獲得可能性を高める案件選定と提案
CHAPTER 2
獲得可能性を高める案件選定と提案
全4レッスン 案件選びから単価判断、プロフィール、提案文の最適化までを一気通貫で整理する ⏱ 所要時間:約45〜65分
CHAPTER 2
狙う案件と避ける案件
LESSON 2-1 獲得可能性を高める案件選定と提案 ⏱ 所要時間:約10〜15分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • 募集文で確認すべき項目を挙げられる
  • 募集を応募・質問・見送るに分類できる
  • 避けるべき危険な案件の特徴を説明できる

第1章で自分の対応範囲を決めたら、実際に募集の一覧を見て応募先を選んでいきます。この段階でつまずきやすいのが、募集文をどこまで読み込めばよいのかがわからず、雰囲気だけで応募してしまうことです。

このレッスンでは、募集文を読むときに確認しておきたい項目と、それをもとに応募する・質問する・見送るのどれを選ぶかの考え方を整理します。あわせて、安全のために見送るべき危険な案件の特徴も確認します。

募集文で確認すべき項目

応募するかどうかを判断する前に、募集文の中で次の項目を確認します。

募集文で確認すべき項目
仕事内容
何を制作・対応する依頼なのかが具体的に書かれているか
作業範囲
どこからどこまでを受注者が担当するのかが明確か
素材
写真・原稿・ロゴなどの素材が支給されるか、自分で用意する必要があるか
納期
対応可能な納期に収まるか
修正
修正回数の上限が決まっているか、無制限になっていないか
納品形式
対応できるファイル形式・データ形式で納品できるか
権利
著作権の扱いや二次利用の範囲がどう定められているか
掲載可否
完成後にポートフォリオへ掲載してよいかどうか
発注者の本人確認・評価・実績
本人確認済みか、過去の評価や依頼実績はどうか
提案数
すでにどれくらいの提案が集まっているか
継続性
単発の依頼か、継続の可能性がある依頼か

これらの項目を確認する理由は、契約後のトラブルの多くが、この段階で確認しなかった条件のズレから起きるためです。作業範囲や修正回数があいまいなまま契約すると、当初の想定を超える作業を無償で求められることがあります。応募前にこの11項目へ目を通す習慣をつけましょう。

応募・質問・見送るの判断の考え方

11項目を確認した結果は、次の3つのどれかに振り分けられます。

分類状態
応募する11項目のほとんどが明記されていて、自分の対応範囲・納期に収まっている
質問する興味はあるが、修正回数や納品形式など一部の条件が募集文に書かれていない
見送る対応範囲を超えている、または次のセクションで扱う危険な特徴に当てはまる

条件があいまいな募集文をすべて見送っていると、応募できる案件の数がかなり絞られてしまいます。書かれていない項目があるだけで見送るのではなく、契約前の質問で確認できる内容であれば、まず質問してから判断するようにしましょう。質問への返信の速さや内容からも、発注者とのやり取りがスムーズに進みそうかを見極められます。

Q
確認クイズ
修正回数が募集文に書かれていない案件に興味を持ったとき、最初にとるべき行動はどれか?
正解です!
条件が募集文に書かれていない場合は、契約前に質問して確認します。書かれていないというだけで見送ると、応募できる案件の数が絞られすぎてしまいます。
惜しい!
正解はCです。修正回数のような重要な条件は、想定で進めず、契約前の質問で確認してから判断しましょう。

避けるべき危険な案件

条件が明記されていても、次の特徴に当てはまる案件は見送るべき対象です。

避けるべき危険な案件の特徴
仮払い前に作業や試作の提出を求められる
契約に至らなかった場合、対価を得られないまま作業だけが残ります
クラウドソーシングサービスを介さない直接取引に誘導される
仮払いなどサービス側の仕組みが働かなくなり、トラブルが起きても対応してもらえなくなります
教材・情報商材などの購入や勧誘につながる募集
案件の完了ではなく、購入や勧誘そのものが目的になっている可能性があります
過大な無償テスト制作を求められる
契約前提のない制作に時間をかけることになり、対価を得られないまま時間だけが失われます

