面談・有償トライアルを安全に進める
CHAPTER 3
面談・有償トライアルを安全に進める
全4レッスン 面談で説明・確認する項目の整理から、有償トライアルの受諾判断、契約前に確認すべきNDA・再委託の条件までを一気通貫で整理する ⏱ 所要時間:約75分
CHAPTER 3
面談で説明すること
LESSON 3-1 面談・有償トライアルを安全に進める ⏱ 所要時間:約20分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • 得意領域・実績・制作プロセス・品質管理・稼働・連絡・苦手領域・希望する協業方法の8項目を簡潔に説明できる
  • 8項目を面談トークメモに整理できる
  • 記入例を参考に、自分の面談トークメモを完成できる

前のChapterでは、営業文とスキルシートを完成させました。この2つの資料を送って返信があり、面談が決まったら、次は面談で何を話すかを整理しておく必要があります。このレッスンでは、面談で説明する8項目を確認し、面談トークメモとして整理します。

面談で聞かれるままに答えていた受講生がいます。得意領域や実績について話しているうちに時間が長くなり、稼働条件や苦手領域については聞かれないまま面談が終わりました。後日、稼働時間が合わないことが分かり、依頼は見送られました。

説明項目8つの解説

面談トークメモには、次の8項目を記入します。いずれも、相手が短い面談時間の中で依頼可否を判断するために必要な情報です。

面談で説明する8項目
得意領域
Chapter1で整理した4領域のうち、対応できる領域を伝えます。
実績
学習作品と有償実績の有無を、スキルシートの内容に沿って伝えます。
制作プロセス
依頼を受けてから納品するまでの制作手順を伝えます。
品質管理
納品前にどのように確認しているかを伝えます。
稼働
週・月に対応できる時間の目安を伝えます。
連絡
対応時間・返信目安を伝えます。
苦手領域
対応が難しい工程・領域を伝えます。
希望する協業方法
継続的にどのように仕事を任せてほしいかを伝えます。

この8項目のうち、得意領域・実績・制作プロセス・品質管理は自分の強みを伝える情報で、稼働・連絡は依頼を受けたあとの進め方に関わる情報です。両方をそろえて伝えることで、相手は品質面だけでなく、実際に依頼したときに無理なく進行できるかどうかも判断できます。苦手領域と希望する協業方法まで話しておくと、相手はどの工程をどれくらいの頻度で任せられるかを、面談の時点で具体的にイメージできます。

✓ Point !
苦手領域は隠さず伝える

対応が難しい工程を正直に伝えましょう。苦手領域を隠したまま案件を受けると、対応しきれない依頼を任されてしまい、納期や品質を守れなくなる原因になります。事前に伝えておけば、相手は依頼する工程を選んで任せることができます。

Q
確認クイズ
面談で苦手領域について聞かれた受講生が、答え方として適切なのはどれか?
正解です!
苦手領域を正直に伝えることで、相手は依頼する工程を選んで任せることができます。隠すと、対応しきれない依頼を任されるミスマッチが起こります。
惜しい!
正解はAです。苦手領域を隠したり話題を変えたりすると、後から対応しきれない依頼を任されるミスマッチが起こります。

記入シート:面談トークメモ

8項目それぞれについて、面談で話す内容を整理しましょう。

得意領域、実績、制作プロセス、品質管理、稼働、連絡、苦手領域、希望する協業方法を記入してください。

項目記入欄
得意領域
実績
制作プロセス
品質管理
稼働
連絡
苦手領域
希望する協業方法

入力内容はこのブラウザに保存され、次回このページを開いたときに復元されます。別の端末・ブラウザからは見れません。
ただしブラウザのキャッシュをクリアすると消えてしまうため、大事な内容はメモやNotionにも控えておくと安心です。

