第3章
ワイヤーフレーム — 見た目より先に何をどこに置くかを決める
レッスン 3-4 情報設計とUI設計 ⏱ 所要時間:約150分
GOAL
このレッスンのゴール
⏱ 約150分
  • ワイヤーフレームで決めること(要素の配置と優先順位)と、この段階では色や装飾を決めないことを説明できる
  • Figmaで身につけた操作を使い、何を置くかの判断は画面フローとリサーチをもとに自分で下せる
  • 予約フローを中心に各画面のワイヤーフレームを作り、迷わず予約に到達できるかを自己点検して仕上げられる
通し課題

前回(3-3)では、リフトの情報を整理してサイトマップ(IA図)と画面フローを作りました。今回はその画面フローをもとに、予約フローを中心に各画面のワイヤーフレームを組みます。仕上げる成果物は、各画面の骨組みをまとめたワイヤーフレームです。

このレッスンでやるのは、リフトの予約サービスのワイヤーフレームを作ることです。ワイヤーフレームは、色や写真や装飾を入れる前に、それぞれの画面へ何をどこに置くかを決めた骨組みの設計図です。第1章で見たUXデザインの流れでは、リサーチと要件定義のあとに画面をかたちにします。ワイヤーフレームはその最初の工程で、前回(3-3)の画面フローをもとに、予約フローを中心に画面ごとの要素と並び順を決めます。Figmaの操作は、Figma教材で見本を模写しながらすでに身につけました。今回はその操作技術を使って、リフト向けに0から骨組みを組み立てます。見た目を整えるのは次のレッスンなので、まずは何をどこに置くかをここで固めます。

ワイヤーフレームは何をどこに置くかを決める工程

ワイヤーフレームは、画面に何をどこに置くかを決めた骨組みの図です。色・写真・フォント・装飾は入れず、要素の位置と大きさ、並ぶ順番だけを、グレーの四角と線で表します。

見本:ワイヤーフレーム(リフト「予約|日時選択」画面/グレースケール)
ロゴ
見出し
カレンダー(日を選ぶ)
時間帯を選ぶ
メニュー選択
ボタン|予約に進む
補足(料金・キャンセル規定)

四角=要素の枠/横線=テキスト/斜線・バツ=画像・ロゴ。色や装飾は入れず、上にある・大きい要素ほど優先度が高いことを、位置と大きさだけで表しています。

色や装飾を先に作り込むと、見た目の印象に気を取られて、肝心の要素の配置や優先順位の検討が後回しになります。骨組みだけにしておくと、何をどこに置くかという判断そのものに集中できます。修正も、線と四角を動かすだけで済むので速くなります。

✓ Point !
見た目は次の工程に回す

この段階のゴールは、きれいな画面ではありません。予約したい人が迷わず操作できる並びになっているかを、骨組みの形で確かめることです。色やフォントを決めるのは次のレッスン(3-5)なので、ここでは配置と優先順位だけに集中します。

Q
確認クイズ 1/3
ワイヤーフレームを作るこの段階で決めることとして、最も適切なのはどれでしょう?
正解です!
骨組みの段階では、要素の配置と並び順に集中します。色・写真・フォントなどの見た目は次のレッスンで決めます。先に見た目を作り込むと、配置の検討がおろそかになりがちです。
惜しい!
この段階で決めるのは、要素の配置と並び順(B)です。色・写真・フォント(A・C・D)は見た目の工程で、ワイヤーフレームより後に決めます。骨組みに集中するために、あえて装飾を入れません。

Figmaで学んだ操作を0からの骨組み作りに応用する

ワイヤーフレームはFigmaで作ります。Figmaの操作は、Figma教材ですでに身につけています。あの教材では、配布された見本をワイヤーフレームから模写して、フレームの作り方や要素の配置、整列といった操作を練習しました。

今回は見本がありません。何をどこに置くかは、第2章で固めた要件や価値と、前回(3-3)で作った画面フローをもとに、自分で決めます。操作の手順は模写のときと同じでも、置くものの判断を自分で下すところが違いです。だからまず、前回の画面フローを手元に開いておきましょう。どの画面がどの順でつながるかが決まっていれば、あとはその一枚ずつに要素を置くだけです。