これらはいずれも、受注者が一方的に不利になる形で時間や金銭的な負担を負うパターンです。こうした特徴に気づいたら、応募自体を見送りましょう。

Q
確認クイズ
応募後、発注者から「まずサービスを介さず直接やり取りしましょう」と言われた。適切な対応はどれか?
正解です!
サービスを介さない直接取引への誘導は、避けるべき危険な案件の特徴の1つです。仮払いの有無にかかわらず、応募・契約を見送りましょう。
惜しい!
正解はBです。直接取引への誘導は条件の一部が明記されていても見送るべき危険な特徴にあたります。
SUMMARY
  1. 募集文では仕事内容・作業範囲・素材・納期・修正・納品形式・権利・掲載可否・発注者情報・提案数・継続性の11項目を確認する
  2. 確認結果は応募する・質問する・見送るのいずれかに振り分ける
  3. 条件が書かれていないだけで見送らず、契約前の質問で確認してから判断する
  4. 仮払い前作業・直接取引・購入勧誘・過大な無償テストに当てはまる案件は見送る
CHECK
理解度チェック
募集文で確認すべき11項目を挙げられるか?
仕事内容、作業範囲、素材、納期、修正、納品形式、権利、掲載可否、発注者の本人確認・評価・実績、提案数、継続性の11項目です。
応募・質問・見送るをどう使い分けるか説明できるか?
条件のほとんどが明記され対応範囲に収まるなら応募、一部の条件が不明なら質問、対応範囲外や危険な特徴に当てはまるなら見送るという使い分けです。
避けるべき危険な案件の特徴を4つ答えられるか?
仮払い前作業、直接取引への誘導、購入・勧誘、過大な無償テスト制作の4つです。

CHAPTER 2
低単価案件を戦略的に選ぶ
LESSON 2-2 獲得可能性を高める案件選定と提案 ⏱ 所要時間:約10〜15分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • 金額だけで案件を判断してはいけない理由を説明できる
  • 実効時給の考え方を使って案件を判断できる
  • 実績作りとして許容できる案件と不当な案件を区別できる

実績がまだ少ない段階では、単価の低い案件に出会う場面が多くなります。ここで安い案件をすべて避けると決めてしまうと、実績を作る機会自体が減ってしまいます。かといって、金額の安さだけを見て次々と応募するのも危険です。

このレッスンでは、金額だけで案件を判断しない考え方と、実効時給という具体的なものさしを確認します。あわせて、参考にできる価格帯の目安も見ておきましょう。

金額だけで判断しない理由

案件の金額を見たとき、次の観点もあわせて確認すると、実績作りとして受ける価値があるかどうかを判断しやすくなります。

金額とあわせて確認する観点
推定工数
その金額に対して、どれくらいの作業時間が必要になりそうか
手数料後の手取り
サービスの手数料が差し引かれたあと、実際に受け取れる金額
実績価値
完成物をポートフォリオに載せたとき、次の案件獲得に役立つ実績になるか
評価
納品後に得られる評価が、その後の案件獲得にどれだけ寄与しそうか
掲載可否
完成物をポートフォリオへ掲載できる案件かどうか
継続可能性
単発で終わる案件か、継続依頼につながりそうな案件か

金額の高低だけを基準に即断すると、実際には割に合わない案件を受けてしまったり、逆に実績価値の高い案件を見送ってしまったりします。金額と工数、実績価値をあわせて確認することで、その案件が今の自分にとって受ける価値があるかどうかを判断できます。