記入例と面談トーク例

記入に迷う場合は、次の2つの記入例と、実際に話すときの例文を参考にしてください。

パターン1:有償実績なし版

得意領域Webデザイン
実績学習期間8ヶ月、有償実績なし
制作プロセスヒアリング→ワイヤーフレーム→デザインカンプ→修正→納品
品質管理提出前にチェックリストで表記統一・リンク切れ等を確認
稼働週8〜10時間程度
連絡平日20時〜23時対応、返信は24時間以内
苦手領域コーディングは対応領域外
希望する協業方法バナー制作から始め、実績を積みながら対応範囲を広げたい

パターン2:一定実績あり版

得意領域Webデザイン、Web制作(コーディング)
実績クラウドソーシングでの有償実績12件
制作プロセスヒアリング→ワイヤーフレーム→デザインカンプ→コーディング→レビュー→納品
品質管理表示崩れ・リンク切れ・レスポンシブ対応を確認してから納品
稼働週15〜20時間程度
連絡平日10時〜22時対応、返信は12時間以内
苦手領域CMSのカスタマイズ開発は対応領域外
希望する協業方法LP制作を中心に、継続的に一定量の案件を任せてほしい

2つのパターンを比べると、実績の量や対応できる工程には差がありますが、苦手領域を明確に伝えている点は共通しています。実績が少ない段階でも、対応できる範囲とできない範囲を分けて伝えることが、信頼につながります。

SAMPLE 面談トーク例(パターン1をもとにした話し方)

対応できる領域はWebデザインで、コーディングは対応領域外です。 学習期間は8ヶ月で、有償の実績はまだありません。 制作は、ヒアリングからワイヤーフレーム、デザインカンプ、修正を経て納品する流れで進めています。 納品前には、チェックリストを使って表記の統一やリンク切れがないかを確認しています。 稼働は週8〜10時間程度で、平日20時から23時であれば対応でき、返信は24時間以内を目安にしています。 バナー制作から始めさせていただき、実績を積みながら対応範囲を広げていきたいと考えています。

Q
確認クイズ
面談で品質管理について話すとき、伝えるべき内容として適切なのはどれか?
正解です!
品質管理は、納品前の具体的な確認手順を伝えることで、相手は成果物の仕上がりを事前にイメージできます。
惜しい!
正解はAです。抽象的な感想や過去の評価コメントの紹介では、実際にどう品質を担保しているかが伝わりません。
上の記入シートに実際に記入し、面談トークメモを完成させましょう。
SUMMARY
  1. 面談では得意領域・実績・制作プロセス・品質管理・稼働・連絡・苦手領域・希望する協業方法の8項目を説明する
  2. 苦手領域は隠さず伝えることで、依頼後のミスマッチを防げる
  3. 品質管理は、抽象的な感想ではなく具体的な確認手順を伝える
  4. 有償実績がない場合も、学習期間と実績がないことをそのまま伝える
  5. この面談トークメモは、次のレッスンで作る面談・トライアル確認表とあわせて使う
CHECK
理解度チェック
面談で説明する8項目をすべて答えられるか?
得意領域、実績、制作プロセス、品質管理、稼働、連絡、苦手領域、希望する協業方法の8項目です。
苦手領域を正直に伝える理由を説明できるか?
隠したまま案件を受けると、対応しきれない依頼を任されて納期や品質を守れなくなります。事前に伝えておけば、相手は依頼する工程を選んで任せられます。
品質管理について話すときに伝えるべき内容を説明できるか?
抽象的な感想ではなく、納品前にどのように確認しているかという具体的な確認手順を伝えます。

CHAPTER 3
面談で確認すること
LESSON 3-2 面談・有償トライアルを安全に進める ⏱ 所要時間:約25分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • 案件種別・商流・指示者・成果物・使用ツール・レビュー・納期・修正・報酬・支払い・継続可能性の11項目を確認できる
  • 11項目を面談・トライアル確認表に整理できる
  • 記入例を参考に、自分の確認表を完成できる

