営業先と自分の提供条件を整理する
CHAPTER 1
営業先と自分の提供条件を整理する
全4レッスン 営業先の探し方・優先順位のつけ方を確認し、自分の対応範囲と提供条件を整理して、営業に使う候補リストと提供条件シートを仕上げる ⏱ 所要時間:約70分
CHAPTER 1
営業先の探し方
LESSON 1-1 営業先と自分の提供条件を整理する ⏱ 所要時間:約20分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • 「外部パートナー募集」「業務委託」等のキーワードで募集ページを探せる
  • 募集ページから対応領域・規模・採用情報を確認できる
  • 制作実績ページを確認し、候補リストに記録できる

Chapter 0では、パートナー営業の全体像と、制作会社が外部パートナーに求める条件を確認しました。このレッスンからはChapter 1に入り、実際に営業先の候補を探すところから始めます。

営業先探しの第一歩は、募集ページを見つけることです。このレッスンでは、募集ページの探し方から、確認すべき情報、候補リストへの記録までを順番に進めます。

SNS運用代行のスキルを身につけた受講生が、営業先を探そうとしています。「SNS運用代行 会社」で検索してみましたが、出てくるのはSNS運用代行を請け負う会社ばかりで、外部パートナーを募集しているページを見つけられませんでした。実は、募集ページを見つけるには、もう少し的を絞ったキーワードで探す必要があります。

完成イメージを確認しよう

このレッスンを終えると、営業先の候補を一覧にまとめた候補リストができあがります。まずは、どのような形に仕上がるのか完成イメージを確認しておきましょう。

会社名募集ページURL対応領域規模採用情報制作実績の傾向
候補1(SNS運用代行会社A)https://example-a.co.jp/partner/SNS投稿制作社員20名程度業務委託を随時募集飲食・美容系が中心
候補2(デザイン制作会社B)https://example-b.co.jp/recruit/バナー・LP制作社員8名程度実績3件以上で応募可ECサイトの販促バナーが中心
候補3(動画制作会社C)https://example-c.co.jp/join/ショート動画編集社員5名程度ポートフォリオ提出制SNS広告用の縦型動画が中心

完成イメージのように、候補リストには会社名や募集ページのURLだけでなく、対応領域・規模・採用情報・制作実績の傾向まで記録します。この情報がそろっていると、次のレッスンで優先順位をつける際に、候補同士を並べて比較できるようになります。

事前準備チェック

募集ページを探し始める前に、次の2点を準備しておきましょう。準備を整えておくことで、見つけた情報をその場で記録でき、後から探し直す手間を減らせます。

📋 事前準備
  • 候補を記録できるスプレッドシートやメモアプリ:見つけた会社の情報をその場で記録できるようにしておきます
  • 自分の対応領域・使用ツール・実績をまとめたメモ:募集ページを開いたときに、任せてもらえそうな工程かをすぐ照らし合わせられます

募集ページを探す

1
検索キーワードを組み合わせる

制作会社や広告代理店の多くは、外部の制作パートナーを募集するとき、自社サイト内に募集ページを用意しています。まずは次の3つのキーワードを、業種名や会社名と組み合わせて検索しましょう。

  • 「外部パートナー募集」
  • 「業務委託」
  • 「協力会社」
「Web制作会社 業務委託」で検索したGoogleの検索結果画面
Google検索 ―「Web制作会社 業務委託」の検索結果一覧(2026年8月時点)

業務委託や協力会社だけで検索すると、制作会社以外の業種の求人も多く混ざります。Web制作会社・デザイン会社・広告代理店・SNS支援会社・動画制作会社のように、狙いたい会社種別の名称を組み合わせると、募集ページを見つけやすくなります。

✓ Point !
会社種別の名称とキーワードを組み合わせる

検索キーワード単体では関係のない業種の求人も表示されます。狙いたい会社種別の名称(Web制作会社・デザイン会社・広告代理店・SNS支援会社・動画制作会社等)とキーワードを組み合わせて検索範囲を絞りましょう。