Q
確認クイズ
単価だけを見て案件を判断することの問題点として正しいものはどれか?
正解です!
金額だけを見ると、推定工数に見合わない案件や、実績価値の低い案件を受けてしまう可能性があります。工数・実績価値・継続可能性もあわせて確認しましょう。
惜しい!
正解はBです。金額の高低と実績価値・継続可能性は必ずしも一致しません。複数の観点をあわせて確認しましょう。

実効時給の考え方

金額と工数を具体的に比較する方法として、実効時給という考え方を使います。実効時給は、手数料が差し引かれたあとの手取り金額を、制作にかかる推定工数(時間)で割って求めます。

✓ Point !
実効時給=手数料後の手取り÷推定工数

たとえば、手数料が差し引かれたあとの手取りが4,000円、制作に3時間かかる見込みの案件であれば、実効時給は4,000円を3時間で割って約1,333円になります。この数字を出しておくと、金額だけでは見えなかった割に合うかどうかが具体的に判断できます。

実効時給が1,000円未満になる案件は、原則として見送り候補にします。1,000〜1,500円程度の案件は、作業範囲が限定されていて、実績・評価・掲載・継続の価値がはっきりしている場合に限り、戦略的に検討する余地があります。数字だけで機械的に切り捨てるのではなく、前のセクションで確認した実績価値・評価・継続可能性とあわせて総合的に判断しましょう。

Q
確認クイズ
実効時給が900円になる案件についての判断として適切なのはどれか?
正解です!
実効時給が1,000円未満の案件は原則として見送り候補です。実績価値や継続可能性が明確な場合のみ、慎重に検討する余地があります。
惜しい!
正解はBです。実効時給が1,000円未満の案件は原則見送り候補にし、受ける場合も実績価値・評価・継続可能性を確認してから判断します。

価格帯の参考線

制作物によって単価の相場は大きく変わります。仕様をそろえたうえでの参考線として、次の目安を確認しておきましょう。

案件例参考帯要注意ライン
静止画バナー1点3,000〜10,000円程度新規制作・複数案・修正込みで1,000円未満
A4チラシ10,000〜30,000円程度両面・入稿データ・複数修正込みで5,000円未満
LPデザイン50,000円以上を中心に仕様で大幅変動長尺・構成整理・レスポンシブ込みで20,000円未満
HPデザインページ数と実装有無で大幅変動。小規模でも数万円以上複数ページ・レスポンシブ・修正込みで30,000円未満
SNSフィードテンプレート・原稿支給の6枚で2,500円の公開例、運用込み月3万円の例もある原稿作成・デザイン・投稿まで含み、実効時給が著しく低い案件
ショート動画公式案内は短尺動画10,000円から。公開例は3,000〜15,000円以上30〜60秒で素材整理・フルテロップ・複数修正込みで1,000円未満
! 注意
この表は固定相場ではありません

金額は仕様によって大きく変わるため、上の参考帯は制作範囲をそろえたうえで判断するための目安です。応募前には、実際の募集一覧で似た仕様の案件をいくつか確認し、この参考帯と照らし合わせるようにしましょう。

SUMMARY
  1. 金額だけでなく推定工数・手取り・実績価値・評価・掲載可否・継続可能性もあわせて確認する
  2. 実効時給=手数料後の手取り÷推定工数で案件の割に合う度合いを具体的に確認できる
  3. 実効時給が1,000円未満の案件は原則見送り候補、1,000〜1,500円は条件付きで検討する
  4. 価格帯の参考線は仕様をそろえたうえでの目安であり、固定相場ではない
CHECK
理解度チェック
金額とあわせて確認すべき6つの観点を答えられるか?
推定工数、手数料後の手取り、実績価値、評価、掲載可否、継続可能性の6つです。
実効時給の計算方法と判断ラインを説明できるか?
実効時給は手数料後の手取りを推定工数で割って求めます。1,000円未満は原則見送り、1,000〜1,500円は実績価値等が明確な場合のみ検討します。
価格帯の参考線をどう扱うべきか説明できるか?
金額は仕様で大きく変わるため、参考線は制作範囲をそろえたうえでの目安として扱い、固定相場として断定しません。