前のレッスンでは、面談で自分から説明する8項目を確認しました。面談は自分のことを伝えるだけでなく、相手の案件について確認する場でもあります。このレッスンでは、面談で確認すべき11項目を確認し、面談・トライアル確認表に整理します。

商流や修正回数を確認しないまま案件を受けた受講生がいます。実際に案件が始まると、間に別の会社を挟む商流であることが後から分かり、修正依頼も想定より多く、報酬の支払い時期も当初のイメージと違っていました。面談の時点で確認していれば、受ける前に条件を調整できたはずです。

確認項目11個の解説

面談・トライアル確認表には、次の11項目を記入します。いずれも、契約する前に自分から質問して確認しておく項目です。

面談で確認する11項目
案件種別
どんな種類の案件か(Webサイト制作、バナー量産等)を確認します。
商流
元請けか、間に別の会社が入る商流かを確認します。
指示者
誰から直接指示を受けるかを確認します。
成果物
納品するファイル形式・仕様を確認します。
使用ツール
制作に使うツール・バージョンを確認します。
レビュー
誰がどのようにレビューし、フィードバックを返すかを確認します。
納期
初回および継続時の納期の目安を確認します。
修正
修正回数と、回数を超えた場合の扱いを確認します。
報酬
単価と算出方法を確認します。
支払い
支払いのタイミングと方法を確認します。
継続可能性
トライアル後に継続発注される見込みを確認します。

11項目のうち、商流と修正は特にトラブルにつながりやすい項目です。商流を確認しないまま契約すると、実際には元請けからさらに別の会社を経由した案件で、指示や報酬の条件が思っていたものと違うことがあります。修正回数を確認しないまま契約すると、実案件と変わらない量の追加修正を無償で求められることもあります。11項目をあらかじめ確認しておくことで、契約後に条件のずれが表面化するリスクを減らせます。

✓ Point !
数字に関わる項目は具体的な数字で確認する

報酬・支払い・修正回数のように数字が関わる項目は、口頭のやり取りだけで済ませず、金額や回数を具体的な数字で確認しましょう。数字が曖昧なまま契約すると、後から認識のずれが表面化しやすくなります。

Q
確認クイズ
面談で修正回数について確認しなかった受講生が、契約後に直面しやすい問題はどれか?
正解です!
修正回数を事前に確認しないと、回数の上限や超過分の扱いが曖昧なまま進行し、無償での追加対応を求められることがあります。
惜しい!
正解はAです。修正回数の確認漏れは、納期の短縮やツールの変更とは直接関係しません。

記入シート:面談・トライアル確認表

11項目それぞれについて、面談で確認した内容を記入しましょう。

案件種別、商流、指示者、成果物、使用ツール、レビュー、納期、修正、報酬、支払い、継続可能性を記入してください。

項目記入欄
案件種別
商流
指示者
成果物
使用ツール
レビュー
納期
修正
報酬
支払い
継続可能性

入力内容はこのブラウザに保存され、次回このページを開いたときに復元されます。別の端末・ブラウザからは見れません。
ただしブラウザのキャッシュをクリアすると消えてしまうため、大事な内容はメモやNotionにも控えておくと安心です。

記入例(完成イメージ)

記入に迷う場合は、完成イメージと次の2つの記入例を参考にしてください。会社種別が変わっても、11項目すべてを具体的な条件で埋めている点は共通しています。

パターン1:Web制作会社との面談を想定

案件種別コーポレートサイトのコーディング案件
商流元請け(エンドクライアントから直接受注)
指示者ディレクター1名
成果物HTML/CSS/JavaScript一式、レスポンシブ対応
使用ツールFigma、VSCode、GitHub
レビューディレクターが確認後、修正指示を受ける
納期初回は依頼から2週間、継続時は1週間程度
修正3回まで無償、以降は都度相談
報酬1ページあたりの単価制
支払い納品月の翌月末払い
継続可能性初回案件の品質次第で継続を検討