✓ Point !
操作は同じ、判断は自分で

Figma教材で覚えた操作は、そのまま使えます。違うのは、置くものを見本任せにせず、これまでのリサーチと画面フローを根拠に、リフトの利用者に合わせて自分で決める点です。この判断こそ、模写では扱わなかった部分です。

Q
確認クイズ 2/3
リフトのワイヤーフレームで、各画面に何を置くかを決める根拠として最も適切なのはどれでしょう?
正解です!
今回は見本の模写ではありません。誰のために何を届けるかは、これまでのリサーチと画面フローに根拠があります。それをもとに、リフトの予約で迷わない配置を自分で決めます。Figmaの操作は使い、判断は自分で下します。
惜しい!
見本や人気アプリのまね(A・C)では、リフトの利用者に合う配置になりません。根拠になるのは、これまでのリサーチと画面フロー(B)です。操作はFigma教材のものを使い、置くものの判断は自分で下します。

4ステップで予約フローの骨組みを組む

ここからは、骨組みを組む手順です。予約フローを中心に、次の4ステップで進めます。1画面ずつ要素を書き出して並べ、画面をつなぎ、最後に自己点検します。

✗ 悪い例
料金メモ
メニュー
予約に進む
日付
注意書き
時間帯

要素がすべて同じ大きさで順不同に並び、最も押してほしい「予約に進む」が埋もれている。どこから操作するか分からない。

◯ 良い例
予約に進む

上から重要順に並べ、日時の要素をグループ化。最も重要な「予約に進む」を大きく目立たせ、補足は下に小さく。迷わず操作できる。

STEP1:画面ごとに必要な要素を書き出す

画面フローに並んだ画面を1枚ずつ見て、その画面に必要な要素をすべて書き出します。予約の日時を選ぶ画面なら、日付、時間、メニュー、予約するボタンといった具合です。この時点では並び順は気にせず、漏れなく挙げることを優先します。

画面その画面に置く主な要素の例(リフトの予約フロー)
トップジムの簡単な紹介、予約するへの導線、料金・アクセスへのリンク
予約(日時選択)カレンダー、空き時間、メニューの選択、次へ進むボタン
予約内容の入力名前、連絡先、選んだ日時の確認、送信ボタン
予約完了完了したことの表示、予約内容、トップへ戻る導線

STEP2:優先順位を決めて上から置く

書き出した要素に優先順位をつけ、その画面で最もしてほしい操作を上のほう・目立つ位置に置きます。優先度の低い情報は下や別の画面に回します。この段階では色で目立たせず、位置と大きさで優先順位を表します。

STEP3:予約フローの画面をつなぐ

画面フローで決めた順に、各画面のボタンから次の画面へ線や矢印でつなぎます。どのボタンを押すと、次のどの画面に進むかが、ひと目で分かる状態にします。

STEP4:迷わず予約に到達できるか自己点検する

最後に、利用者になったつもりで、トップから予約完了までを実際にたどります。押す場所に迷う画面や、戻れなくなる箇所、抜けている画面がないかを確認し、あれば骨組みのうちに直します。

✓ Point !
優先順位は位置と大きさで表す

その画面で最もしてほしい操作を、上・目立つ位置に、大きめに置きます。予約の日時選択画面なら、日時を選んで予約に進む導線がそれにあたります。色をまだ使えない分、位置と大きさが優先順位を伝える手がかりになります。

Q
確認クイズ 3/3
予約フローの各画面に要素を並べるとき、優先順位のつけ方として適切なのはどれでしょう?
正解です!
各画面には、そこで最もしてほしい操作があります。それを上・目立つ位置に大きめに置くと、利用者は迷いません。骨組みの段階では装飾で飾るのではなく、位置と大きさで優先順位を表します。
惜しい!
優先順位は、最もしてほしい操作を上・目立つ位置に大きめに置くこと(B)で表します。装飾で飾る(A)のは見た目の工程です。ワイヤーフレームでは、位置と大きさだけで優先順位を示します。

