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Adobe Photoshop|18章 色調補正の方法を学ぼう
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18章 色調補正の方法を学ぼう

この章では、Adobe Photoshopを使用して色調補正の基本を学びます。
写真や画像編集において、色調補正は非常に重要な技術であり、適切な色調補正を行うことで、画像の印象を大きく変えたり、より魅力的に仕上げたりすることができます。
この章を通じて、写真や画像をより魅力的に、そして目的に合わせて効果的に編集する方法を身につけていきましょう。

【18-1】色調補正とは

色調補正とは、画像の明るさ、コントラスト、色合いを調整して、視覚的な印象を向上させる処理です。
これにより、画像の雰囲気や焦点を変更したり、色のバランスを整えたりすることができます。
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色調補正のできること
  • 暗い画像を明るくする
  • 赤みを強める
  • 画像の一部を別の色に変更する
注意事項
  • Photoshopには様々な色調補正用の機能が準備されています。
  • 使用目的に合わせた補正を行うことが非常に重要で、元の色に忠実に補正をするべきなのか、より美しさを重視する補正を行うのかなど考えていく必要があります。
    • 例えば、オンラインショップ(ECサイト)に掲載する写真を補正する場合には、元の商品の色を再現するような補正をする必要があります。

【18-2】色調補正の基本操作

「メニューバー: イメージ > 色調補正」 から使用する画像の目的に合わせて選択します。
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色調補正を利用する方法

  • 本章では、メニューバーの イメージ > 色調補正 から行う方法の解説となります。
    • この方法の大きな特徴は、 画像に直接補正を行う方法になるため、元の状態を保持しない方法となります。
  • もう一つの方法は、レイヤーを使用する方法になります。こちらの方法は次の章で学びます。
    • レイヤーマスクと同じように、 元の画像を保持しながら補正をする方法になります。
本章では、各色調補正機能の役割に焦点を当てて解説します。まずはツールの基本的な使い方をしっかり押さえていきましょう!

【18-3】色調補正の活用例

写真の色を補正できる機能

  • 色相・彩度
    • 色相、彩度、および明度を個別に調整することで、特定の色を強調したり、全体の色味を変えたりすることができます。
      また、特定の色域のみを選択して調整することも可能です。
    • Photoshopで特定の色を変更したい時によく使う機能です。

1. 色相

色の変更
色相のスライダーを動かすことで、画像全体または特定の色域の色を変えることができます。
例えば、青空を緑色にしたり、赤い花を青に変えたりすることが可能です。

2. 彩度

色の濃さの変更
彩度のスライダーを動かすことで、色の鮮やかさ(ビビッドさ)を調整します。
彩度を上げると色がより鮮やかになり、下げるとモノクロに近づきます。

3. 明度

明るさの変更
明度のスライダーを動かすことで、色の明るさを調整できます。
明度を上げると色が明るくなり、下げると色が暗くなります。
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4. 特定の色域

選択的な色域の調整
ドロップダウンメニューから特定の色域(レッド、イエロー、グリーン、シアン、ブルー、マゼンタなど)を選び、その色域だけを調整することができます。
これにより、特定の色だけを強調したり、変更したりすることができます。

5. マスター

全体の調整
「マスター」を選択すると、画像全体の色相、彩度、明度を調整することができます。
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【18-4】演習:写真の色を変更してみよう

演習課題

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作業手順

1. プリセットを選択すると、あらかじめ用意された設定を適用できます。
初期設定にすると最初の状態に戻せます。
2. マスターが選択されている状態で色相・彩度・明度のレンジを動かすと写真全体の色が変わります。
3. 特定の色だけを変更したい場合は、指のマーク(画像上で色を調整)をクリックしてから、画像内の変更したい箇所をドラッグします。
4. 特定の部分の色を変更したときに調整を行いたい場合は、パネルの下部にあるレンジの範囲を動かすことで色変更の範囲を調整できます。
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5. 色彩の統一へチェックを入れると画像全体の統一された色で表示されます。

【18-5】写真の明るさを補正できる3つの機能

明るさ・コントラスト

  • 画像全体の明るさとコントラストを手軽に調整することができる基本的なツールです。
  • 暗い写真を明るく、明るすぎる写真の明るさを下げることができます。
  • コントラストの補正ができるので、色をより鮮やかにしたり、背景より被写体を目立たせるなど写真の全体的な印象を変えることができます。
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  • 明るさのレンジを右に伸ばすと明るくなり、左へ伸ばすと暗くなります。
  • コントラスト(メリハリ)を右へ伸ばすとコントラストが強くなり、左へ伸ばすとコントラストが弱くなります。
明るさ・コントラストの特徴
  • シンプルな操作:
    スライダーを動かすだけで調整できるため、操作が非常に簡単です。
  • 全体的な影響:
    画像全体に均等に影響を与えるため、細かい部分の調整は不向き