CHAPTER 2
選ばれるプロフィールとポートフォリオ
LESSON 2-3 獲得可能性を高める案件選定と提案 ⏱ 所要時間:約10〜15分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • プロフィールに必要な構成要素を挙げられる
  • 案件との関連性が伝わるプロフィールへ改善できる
  • 作品がまだない場合の対応方法を説明できる

発注者はプロフィールを見て、その人に依頼して大丈夫かどうかを短時間で判断します。同じスキルを持っていても、プロフィールの書き方次第で選考の通過率は変わります。

このレッスンでは、プロフィールに含めるべき構成要素と、改善前後でどう伝わり方が変わるかを確認します。あわせて、まだ提示できる作品がない段階での対応方法も見ておきましょう。

プロフィール構成6要素

選ばれるプロフィールには、次の6つの要素が含まれています。

プロフィール構成6要素
冒頭で何ができるか
最初の数行で対応できる制作物と得意分野が伝わるようにする
対応範囲
企画から書き出しまでなど、どこからどこまでを担当できるか
使用ツール
実際に操作できるツール名を具体的に挙げる
稼働
週にどれくらいの時間を案件に充てられるか
返信目安
メッセージにどれくらいの時間で返信できるか
関連作品
応募する案件の種別に近い作品を選んで掲載する

発注者は、プロフィール全体をすみずみまで読むわけではなく、冒頭の数行と作品欄を中心に確認して選考を進めることが多くなります。だからこそ、冒頭で何ができるかを明確にし、案件と関連性の高い作品を選んで掲載しておくことが、選考通過につながります。

Q
確認クイズ
発注者がプロフィールを確認するときの傾向として正しいものはどれか?
正解です!
発注者は冒頭の説明と作品欄を中心に短時間で確認することが多いため、この2つを重点的に整えておくことが選考通過につながります。
惜しい!
正解はBです。発注者はプロフィール全文を読み込むわけではなく、冒頭の説明と作品欄を中心に確認します。

改善例で見るBefore/After

同じスキル・実績でも、書き方次第で伝わり方が変わります。次の例で違いを確認しましょう。

Before
改善前

デザインの勉強をしています。よろしくお願いします。Canvaが使えます。

After
改善後

SNS広告バナー・ECバナーの企画から書き出しまで対応します。使用ツールはCanva・Photoshopです。週10時間ほど稼働でき、メッセージには当日中に返信します。関連作品を3点掲載しています。

改善前の文章は、意欲は伝わるものの、発注者が知りたい対応範囲・使用ツールといった具体的な情報が抜けています。改善後の文章では、対応範囲・使用ツール・稼働・返信目安が数行にまとめられていて、発注者がその場で依頼可否を判断しやすくなっています。

作品がまだない場合の対応

学習を終えたばかりの段階では、案件に提示できる作品がまだ少ないことがあります。その場合は、模擬トライアル案件へ応募し、実際の制作を通じて作品を用意していく方法があります。

✓ Point !
作品ゼロのままプロフィールを完成させようとしない

作品欄が空欄のままだと、発注者は制作の実力を判断する材料がなく、選考で不利になりやすくなります。模擬トライアル案件で1点でも制作・掲載できれば、その後のプロフィールの説得力が変わります。まずは掲載可能な案件へ応募し、作品を積み上げていきましょう。

作品を用意する順番としては、第1章で棚卸しした提示できる作品を先にプロフィールへ掲載し、そのうえで模擬トライアル案件を通じて関連作品を追加していく進め方が現実的です。