演習:リフトのワイヤーフレームを作る

ここからは実際に手を動かします。前回の画面フローとこれまでのリサーチを手元に開き、Figmaでリフトの予約サービスのワイヤーフレームを作ります。予約フローを中心に、各画面の骨組みを組みます。

リフト
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日付
15161718192021
時間帯
18:0019:0020:00
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お名前
氏名を入力
連絡先
メールアドレス
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予約内容の入力
予約完了
✓ 予約が完了しました
ホームへ戻る
予約完了
図:色・装飾を入れないワイヤーフレーム一式が、今回作る成果物(次章のUIデザインの土台)。
! 注意
色・装飾はまだ入れない

この段階で色・写真・フォント・装飾に手を出すと、要素の配置や優先順位の検討が止まります。ワイヤーフレームはグレーの四角と線だけで組み、見た目は次のレッスン(3-5)で決めます。骨組みが固まるまでは、あえて装飾を入れないでください。

演習 3-4
📋 事前準備
  • 前回(3-3)のサイトマップと画面フローを、手元に開いておく
  • これまでのリサーチ成果物(ゴール定義シート・ペルソナなど)を開いておく
  • Figmaを開き、新しいファイルを1つ用意する

STEP 1:予約フローの各画面に必要な要素を書き出す

  • 画面フローを見て、予約に関わる画面(トップ/予約の日時選択/予約内容の入力/予約完了 など)を1枚ずつ確認する
  • 各画面に必要な要素を、並び順は気にせずすべて書き出す(上の表を参考に、リフトに足りない要素を補う)

STEP 2:優先順位を決めて上から置く

  • 書き出した要素に優先順位をつけ、その画面で最もしてほしい操作を上・目立つ位置に置く
  • 目立たせ方は色ではなく、位置と大きさで表す
  • 優先度の低い情報は、下や別の画面に回す

STEP 3:予約フローの画面をつなぐ

  • 画面フローで決めた順に、各画面のボタンから次の画面へ線や矢印でつなぐ
  • どのボタンを押すとどこへ進むかが、ひと目で分かる状態にする

STEP 4:迷わず予約に到達できるか自己点検する

  • 利用者になったつもりで、トップから予約完了まで実際にたどってみる
  • 押す場所に迷う画面、戻れない箇所、抜けている画面がないかを確認し、骨組みのうちに直す

完了条件(作成物:ワイヤーフレーム)

  • ワイヤーフレーム(予約フローを中心に、各画面の要素の配置と優先順位、画面のつながりを示したもの。色・装飾は入れず、グレーの四角と線で構成する)

UIの見た目を作り込む前に、骨組みの段階で迷いや漏れを直しておくと、あとの手戻りが少なくなります。次のレッスンでは、このワイヤーフレームに色やフォントを載せて、UIデザインに仕上げます。

CHECK
理解度チェック
ワイヤーフレームで決めることと、この段階で決めないことを説明できる
ワイヤーフレームで決めるのは、各画面の要素の配置と優先順位、そして画面のつながりです。色・写真・フォント・装飾は入れず、グレーの四角と線で骨組みだけを組みます。見た目を決めるのは次のレッスン(3-5)でした。先に装飾を作り込むと、配置の検討が後回しになります。
Figmaの操作を応用しつつ、何を置くかの判断を自分で下せる
Figmaの操作はFigma教材で見本を模写して身につけました。今回はその操作を使いながら、何をどこに置くかは見本任せにせず、これまでのリサーチと前回の画面フローをもとに、リフトの利用者に合わせて自分で決めます。操作は同じでも、判断を自分で下すところが模写との違いです。
4ステップで予約フローの骨組みを組み、自己点検できる
STEP1で画面ごとに必要な要素を書き出し、STEP2で優先順位をつけて上から置き、STEP3で画面をつなぎ、STEP4でトップから予約完了までをたどって点検します。優先順位は色ではなく、位置と大きさで表すのがポイントでした。迷う箇所や抜けは、骨組みのうちに直します。