募集ページの確認ポイント

募集ページを見つけたら、次の3点を確認します。この3点は、自分と会社の相性を判断するための材料になります。

募集ページで確認する3点
対応領域
その会社が得意とする制作領域や、募集している工程が何か。自分のスキルと重なっているかを確認します。
規模
在籍人数や取引実績のボリューム感。案件の量や進め方が、自分の対応可能な範囲と釣り合うかの目安になります。
採用情報
募集の背景、稼働形態、応募条件など。今まさに外部パートナーを探しているかどうかを判断できます。

対応領域が自分のスキルと重なっていなければ、応募しても任せてもらえる工程がなく、営業として成立しません。規模を確認せずに応募すると、案件のペースや進め方が自分の稼働と大きく食い違う可能性があります。採用情報を見落とすと、すでに募集を締め切っている会社に営業してしまうこともあります。

Q
確認クイズ
バナー制作を得意とする受講生が、ある広告代理店の募集ページを見つけた。まず確認すべき内容として最も適切なのはどれか?
正解です!
対応領域が自分のスキルと重なっているかどうかは、応募して任せてもらえる工程があるかを左右する最初の確認ポイントです。
惜しい!
正解はBです。設立年数やオフィスの所在地、社名の由来は、募集ページで最初に確認すべき情報ではありません。対応領域・規模・採用情報の3点を優先しましょう。

制作実績ページを確認する

募集ページの確認が終わったら、同じ会社の制作実績ページも見ておきましょう。実績ページには、募集ページだけではわからない情報が含まれています。

制作会社の公式サイトでは、グローバルナビの「実績」や「Works」から制作実績一覧ページに進むと、業種や制作物の種類が確認できる形で実績が複数点並んでいます。実績ページからは、その会社が普段どのような制作物を、どのくらいの分野の広がりで手がけているかがわかります。掲載されている実績の分野が、自分の対応領域と重なっているほど、応募したときに任せてもらえる工程がある可能性が高くなります。

逆に、実績のほとんどが自分の対応できない分野に偏っている場合は、募集ページの対応領域と実際の案件内容にずれがあるかもしれません。募集ページと実績ページの両方を見比べておくと、応募後の認識のずれを防げます。

候補リストに記録しよう

ここまで確認した内容を、候補リストに記録していきましょう。1社ずつ、募集ページと実績ページで確認した内容を書き込みます。

見つけた会社ごとに、会社名・募集ページURL・対応領域・規模・採用情報・制作実績の傾向を記入してください。

会社名募集ページURL対応領域規模採用情報制作実績の傾向

入力内容はこのブラウザに保存され、次回このページを開いたときに復元されます。別の端末・ブラウザからは見れません。
ただしブラウザのキャッシュをクリアすると消えてしまうため、大事な内容はメモやNotionにも控えておくと安心です。