自分のプロフィールを書いてみよう

ここまでの内容を使って、自分のプロフィール文を書いてみましょう。提出や合否判定はありません。

プロフィール構成6要素にそって記入してください。

項目記入欄
冒頭で何ができるか
対応範囲
使用ツール
稼働
返信目安
関連作品

入力内容はこのブラウザに保存され、次回このページを開いたときに復元されます。別の端末・ブラウザからは見れません。
ただしブラウザのキャッシュをクリアすると消えてしまうため、大事な内容はメモやNotionにも控えておくと安心です。

Q
確認クイズ
提示できる作品がまだ少ない段階の対応として適切なのはどれか?
正解です!
掲載可能な模擬トライアル案件へ応募し、実際の制作を通じて作品を積み上げていくことで、プロフィールの説得力を高められます。
惜しい!
正解はBです。応募を控えて待つのではなく、掲載可能な模擬トライアル案件で作品を用意していく方法が現実的です。
SUMMARY
  1. プロフィールには何ができるか・対応範囲・使用ツール・稼働・返信目安・関連作品の6要素を含める
  2. 発注者は冒頭の説明と作品欄を中心に短時間で確認することが多い
  3. 作品がまだない場合は、模擬トライアル案件へ応募して積み上げていく
  4. 応募する案件と関連性の高い作品を選んで掲載する
CHECK
理解度チェック
プロフィール構成6要素を答えられるか?
冒頭で何ができるか、対応範囲、使用ツール、稼働、返信目安、関連作品の6つです。
Before/Afterの例で何が変わったか説明できるか?
意欲だけを伝える文章から、対応範囲・使用ツール・稼働・返信目安が具体的にわかる文章に変わり、発注者がその場で依頼可否を判断しやすくなりました。
作品がまだない場合にどう対応すべきか説明できるか?
作品欄を空欄のまま待つのではなく、掲載可能な模擬トライアル案件へ応募し、実際の制作を通じて作品を積み上げていきます。

CHAPTER 2
案件ごとに提案を最適化する
LESSON 2-4 獲得可能性を高める案件選定と提案 ⏱ 所要時間:約15〜20分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • 提案文の基本構成を説明できる
  • 募集文から発注者の目的と不安を抽出し、提案へ反映できる
  • 案件種別ごとに訴求すべきポイントを使い分けられる

プロフィールを整えたあとは、案件ごとに提案文を書きます。提案文は、同じテンプレートを使い回すだけでは通過率が上がりにくく、募集文を読んで発注者が何を求めているかを読み取り、その内容に合わせて書く必要があります。

このレッスンでは、提案文の基本構成と、実際の改善例を確認します。あわせて、制作物の種類ごとに訴求すべきポイントの違いも見ていきましょう。

提案文の基本構成7ブロック

提案文は、次の7つのブロックで構成します。

1
依頼理解

募集文の内容を自分の言葉で要約し、依頼内容を理解していることを伝えます。

2
選ぶ理由

数ある応募者の中で、なぜ自分に依頼するとよいのかを具体的に伝えます。

3
関連作品

案件と関連性の高い作品を選んで提示し、実力を裏づけます。

4
進め方

ヒアリングから納品までの流れを簡潔に示し、進行イメージを伝えます。

5
金額・納期

提示された条件を踏まえた金額と納期を明記します。

6
確認事項

募集文だけでは判断できない点があれば、契約前に質問として添えます。

7
継続対応

今回の案件以外にも継続して対応できることを伝え、次の依頼につなげます。

この7ブロックのうち、発注者が特に注目するのは依頼理解選ぶ理由の2つです。ここが募集文と噛み合っていないと、その後の関連作品や金額の説明を読んでもらえないまま見送られてしまいます。

提案文の比較例

同じ案件に応募する場合でも、書き方によって伝わり方が大きく変わります。制作物の種類ごとに、採用されにくい例と改善例を比較しましょう。

バナー

Before
採用されにくい例

はじめまして。バナー制作の経験があります。ポートフォリオをご確認ください。よろしくお願いいたします。

After
改善例

ECサイトのセール告知用バナーを、掲載開始日までに複数サイズで納品するご依頼として拝見しました。同様のセール訴求バナーを制作した実績があり、添付の作品2点をご覧いただけます。ヒアリング後3日で初稿、修正2回込みで金額◯円、納期◯日でご提案します。サイズ展開の必要枚数を教えていただけますでしょうか。今後の定期的なバナー制作にも対応可能です。