パターン2:広告代理店との面談を想定

案件種別SNS広告バナーの量産
商流元請け(広告主から直接受注)
指示者広告運用担当者1名
成果物バナー画像一式(指定サイズ複数)
使用ツールFigma、指定のブランドガイドライン
レビュー運用担当者が確認し、日次でフィードバック
納期依頼から3営業日
修正2回まで無償、以降は追加費用
報酬1本あたりの単価制
支払い月末締め翌月払い
継続可能性週あたりの本数が安定すれば継続発注

2つのパターンを比べると、案件種別や報酬の算出方法には違いがありますが、11項目すべてを具体的な条件で埋めている点は共通しています。曖昧な項目を残したまま契約すると、進行中に認識のずれが表面化しやすくなります。

Q
確認クイズ
面談で継続可能性について確認しておくメリットとして適切なのはどれか?
正解です!
継続可能性を確認しておくと、トライアル後にどのような条件で継続発注されるかを事前に把握でき、その後の稼働計画を立てやすくなります。
惜しい!
正解はAです。継続可能性の確認は、報酬額や修正回数の条件を直接変えるものではありません。
上の記入シートに実際に記入し、Chapter3の成果物である面談・トライアル確認表を完成させましょう。
SUMMARY
  1. 面談・トライアル確認表には案件種別・商流・指示者・成果物・使用ツール・レビュー・納期・修正・報酬・支払い・継続可能性の11項目を記入する
  2. 商流と修正回数は、特にトラブルにつながりやすい項目
  3. 報酬・支払い・修正回数のように数字が関わる項目は、具体的な数字で確認する
  4. 会社種別が変わっても、11項目すべてを具体的な条件で埋めることが土台になる
  5. 継続可能性を確認しておくと、その後の稼働計画を立てやすくなる
CHECK
理解度チェック
面談で確認する11項目をすべて答えられるか?
案件種別、商流、指示者、成果物、使用ツール、レビュー、納期、修正、報酬、支払い、継続可能性の11項目です。
商流を確認しないまま契約するとどんな問題が起きるか説明できるか?
元請けからさらに別の会社を経由した案件だった場合、指示や報酬の条件が思っていたものと違うことがあります。
継続可能性を確認しておくメリットを説明できるか?
トライアル後にどのような条件で継続発注されるかを事前に把握でき、その後の稼働計画を立てやすくなります。

CHAPTER 3
有償トライアルの判断
LESSON 3-3 面談・有償トライアルを安全に進める ⏱ 所要時間:約15分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • 評価対象・作業範囲・納期・報酬・成果物利用・合否連絡の6項目を確認できる
  • 無償トライアルを避けたほうがよい理由を説明できる
  • 提示された条件から、トライアル受諾可否を判断できる

前のレッスンでは、面談で確認する11項目を整理しました。面談で好感触を得たあと、多くの会社は本発注の前に有償トライアルを挟みます。このレッスンでは、有償トライアルを受ける前に確認しておく6項目と、提示された条件から受諾可否を判断する基準を確認します。

面談後に「まずは実力を見たいので、1件無償でお願いできますか」と言われ、条件を確認しないまま作業を始めた受講生がいます。作業範囲や納期があいまいなまま進め、提出したあとは合否の連絡がなく、成果物がどう扱われたのかも分からないまま話が終わりました。

確認すべき6項目

有償トライアルを受ける前には、次の6項目を確認しておく必要があります。いずれも、トライアルが正当な評価目的で行われているかどうかを見極める材料になります。

有償トライアル前に確認する6項目
評価対象
何を基準に合否を判断するか(対応スピード・指示の理解度・品質等)を確認します。
作業範囲
本番案件の一部を任されるのか、独立した課題として進めるのかを確認します。
納期
いつまでに提出すればよいかを確認します。
報酬
トライアルに対して報酬が支払われるか、金額はいくらかを確認します。
成果物利用
提出した成果物が、合否に関わらず実案件に使われる可能性があるかを確認します。
合否連絡
いつ、どのような方法で合否を知らせてもらえるかを確認します。

