完了率を高めるためには、フックで視聴者を惹きつけた後も、飽きさせない工夫が必要です。
テンポの良いカット、分かりやすいテロップ、視聴者を惹きつけるストーリー展開などを意識することが重要になります。
エンゲージメントを高める仕掛け
視聴完了率と並んでアルゴリズムが重視するのが、「エンゲージメント」です。
エンゲージメントとは、視聴者が動画に対して起こした反応のことを指し、具体的には以下のものが含まれます。
エンゲージメントとは、視聴者が動画に対して起こした反応のことを指し、具体的には以下のものが含まれます。
- いいね
- コメント
- 保存
- シェア(共有)
- プロフィールへのアクセス
これらの反応が多い動画は、「視聴者が強く関心を持った価値のある動画」と判断され、同様に拡散されやすくなります。
動画制作の際には、単に情報を提供するだけでなく、視聴者が何かしらのアクションを起こしたくなるような「仕掛け」を組み込むことが有効です。
- コメントを促す工夫
- 動画の最後に「みんなのおすすめも教えてね」と問いかけたり、動画内にあえて「ツッコミどころ」を作ったりすることで、コメントを誘導します。
- 保存を促す工夫
- 後から見返したくなるような、役立つ情報やリスト形式のコンテンツを提供し、「忘れないように保存してね」と呼びかけます。
- 視聴者が参加できる企画
- 「〇〇チャレンジ」のような企画や、視聴者からの質問に答えるコーナーなどを設けることで、一体感を醸成しエンゲージメントを高めます。
動画の価値は、再生数だけでなくエンゲージメントによっても測られるということを覚えておきましょう。
【1-4】1章 -章末課題- 最強のフックを考えよう
目安の学習時間: 10分
問題
この章では、再生数を生むための「戦略」について学びました。
特に、動画の冒頭で視聴者の心を掴む「フック」の重要性は理解できたかと思います。
そこで、以下の3つのお題について、この章で学んだ「鉄板のフックパターン7選」を参考に、視聴者のスワイプする指を止めるような、キャッチーな冒頭のセリフ(またはテロップ)を2パターンずつ考えてください。
どのパターンを使ったかも明記しましょう。
特に、動画の冒頭で視聴者の心を掴む「フック」の重要性は理解できたかと思います。
そこで、以下の3つのお題について、この章で学んだ「鉄板のフックパターン7選」を参考に、視聴者のスワイプする指を止めるような、キャッチーな冒頭のセリフ(またはテロップ)を2パターンずつ考えてください。
どのパターンを使ったかも明記しましょう。
- お題:新作ガジェット(ワイヤレスイヤホン)の紹介動画
- お題:英語学習のコツを紹介するHow-to動画
- お題:週末に行ったキャンプのVlog動画
解答・解説
- お題:新作ガジェット(ワイヤレスイヤホン)の紹介動画
- パターンA(衝撃の事実型):「このイヤホン、実は充電が1週間持ちます」
- パターンB(ターゲット呼びかけ型):「毎日の通勤中に音切れでイライラしてる人、これ使ってみて」
- 解説:パターンAは製品の最も驚くべき特徴を提示して興味を引く方法です。パターンBは、具体的な悩みを抱えるターゲットに直接呼びかけることで、「自分のための動画だ」と思わせる効果があります。
- お題:英語学習のコツを紹介するHow-to動画
- パターンA(意外性・逆説型):「英語を話したいなら、単語帳は今すぐ捨ててください」
- パターンB(結論ファースト型):「ネイティブが会話で一番使う相槌、それは『Right』です」
- 解説:パターンAは常識と逆のことを言うことで「え、どうして?」という疑問を抱かせ、続きを見たくさせる手法です。パターンBは、すぐに使える具体的な知識を最初に提示することで、動画の有益性をアピールしています。
- お題:週末に行ったキャンプのVlog動画
- パターンA(五感を刺激する型):(焚き火がパチパチと燃える音と美しい映像から始まり)「この音が、最高に癒やされる…」
- パターンB(問いかけ型):「次の週末、都会の騒音から離れてみませんか?」
- 解説:パターンAは、キャンプの最大の魅力である「癒やし」を映像と音で直接伝え、視聴者の感覚に訴えかけます。パターンBは、日常に疲れを感じているであろう視聴者に対して問いかけることで、共感を呼び起こし、動画の世界観に引き込みます。
これで「1章 再生数を生む「戦略」の教科書」の解説を終わります。
次の章に進みましょう。
次の章に進みましょう。