採用されにくい例は、どの案件にも送れる汎用的な文章になっていて、媒体・サイズ・訴求内容など募集文の内容に触れていません。これが提案の具体性を欠く問題点です。改善例では、募集文にあったセール告知・複数サイズ・掲載開始日という条件に触れたうえで、関連作品・進め方・金額と納期・確認事項・継続対応までを順序立てて伝えています。個別最適化ポイントは、サイズ展開の必要枚数を確認事項として添えている点です。

チラシ

Before
採用されにくい例

チラシのデザインができます。ポートフォリオをご確認ください。よろしくお願いいたします。

After
改善例

A4片面のチラシを、入稿データまで仕上げるご依頼として拝見しました。同様の片面チラシで原稿の情報量を整理した実績があり、添付の作品1点をご確認いただけます。原稿受け取りから4日で初稿、修正2回込みで金額◯円、納期◯日でご提案します。入稿先の印刷仕様を教えていただけますでしょうか。継続的な販促物制作にも対応します。

採用されにくい例の問題点は、片面か両面か、入稿データの形式はどうかといった印刷仕様に触れていないことです。改善例は片面・入稿データという条件を明示し、原稿の情報整理という実績で裏づけています。個別最適化ポイントは、印刷仕様を確認事項として添えている点です。

LPデザイン

Before
採用されにくい例

LPデザインができます。実績をご覧ください。よろしくお願いします。

After
改善例

商品訴求のLPを、構成案から実装用のFigmaデータまで仕上げるご依頼として拝見しました。同様にコピーとレスポンシブ対応を含めて制作した実績があり、添付の作品1点をご確認いただけます。ヒアリング後5日で構成案、修正2回込みで金額◯円、納期◯日でご提案します。ページの想定の長さについて確認させてください。継続的なLP改善のご相談にも対応します。

採用されにくい例の問題点は、デザインのみか構成・コピー・実装まで含むかという対応範囲に触れていないことです。改善例は構成案からFigmaデータまでという範囲を明示し、レスポンシブ対応の実績で裏づけています。個別最適化ポイントは、ページの想定の長さを確認事項として添えている点です。

ホームページデザイン

Before
採用されにくい例

ホームページデザインができます。よろしくお願いします。

After
改善例

5ページ構成のコーポレートサイトを、ワイヤーからデザインまで仕上げるご依頼として拝見しました。同様のページ数でCMS導入を前提にデザインした実績があり、添付の作品1点をご確認いただけます。ヒアリング後1週間でワイヤー、修正2回込みで金額◯円、納期◯日でご提案します。使用予定のCMSを教えていただけますでしょうか。公開後の更新対応にも継続してご協力します。

採用されにくい例の問題点は、ページ数やCMS導入の有無といった規模に触れていないことです。改善例は5ページ構成・CMS導入という規模を明示し、ワイヤーからの対応範囲で裏づけています。個別最適化ポイントは、使用予定のCMSを確認事項として添えている点です。

SNSフィード投稿

Before
採用されにくい例

SNS投稿のデザインができます。ポートフォリオをご覧ください。

After
改善例

6枚構成のInstagram投稿テンプレートを、Canvaで共有する形で仕上げるご依頼として拝見しました。同様のテンプレート形式で継続投稿用に制作した実績があり、添付の作品1点をご確認いただけます。原稿受け取りから3日で初稿、修正1回込みで金額◯円、納期◯日でご提案します。継続する投稿本数の目安を教えていただけますでしょうか。継続的な投稿制作にも対応します。