候補は3社に絞る必要はなく、見つかった分だけ行を増やして記録して構いません。ここで記録した候補リストは、次のレッスンで優先順位をつける際にそのまま使います。

Q
確認クイズ
候補リストに記録する情報として、このレッスンで扱っていないものはどれか?
正解です!
候補リストに記録するのは、会社名・募集ページURL・対応領域・規模・採用情報・制作実績の傾向です。平均年収は外部パートナーとしての営業では確認しない情報です。
惜しい!
正解はCです。平均年収は社員採用で使われる情報であり、外部パートナーとしての営業先選定では確認しません。
よくあるつまずき Q&A
「外部パートナー募集」のページが見つからない会社もあります。どうすればいいですか?
会社によっては募集ページを常設しておらず、問い合わせフォームからの確認が必要な場合があります。募集ページが見つからないこと自体も、次のレッスンで優先順位をつけるときの判断材料の1つとして候補リストに記録しておきましょう。
制作実績が少ない会社は候補から外すべきですか?
実績の量だけで判断する必要はありません。掲載されている実績の分野が自分の対応領域と重なっているかどうかを優先して確認しましょう。
候補は一度に何社くらい探せばよいですか?
一度に多くの候補を集める必要はありません。次のレッスンで優先順位をつけていくため、まずは無理のない範囲で候補を記録していきましょう。
SUMMARY
  1. 募集ページは「外部パートナー募集」「業務委託」等のキーワードと会社種別の名称を組み合わせて探す
  2. 募集ページでは対応領域・規模・採用情報の3点を確認する
  3. 制作実績ページで、実績の分野が自分の対応領域と重なっているかを確認する
  4. 確認した内容は候補リストに記録し、次のレッスンで優先順位をつける
  5. この候補リストは、章の成果物である営業先選定表の土台になる
CHECK
理解度チェック
募集ページを探すときのキーワードを答えられるか?
「外部パートナー募集」「業務委託」等のキーワードを、狙いたい会社種別の名称と組み合わせて検索します。
募集ページで確認する3点を説明できるか?
対応領域・規模・採用情報の3点です。自分のスキルとの重なり、案件のペースとの相性、募集が実際に行われているかを判断する材料になります。
制作実績ページを確認する理由を説明できるか?
実績の分野が自分の対応領域と重なっているかを確認するためです。募集ページと実績ページを見比べることで、応募後の認識のずれを防げます。

CHAPTER 1
営業先の優先順位
LESSON 1-2 営業先と自分の提供条件を整理する ⏱ 所要時間:約15分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • 募集の有無・得意領域・制作物の品質・案件規模・働き方・実績要件・自分との補完関係の7つの軸を説明できる
  • 2社の候補を7つの軸で比較し、優先順位を判断できる
  • 候補リストに優先順位を書き加えられる

前のレッスンで、営業先の候補を探し、候補リストに記録しました。候補が複数見つかった場合、すべてに同時に営業するのではなく、優先順位をつけてから進める方が効率的です。このレッスンでは、優先順位を判断する7つの軸と、実際の判断の進め方を確認します。

候補リストに5社を記録した受講生がいます。どこから営業を始めればよいかわからず、リストの上から順に、思いつくままに営業文を送り始めました。結果として、自分の対応領域とは重ならない会社にも営業してしまい、返信のない状態が続いています。候補リストは、記録した順ではなく、判断軸にもとづいて優先順位をつけてから使う必要があります。

優先度判断軸7項目

営業先の優先順位は、次の7つの軸で判断します。いずれも、候補リストに記録した情報や、募集ページ・実績ページから確認できる情報です。

優先度判断軸7項目
募集の有無
外部パートナーを今まさに募集しているか。募集していない会社は、営業しても検討してもらえる可能性が低くなります。
得意領域
その会社が力を入れている制作領域が、自分の対応領域と重なっているか。
制作物の品質
実績ページの制作物が、自分が普段目指している品質水準と近いか。水準が離れすぎていると、任せてもらえる工程が見つかりにくくなります。
案件規模
1件あたりの案件の大きさや、同時に動いている案件の数。自分の対応可能な稼働量と釣り合うか。
働き方
リモート対応の可否、稼働時間の柔軟性など。自分の生活リズムと両立できるか。
実績要件
応募にあたって求められる実績の有無や量。今の自分の実績で応募条件を満たせるか。
自分との補完関係
その会社の制作体制に、自分が不足している工程やリソースを補える立場にいるか。

7つの軸をすべて満点で満たす候補は多くありません。募集の有無と得意領域の重なりを最優先で確認し、その上で残りの軸を確認していくと、判断に時間をかけすぎずに済みます。優先順位づけは、候補を絞り込むためではなく、営業する順番を決めるための作業だと捉えましょう。