レベル補正

  • レベル補正では、画像のシャドウ(暗いところ)・中間調(中間の明度)・ハイライト(明るいところ)を個別に調整できます。
  • 補正を行う際に表示される「ヒストグラム」を使うことで、画像の明るさの傾向や補正すべき部分、補正の程度を把握できます。
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レベル補正の特徴
  • 精密な調整
    • シャドウ、中間調、ハイライトを個別に調整できます。
  • ヒストグラム表示
    • ヒストグラムを確認しながら調整できるため、画像の明るさの分布を視覚的に把握しやすくなります。
      • ヒストグラムは画像の明るさの分布を示すグラフです。
      • 横軸は明るさのレベル(0が黒、255が白)、縦軸はそのレベルのピクセル数を表します。ヒストグラムを理解することで、画像の露出や色調のバランスを視覚的に把握できます。
      • 縦軸のピクセル数は横軸の明るさの各段階に応じたピクセルの数を示しているので、両端にピクセル数が多い傾向にある画像はコントラストが強いなどの画像の傾向を知ることができます。
  • 色チャンネルごとの調整
    • RGB各チャンネルごとにレベルを調整でき、カラーバランスの微調整に適しています。
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レベル補正を使用してみる

1. プリセットを選択すると、元から準備されている設定で補正できます。
2. 自動的な補正もできます。
3. スライダーで調整を行う
シャドウスライダーを右に動かすと、画像の暗い部分がより暗くなる。
ハイライトスライダーを左に動かすと、画像の明るい部分がより明るくなる。
中間調はシャドウとハイライトの中間なので、右に動かすと暗い部分が増え、左に動かすと明るい部分が増えます。
4. 一番下部にあるレンジは、左が暗さの最大値で右が明るさの最大値を調整することができます。

トーンカーブ

画像内で補正したい特定の箇所をピンポイントで調整できます。
レベル補正と同じようにヒストグラムを使用して調整をかけていきます。
レベル補正との主な違いは、シャドウ・中間調・ハイライトの3点だけでなく、カーブ上に任意の調整ポイントを自由に追加できる点です。また、色味の調整を行うことができます。
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トーンカーブの特徴
  • 自由度の高い調整
    • カーブを使って、任意のポイントで調整可能
  • 細かい部分のコントロール
    • シャドウ、中間調、ハイライトをより細かく調整できる
  • 色チャンネルごとの調整
    • RGB各チャンネルごとに色味の調整可能

ヒストグラムの見方

1. RGBが選択されている時の見方(一般的な見方です)
チャンネルが、RGBに表示されている時は、横軸は画像のピクセルの持つ明るさで、縦軸は中央の斜めの線で変更した明るさを示します。
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2. レッド、グリーン、ブルーそれぞれが選択されている場合の見方
トーンカーブの色チャンネルごとの調整では、それぞれの色味を加えることができます。
ここで、重要なのは、明るさの対比に暗い↔明るいがあるように、RGBのそれぞれの色味にも対比する色があります。

レッド ↔ シアン
グリーン ↔ マゼンダ
ブルー ↔ イエロー

チャンネルがいずれかの色になっているときは、チャンネルがRGBで設定されている時の縦軸の意味合いと違います。横軸は通常通りピクセルの明るさですが、縦軸はこれから変えたい色になります。
変えたい色の対比が上記に記載した色となります。
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トーンカーブを使用してみる

1. トーンカーブを動かす
2. 指のマークを使用すると画像から調整をした場所を選んで操作できる
3. S字カーブでかけるとコントラストをはっきりさせることができる
4. レッドで色味を変える
5. レッドとブルーを併せてオレンジの色味をたす

【18-6】演習:写真の色被りを補正できる機能

演習課題

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色被りとは

色被りとは、写真全体が特定の色味を帯びてしまい、目で見たときの色と異なって見える状態のことです。
原因としては、太陽光や蛍光灯などの光やカメラの設定の仕方によって起こります。
青みがかっている、黄色みがかっているような特定の色に偏っている様な印象を受ける時も色被りが起こっている状態です。このような状態になった時は、RGBの色のバランスを整えれば元の印象に戻すことができます。

カラーバランス

カラーバランスは、画像の色のバランスを整えることができる機能です。色被りで特定の色味が偏ってしまっている時にバランスを整えて印象を変えることができます。
トーンカーブを学んだ時に、RGBの対比になる色を学びましたが、カラーバランスでも活用できます。

例えば、黄色が強い場合は、対比であるブルーを加えることで黄色みを抑えることができます。
RGBそれぞれの色味の対比

レッド ↔ シアン
グリーン ↔ マゼンダ
ブルー ↔ イエロー

【18-7】演習:色調補正をやってみよう

実際に色調彩度で壁の色を調整してみましょう!

演習課題

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【18-8】演習:トーンカーブで空を朝日から夕日に調整

演習課題

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【18-9】演習:色被りをカラーバランスで調整

演習課題

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これで18章「色調補正の方法を学ぼう」の解説を終わります。
次の章に進みましょう。
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