採用されにくい例の問題点は、枚数やテンプレート有無といった運用条件に触れていないことです。改善例は6枚構成・Canva共有という条件を明示し、継続投稿向けの実績で裏づけています。個別最適化ポイントは、継続する投稿本数の目安を確認事項として添えている点です。

ショート動画

Before
採用されにくい例

動画編集ができます。過去の作品をご覧ください。ご検討よろしくお願いします。

After
改善例

支給素材から縦型60秒のショート動画を、テロップ・BGM込みで仕上げるご依頼として拝見しました。同じ縦型比率でテロップを多用した編集実績があり、添付の作品1点でカットとテロップの入れ方をご確認いただけます。素材受け取りから3日で初稿、修正1回込みで金額◯円、納期◯日でご提案します。BGMの雰囲気について参考にしたい動画があれば教えてください。継続的な本数制作にも対応します。

採用されにくい例の問題点は、尺や縦型比率、テロップ量といった仕上げ条件に触れていないことです。改善例は縦型60秒・テロップ・BGM込みという条件を明示し、同じ比率での編集実績で裏づけています。個別最適化ポイントは、BGMの雰囲気を確認事項として添えている点です。

YouTubeサムネイル

Before
採用されにくい例

サムネイル制作ができます。実績をご覧ください。

After
改善例

料理系チャンネルのサムネイルを、視聴者の目に留まる見せ方で仕上げるご依頼として拝見しました。同様の料理系チャンネルでサムネイルを継続制作した実績があり、添付の作品2点をご確認いただけます。素材受け取りから2日で初稿、修正1回込みで金額◯円、納期◯日でご提案します。動画タイトルの候補を教えていただけますでしょうか。継続的な本数制作にも対応します。

採用されにくい例の問題点は、チャンネルの視聴者層やタイトルといった案件固有の情報に触れていないことです。改善例は料理系チャンネル・視聴者の目に留まる見せ方という条件を明示し、同ジャンルでの実績で裏づけています。個別最適化ポイントは、動画タイトルの候補を確認事項として添えている点です。

LINEリッチメニュー

Before
採用されにくい例

リッチメニューの制作ができます。よろしくお願いします。

After
改善例

6ボタン構成のリッチメニューを、画像制作から設定まで仕上げるご依頼として拝見しました。同様のボタン数でブランドトーンに合わせて制作した実績があり、添付の作品1点をご確認いただけます。ヒアリング後3日で初稿、修正1回込みで金額◯円、納期◯日でご提案します。各ボタンの導線先を教えていただけますでしょうか。継続的なメニュー更新にも対応します。

採用されにくい例の問題点は、ボタン数や画像のみか設定込みかという作業範囲に触れていないことです。改善例は6ボタン・画像制作から設定までという範囲を明示し、ブランドトーンに合わせた実績で裏づけています。個別最適化ポイントは、各ボタンの導線先を確認事項として添えている点です。

Web実装・WordPress

Before
採用されにくい例

WordPress実装ができます。よろしくお願いします。

After
改善例

デザイン支給ありの5ページを、WordPressでレスポンシブ実装するご依頼として拝見しました。同様にお問い合わせフォームとプラグイン設定を含めて実装した実績があり、添付の作品1点をご確認いただけます。デザイン受領後1週間で初稿、修正1回込みで金額◯円、納期◯日でご提案します。公開後の保守範囲について確認させてください。継続的な更新対応にも対応します。

採用されにくい例の問題点は、デザイン支給の有無や公開後の保守範囲といった実装条件に触れていないことです。改善例はデザイン支給あり・フォームとプラグイン設定を含む実装という範囲を明示し、実績で裏づけています。個別最適化ポイントは、公開後の保守範囲を確認事項として添えている点です。

Q
確認クイズ
上記の改善例に共通している工夫はどれか?
正解です!
いずれの改善例も、募集文にあった条件に触れたうえで、関連作品・進め方・金額と納期・確認事項・継続対応を順序立てて伝えています。
惜しい!
正解はBです。10種類の改善例はいずれも、募集文の条件に触れながら7ブロックの構成で書かれています。