高評価・低評価の基準

7つの軸それぞれについて、優先度を上げる基準と下げる基準を確認しましょう。

判断軸優先度を上げる基準優先度を下げる基準
募集の有無募集ページが公開され、応募を受け付けている募集ページが見当たらない、または募集を締め切っている
得意領域自分の対応領域と重なる工程を募集している自分が対応できない工程ばかりを募集している
制作物の品質実績の品質水準が自分の制作物と近い品質水準が大きく離れている
案件規模自分の稼働量に見合う規模の案件が中心1件が大きすぎる、または同時案件数が対応しきれない量
働き方リモート対応可、稼働時間の柔軟性がある出社必須、稼働時間の指定が厳しい
実績要件今の実績で応募条件を満たせる実績要件が今の自分の水準を大きく超えている
自分との補完関係自分が不足工程を補える立場にあるすでに社内で十分に対応できている工程しか募集していない

この表を候補リストに当てはめると、各社が何個の項目で優先度を上げる基準を満たしているかが見えてきます。すべての項目で高評価になる候補は少ないため、まずは募集の有無・得意領域・実績要件のように、応募できるかどうかを左右する項目を優先して確認しましょう。

✓ Point !
低評価が1つあっても即座に除外しない

7項目のうち1つが低評価の基準に当てはまっても、それだけで候補から外す必要はありません。他の項目が高評価であれば、営業文の中で不足している点をどう補えるかを示すことで、検討してもらえる余地が残ります。

Q
確認クイズ
候補リストに残った会社のうち、募集ページが見当たらない会社があった。この会社への対応として最も適切なのはどれか?
正解です!
1つの項目が低評価でも即座に除外する必要はありません。得意領域や自分との補完関係など、他の軸も確認したうえで優先順位を判断しましょう。
惜しい!
正解はBです。募集の有無だけで即座に判断せず、7つの軸を総合的に確認しましょう。

ケース比較:2社を比べてみる

ここまでの基準を使って、実際に2社を比較してみましょう。SNS投稿制作を得意とする受講生が、次の2社を候補リストに残しているケースです。

判断軸A社(SNS支援会社)B社(広告代理店)
募集の有無募集ページで随時募集を明記募集ページに募集背景の記載なし
得意領域SNSのフィード投稿制作が中心バナー・LP制作が中心
制作物の品質実績の品質水準が近い実績の品質水準が近い
案件規模週数本の投稿制作、対応可能な規模複数のバナーを同時進行する規模
働き方リモート対応、稼働時間は柔軟定例会議への参加が必須
実績要件実績要件の記載なし制作実績3件以上を明記
自分との補完関係投稿制作の工程を補完できるバナー制作の実績が少なく補完力が弱い

この受講生の場合、SNSのフィード投稿制作が対応領域であり、有償実績もまだ少ない状態です。A社は得意領域が重なり、案件規模も対応可能な範囲で、実績要件のハードルも低くなっています。B社は得意領域が異なるうえ、実績要件も現時点では満たせません。7つの軸で比較すると、A社を優先して営業する判断が妥当です。

✓ Point !
得意領域と実績要件の重なりを最初に見る

案件規模や働き方の条件が良くても、得意領域が重ならない、または実績要件を満たせない会社は、営業しても検討の土台に乗りにくくなります。まずは得意領域と実績要件で応募できるかどうかを確認し、その上で他の軸を比較しましょう。

Q
確認クイズ
上の比較で、この受講生がB社よりA社を優先すべき最大の理由はどれか?
正解です!
得意領域が自分の対応領域と重なり、実績要件のハードルも低いことが、優先順位を決める最大の理由です。制作物の品質はどちらも近く、単価は今回の情報からは判断できません。
惜しい!
正解はBです。会社の規模や品質水準の近さだけでは判断できません。得意領域の重なりと実績要件を満たせるかどうかが、応募できるかを左右します。

判断まとめ早見表

自分の状況に応じて、どの軸を優先して見るべきかは変わります。次の早見表を参考に、候補リストの優先順位づけを進めましょう。

こんな人は優先して見るべき軸
有償実績がまだ少ない実績要件のハードルが低い会社を優先する
本業や学習と両立させたい働き方(リモート対応・稼働時間の柔軟性)を優先する
対応領域を絞って強みを作りたい得意領域の重なりが深い会社を優先する
複数の会社と並行して取引したい案件規模が小さく、同時案件を持ちやすい会社を優先する
迷ったときは、募集の有無と得意領域の重なりを最優先の判断材料にする