この6項目のうち、報酬と成果物利用はとくに見落とされやすい項目です。評価目的のトライアルであれば、発生した作業に対して報酬を支払うのが筋であり、無償で作業だけを求める進め方は、評価という名目の無償労働になっている可能性があります。

✓ Point !
無償トライアルは推奨しない

無償で提出した成果物は、合否に関わらずそのまま実案件に使われても、受講生側から確認する手段がなく、正当な評価が行われているかを判断できません。トライアルを打診されたときは、まず有償化を相談できないか確認しましょう。

Q
確認クイズ
面談後に「実力を見たいので無償でお願いします」と言われた受講生が、教材の方針に沿って取るべき対応はどれか?
正解です!
評価目的の作業には報酬が発生するのが筋です。無償を求められたときは、まず有償化を相談しましょう。
惜しい!
正解はAです。無償のまま条件を確認せずに引き受けると、成果物の扱いや評価基準が不明なまま作業が進んでしまいます。

良い条件と避けたい条件

6項目それぞれについて、避けたい条件と良い条件を比較しましょう。

確認項目避けたい条件(NG)良い条件(OK)
評価対象評価基準の説明がない評価基準が事前に説明される
作業範囲本番案件の一部を無限定で求められる独立した課題として範囲が明確に示される
納期納期が明示されない、または極端に短い現実的な納期が示される
報酬無償で提示される有償で、金額が明示される
成果物利用利用範囲の説明がないまま提出を求められる利用範囲・転用の有無が説明される
合否連絡連絡時期も方法も示されない期日と方法があらかじめ示される

表を見ると分かるとおり、避けたい条件に共通しているのは、条件が示されないまま作業だけが進む点です。評価基準や納期、報酬があいまいな状態で作業を始めると、後から思っていた条件と違うという状況になりやすく、合否の結果にも納得しにくくなります。

例えば、作業範囲を確認しないままトライアルを受けた場合、本来は独立した課題のはずが、実際には本番案件の一部をそのまま担当させられていた、という状況につながることがあります。

Q
確認クイズ
受講生が、成果物の利用範囲を確認しないままトライアルの課題を提出した。起こりうる問題として適切なのはどれか?
正解です!
成果物利用の範囲を確認していないと、合否に関わらず成果物がそのまま実案件に使われても気づけません。
惜しい!
正解はAです。納期や報酬の変更とは関係なく、成果物の扱いが不透明なまま進む点が問題です。

判断まとめ早見表

6項目を確認した結果は、次の3つの視点でまとめて判断できます。

チェック視点見送りを検討したい(NG)受諾を検討できる(OK)
報酬無償のまま提示され、変更もできない有償トライアルとして提示されている
項目の説明6項目のうち複数の説明がない6項目すべてに具体的な説明がある
成果物利用利用範囲の説明がない利用範囲が明確に説明される

この3つの視点のうち、報酬が無償のまま変更できない場合は、受諾を見送ることも選択肢に入れましょう。有償トライアルへの変更を相談したうえで判断することが、トライアルを安全に進める第一歩です。

SUMMARY
  1. 有償トライアル前に評価対象・作業範囲・納期・報酬・成果物利用・合否連絡の6項目を確認する
  2. 無償トライアルは推奨しない。評価目的の作業にも報酬が発生するのが筋である
  3. 避けたい条件に共通するのは、条件が示されないまま作業だけが進む点
  4. 成果物利用の範囲を確認しないと、説明のないまま実案件に使われる可能性がある
  5. 報酬・項目の説明・成果物利用の3視点で受諾可否を判断する
CHECK
理解度チェック
有償トライアル前に確認する6項目をすべて答えられるか?
評価対象、作業範囲、納期、報酬、成果物利用、合否連絡の6項目です。
無償トライアルを推奨しない理由を説明できるか?
無償で提出した成果物は、合否に関わらずそのまま実案件に使われても確認する手段がなく、正当な評価が行われているかを判断できないためです。
提示された条件からトライアルの受諾可否を判断できるか?
報酬・項目の説明・成果物利用の3視点で確認します。報酬が無償のまま変更できない場合は、受諾を見送ることも選択肢に入れます。