案件種別ごとの訴求ポイント

提案文で選ぶ理由や関連作品を書くとき、制作物の種類によって発注者が気にするポイントが異なります。応募先の種別に合わせて、次の一覧を参考にしましょう。

案件種別提案で確認・訴求するポイント
バナー媒体、サイズ、ターゲット、訴求内容、素材、派生サイズ、広告目的
チラシ片面/両面、印刷仕様、原稿・素材、情報整理、入稿データ、修正
LPデザインデザインのみか構成・コピー・実装まで含むか、ページ長、レスポンシブ、Figma納品
ホームページデザインページ数、ワイヤー、デザインのみか実装込みか、レスポンシブ、CMS、素材
SNSフィード投稿枚数、テンプレート有無、原稿・素材、投稿目的、継続本数、Canva共有
ショート動画尺、素材・台本、カット、テロップ、BGM、演出、縦型比率、修正、継続本数
YouTubeサムネイルチャンネルの視聴者、タイトル、素材、見せ方の工夫、継続本数
LINEリッチメニューボタン数、導線、ブランドトーン、画像のみか設定込みか、修正
Web実装・WordPressデザイン支給の有無、ページ数、レスポンシブ、CMS、フォーム、プラグイン、公開・保守範囲

この一覧は、募集文を読むときのチェック項目としても、提案文で触れるべき項目としても使えます。バナーであれば媒体とサイズ、ショート動画であれば尺と縦型比率のように、種別ごとに発注者が真っ先に気にする項目から確認・言及していきましょう。

全文コピペを避ける

提案文の基本構成は共通していますが、すべての案件へ同じ文面をそのまま使い回すのは避けましょう。

✓ Point !
案件固有の一文と作品を必ず選ぶ

7ブロックの型は使い回してよいものの、依頼理解と選ぶ理由の部分には、その募集文に固有の一文を必ず入れます。関連作品も、案件と近いものをそのつど選び直しましょう。この2点が入っているだけで、発注者から見た印象は大きく変わります。

全文コピペの提案文は、発注者から見ると他の応募者との区別がつきにくく、選考で不利になりやすくなります。基本構成をテンプレートとして持ちながら、案件ごとに固有の内容を差し込む習慣をつけましょう。

Q
確認クイズ
提案文の基本構成を使い回すときに、案件ごとに必ず変えるべき部分はどれか?
正解です!
依頼理解・選ぶ理由に案件固有の一文を入れ、関連作品も案件に近いものを選び直すことで、全文コピペとの違いが生まれます。
惜しい!
正解はBです。7ブロックの構成自体は使い回してよいものの、依頼理解・選ぶ理由の一文と関連作品は案件ごとに変えます。
SUMMARY
  1. 提案文は依頼理解・選ぶ理由・関連作品・進め方・金額と納期・確認事項・継続対応の7ブロックで構成する
  2. 発注者は特に依頼理解選ぶ理由に注目する
  3. 案件種別ごとに訴求すべきポイントは異なるため、一覧を参考に使い分ける
  4. 基本構成は使い回してよいが、案件固有の一文と関連作品は必ず変える
CHECK
理解度チェック
提案文の基本構成7ブロックを答えられるか?
依頼理解、選ぶ理由、関連作品、進め方、金額・納期、確認事項、継続対応の7つです。
案件種別ごとに訴求ポイントが異なる理由を説明できるか?
制作物の種類によって発注者が気にする条件(サイズ、尺、実装範囲など)が異なるため、種別ごとに提案で触れるべき内容が変わります。
全文コピペを避けるために何を変えるべきか説明できるか?
依頼理解・選ぶ理由の一文には案件固有の内容を入れ、関連作品も案件に近いものをそのつど選び直します。