優先順位は一度決めたら固定するものではありません。営業を進める中で返信の傾向や自分の実績が変わったら、候補リストを見直し、優先順位を更新していきましょう。

SUMMARY
  1. 優先順位は募集の有無・得意領域・制作物の品質・案件規模・働き方・実績要件・自分との補完関係の7軸で判断する
  2. 低評価の項目が1つあっても即座に候補から外さず、他の軸と合わせて判断する
  3. 得意領域の重なりと実績要件を満たせるかを、最初の判断材料にする
  4. 自分の状況(実績量・稼働条件・強みの絞り方)によって優先すべき軸は変わる
  5. 優先順位は固定せず、営業を進めながら随時見直す
CHECK
理解度チェック
優先度判断軸7項目をすべて答えられるか?
募集の有無、得意領域、制作物の品質、案件規模、働き方、実績要件、自分との補完関係の7項目です。
低評価の項目が1つあるだけで候補から外すべきではない理由を説明できるか?
他の項目が高評価であれば、営業文の中で不足点をどう補えるかを示すことで検討してもらえる余地が残るためです。
2社を比較して優先順位を判断できるか?
得意領域の重なりと実績要件を満たせるかを最初に確認し、その上で案件規模・働き方などの軸を比較して判断します。

CHAPTER 1
4領域の対応範囲
LESSON 1-3 営業先と自分の提供条件を整理する ⏱ 所要時間:約20分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • Webデザイン・Web制作・SNS運用代行・ショート動画、それぞれの工程の流れを説明できる
  • 4領域について、できる工程・できない工程・使用ツールを整理できる
  • 記入例を参考に、自分の対応範囲シートを作成できる

ここまでのレッスンで、営業先の探し方と優先順位のつけ方を確認しました。このレッスンでは、営業先に伝える対応範囲そのものを整理します。Webデザイン、Web制作、SNS運用代行、ショート動画の4領域について、できる工程・できない工程・使用ツールを明確にしましょう。

面談で「Web制作全般に対応できます」と伝えた受講生がいます。実際に案件が始まると、コーディングだけでなくサーバー移管や独自システムとの連携まで求められ、対応しきれない工程が途中で見つかりました。「対応できる」という言葉を、工程単位まで具体化しないまま伝えてしまったことが原因です。

4領域×工程の全体マップ

Webデザイン、Web制作、SNS運用代行、ショート動画は、それぞれ複数の工程で構成されています。まずは4領域それぞれの工程の流れを確認しましょう。

Webデザイン・Web制作・SNS運用代行・ショート動画の4領域について、それぞれの工程の流れを示す全体マップ

Webデザインは要件整理からワイヤーフレーム、デザインカンプ、素材書き出しまでの工程で構成されます。Web制作は設計・要件定義からコーディング、CMS構築、公開・保守までを含みます。SNS運用代行は投稿企画から投稿制作、投稿・スケジュール管理、分析・レポートまでの工程があり、ショート動画は企画・構成から撮影、編集・テロップ、書き出し・投稿までの流れになります。

「対応できます」とひとことで伝えるだけでは、相手はどの工程まで任せられるのかを判断できません。工程単位まで分解して伝えることで、相手は自社の制作フローのどこに自分を当てはめられるかを具体的に検討できるようになります。

✓ Point !
領域名ではなく工程単位で伝える

Web制作ができますとひとことで伝えるのではなく、コーディングとWordPressでのサイト構築ができ、独自システムの開発は対応していませんのように、工程単位で伝えましょう。工程単位まで具体化しておくと、面談での認識のずれを防げます。