CHAPTER 3
NDA・再委託・契約の注意
LESSON 3-4 面談・有償トライアルを安全に進める ⏱ 所要時間:約16分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • 秘密情報・データ保管・実績公開・著作権・再委託可否・競業・連絡手段・契約終了の8項目を確認できる
  • 確認を優先すべきケースと、優先度を下げてよいケースを判断できる
  • 契約上の疑問が残る場合に、専門家へ確認する必要性を理解している

前のレッスンでは、有償トライアルを受ける前に確認しておく6項目を整理しました。トライアルを経て契約に進む段階では、NDA(秘密保持契約)や再委託、契約終了の条件など、契約書に関わる項目も確認しておく必要があります。このレッスンでは、確認しておく8項目と、確認を優先すべきケース・優先度を下げてよいケースを整理します。

契約書の内容を読まずに署名した受講生がいます。案件が終わったあと、制作物をポートフォリオに載せようとしたところ、契約書に実績公開を禁止する条項が入っていることに気づきました。面談で聞いていた内容とは違う条件が、契約書には明記されていました。

確認項目8つの解説

NDA・再委託・契約終了に関わる項目として、次の8項目を確認しておく必要があります。いずれも、契約書に明記されているかどうかを実際に確認するべき項目です。

契約前に確認する8項目
秘密情報
案件内容やクライアント情報など、外部に話してはいけない範囲を確認します。
データ保管
支給データ・制作データの保管期間や削除のタイミングを確認します。
実績公開
制作した成果物をポートフォリオ等で公開してよいかを確認します。
著作権
成果物の著作権が誰に帰属するかを確認します。
再委託可否
受けた業務の一部を別の協力者に任せてよいかを確認します。
競業
同業他社や競合案件を並行して受けてよいかを確認します。
連絡手段
契約後の連絡に使うツール・チャネルの指定があるかを確認します。
契約終了
契約解除の条件や、解除を伝える予告期間を確認します。

8項目のうち、秘密情報と著作権はとくにトラブルにつながりやすい項目です。秘密情報の範囲を確認しないまま案件内容をSNS等で発信すると、契約違反にあたる可能性があります。著作権の帰属を確認しないまま成果物を別の用途に使うと、依頼主との間で認識のずれが生じます。

✓ Point !
契約書は署名前に必ず読む

契約書に書かれている内容は、面談で口頭説明された内容と異なる場合があります。署名する前に契約書そのものに目を通し、8項目がどのように記載されているかを確認しましょう。

Q
確認クイズ
秘密情報の範囲が契約書に明記されていないまま、受講生がSNSで「〇〇社の案件を担当しました」と投稿しようとしている。適切な対応はどれか?
正解です!
秘密情報の範囲を確認しないまま案件内容を発信すると、契約違反にあたる可能性があります。投稿前に必ず確認しましょう。
惜しい!
正解はAです。会社名を伏せる、納品後であるといった条件は、秘密情報の範囲の確認を省略できる理由にはなりません。