Q
確認クイズ
Web制作会社に「Web制作全般に対応できます」とだけ伝えて営業した場合に起こりやすい問題はどれか?
正解です!
領域名だけで対応範囲を伝えると、相手はどの工程まで任せられるか判断できず、対応できない工程まで任されてしまう可能性があります。工程単位まで具体化して伝えましょう。
惜しい!
正解はAです。領域名だけの説明は、単価や納期、面談回数を自動的に変えるものではなく、対応範囲の認識のずれを生む原因になります。

記入シート:領域別の対応範囲

4領域それぞれについて、できる工程・できない工程・使用ツールを記入していきましょう。すべての領域を埋める必要はなく、対応していない領域は「対応領域外」と記入して構いません。

Webデザイン・Web制作・SNS運用代行・ショート動画について、できる工程・できない工程・使用ツールを記入してください。

領域できる工程できない工程使用ツール
Webデザイン
Web制作
SNS運用代行
ショート動画

入力内容はこのブラウザに保存され、次回このページを開いたときに復元されます。別の端末・ブラウザからは見れません。
ただしブラウザのキャッシュをクリアすると消えてしまうため、大事な内容はメモやNotionにも控えておくと安心です。

「できない工程」を書き出す作業は、後ろ向きに見えるかもしれませんが、実際には相手との認識のずれを防ぐための重要な情報です。できない工程を先に伝えておくと、相手はその工程を自社で担当するか、別のパートナーに任せるかを事前に判断できます。

記入例2パターン

記入に迷う場合は、次の完成イメージと2つの記入例を参考にしてください。

領域できる工程できない工程使用ツール
Webデザインワイヤーフレーム、デザインカンプ作成大規模なブランドガイドライン策定Figma、Photoshop
Web制作簡易的なコーディング、WordPressでの更新作業独自システムの開発HTML/CSS、WordPress
SNS運用代行投稿企画、投稿制作(画像・文章)大量アカウントの一括運用Canva、Instagram管理画面
ショート動画企画・構成、スマートフォンでの撮影・簡易編集本格的な撮影機材を使った編集CapCut

パターン1:Web制作特化型

領域できる工程できない工程使用ツール
Webデザインバナー・LP用の簡易的なデザインカンプ作成大規模なブランドデザイン、UI設計全般Figma
Web制作HTML/CSS/JavaScriptによるコーディング、WordPressでのサイト構築大規模なシステム開発、独自CMSの構築HTML/CSS/JavaScript、WordPress
SNS運用代行対応領域外投稿企画・投稿制作全般なし
ショート動画対応領域外撮影・編集全般なし

パターン2:複数領域対応型

領域できる工程できない工程使用ツール
Webデザインワイヤーフレーム、デザインカンプ作成大規模なブランドガイドライン策定Figma、Photoshop
Web制作簡易的なコーディング、WordPressでの更新作業独自システムの開発HTML/CSS、WordPress
SNS運用代行投稿企画、投稿制作(画像・文章)大量アカウントの一括運用Canva、Instagram管理画面
ショート動画企画・構成、スマートフォンでの撮影・簡易編集本格的な撮影機材を使った編集CapCut

2つのパターンを比べると、対応する領域の数は違っても、できる工程とできない工程の両方を具体的に書いている点は共通しています。1領域に特化する場合も、複数領域に対応する場合も、境界線をはっきりさせることが、営業先に安心して任せてもらうための土台になります。

Q
確認クイズ
対応していない領域がある場合、対応範囲シートの書き方として適切なのはどれか?
正解です!
対応していない領域は「対応領域外」と明記し、できない工程として記録します。今の自分の状態を正確に書くことが、相手との認識のずれを防ぎます。
惜しい!
正解はBです。行を削除したり、今の自分の状態と異なる内容を書いたりすると、実際の対応範囲が伝わらなくなります。
上の記入シートに実際に記入し、4領域の対応範囲を確定させましょう。
SUMMARY
  1. Webデザイン・Web制作・SNS運用代行・ショート動画は、それぞれ複数の工程で構成される
  2. 領域名ではなく工程単位で対応範囲を伝えると、面談での認識のずれを防げる
  3. 対応範囲シートにはできる工程・できない工程・使用ツールの3列を記入する
  4. できない工程を明記することも、相手が判断するための重要な情報になる
  5. 対応する領域の数にかかわらず、境界線をはっきりさせることが土台になる
CHECK
理解度チェック
4領域それぞれの工程の流れを説明できるか?
Webデザインは要件整理からデザインカンプ・素材書き出しまで、Web制作は設計から公開・保守まで、SNS運用代行は投稿企画から分析・レポートまで、ショート動画は企画から書き出し・投稿までの工程で構成されます。
領域名ではなく工程単位で伝える理由を説明できるか?
領域名だけでは相手がどの工程まで任せられるか判断できず、対応できない工程まで任される可能性があるためです。
自分の対応範囲を、できる工程・できない工程・使用ツールで整理できるか?
対応していない領域も「対応領域外」と明記し、今の自分の状態を正確に記録します。

CHAPTER 1
稼働・連絡・納期条件
LESSON 1-4 営業先と自分の提供条件を整理する ⏱ 所要時間:約15分
レッスン解説動画
GOAL
このレッスンのゴール
  • 週・月の稼働、対応時間、返信目安、会議可否、緊急対応、同時案件数、最短納期の7項目を説明できる
  • 7項目を現実的な内容で提供条件シートに記入できる
  • 記入例を参考に、自分の稼働状況に合った条件を定められる

前のレッスンでは、4領域について自分の対応範囲を整理しました。このレッスンでは、対応範囲に加えて、稼働・連絡・納期に関する条件を提供条件シートにまとめます。この条件シートは、Chapter 1の成果物の1つであり、次のChapterで作る営業文やスキルシートにもそのまま使います。

面談で稼働条件を伝えないまま案件を受けた受講生がいます。実際に案件が始まると、想定より多くの修正対応や急ぎの連絡が重なり、本業と両立できないほど稼働時間を圧迫されました。稼働・連絡・納期の条件を先に伝えていれば、相手も無理のない範囲で依頼を調整できたはずです。

条件項目7つの解説

提供条件シートには、次の7項目を記入します。いずれも、営業を始める前に自分の中で現実的な数値・基準を決めておく項目です。

条件項目7つ
週・月の稼働
1週間・1ヶ月あたり、制作に充てられる時間の目安。本業や学習との両立を踏まえて決めます。
対応時間
連絡や打ち合わせに対応できる曜日・時間帯。
返信目安
メッセージを受け取ってから返信するまでの目安時間。
会議可否
オンライン会議に参加できるか、参加できる曜日・時間帯はいつか。
緊急対応
急な修正依頼や差し込み対応に、どこまで応じられるか。
同時案件数
同時に進行できる案件の数。
最短納期
依頼を受けてから納品までの、無理のない最短期間。

この7項目は、品質や実績と違って、自分の生活リズムと直接結びついています。実態より条件を高く見せてしまうと、案件が始まってから対応しきれなくなり、結果的に品質や納期を守れなくなります。反対に、条件を具体的に決めておくと、相手は依頼のタイミングや量を調整しやすくなり、双方にとって無理のない関係を築けます。

✓ Point !
条件は実態より少し余裕を持たせて決める

週・月の稼働や同時案件数は、今の生活でぎりぎり対応できる量ではなく、多少の予定変更があっても守れる量で決めましょう。余裕を持たせておくことで、緊急対応が発生したときにも品質を落とさずに対応できます。

Q
確認クイズ
本業と両立しながらパートナー営業を始める受講生が、週の稼働時間を決める際に意識すべきことはどれか?
正解です!
週・月の稼働は、本業や学習との両立を踏まえて、無理なく続けられる時間数で決めます。実態より多く見せると、対応しきれなくなる原因になります。
惜しい!
正解はBです。他人に合わせたり、印象をよくするために実態より多い時間数を伝えたりすると、案件が始まってから対応しきれなくなります。