確認すべきケースと優先度を下げてよいケース

8項目のうち、どのような場面で優先的に確認すべきかを整理しましょう。

項目確認すべきケース確認の優先度を下げてよいケース
秘密情報案件内容やクライアント名を外部に話せるか不明な場合公開情報としてすでに扱われている案件の場合
データ保管クラウド等で支給データをやり取りする場合支給データがなく、自分の環境だけで作業が完結する場合
実績公開有償の制作物をポートフォリオに載せたい場合学習作品のみを引き続き公開する場合
著作権成果物を今後別の用途にも使いたい場合著作権の帰属が契約書に明記され、疑問がない場合
再委託可否一部の工程を別の協力者に任せたい場合すべての工程を自分一人で対応する場合
競業同業他社や競合案件も並行して受けたい場合依頼元と重なる競合案件を受ける予定がない場合
連絡手段使用ツールの指定有無が事前に分からない場合使用ツールがすでに指定され合意している場合
契約終了契約解除の条件が契約書に明記されていない場合解除条件・予告期間がすでに明記されている場合

表から分かるとおり、確認の優先度が上がるのは、自分が今後やりたいこと(実績公開・再委託・競業案件の受注等)と、契約条件が矛盾する可能性がある場面です。反対に、契約書にすでに明記されていて、自分の状況とも矛盾しない場合は、確認の優先度を下げて進めることができます。

例えば、著作権の帰属を確認しないまま契約した場合、納品後に成果物を自分のポートフォリオへ転載しようとした際、著作権が依頼主側に帰属していて無断転載にあたる、という状況につながることがあります。契約前に確認しておけば、公開できる範囲をあらかじめ依頼主と合意しておけます。

Q
確認クイズ
受講生が忙しくなり、一部の作業を知人に手伝ってもらおうとしている。契約書には再委託についての記載がない。適切な対応はどれか?
正解です!
契約書に記載がない場合でも、再委託は依頼主との信頼関係に関わる項目です。無断で進めず、事前に確認しましょう。
惜しい!
正解はAです。記載がないことや無償であることは、再委託の確認を省略できる理由にはなりません。

判断まとめ早見表

8項目を確認した結果は、次の3つの視点でまとめて判断できます。

チェック視点対応が必要(要確認)対応済み(OK)
契約書の明記秘密情報・著作権・再委託可否等が契約書に明記されていない契約書に条項として明記されている
自分の状況との一致実績公開や再委託など、自分がやりたいことと契約条件が矛盾する可能性がある自分の希望する働き方と契約条件が一致している
疑問点の解消契約書の文言の意味が分からないまま署名しようとしている疑問点を確認し、納得してから署名している

この3つの視点のうち、対応が必要な項目が残っている場合は、契約前に依頼主へ質問して解消しておきましょう。契約書に署名したあとでは、条件を変更してもらうことが難しくなります。

! 注意
契約条件の疑問は専門家に確認する

NDA・再委託・契約終了の条件は、会社や案件ごとに内容が異なります。契約書の文言の意味や、自分のケースに当てはまるかどうかの判断に迷う場合は、契約前に弁護士等の専門家へ確認しましょう。

SUMMARY
  1. 契約前に秘密情報・データ保管・実績公開・著作権・再委託可否・競業・連絡手段・契約終了の8項目を確認する
  2. 秘密情報と著作権はとくにトラブルにつながりやすい項目である
  3. 確認の優先度が上がるのは、自分がやりたいことと契約条件が矛盾する可能性がある場面
  4. 判断は契約書の明記・自分の状況との一致・疑問点の解消の3視点で行う
  5. 契約書の内容に判断が難しい疑問が残る場合は、専門家へ確認する
CHECK
理解度チェック
契約前に確認する8項目をすべて答えられるか?
秘密情報、データ保管、実績公開、著作権、再委託可否、競業、連絡手段、契約終了の8項目です。
確認を優先すべきケースと優先度を下げてよいケースを見分けられるか?
自分が今後やりたいことと契約条件が矛盾する可能性がある場面は優先的に確認します。契約書にすでに明記され、自分の状況とも矛盾しない場合は優先度を下げられます。
契約書の内容に疑問が残るとき、どうすればよいか説明できるか?
契約書の文言の意味や自分のケースへの当てはめに迷う場合は、契約前に弁護士等の専門家へ確認します。