記入シート:提供条件シート

7項目それぞれについて、今の自分にとって現実的な内容を記入しましょう。

週・月の稼働、対応時間、返信目安、会議可否、緊急対応、同時案件数、最短納期を記入してください。

項目記入欄
週・月の稼働
対応時間
返信目安
会議可否
緊急対応
同時案件数
最短納期

入力内容はこのブラウザに保存され、次回このページを開いたときに復元されます。別の端末・ブラウザからは見れません。
ただしブラウザのキャッシュをクリアすると消えてしまうため、大事な内容はメモやNotionにも控えておくと安心です。

記入例2パターン

記入に迷う場合は、完成イメージと次の2つの記入例を参考にしてください。稼働時間の多さではなく、自分の生活リズムに合った内容になっているかを確認しましょう。

項目記入例(本業ありの兼業パターン)
週・月の稼働週8〜10時間程度
対応時間平日20時〜23時、土日は日中も対応可
返信目安平日は24時間以内、土日は当日中
会議可否平日夜と土日であれば参加可能
緊急対応平日夜の時間帯であれば当日中に対応可能。日中の緊急対応は難しい
同時案件数1〜2件まで
最短納期依頼から1週間程度

パターン1:本業ありの兼業

週・月の稼働週8〜10時間程度
対応時間平日20時〜23時、土日は日中も対応可
返信目安平日は24時間以内、土日は当日中
会議可否平日夜と土日であれば参加可能
緊急対応平日夜の時間帯であれば当日中に対応可能。日中の緊急対応は難しい
同時案件数1〜2件まで
最短納期依頼から1週間程度

パターン2:フル稼働

週・月の稼働週30時間以上
対応時間平日9時〜18時が中心
返信目安数時間以内
会議可否平日日中の会議に幅広く対応可能
緊急対応平日日中であれば当日中に対応可能
同時案件数3〜4件まで
最短納期依頼から3〜4日程度

2つのパターンを比べると、稼働時間や同時案件数には大きな差がありますが、どちらも自分の生活リズムに沿った現実的な内容になっている点は共通しています。稼働時間が短いこと自体は問題ではなく、実態と異なる条件を伝えてしまうことの方が、後々の信頼を損ないます。

Q
確認クイズ
本業ありの兼業パターンで、週8〜10時間の稼働と記入した受講生が、営業先に良い印象を持ってもらうためにすべきこととして適切なのはどれか?
正解です!
実態どおりの条件を伝えることが、継続的な信頼につながります。稼働時間が短くても、見合う同時案件数や納期とセットで伝えれば、相手は依頼を調整しやすくなります。
惜しい!
正解はBです。条件を偽ったり曖昧にしたりすると、案件が始まってから対応しきれなくなり、信頼を損ないます。
上の記入シートに実際に記入し、Chapter 1の成果物である提供条件シートを完成させましょう。
SUMMARY
  1. 提供条件シートには週・月の稼働、対応時間、返信目安、会議可否、緊急対応、同時案件数、最短納期の7項目を記入する
  2. 条件は実態より少し余裕を持たせて決め、緊急対応にも対応できるようにする
  3. 稼働時間の多さではなく、実態と一致しているかどうかが信頼を左右する
  4. 本業ありの兼業でもフル稼働でも、生活リズムに沿った現実的な条件であれば問題ない
  5. この提供条件シートは、次のChapterで作る営業文やスキルシートにそのまま使う
CHECK
理解度チェック
条件項目7つをすべて答えられるか?
週・月の稼働、対応時間、返信目安、会議可否、緊急対応、同時案件数、最短納期の7項目です。
条件に余裕を持たせて決める理由を説明できるか?
ぎりぎりの量で決めると、緊急対応が発生したときに品質や納期を守れなくなるためです。多少の予定変更があっても守れる量で決めておきます。
本業ありの兼業でも、営業先に信頼してもらえる条件の伝え方を説明できるか?
稼働時間を偽らず、実態どおりの時間と、それに見合う同時案件数・納期をセットで伝えます。